「グロー・ハイパー」シリーズ専用スティックはすべて、先端を閉じる「StickSeal(スティックシール)テクノロジー」を採用
BAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン)が展開する加熱式タバコ「グロー・ハイパー」シリーズの専用タバコスティックは、低価格で運用できるのが魅力だ。
なかでも、加熱式タバコ専用スティックで最安(2025年5月29日時点)なのが、1箱20本入り430円(税込)の「ラッキー・ストライク」シリーズ。その上の中価格帯シリーズ「ケント」も1箱20本入り480円(税込)と安く、最上位シリーズ「ネオ」でさえ1箱20本入り500円(税込)だ。つまり、最も気軽に紙巻きタバコから乗り換えられる加熱式タバコと言っても過言ではない。
いっぽうデバイスの「グロー・ハイパー」シリーズにおいては、カラフルな有機ELディスプレイを搭載する新モデル「グロー・ハイパー・プロ」が2023年12月に登場。新・加熱技術「HEATBOOST テクノロジー(ヒートブースト テクノロジー)」を採用することで、ニオイを抑えつつ、香ばしさを増やし、喫味を見事にパワーアップさせた。
さらに、同じ加熱技術を採用しつつ、ディスプレイをLEDライトに変更した新スタンダードモデル「グロー・ハイパー」も2024年8月に登場。スティックの開発は、このメインとなった2機種での使用に最適化されている。
「グロー・ハイパー・プロ」は登場時、価格が3,980円(税込)と従来モデルよりも高かったが、スタンダードモデルの新「グロー・ハイパー」じゃ2,480円(税込)と、我が道を行くお手軽コスト路線はキープ。さらに、2025年5月には価格を1,480円(税込)に改定し、さらにコスパを高めている。
そんななか、スティックもリニューアル。タバコ葉がこぼれない「StickSealテクノロジー(スティックシール・テクノロジー)」を全銘柄で採用している。
ここでは、そんな「グロー・ハイパー」シリーズで使える専用タバコスティック現行全25種類を吸い比べてみた。
「グロー・ハイパー」シリーズは、「スタンダードモード」のほか、「ブーストモード」に切り替えて強めの喫味を味わえるのが特徴だ
「グロー・ハイパー」シリーズは現在、下記2機種がラインアップされている。
「glo hyper pro」(グロー・ハイパー・プロ)
「glo hyper」(グロー・ハイパー)
同シリーズは太い専用スティックを使用し、「スタンダードモード」と、加熱温度を高められる「ブーストモード」の2つの加熱モードが楽しめる。加熱方式は、スティックを周囲から加熱する周辺加熱式だ。どちらも、新・加熱技術「ヒートブースト・テクノロジー」を採用しており、最大加熱温度300度で従来モデルよりも喫味を向上させている。2機種の味わいは同じで、違いは「グロー・ハイパー・プロ」がカラフルなカラー有機ELディスプレイ(EASYVIEWスクリーン)を搭載しているいっぽう、「グロー・ハイパー」はシンプルなLEDライトを搭載しているという点だ。
吸える銘柄は、紙巻きタバコでも人気のブランド「ラッキー・ストライク」と、喫味の強さが特徴のオリジナルブランド「ネオ」、紙巻きでも知名度の高い「ケント」の3種類に分けられる。
「グロー・ハイパー」シリーズ専用スティックはすべて、タバコ葉がこぼれないように先端を密封する「スティックシール テクノロジー」を採用。デバイス内に残されたタバコ葉のカスはニオイや雑味の原因にもなるので、メンテナンスの頻度が激減する大進化を遂げたわけだ。
また、フィルターに仕込んだカプセルを潰すことで味変できる「カプセル入り(フレーバー)メンソールタイプ」は全部で11種類もラインアップされている。
【筆者の独自評価】香り:●●●●●、コク:●●●●●、強さ:●●●●●
「マールボロ」と双璧をなす、アメリカンタバコの代表的ブランド「ラッキー・ストライク」のレギュラータイプ。「ダーク」「リッチ」「スムース」の3種類あり、パッケージは似通っているが、この「ダーク・タバコ」が喫味はいちばん強い。
加熱式タバコ専用スティック初となる茶色のフィルターが気分を盛り上げ、レザージャケット的な野性感あるアロマとともに、濃厚でズシッとしたタバコ葉の旨味がやって来る。蒸気はいがらっぽい紙巻きタバコ的なニュアンスがあるが、クセの強いスモーキーさは人を選ぶだろう。
ただ「StickSealテクノロジー」の採用により、以前よりはだいぶ吸いやすくなった。雑味部分が洗練され、喫煙中のニオイも気になりにくくなり、ウマくなった。
なお、「ブーストモード」で味わうと、辛みが増してノドにビリビリと刺激が来る。旨味は増すが、いぶしたニオイがグンと強くなり、吸い殻も多少臭くなる。
