「G-SHOCK」今月の衝撃!!!
高度な先進技術はそのままに大胆チェンジ!

G-SHOCKのダイバーズ「フロッグマン」が初のフルアナログ化で新たなステージへ!

カシオ計算機のG-SHOCKから、「FROGMAN(フロッグマン)」の新作「GWF-A1000」が発売された。同シリーズとして初めてとなるフルアナログ仕様を実現させたのが最大の特徴だ。

2020年6月に発売されたG-SHOCK「フロッグマン GWF-A1000」

2020年6月に発売されたG-SHOCK「フロッグマン GWF-A1000」

フルアナログ化に当たり、ゼロベースでデザインを刷新!

「フロッグマン GWF-A1000-1AJF」。公式サイト価格は99,000円(税込)

「フロッグマン GWF-A1000-1AJF」。公式サイト価格は99,000円(税込)

「GWF-A1000」は、「フロッグマン」の第8世代に当たるモデル。水中で活動するダイバーは時刻確認のほかに潜水時間の把握などを瞬時に行う必要があり、本機はそんな感覚的にとらえやすいアナログ表示へのニーズに応えた。

そもそも「フロッグマン」とは、G-SHOCKで展開されるダイバーズウォッチの総称で、1993年に初代「DW-6300」が発売されている。現在、G-SHOCKの多くのモデルは20気圧防水に対応し、水泳やヨット、釣りなどの水上スポーツから素潜りまで利用できるが、これらはあくまで「日常生活用強化防水」とされるもの。いっぽうの「フロッグマン」が備えているのは、国際規格で定められたISO200mの「潜水用防水」。水中200m地点でかかる水圧の1.25倍の荷重に耐えられる構造に加え、すぐれた視認性や水中操作性などを有し、ダイバーズと呼称するための厳格な基準をクリアしている。

なお、初代「DW-6300」が誕生した当時、G-SHOCKには「スピードモデル」「三つ目」などの愛称で呼ばれるモデルが存在していたが、これらはファンの間で自然発生したものに過ぎない。「フロッグマン」の名はG-SHOCK側が採用した初のペットネーム(サブブランドに近い愛称)で、それだけほかとは一線を画すモデルとして開発されたことがわかる。

また「フロッグマン」の成功を受けた後、防塵・防泥の「MUDMAN(マッドマン)」や、気圧・高度・温度の計測が可能な「RISEMAN(ライズマン)」など、スペシャリティを持つモデルを集め、「マスター・オブ・G」の名でシリーズ化している。元々かつてないタフネスで各業界からの信頼も厚かったが、潜水士やファイヤーファイターなど、特定のプロフェッショナルたちにも愛用されることで、G-SHOCKのブランド力はさらに根強いものになっていった。

左右非対称デザインが「フロッグマン」のアイデンティティ

左右非対称デザインが「フロッグマン」のアイデンティティ

フルアナログ化を果たした今作でも健在なのが、左右非対称のデザインだ。正面から見ると、バンドの中心に対し、ケースの中心がやや左にズレていることがわかる。

手首を上に曲げても、時計が当たらないようになっている

手首を上に曲げても、時計が当たらないようになっている

これは、手首を返したときに時計が手の甲に干渉しないために生まれたものだが、開発を手がけた同社の企画担当、牛山和人さんは、人気モデル「フロッグマン」のフルアナログ化には苦労があったと語ってくれた。

「『フロッグマン』の左右非対称なデザインは、潜水中に手の動きを妨げないために生まれたもの。これを単純にアナログ時計に当てはめると、違和感のあるデザインになってしまう可能性がありました。デザイナーにいくつもデザインを考えてもらい、どれが一番『フロッグマン』らしいか議論しました。なかには、左右対称のデザインもあったほど、根本的なところまで議論しました。何度も微調整を重ねて、『フロッグマン』らしい左右非対称のデザインが完成しました」

街使いはもちろん、マリンスポーツにも最適

街使いはもちろん、マリンスポーツにも最適

G-SHOCKらしい解釈でダイバーズ機能&先進機能を搭載!

