こんにちは。ガンプラマニアのポッチです!
ここ最近「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」(ポケ戦)のガンプラリニューアルラッシュが続いていますよね。2019年6月には「MG 1/100 ガンダムNT-1 Ver.2.0」が発売、7月には「RE/100 1/100 ザクII改」が発売されることもあり、1/100スケールのポケ戦ガンプラが非常に盛り上がってきているように思えます。
しかし、前述の2機をしのぐ人気がありながら、「MG 1/100 MS-18E ケンプファー」(2001年発売)はリニューアルにラインアップされませんでした。今年リニューアルされる2機と並べるためにこれから組もうと思っているモデラーさんも多いと思いますので、今回はそんな「MG ケンプファー」が今のガンプラ目線で見るとどんな出来になっているか、じっくりとレビューしていきたいと思います!
↑無塗装、無改造でストレート組みしたケンプファー。塗装をする予定のモデラーさんも、素体がどのような出来になっているか参考にしていただければ幸いです!
MG(マスターグレード)のケンプファーは2001年に発売
ここで一度ケンプファーの設定をおさらいしてみようと思います。ケンプファーとは1989年に発売されたガンダムシリーズのOVA「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」に登場し、サイクロプス隊が運用したジオン軍の強襲用モビルスーツです。ポケットの中の戦争、通称「ポケ戦(ポケせん)」は富野監督以外が監督した初のガンダムシリーズで、舞台はファーストガンダムと同じ、宇宙世紀0079から一年戦争集結の0080に切り替わる時代が描かれています。また、MSV(映像作品には登場せず、ガンプラでしかリリースされていなかったモビルスーツ・バリエーションというジャンル)のモビルスーツが出てくるなど、一年戦争を補完する「外伝の先駆け」と言っても過言ではない作品になります。キャラクターデザインをマクロスでもおなじみの美樹本晴彦氏が担当されたことでも話題となりました。メカニックデザインにはパトレイバーでも有名な出渕裕氏が参加。そして氏がデザインしたモビルスーツが、このケンプファーというモビルスーツになります。
「NHK全ガンダム大投票40th」でも、数あるモビルスーツの中で15位という人気っぷりを見せつけました(ポケ戦の中でも「NT-1」や「ザク改」を上回ってのランクインになります)。
前置きが長くなりました、それではMGケンプファーを徹底的にレビューしていきたいと思います!
ドライデカールとマーキングシールが付属します
1/100のパイロットフィギュアが付属します。ヘルメットを着用しているため、帽子をかぶったミハイル・カミンスキー(ケンプファーのパイロット)っぽくは見えず
完成したMG 1/100 ケンプファー
武器のジョイントパーツに一部ABS樹脂(塗装できない素材)が使用されています。プロポーション自体は迫力のある肉付きのよいケンプファーが再現されています
HGでは色分けされていなかった「スラスター内部のオレンジ」がすべて別パーツにより色分けされています
今のガンプラ目線で見ると関節の可動範囲は狭いですが、顔を大きく上へ向けることができたり上半身が360°回転したりします
頭部をアップで。ブレードアンテナの白い部分はマーキングシールで色を補います
モノアイは無色のクリアパーツが使用されています。モノアイはある程度可動します
胸部まわり。コクピットハッチは開閉します。座っている状態のパイロットも付属します
腰のパワーサプライパイプ(動力パイプ)はメッシュ素材でできています。中にリード線を通し形状を維持します
ショルダーアーマーは前後はめ込み式で、上部に合わせ目(パーツとパーツの隙間)が出ます
ショルダーアーマーをアップで。アシンメトリーなデザインになっており、ショルダーアーマーの内部からオレンジのパーツが露出する仕組み
腕には合わせ目が出ません。デフォルト状態で前に反っているような特徴的なデザインをしています
手首パーツは指が独立して動くタイプと、表情付き平手パーツが左右分付属します
腕関節は90°曲がります
下半身。脚部外側には着脱可能なシュツルム・ファウストをマウント可能です。少しぶつかると外れやすいので、接続強度はそこまで高くありません
デザイン的に難しい個所ではあるのですが、膝関節があまり曲がらないのがこのMGケンプファーの弱点かもしれません
足首付近のサブスラスターはバッチリと色分け済みです。足裏には細かくモールドが刻まれています。つま先パーツは可動します
背部まわり。メインスラスターとサブスラスターの量が多く、色分けもされているため情報量の多さはMGならではといったところですね
バックパックは開口されており、下部のメインスラスター2基とサブスラスターはある程度動きます。左右のオプションラッチにはジャイアント・バズをマウント可能です
リアアーマーには専用ショットガンをマウントできますが、少しグラつきます。お尻のメインスラスター2基は伸縮ギミックを搭載しており、引き出すことができます
専用ショットガンは後方のパーツが2種類付属。形態を変えることができます
ショットガンは指ではさんで固定させますが、ガッチリとは保持できず。ただ、抜け落ちることはありませんでした
ショットガンを構えるケンプファー! ポーズ付けをするとなかなか迫力のある印象に。ただ足首パーツの傾き範囲が悪く、接地性はそこまでよくないです
弱点はあるものの、武器を構えるだけで異常にかっこよくなります……!