【筆者の独自評価】香り:●●●○○、コク:●●●●○、強さ:●●●●○
スモーキーな苦さと酸味のバランスが取れた、上質な紙巻きタバコを想起させる味わいが特徴の「リッチ・タバコ」。「StickSealテクノロジー」の採用により、以前より旨味の部分がグンと高まった気がする。
「スタンダードモード」ではバランスのよいマイルドなタバコ味をゆったりと楽しめ、シルキーな蒸気も心地いい。
いっぽう「ブースト・モード」で吸うと、さながら紙巻きタバコを吸っているような錯覚を起こさせるニコチンの辛味をともなったキレが追加され、抜群のウマさに。タバコ葉の旨味もしっかりと出ており、ひと皮むけた印象だ。紙巻きタバコからのスイッチ組も、これなら移行しやすいと思う。
【筆者の独自評価】香り:●●●○○、コク:●●○○○、強さ:●●●○○
マスターブレンダーによる厳選タバコ葉を使用した「スムース・タバコ」。スモーキーでロースト感の色濃い苦味系の「ダーク」、それらのクセを少々控えた「リッチ」に対して、酸味を際立たせたクリアな喫味を立たせているのが特徴だ。
「スタンダードモード」でゆっくりと味わうと、酸味の効いたクリアなタバコ味が広がってウマい。軽快でありながら後半になるにしたがって、バージニア葉的な旨味も増していく。
以前は「ブーストモード」で吸うと、ニコチンの辛味が強調され、喉にビリビリきていたが、「StickSealテクノロジー」採用により、マイルドな味に変化している。
【筆者の独自評価】香り:●●●●●、コク:●●●●●、メンソールの強さ:●●●●●
「ダーク・タバコ」のクセの強さに、ストロングな冷感タイプの清涼感が加わった「ダーク・メンソール」。標準モードで吸ってみると、強烈な冷感メンソールの刺激がのど奥をヒットして、鼻の奥までスースーに。油断していたらむせてしまう強烈さだ。いぶした香りのダーク系のタバコ臭が上手にマスキングされている分、吸いやすい。
「ブーストモード」で吸うと、メンソールがほどよく飛んで、タバコ味が前面に。濃くてキツくて、罪深い味わいだけど、タバコ葉の旨味たっぷりにおいしく吸える。また、「StickSealテクノロジー」の採用により、雑味が減り、刺激がよりシャープになった印象だ。
【筆者の独自評価】香り:●●●●○、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●○
せわしくなりがちなカプセルタイプではなく、落ち着いて味わえる王道メンソール。
「スタンダードモード」で味わうと、ペパーミントの辛さが思ったよりも強くてびっくり。ただ、激辛というほどではなく、爽快な印象。「ラッキー・ストライク」ならではのスモーク風味はあまり感じず、吸いやすい。
3吸い目くらいから清涼感は落ち着き、タバコ葉の旨味を感じる王道メンソールタバコの味わいに。品のよい味わいが持続する。
「ブーストモード」では、ノド奥がビリビリする辛口メンソールに変身。まさに目が覚める刺激。吸い終わったあとも、しばらくの間、呼気がメンソール風味だった。とはいえ、わずかにハーバルな苦みも感じられ、これはなかなか硬派でイケメンなメンソールタバコ味だと思う。「StickSealテクノロジー」の採用により、吸い殻のニオイが気になりにくくなったのもうれしい。
【筆者の独自評価】香り:●●●●●、コク:●●●○○、メンソールの強さ:●●●●○
トロピカルフルーツのアロマを感じながら「スタンダードモード」で吸ってみると、ベースの「ダーク・タバコ」特有のいぶした風味が、ほどよい冷たさのメンソールとフルーティーさで上手に中和されているのがわかる。しかし後半は、メンソールが抜けるとともに、スモーキー感が強まり、南国テイストが引っ込んでしまうところが残念だった。
「ブーストモード」で吸うと、高温でメンソールがほどよく飛んで、パイナップル的なアロマが前面に出てきておいしい。後半は、「ダーク・タバコ」のロースト感が強くなるのだが、アロマとの相性がよく、意外と気にならずにおいしく楽しめた。また、「StickSealテクノロジー」の採用により、ケミカルなアロマ感が幾分目立つようになったと感じる。
【筆者の独自評価】香り:●●●●○、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●○
「ベリー・メンソール」はカプセルタイプで、人気の高いベリー系のフレーバーメンソール。「スタンダードモード」で味わってみると、ほのかな甘酸っぱさのベリーメンソールタバコ味がおしゃれだ。カプセルを弾けさせると、みずみずしい紫色の果実を思わせる味わいが広がって、気分が大きく変わる。
