レビュー
聖地巡礼の行き先がまたひとつ

ガチ勢が傑作認定! PS5「Ghost of Tsushima Director’s Cut」レビュー

PS4向けタイトルとして2020年7月にされ、数多くのゲームアワードに輝いたオープンワールド時代劇アクション「Ghost of Tsushima」の"Director’s Cut"がPS5/PS4向けに登場しました。本作は、PS4「Ghost of Tsushima」本編に加え、舞台を対馬から壱岐に移した完全新規のストーリー「壹岐之譚」が追加されているうえに、PS5版はグラフィックやFPSなどが向上しており、より美しい対馬を堪能できます。PS4版「Ghost of Tsushima」本編を最高難易度「万死」でクリアするほどやり込んだ筆者が、「Ghost of Tsushima Director’s Cut」の魅力を解説していきます。

「Ghost of Tsushima Director’s Cut」とは? PS5ならではの新要素も

PS4「Ghost of Tsushima」は、中世日本(1274年〜)の鎌倉時代中期にあったモンゴル帝国(元朝)と高麗による日本侵攻の「元寇(蒙古襲来)」をテーマにした、剣劇アクションが主体のオープンワールドRPGです。

「Ghost of Tsushima」は、「The Game Awards 2020」の2部門で受賞するなど、メディアだけでなくユーザーからも高い評価を得たタイトル。筆者もプレイして、中世日本の対馬を美しく描いた情景、侍の心情が魅せるわびさび、ピストルではなく刀を駆使したバトルシステムなど、日本人にビジバシ刺さるポイントが盛りだくさんで、語り出すと止まらないレベルで激ハマりしました。

なお、「Ghost of Tsushima」の詳しいレビューは以下の記事からご確認ください。

PS4「Ghost of Tsushima」は2020年ベストゲームの筆頭候補! 心を鷲づかみにする面白さとは?

「Ghost of Tsushima Director’s Cut」は、Director’s Cutとタイトルにある通り、本編にさまざまな要素が追加されており、その詳細は以下の通りです。

・「Ghost of Tsushima」本編
・追加ストーリー「壹岐之譚」
・オンライン協力プレイモード「Legends/冥人奇譚」
・技会得用「技量」1点
・八幡神の護符
・「対馬の英雄」スキンセット

「Ghost of Tsushima」を未プレイの人は本編を含むすべてのストーリーやプレイモードが楽しめ、「Ghost of Tsushima」をプレイ済みの人は追加ストーリーで新たな冒険が味わえるわけです。

すでに「Ghost of Tsushima」を持っている人は、フルプライスではなく3,300円(税込)で「Ghost of Tsushima Director’s Cut」へとアップグレードできます。PS4からPS5へのセーブデータ移行にも対応しており、これまでの装備やスキルをそのまま引き継いで、壱岐の戦いへと挑めるようになっているのもうれしいポイントです。

なお、PS5版は、最大60fps、ダイナミック4K解像度のグラフィックとなり、PS4版を超える美しい映像美を実現しています。PS5による描写はまさに息をのむ絶景で、ススキや藤の花が一面に咲き乱れる場面は、ずっと見ていられるほど和風の“美”が感じられました。

また、PS5専用のコントローラー「DualSense」によるハプティックフィードバック(振動機能)が実装され、オーディオも強化されています。個人的には、ハプティックフィードバックはPS4よりは多少リアルになったかな、という程度でしたが、オーディオはより立体的に表現されており、たとえば、話している人に背を向けると声が聞こえなくなるというように、没入感がアップしています。

主人公の過去に迫る「壱岐」を舞台にした追加ストーリー

「Ghost of Tsushima」のメインストーリーは長崎県の対馬が舞台になっていますが、「Ghost of Tsushima Director’s Cut」の追加ストーリー「壹岐之譚」では、対馬と本州の間に位置する島「壱岐」に渡り、蒙古軍との戦いが描かれます。

本編で主人公である境井 仁は、侍の誉れに背いてでも蒙古軍に打ち勝つべく、暗器に闇討ちなど侍道に反するような「冥人(くろうど)」として対馬を奔走し、民衆の信頼を得て対馬の英雄となっていきます。いっぽう、追加ストーリーの「壹岐之譚」では住人と争った過去の出来事から、境井家は憎しみのシンボルとなっており、対馬とは正反対の扱いを受けているという立場で描かれます。