ショットガンは2丁持ちも可能です
浮かせてポージング
アクションポーズをつけるとさらに魅力が上がる系のガンプラですね
関節可動が弱点になりますが、それなりにかっこいいポーズをつけることができます
武器がショットガンっていうのがカッコイイ……
平手を添えて
シュツルム・ファウストはジョイントパーツの上側を開いて取り出します
ケンプファー、シュツルム・ファウストで攻撃!
弾頭部分を外し、形態を変えることができます。弾頭部分は合わせ目が出ないパーツ構造をしています
ビーム・サーベルはモモに収納されている柄を引き抜いた後、展開用パーツを取り付けて再現します
ケンプファー、ビーム・サーベルを抜刀! ビーム・エフェクトパーツはクリアイエローのものが2本付属します
斬りかかるケンプファー!
ビーム・サーベルのエフェクトパーツは、日本刀のように湾曲したタイプです
結構古いガンプラだと思ってなめてましたが、メカデザインの勝利なのか非常にかっこいいポーズ付けをすることができます
二刀流で
豊富な量の武器も魅力のひとつ。まるで武器庫のようです
背中のジャイアント・バズを取り外し、手に持たせることもできます
ジャイアント・バズをぶっ放すケンプファー!
チェーン・マインは形状記憶力のあるリード線に機雷を取り付けて再現します
このように好きな位置で固定することができます。裏側のモールドも細かいです
これは「MGガンダムNT-1 Ver.2」のチョバム・アーマーに巻き付けるしかありませんな……
「HGUC 1/144 ケンプファー」と大きさを比較。主な違いは成形色が変わっている点と、色分けになります
スラスター内部の色分けはMG版の勝利です
実はHGUC版は2008年に発売されたものなので、今回のMGよりも7年後発のガンプラになります。HGUC版の出来は非常にいいので、お手軽に組みたい方はHGをチョイスするのもアリだと思います!
いかがでしたでしょうか。実は2001年発売の古いMGということで期待はしていなかったのですが、とても迫力のある造形で立体化されていました。弱点は関節可動が弱い点と、今のガンプラとは違い組みづらい個所が多い点。ただ総評としては、古さは否めないところもあるもののスラスターまわりの色分けに秀でており、1/100スケールならではのインパクトを感じる「かっこいいガンプラ」に仕上がっていると思います。手を加えるとすれば、モノアイが無色クリアになっているためクリアピンクでワンポイント部分塗装してしまうのがおすすめです。
当時のMG価格で値段が安いので、気になるモデラーさんは新作の「MGガンダムNT-1アレックス」のお供に組んでみてはいかがでしょうか。18年というガンプラの進化具合も感じることができ、そういった点でも楽しめるキットになっていると思います。
ガンプラレビューサイト「ポッチのガンプラ+」の管理人でガンダムマニア。都内で出版・コンサル系の会社を経営しております。【ポッチのガンプラ+】https://gunplapocchi.com/