「フロッグマン」が一般のダイバーズと異なるのは、潜水機能だけでなく耐衝撃性や電波ソーラーといった先進機能も有している点だ。半面、それらがフルアナログ化を阻んできた理由でもあったが、2019年に「カーボンモノコックケース」が開発されたことと、高速で運針する「デュアルコイルモーター」を時針と分針にそれぞれ搭載したモジュールが開発されたことで、道がひらけた。

「カーボンモノコックケース」の採用は、G-SHOCKで2例目

「カーボンモノコックケース」の採用は、G-SHOCKで2例目

「カーボンモノコックケース」は裏ブタとケースが一体になった構造で、2019年3月に発売された「グラビティマスター GWR-B1000」に初採用された。組み立て作業は複雑になるものの、メタルの裏ブタがないことで強度や軽量性、防水性が向上し、G-SHCOKの厳しい品質保証の基準を満たすことができた、と牛山さんは言う。なお、「カーボンモノコックケース」の採用は、カラーバリエーションなどを除いて今作で2例目になる。

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ダイバーズらしい針デザイン

ダイバーズらしい針デザイン

文字盤中央には、太めで見やすいアナログ針を設置。分針に用いられたアロー針はダイバーズの定番だが、G-SHOCKとしては非常に珍しいデザインであり、特別感が漂う。

3時位置には、モードを示すダイヤルを配置。タイドグラフもここで表示され、「L(干潮)」と「H(満潮)」の間を針が行き来することで潮の状態をわかりやすく表示する。

12〜4時の間に目盛りが刻まれている

12〜4時の間に目盛りが刻まれている

多くのダイバーズは、分目盛りが刻まれた逆回転防止ベゼルを採用しているが、今作では耐衝撃性を高めるために採用が見送られた。その代わりに、左下のボタンを2秒以上押すと「ダイブモード」に切り替わって、時針、分針、秒針、24時間制の小針が12時位置に移動し、右下ボタンのプッシュで潜水時間を計測できるようにした。時分針とインダイヤル針にはデュアルコイルモーターが搭載されており、ダイビングモードへの切り替えもスピーディーに行われるのでストレスがない。こうした仕様は、実にG-SHOCKらしいところだ。

なお、12時位置から4時位置にかけての見切り部分には、蓄光塗料による差し色が施され、視認性を高めている。

インダイヤルで各モードの計測値を表示する

インダイヤルで各モードの計測値を表示する

7時位置には、2針のインダイヤルを設置。ダイビングモードでは現在時刻を表示し、各モードにより、指定した都市の現在時刻やストップウォッチの計測値、タイマーの計測値、アラームの設定時刻などを表示。各機能の理解に大きく貢献している。

2色の蓄光塗料を採用

2色の蓄光塗料を採用

また、文字盤には全体を明るくする白色LEDを搭載しつつ、針やインデックスにも蓄光塗料を採用して、潜水時計において必須とされる暗所での視認性を実現。グリーンとブルーの2色使いなのも、見やすいポイントだ。

歴代の造形を踏襲しつつ、こだわりポイントも!

プッシュしやすい大型ボタンを採用

プッシュしやすい大型ボタンを採用

一新した感じのある文字盤と比べ、外装デザインにはこれまでの「フロッグマン」らしさが顕著に出ている。ケース左側は、樹脂パーツがベゼルを覆うようにレイアウトされ、大きく丸いボタンが配置されている。また、「CARBON CORE GUARD」シリーズの特徴である、ガードのないボタンのデザインも新しい特徴だ。

出っ張りの少ないケース右側の造形

出っ張りの少ないケース右側の造形

ケース右側にあるりゅうずが手の甲に干渉しないよう、凸量を抑えてケースに沿ったデザインに仕上げているのも、アナログモデルならではの工夫だ。

2段階に引き上げられるねじ込み式リューズを採用

2段階に引き上げられるねじ込み式リューズを採用

ただ従来モデルと異なるのが、ねじ込み式リューズを新採用した点だ。デュアルタイムのタイムゾーンやタイマーの設定などに利用するもので、リューズの回転に応じて針が直感的に動いて小気味がいい。大型サイズなうえに滑り止めのローレット加工も施されているため、グリップ感も良好だ。標準電波機能やスマホとのBluetooth連携機能も備えているため、基本的に操作する必要はないが、手動での時刻合わせにもこのリューズを利用できる。

サファイアガラスの風防を採用

サファイアガラスの風防を採用

風防は、わずかに球面になった形状。高強度なサファイアガラスで、内面無反射コーティングで視認性を確保した。

オリジナルのY字穴ビスが付いている

オリジナルのY字穴ビスが付いている

ちょっとしたこだわりポイントと言えそうなのが、正面2か所に採用されたY字穴のビスだ。これは、「カーボンモノコックケース」仕様の先達である「グラビティマスター GWR-B1000」で開発されたのと同じオリジナル品で、もちろん「フロッグマン」としても初採用となる。そもそも、本機はISO規格認定のダイバーズのため、ユーザーみずからがケースを開けることは想定されていないが、あえて専用工具が必要な穴形状にすることで特別感を強調した。

「フロッグマン」のアイコンは、アナログ針をイメージ

「フロッグマン」のアイコンは、アナログ針をイメージ

裏ブタには、シリーズでおなじみのカエルのキャラクターを刻印。今作ではアナログ針をイメージさせるオブジェクトを手にしているほか、ビスと同じY字の瞳になっているのが特徴だ。

フッ素エラストマーバンドが汚れの付着と加水分解を抑制

フッ素エラストマーバンドが汚れの付着と加水分解を抑制

バンドには、海中でのハードな使用を想定して、汚れが付きにくく加水分解を起こしにくい「フッ素エラストマー」素材を採用した。一般的なG-SHOCKのものより厚手な設計のため一定の重厚感はあるが、屈曲性はそれなりに高く、装着時にもたつきを感じることはなかった。

スマホとの連携で機能をフル活用できる!

