あれこれ通信

初挑戦の乙女ゲームや、スマホ版「妖怪ウォッチ」などが発表されたレベルファイブ新作発表会

2016年7月27日、ゲーム制作会社のレベルファイブは、千葉県・舞浜にて「LEVEL5 VISION 2016 -NEW HEROES-」と題し、新規タイトルや数々のクロスメディアプロジェクトの詳細を発表した。事前に「完全新作タイトル発表」「レベルファイブ初挑戦ジャンルの完全新作タイトル発表」などと報じられていたため、気になっていた人も多いだろう。ここでは、その発表会の模様をレポートする。

レベルファイブ代表取締役社長/CEOの日野晃博氏みずからが、当日のプレゼンテーションを進行した

レベルファイブ代表取締役社長/CEOの日野晃博氏みずからが、当日のプレゼンテーションを進行した

レベルファイブ初挑戦ジャンルの完全新作タイトルは、なんと乙女ゲーム!

「レイトン教授」シリーズや「妖怪ウォッチ」シリーズ、「ダンボール戦記」シリーズなど、幅広い年齢層にファンを持つ大ヒットタイトルを数多く手がけてきたレベルファイブ。本日開催された「LEVEL5 VISION 2016 -NEW HEROES-」は、そのレベルファイブがこれからリリースを予定しているタイトルを、いち早く知ることができるイベントだ。会場には、数多くの報道陣以外に一般のユーザーも多数入場していたが、そのほとんどが子連れ家族。子どもに人気のソフトを発売している、レベルファイブの発表会ならではの光景と言えるだろう。

ステージには、まず最初に代表取締役社長/CEOの日野晃博(ひの・あきひろ)氏が登壇。そのまま全タイトルのプレゼンテーションを行った。最初に紹介されたのは、レベルファイブとしては初のジャンルとなる乙女系ゲーム「オトメ勇者」。個性あふれる24人のスレイヤーと呼ばれるイケメンたちとともに、魔王討伐を目指していく本格的なRPGだ。iOSとAndroid向けに、今冬の配信が予定されている。キャラクターデザインを倉花千夏さん、アニメーション制作会社にA-1 Picturesを起用し、ゲームだけでなくアニメ化や書籍化などクロスメディアでの展開も予定しているとのこと。

24人のスレイヤーからパートナーとなるカレを選んでストーリーを進める。3人のスレイヤーでチームを組み、リアルタイム制で自動的に進むバトルをクリアし、ライバルたちよりも早く魔物を倒してゴールすると勝利だ

オトメ勇者となったプレイヤーは、アイテムを使ったりスキルを発動させるなど、スレイヤーたちをサポートして勝利へと導く。スレイヤーとの親密度をアップしていけば、カレのさまざまな一面が見られることも!?

「レイトン教授」シリーズ続編の主人公は教授の娘!? 「レイトン教授」新シリーズ、始動!

次は、一度は完結を迎えた「レイトン教授」シリーズの話題へと移った。全世界でシリーズ累計1550万本以上を出荷した大人気作、その新作プロジェクトがスタート! 「レイトン教授」シリーズで「ナゾ」を担当した、書籍「頭の体操」シリーズでおなじみの多湖輝(たご・あきら)さんが新シリーズを熱望していたとのことだが、残念なことに多湖さんは今年3月に他界されたため、今回のイベントを報告できなくて残念と、日野氏がくやしさをにじませながら語ったのが印象的だった。

実際のナゾ制作風景。多湖さんが「レイトン教授」シリーズに並々ならぬ思い入れがあったことが、この映像からうかがえた

その新作タイトルは「レディレイトン 富豪王アリアドネの陰謀」、同時に新主人公はレイトン教授の娘であるカトリーエイル・レイトンであることが公表された。登場人物も一新され、魅力あふれるキャラクターたちがゲームを彩る。また、「レディレイトン」シリーズは、従来の「レイトン教授」シリーズにあった壮大なナゾを解いていくというストーリーから、ロンドンで起こる小さな怪事件のナゾを次々に解決するというストーリーへと変わるとのこと。今作でナゾ開発を担うのは「ゴースト暗記」を開発した、東京大学医学部卒の岩波邦明(いわなみ・くにあき)さん。ここで岩波さんが登壇し、早速のナゾを披露した。

披露されたナゾは、「パネルを配置して“6”を表現した。この3つのパネルを並べかえたり回転させたりして、別の形で“6”を作ろう。ただし“1+5”以外の形で作ってほしい。」 制限時間は10秒だが、わかった人はいただろうか。回答は、“5”“+”“1”と書かれたパネルを“5”“1”“+”と並べ替え、“+”のパネルを45度回転させて“×”に……。そうすると、“5”と書かれたパネルは“S”に、“1”は“I”と見えることから“SIX”になる、というもの

なお、本作の主題歌を担当するのは大物女性アーティストとの発表があったが、この日はシルエットの公表のみ。対応ゲーム機は、これまでと同じくニンテンドー3DSのほか、新たにiOSとAndroidでも展開されることとなった。どちらでも快適な操作でゲームが楽しめるということなので、じっくりと発売を待ちたい。

