こんにちは。ガンプラマニアのポッチです! 今回はガンタンクをはじめとする「タンク型」ガンプラの特徴を見ていきたいと思います!
今月発売された新作「HG RX-78-02ガンダム(GUNDAM THE ORIGIN 版)」。筆者も発売日に購入し、その完成度に満足したのですが、横にガンキャノンかガンタンクを並べたいというファンも多いと思います。かく言う私もそのひとり。
ということで、今回は初代ガンタンクのガンプラにスポットを当てつつ、そのほかのタンク型のモビルスーツまで徹底的に紹介していきます!
今回ピックアップしたのはこの7体。旧キット1/144ガンタンクから、最新のHGガンタンク初期型まで、ガンタンクの進化を見ていきたいと思います!
人型のモビルスーツが多い中、異彩を放つ元祖ガンタンクさん。現在ではさまざまなキットでガンタンクが発売されていますが、履帯(キャタピラ部分)に使われている素材が「プラ材質」か「軟質素材」かで違っているのと、時代によってプロポーションが変化しているのが特徴です。
左より「BB戦士221ガンタンク」「旧キット1/144ガンタンク」「HGUCガンタンク」「MGガンタンク」をピックアップしてみました。並べるとまるで家族のよう……!?
旧キットの「1/144ガンタンク」は1981年に発売
ガンプラ最初期に発売された「1/144ガンタンク」は組むのに接着剤が必要で、成型色もブルー1色です。ただ、履帯には軟質素材が使われており、今のガンプラ目線で見ても通用するスタイルで立体化されているのが特徴です。
頭部をアップで。キャノピー含め、ブルー1色です。側面の小さなアンテナは接着剤でくっつけます
上半身と腰を接着するため腰をひねることはできませんが、肩はぐるぐる回ります
両肩の120mm低反動キャノンもそれぞれ上下に可動
40mm4連装ボップミサイルランチャーの銃口は開口されています
転輪は旧キットとは思えないディテールで再現。履帯はゴムのような軟質素材でできており、ぐるりと巻きつけるようにして組み立てます
底面に肉抜きはありません。旧キットらしい文字が刻まれています
ブルー1色成形ながら、約40年前に発売されたガンプラとは思えないディテールで再現されているのが特徴ですね。フル塗装して仕上げれば、アニメ準拠としては最高のガンタンクに仕上がるのではないでしょうか。
「HGUCガンタンク」は2000年に発売。HGUCナンバーは初期の7番です
HGUC版は、ガンタンクファンの心をわしづかみにするようなレトロ感あふれる姿で立体化されています。1/144スケールのガンタンクは約20年間リニューアルされていません。最新フォーマット化されてもいい機体だと思うのですが、このHGUC版の時点で色分け良好かつ劇中再現度の高いプロポーションで立体化されているのが原因かもしれませんね。
まさにガンタンク!といったような姿。後ろから見ても非常によくできています
キャノピーにはクリアブルーのパーツが使用されています。簡易的ではありますが、操縦席に座っているパイロットも造形されています
元のカラーデザインがシンプルというのもありますが、色分けが優秀です
120mm低反動キャノンは上下に可動。ただ、モナカ構造で合わせ目が出ます
40mm4連装ボップミサイルランチャーの銃口は開口されています
履帯ユニットは履帯と転輪で微妙に色が変わっており、ディテールが細かいです。パッと見で旧キットから進化しているのがうかがえます
底面などに肉抜きはありません
最新の「RX-78-02ガンダム」、「ガンキャノン」と並べても違和感のない完成度です(RX-78-02は2020年に発売のHGオリジン版、ガンキャノンは2015年に発売されたHGUC190)
HGUC版のガンタンクはキャノピーにクリアパーツが使用されており、色分けや履帯ユニットのディテールが進化しました。最大公約数的に見ても理想のガンタンクスタイルで立体化されているのではないでしょうか。
「MGガンタンク」は2009年発売。1/100スケールらしいメカニカルなモールドと、コア・ファイターが同梱するのが特徴です
MG版は外装を外しても細かな内部フレームが再現されており、コア・ファイターを組み込めるギミックを搭載しているのが最大の特徴です。
キャノピーには無色のクリアパーツが使用され、パイロットはHGUC版よりもリアルな体型になりました
ハッチを開くとコア・ファイターがチラリと顔を出します
分離させた状態。このように、中のコア・ファイターは取り出すことができます
コア・ファイターは単体で展示することも可能
ガンタンクに戻って。内部ディテールの一例ですが、このように一部装甲を外して展示しても絵になります
40mm4連装ボップミサイルランチャーを回せば、銃身が伸縮するギミックを搭載しています
履帯はプラ材質で、塗装しやすいです
履帯ユニットをアップで。履帯はすべて別パーツ化されており、動かしていると外れやすいのが弱点
下から。底面スラスターは内部のグレーパーツが露出する構造で、細かな色分けを実現しています
MG版は履帯こそ外れやすいものの、モールド追加によるメカニカルな造形と、コア・ファイターを組み込めるギミックを搭載しているのが特徴です。
「SDガンダムBB戦士No.221ガンタンク」は2001年発売
BB戦士No.221のガンタンクは、「GGENERATION-F」シリーズとしてリリースされました。ミニサイズで非常にかわいいガンプラに仕上がっており、今回紹介するガンタンクの中でも筆者イチオシのガンプラです!