それでも、境井 仁は家紋を隠して島に乗り込んでいき、蒙古軍の侵攻を受ける壱岐の民を救うべく奮闘します。本編は境井 仁の生き様を描くストーリーでしたが、「壹岐之譚」では亡き父親の背中を追い、「境井家」の歴史をなぞっていくというというストーリーとなっています。

ネタバレになるためあまり詳しくは書けませんが、「壹岐之譚」は本編のストーリーと異なり、「冥人(くろうど)」ではなく「侍」としての境井 仁が描かれています。父親がどのように壱岐で最期を遂げたのか、少年の頃にそれを間近で見た境井 仁が再び壱岐に渡ってどのように志を持つべきなのか……。そんな境井 仁の葛藤を描く追加ストーリーとなっていました。

「Ghost of Tsushima」にハマった人なら、本編だけでは知り得ない事実が穴埋めされていくため、より深く世界観に没入できる、充実感のある内容になっています。

実際にプレイして驚き! 難易度「普通」なのに強すぎる壱岐の蒙古軍

「壹岐之譚」をプレイしてみると、自分の腕前には自信を持っていたのですが、道ばたで出会う雑魚キャラ相手にすぐに死んでしまう始末。「こんなに難しかったっけ……?」と不安になり、高難易度の記録がセーブデータとともに引き継がれているのかと思ったのですが、なんと難易度は「普通」のままでした。

徐々に進めて行くと、この難易度の高さは新たに登場した新しい敵兵「呪師」の能力によるものだということがわかりました。呪師がお経を唱えると、周囲にいる敵兵が強化されてしまい、この状態では雑兵であれど苦戦を強いられるため、まずは敵集団の後方にいる呪師を真っ先に仕留める必要があるのです。この呪師の登場により、戦い方まで変わってくるのはなかなか新鮮なものがありました。

慣れてくると難易度「普通」でも戦えるようになりましたが、なかなかクリアできないという人は、場面によって難易度を「易しい」に変えてプレイしてもいいかもしれません。筆者は意地を張って難易度を変えなかったため、何度もくじけそうになりました。早々に難易度を変更しておけばよかった……(涙目)。

なお、多少寄り道しつつもストレートにメインのミッションを進めたところ、10時間ほどで「壹岐之譚」のエンディングまでたどり着きました。まだマップには未プレイのミッションが多く残っており、まだまだ遊べそう。追加ストーリーとしては満足できるボリューム感と言えます。

やり込み要素に音ゲー系の新要素も

本編ではマップのあちこちに「温泉」や「稽古台」、「各種装備」などのクリアした後でも楽しめるやり込み要素が用意されていました。「壹岐之譚」にも同様のやり込み要素が用意されており、本編では入手できない新装備や、音ゲーっぽいミニゲーム「霊地」、射的系の「弓の修練」などが楽しめます。

たとえば、「霊地」は、画面に流れる曲線の間に浮かぶ光る球を、コントローラーの傾きで操作する"電撃イライラ棒"のようなミニゲーム。成功すれば境井 仁が美しい笛の音を吹き上げて、強化アイテム「護符」の入手や強化につながります。

こういうやり込み要素って、オープンワールドゲームの醍醐味のひとつですよね。ストーリークリア後も壱岐の景色を楽しみながら、「Ghost of Tsushima」の世界にずっと浸っていられるというわけです。

「壹岐之譚」は本編より敵が強いので遊びがいがあり、完全新規ストーリーのため既視感もなく、最後までしっかり楽しめました。初見プレイの人は本編と合わせて楽しめますし、プレイ済みの人も追加ストーリーのためにアップグレードして損はない内容になっています。

筆者は、もともとPS4版「Ghost of Tsushima」を心ゆくまでやり込んでいたため、「Director’s Cutって必要かな?」と思っていたのですが、そんな自分に説教したい気分です。なお、コロナが落ち着いたら対馬へ聖地巡礼に行こうと計画しており、巡る場所がもうひとつ多くなったのは、うれしい悲鳴と言えるかもしれません。

M田Y太

M田Y太

普段はウェブメディア業界に潜伏し、休日はゲームの世界とサウナの狭間で生きるライター。

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