ゲームに登場する各キャラクターを演じるのは、超豪華な俳優陣! 主役のカトリーエイル・レイトンを有村架純さん、シャーロが役所広司さん、ジェラルディン・ロイヤーを黒木メイサさん、そしてノア・モントールが坂口健太郎さんが演じる

スマートフォン版の画面写真が公開されたが、3DS版と同じく上画面・下画面に分かれているようだ。これなら、3DS版で遊んできた人でも、スムーズにプレイできそうだ

「妖怪ウォッチ」シリーズは、新作映画のほかに3タイトルが登場

「妖怪ウォッチ」シリーズは、これまでにシリーズ累計1300万本を出荷し、妖怪メダルも4億枚を発売しているビッグタイトル。その最新作として登場したのが、「妖怪ウォッチforスマートフォン」。3DS版をベースとしているので遊びやすく、グラフィックもHDに対応したほか、ネットワーク対戦機能も備えており、より大勢の人に遊んでもらいやすくなるとのことだった。iOSとAndroidで今秋配信予定。

ベースとなるのは、2013年7月に発売されたニンテンドー3DS用ソフト「妖怪ウォッチ」。独自機能を搭載したほかネットワーク対戦にも対応するなど、大幅にパワーアップしている

2016年12月17日より全国東宝系でロードショーとなる「映画妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」も紹介。実写とアニメが入り混じったユニークな構成となっている。キャスト陣が豪華なのも見どころだ

続いて、「妖怪ウォッチ」シリーズ初のクイズRPGアプリとして「妖怪大辞典」が登場。おなじみ妖怪ワールドを探検し、クイズでバトル! 仲間妖怪と協力したり、必殺技を駆使して質問に挑むこととなる。こちらは、iOSとAndroid用として2016年11月に配信開始予定だ。

クイズバトルに勝てば、妖怪のヒミツ情報がゲットできる。妖怪大辞典を完成させれば、キミも妖怪博士になれること間違いなしだ!

同じく、iOS/Android対応アプリとして2017年3月に配信が予定されているのが、リズムアクションゲーム「妖怪ウォッチ ゲラポリズム」。音楽に合わせて出現する譜面を、タップで消していくだけという簡単ルールなので、こちらも大人から子どもまで誰もが楽しめる。楽曲は「妖怪ウォッチ」でおなじみの曲ばかりなので、とまどうこともない。お気に入りの妖怪を集めて育てて自分だけのバンドを作り、「妖怪紅白」への出場を目指そう。

途中で出現するアピールタイムでステージを盛り上げれば、妖怪たちが格好よく必殺技を披露してくれる

途中で出現するアピールタイムでステージを盛り上げれば、妖怪たちが格好よく必殺技を披露してくれる

「ファンタジーライフ」シリーズ新作は、プラットフォームをニンテンドー3DSからスマートフォンに変えて登場

次に紹介された「ファンタジーライフ2 ふたつの月とかみさまの村」は、2012年12月27日にニンテンドー3DS用として発売された「ファンタジーライフ」の最新作。美しく広大な世界「ファンタジール」を舞台に、多彩なライフ(職業)を選んで自由気ままに生活を楽しむことができるRPGだ。ステージでは“まもなくサービス開始”との表示だったが、日野氏の口から「明後日より配信開始です」とのコメントが出され、2016年7月29日配信と判明した。

最大で、4人でのマルチプレイも楽しめる「ファンタジーライフ2」は、iOSとAndroidでプレイすることができる。「ファイナルファンタジー」シリーズでおなじみ、音楽を植松伸夫さんが、イメージイラストを天野喜孝さんがそれぞれ担当。基本プレイ無料で、アイテム課金制を採用する

1975年に放映されたシリーズ第1作目をリスペクトしつつ、内容一新の「タイムボカン24」を発表!

ここで日野氏により、「レベルファイブとして企画協力したアニメ」という形で紹介されたのが、2016年10月より読売テレビ・日本テレビ系列で毎週土曜夕方5時30分から放映される「タイムボカン24」。1975年に放映され、大人気を博したシリーズ1作目「タイムボカン」をリスペクトしつつ、内容を一新している。シリーズおなじみの三悪も登場するほか、相手のメカを「機動戦士ガンダム」のほか、初代タイムボカンのメカニックデザインも手がけた大河原邦男さんが、味方のボカンメカをレベルファイブ側がデザインするということで、その辺も楽しんでほしいとの解説も入った。

ステージには、主人公のトキオとカレンも駆けつけ、今回の発表を祝った。ここで解説を行ったのは、画面中央にいる読売テレビのタイムボカン24プロデューサー、永井幸治さん

クロスメディアプロジェクトとして展開される「スナックワールド」の詳細が明らかに!