各種機能を操作できるモードには、時刻や日付を確認できる「カレンダーモード」、潮汐情報がわかる「タイドグラフモード」、「ストップウオッチモード」、「タイマーモード」、「アラームモード」、そして潜水時間と水面休息時間の計測値を示す「ダイブモード」が存在する。操作方法をマスターするには一定の時間と慣れが必要だが、9時位置のインジケーター針が時計の状態を表す仕様なので、理解を進めやすい気がした。

ダイビングログ(左)と港の設定画面(右)

ダイビングログ(左)と港の設定画面(右)

スマホとBluetoothで連携できる「モバイルリンク機能」も備え、専用アプリで潜水時間や位置情報といったダイビングログの閲覧や、ポイントの潮の干満を確認するための設定などが行える。なお、タイドグラフの設定は時計本体からでは行えないことから、新「フロッグマン」の機能を十全に活用するにはスマホとの連携が前提となっていることがうかがえる。

「本機ではスマートフォンアプリによる時刻修正がスマホ連携の第1の目的でして、そこに+αとしてダイビングログの閲覧などを加えました。その際、スマートフォンで撮影した写真がダイビングログの中にタイムライン表示されるので、想い出作りの楽しみも増えてくれると思います」(牛山さん)

ダイブモードの操作マニュアル

ダイブモードの操作マニュアル

また、専用アプリ内には先述した各種モードの操作マニュアルも収録されているので、わからなくなったらこちらで確認できるのも便利だ。

針退避機能で瞬時に針位置を動かせる

針退避機能で瞬時に針位置を動かせる

実際に使用していて便利に感じたのが、針退避機能だ。これは、分針などがインダイヤルと重なった際、針を一時的に移動させて表示を見やすくするための機能。G-SHOCKのアナログモデルの多くで搭載されているものだが、角度をズラせば「まぁ、何とかわかるか」と使わずに済ましてしまうケースも少なくなかった。しかし今作では、ダイバーズらしい太い針が使われており、位置によってはインダイヤルの情報がまるで読めない時がある。このような場合、左上ボタンをプッシュするだけで針がスーッと移動してくれる。再び同じボタンを押すか、放置しておけば10秒後には自然に戻るというのも手間がなくていい。

【まとめ】G-SHOCKのダイバーズはここから次のステージへ!

昔、汗が入っただけでも故障していた腕時計は、20世紀に入ってからメーカー間で防水性の開発競争が激化。潜水距離の深化にともなって、求められる防水性能も高まり、ついにダイバーズというひとつのジャンルが確立された。「フロッグマン」は、数多くの時計メーカーたちが到達してきたひとつの基準点をクリアしたモデルであり、G-SHOCKというブランドをさらに高めた立役者とも言える。

伝統的な機械技術に頼る往年の時計メーカーと異なり、G-SHOCKの持ち味はカシオ計算機という精密機器メーカーが開発した先進テクノロジーがベースになっているところであり、「フロッグマン」もデジタル仕様で進化してきたのは当然だ。しかし、多くの時計ファンにとって「ダイバーズ」の名には機能美と高級感を思わせる陶酔的な響きがあるのも事実で、「フロッグマン」が秘める価値とは若干の齟齬があるように思われた。しかし、アナログ仕様になった今作には、歴代のダイバーズを彷彿(ほうふつ)とさせるような、機能的で精悍な表情を見せるに至っている。もちろん個人の好みも多分に含むところだが、フルアナログ化によって「フロッグマン」の魅力を再認識するファンは多そうだ。

【SPEC】
●ガラス:内面無反射コーティングサファイアガラス
●防水性:ISO200m潜水用防水
●ケース/ベゼル材質:カーボン/ステンレススチール
●バンド材質:樹脂バンド
●ケースサイズ:53.3(横)×56.7(縦)×19.7(厚さ)mm
●重量:119g

横山博之

横山博之

カバン、靴、時計、革小物など、男のライフスタイルを彩るに欠かせないモノに詳しいライター。時代を塗り替えるイノベーティブなテクノロジーやカルチャーにも目を向ける。

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