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ミュージシャンが作るミュージシャンのためのモデル

製造スタッフは現役ミュージシャン集団。ヤマハが投入する“EQD”のエフェクターって?

“バンドブーム”というものは周期的にやってくるようで、日本でもアニメ「けいおん!」のヒットがあった2010年前後から改めてバンド&ギターブームが続いていると言われる。そんな中、ヤマハは、米国の楽器用エフェクターブランド“EarthQuaker Devices”(アースクエイカーデバイセズ)の製品取り扱いを開始すると発表した。すでに多くの自社製エフェクターを手がけているヤマハだが、ここに来てそのラインアップをより強化するわけだ。その特徴は、“ミュージシャンがミュージシャンのために作るエフェクター”であること。詳細を紹介していこう。

米EarthQuaker Devicesのエフェクター製品を、2017年11月からヤマハが国内発売する。本記事の後半では、そのサウンドを収録した演奏動画も掲載しているので要チェック!

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NAMM Showでも盛況なエフェクターの世界

最初にざっと説明しておくと、楽器用エフェクターとは、エレキギターなどの電子楽器を演奏する際に、そのサウンド傾向を変化させられる機材のことだ。音色はモデルによってさまざまで、おおまかに「歪み系」「モジュレーション系」「空間系」などと分類される。一般的にはエレキギター&ベースでの使用用途で語られることが多いが、電気系の楽器であればシンセサイザーや電子キーボードなどでも使用可能だ。

楽器とアンプやスピーカーの間にエフェクターを接続することで、鳴らすサウンドを多種多様に作り込むことができる

最近、このエフェクター市場がわりと盛り上がりを見せていて、米国で開催される世界最大規模の楽器展示会「NAMM Show」では、新規エフェクターブランドの出展数が増加。音楽のトレンドにあわせて、キーボードやバイオリンなど、エフェクターの使用事例がどんどん多様化していることも大きいだろう。ヤマハでは、こういった米国を始めとする盛り上がりを受け、日本でも今後さらにエフェクター市場の成長が見込めるとし、ラインアップ拡大に踏み切った。

製造スタッフは現役ミュージシャン! EarthQuaker Devicesって?

EarthQuaker Devices(以下、EQD)は、米国オハイオ州に本拠地を置くブランド。創立者は、バンド「The Party of Helicopters」のギタリストとして活動するジェイミー・スティルマン氏。現役のミュージシャンである。同氏は、自宅地下室で行ったエフェクターの修理をきっかけに、オリジナル回路の設計をスタートし、2004年にEQDを創立した。以来、開発するエフェクター製品はクチコミで評価が拡大し、売上も右肩上がりで成長。現在では、従業員数50名を超えるカンパニーとして運営している。

製品はすべてハンドメイドで、自社で筐体のデザインから加工まで行っている。そして大きなポイントは、スティルマン氏を筆頭に、製造スタッフの多くがマルチで活躍する“現役ミュージシャン”であること。製品に使用されるパーツは、ミュージシャンの目線による選定が行われたものだ。しかも製品は試作段階で、スタッフによるバンド演奏でクオリティチェックが実施される。まさに、ミュージシャンがミュージシャン目線で製造するエフェクターなのだ。

EQDの代表取締役兼開発責任者であるスティルマン氏。ギタリストであるほか、ドラムやキーボードなども演奏するマルチプレーヤーだ

EQD製品の大きな特徴はココ。現役ミュージシャンならではの目線で、エフェクター製造を行っている

EQD製品の大きな特徴はココ。現役ミュージシャンならではの目線で、エフェクター製造を行っている

米国市場におけるEQD製品の人気は右肩上がりで、売上金額ベースで見ると直近の5年間で24%成長している注目ブランドだ

定番ビンテージから実験的サウンドまで、幅広い音作りに対応

EQDのエフェクターのサウンドコンセプトは大きく2つ。「1=昔ながらのビンテージサウンド」「2=個性の強い新しいサウンド」を提唱している。「定番」と「革新」を両立させることで、さまざまなミュージシャンのニーズに対応するというわけだ。また、ミュージシャンの世界観を直感的に音へ反映できるデザイン設計とすることに配慮し、過酷なツアーにも耐えられるよう堅牢性も高めている。

ヤマハでは、そんなEQD製品のうち日本市場にあわせた39機種をピックアップし、11月下旬より日本で展開する。価格はオープンだが、ほとんどの製品が20,000〜40,000円という手の届きやすいレンジで販売される予定とのことだ。

日本展開が決定している製品は全部で39種類! 上述の通り、そのすべてがハンドメイドだ

日本展開が決定している製品は全部で39種類! 上述の通り、そのすべてがハンドメイドだ

こちらは、2ch仕様の歪み系エフェクター「Gray Channel」。ビンテージ感のある良質な歪みを確保しつつ、3種類のダイオードを切り替えて低音を大きくうならせるといったこともできる

こちらはディレイとリバーブを一体化させた「Dispatch Master」。2つのエフェクトをパラレルにミックスさせられるほか、ディレイとリバーブをそれぞれ単体で使用することも可能

ブランド創設者のスティルマン氏みずから、ギターを弾きながらEQD製エフェクターのよさを解説。最近で1番のお気に入りという「Data Corrupter」は、モノフォニックのアナログPLLハーモナイザーにモジュレーションを加えたペダル。しかし、日本導入は未決定とのこと

【動画アリ】元ナンバガ・中尾氏も登場! EQDエフェクターによる即興セッション

EQDのエフェクターを使用すると、実際にどんな演奏ができるのか気になる方も多いだろう。百聞は一見にしかずということで、以下、プレス向け発表会で披露されたセッションの模様を動画でお伝えしよう。

上述のスティルマン氏のほか、EQDの副代表でありミュージシャン&コンポーザーとしても活躍するリサ・ベラ・ドナ氏、そして元ナンバーガールのメンバーでもあるベーシスト・中尾憲太郎氏や、エレクトリック・バイオリンの第一人者である勝井祐二氏といったゲストミュージシャンも集結し、即興演奏が行われた。豪華なメンバーによるEQDのサウンドを体感していただきたい。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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