「ハイパーカジュアルファンタジー」をコンセプトにした「スナックワールド」は、王道ファンタジーの世界にスマートフォンやコンビニなど現代のカジュアルな世界観を融合させた、時代も文化も越えたまったく新しいファンタジー世界。この世界観を存分に味わうことができるのが、2017年4月にiOS/Android版で配信予定で、2017年7月にニンテンドー3DSでの発売が決定した「スナックワールド」だ。本作は多方面でのクロスメディア展開が行われるということで、2017年4月よりテレビ東京系でアニメが放映決定。また、今冬より「月刊コロコロコミック」での連載がスタート。さらにはゲーム中に登場するアイテム「ジャラ」がタカラトミーより発売されるといったことが、日野氏から発表された。

このイベントでは初めてとなる、実機を用いたゲームプレイを日野氏が実演。スマートフォンでも3DSでも、問題なく快適なプレイができることをアピールした

本作には「ジャラ」と呼ばれるアイテムがあり、実際の製品バージョンが壇上へと持ち込まれた。ここで解説を行ったのが、製品を発売するタカラトミーの原さん。製品化に際しては、レベルファイブ側から提出されたベースのイラストを3Dへと忠実に起こし、それを立体化して製品へと完成させているため、ゲーム中に登場するアイテムがそのまま商品として店頭に並んでいると解説。従来の玩具では、アニメやゲーム中に登場するアイテムと、玩具として販売されているアイテムが一致しないことはよくある話だったが、「スナックワールド」に関してはそうしたことがないとのことだ。また、製品のジャラにはNFCタグが埋め込まれており、ゲーム中に使用することもできる。

製品の精巧な作りに、思わず見入る日野氏。ゲームでも使えるなど、子どもだけでなく大人も楽しめる玩具となっているとのことだ

数多のボツを経て、ついに発表できるクオリティとして登場した新生「イナズマイレブン」とは!?

国内外での累計出荷本数、約800万本を記録した大ヒットタイトル「イナズマイレブン」シリーズ。いったんは完結したが納得できず、新作の制作を試みるも自主的にボツにするという状況が続いたという。しかし、ここにきてようやく大人も子どもに楽しめる内容に仕上がったということで披露されたのが、「イナズマイレブン アレスの天秤」。1作目にて円堂守がフットボールフロンティアで優勝を飾った後のパラレルワールドストーリーで展開されるという。主人公が3人という驚きの発表があったほか、アニメが2017年夏から放映されることも公表された。このほか、インターネット配信バージョンでは「ロッカールーム」と呼ばれる、約5分の配信限定映像が追加されることも判明した。なお、ゲームについては、現時点でのプラットフォームや発売日などは未定となっている。

今作では、伊那国中から雷門中へと編入した主人公・稲森明日人に加え、ライバル校となる星章学園の灰崎凌兵、王帝月ノ宮中の野坂悠馬それぞれの視点から、熱き青春サッカードラマが描かれる

クロスメディア展開として、選手たちがストーリー中にはめている「イレブンバンド」がタカラトミーより商品化される。搭載された振動センサーにより、現実世界でのランニングのような運動がパワーとして溜められ、NFCチップを通じてゲーム内の選手へと引き継げるという

まさに「メガトン級」の完全新規タイトルとして誕生した「メガトン級ムサシ」の全貌とは?

「地球が異星人によって滅ぼされるという設定は、アニメの設定ではありふれたもの。それに真っ向から挑戦した」という日野氏のコメントに続き流されたPVは、PVではなくパイロットフィルムといえる14分もの長さ。それが「古き良き熱血ロボットもの」+「学園ドラマ」というコンセプトから生まれた完全新規タイトル「メガトン級ムサシ」だ。西暦2188年の地球を舞台に、異星人とのバトルが繰り広げられるというストーリーだが、ゲーム、マンガ、テレビアニメ、玩具といった幅広いクロスメディア展開を行っていくとのこと。

マンガは週刊少年ジャンプでの連載が決定しているほか、玩具はバンダイから発売されるということで、この日はひと足先に制作された玩具「メガトン級ムサシ」が披露された。気になるゲームに関してだが、現時点でプラットフォームや発売日は未定。ジャンルがRPG、ということだけが判明している。マンガとアニメを楽しみながら、ゲームの続報を待つことにしたい。

バンダイの仲山さんが登壇し、制作中の「メガトン級ムサシ」を日野氏に披露。手に取った感想を聞かれて「昔あった超合金のような、ずっしりとした感触がある」と答えていた。また、アニメと同じく合体や変形もするとのことで、かなりの精度で作られていることがうかがえる

アニメ展開においては、先の「イナズマイレブン アレスの天秤」と同じく、インターネット配信限定の映像「アフタースクール」が追加される予定だ

音無 欒
Writer
音無 欒
主にコンシューマ&ソーシャルゲームの記事を手がけるMac好きIT系ライター。ゲーム歴は40年弱。80年代のマイコン弄りや深夜アニメなどが元気の素。
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山野 徹(編集部)
Editor
山野 徹(編集部)
新しいもの好きで、アップルやソニーと聞くだけでワクワク・ドキドキ。デジタル好きだが、最近はアナログにも興味が出てきたアラフォー編集者。
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