BB戦士ながらキャノピーにはクリアパーツが使用されており、中にはパイロットの造形も
履帯や転輪の形も抜かりなし。プラ材質でできているため、塗装もしやすいです
腰はある程度ひねることができます。ミニサイズのガンプラながら、120mm低反動キャノン、40mm4連装ボップミサイルランチャーともになかなかよくできています
BB戦士版の特徴は……とにかくカワイイ! 黄色い部分はシールで補いますが、頭部をはじめ履帯ユニットの出来が秀逸です。パーツ数はかなり少ないですが、定価で誰でも作れるのが最大の長所だと思います。筆者イチオシです!
ここからは、ガンタンクの遺伝子を継承した「タンク型」のモビルスーツを見ていきたいと思います。
「機動戦士ガンダムF91」からは「1/100 ガンタンクR-44」、「機動戦士ガンダムUC 」からは「HGUC ロト ツインセット」、「THE ORIGIN」からは「HGガンタンク初期型」がリリースされています。
「ガンダムF91」に登場する「ガンタンクR-44」は1/100スケールの旧キットとして1991年に発売。旧キットといえどスナップフィット式で、接着剤は不要です
ミサイルや200mm徹甲弾が同梱します。なかなかマニアックな付属品です
旧キットということで合わせ目の量は多いですが、頭部のメインカメラにはクリアグリーンのパーツが使われています
4連ミサイルポッドで攻撃! 腰をひねることはできませんが、かっこいいポーズが決まります
タンクフォームに変形した状態。このように、人型からタンク形態に変形できるのが最大の特徴です
アップで見ても非常によくできていますね。ただ、一部のパーツは外れやすいので接着しながら組み上げるのがオススメです
2010年に発売された「HGUC ロト ツインセット」。その名の通り、ロトが2体同梱します
記憶にも新しい「機動戦士ガンダムUC」のタンク型、ロトをご紹介。全高約85mmという小型のガンプラですが、驚異的な色分けを実現しているのが特徴です。
前後から。フレームや関節部分にABS樹脂が使用されています。関節強度がキツキツで、破損しやすい繊細なガンプラです
右肩の武器がメガ・マシン・キャノン
こちらはロング・キャノン。先ほどのメガ・マシン・キャノンとはいつでも切り替え可能です
本キット最大の注意点が、脚の付根やヒザ関節が破損しやすいことです……。ガチャガチャ触って遊ぶのには適さないガンプラといったところ
タンク形態へは差し替えなしで変形可能。頭部を胴体内部へ押し込み、各パーツ位置を調整して再現します
「1/100ガンタンクR-44」のタンクフォームと比較
MS形態で比較。人形とタンク型で切り替えできるのがこの2体の特徴です。1/100と1/144ながら、そこまでサイズが変わらないのがおもしろいですね
HGガンタンク初期型は2015年発売。今回紹介する中では一番新しいガンプラです
最後に、「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」に登場するHGガンタンク初期型を見ていきます。オリジン系HGの最新フォーマットで立体化されており、今回紹介するガンプラの中で頭ひとつ抜き出た完成度で立体化されています。
「初期型」ということですが、本家ガンタンクより強そうなデザイン……!?
メインカメラにはクリアグリーンのパーツが使われています。また、ぐるぐる回転します
各所、HGとは思えない造形。スミ入れやウェザリング(汚し)を入れればさらに見栄えがよくなりそうですね
4連装機関砲は銃口部分が別パーツになっており、細かく色分けされています
履帯は通常プラ材質。塗りやすいです
底面にも細かなモールドが刻まれています
履帯ユニットは外側に引き出すことができます
アクション! ポーズがうなりますね…!
履帯ユニットは上下にも細かく動かすことができます。表情付けが非常に楽しいガンプラに仕上がっていました
初期型は、トリコロールカラーだったガンタンクと違い、グレーを基調としたミリタリー感あふれる渋い配色になっているのが特徴です。また、履帯ユニットを引き出すことができるので、ポージングがうなるガンプラに仕上がっています。
大きさを比較
いかがでしたでしょうか。今回いろいろと組んでみて思ったのは、旧キットの「1/144ガンタンク」をはじめ、どれもクオリティが高いこと。
ただ、「HGUCロト」に関しては関節の一部が破損しやすいのでご注意を。各部調節しながら組む必要がありそうです。
……ということでさまざまなガンタンクを見てきたわけですが、筆者のイチオシはズバリ「BB戦士221ガンタンク」「HGガンタンク初期型」です!
「BB戦士」は少ないパーツ数ながらクリアパーツが使われており、武器や履帯ユニットの出来も秀逸。メーカー小売価格が安いということもあり、手軽にかわいいガンタンクを組むことができます。
いっぽう、「HGガンタンク初期型」はHGとは思えない細かなディテールで再現されており、可動域が広くいろいろなポーズで展示できるのが売りです。このあたりは、さすが最新フォーマットといったところでしょうか。
タンク型のガンプラを組みたいけど、どれがいいかわからない……という方はぜひ筆者のイチオシを選んでみてください。どのタンク型も土汚れが似合うと思うので、ウェザリング加工をして遊んでみるとおもしろいと思います!
ガンプラレビューサイト「ポッチのガンプラ+」の管理人でガンダムマニア。都内で出版・コンサル系の会社を経営しております。【ポッチのガンプラ+】https://gunplapocchi.com/