「ブーストモード」では、口の中全体にペパーミントの辛さが広がり、後味にベリー。これもウマい。カプセルを炸裂させると、強烈なベリーメンソールに。カプセルを潰したほうが抜群においしい。「StickSealテクノロジー」の採用により、タバコ感が少し控えめになった印象だ。
【筆者の独自評価】香り:●●●●●、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●○
「スタンダードモード」では、ほのかなベリーフレーバーのメンソールタバコ。それなりにおいしいけれど、少し紳士的すぎる印象だ。
カプセルを潰すと、ベリーの風味がドンと広がり、ウマくなった。タバコ感とベリーのフレーバーメンソール感は50:50の印象。刺激は強くないが、ケミカルさのない上品なベリー感がウマい。
「ブーストモード」で吸うと、ペパーミント系のメンソールの辛さが際立つ。吐く蒸気に熟した紫色のぶどう感が加わって、タバコ感も強く、コントラストが一気に上がって、とてもおいしい。
カプセルを潰すと辛口メンソールに、ベリーの甘酸っぱさが乗り、刺激がMAXに。強い刺激が好みなら、ブースト×カプセル潰しだ。
「StickSealテクノロジー」の採用により、アロマ感が少し強まった印象。
【筆者の独自評価】香り:●●●●●、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●●
「スタンダードモード」では、品のよいフレーバーメンソール味で、ほんのり甘いトロピカルフルーツが遠くで感じられるレベル。フレーバーは物足りなく、濃厚なタバコ味が際立ちすぎている。
カプセルを潰すと、一気にバランスが整った。濃厚タバコ味に負けないメンソール感と、マンゴー&パインのジューシーな風味がウマい。トロピカルフレーバーは通常、ケミカルさが出やすいが、BAT製品の中でも吸いやすい部類に入るだろう。
「ブーストモード」でも、カプセルを潰す前は、ベースになっている濃厚タバコ味の主張が強すぎて、マンゴーもパインもどこかに行ってしまっている。普通のメンソールタバコという印象だ。
「ブーストモード」でカプセルを潰したら、一気に強刺激で強フレーバーに変身。メンソールで一気に喉奥が辛くなり、そこにアジアンフルーツのフレーバーがなだれ込んでくる。
エスニックなフルーツ感は吸う人を選ぶとは思うが、トロピカル感をしっかりと味わいたいならおすすめ。吸い殻のニオイは「StickSealテクノロジー」の採用により、だいぶソフトになった。
【筆者の独自評価】香り:●●●○○、コク:●●○○○、メンソールの強さ:●●●●●
フレーバーメンソールから濃厚フレーバーメンソールに切り替える今までのフレーバーメンソールタイプとは異なり、最初はシンプルなメンソール味で、カプセルを潰すとフレーバーメンソールに切り替えられる「スイッチ」シリーズのひとつ。
「スタンダードモード」だと、最初は辛いメンソールが喉奥にピリピリくる。確かにフレーバーは一切感じない。
カプセルを潰してみると、マンゴー感のあるトロピカルな甘みと香りがふんわり出てきた。「トロピカル・ブースト」に比べると、ずいぶん爽やかでライトな喫味だが、その一気に変わるコントラストは楽しい。フレーバーに濃厚さではなく、軽い味付けを求めている人におすすめだ。
「ブーストモード」で味わってみると、最初は超辛口メンソール。カプセルを潰した後は、フレーバーのおかげで多少マイルドにはなるが、それでもメンソール刺激は強めだ。「トロピカル・ブースト」で甘酸っぱさが強すぎると感じていた人なら一度試してほしい。
【筆者の独自評価】香り:●●○○○、コク:●●○○○、メンソールの強さ:●●●●●
「ラッキー・ストライク・ベリー・スイッチ」は「トロピカル・スイッチ」と構造は同じで、シンプルなメンソールタイプから、カプセルを潰してフレーバーメンソールタイプに切り替えられる「スイッチ」シリーズ。
「スタンダードモード」では、鼻が一気に通りそうな辛口ペパーミント系メンソールが突き抜ける。カプセルを潰した後は、ベリーフレーバーが香るが、強い清涼感に負けてしまっており、どこかケミカル感を感じてしまうのが残念だ。
「ブーストモード」では、カプセル炸裂後のベリー感は少し強くなるものの、一般的なベリーメンソールの甘酸っぱい味わいではなく、風味付け程度に抑えられている。ただ、喫煙時間後半になるにしたがって酸味が強くなるのをマスキングする効果は多少ありそうだ。ベリー系の味が好きというよりも、メンソールは辛ければ辛いほどいいと思う人なら、たまの気分転換によいフレーバーかもしれない。
【筆者の独自評価】香り:●●●●●、コク:●●●●●、強さ:●●●●●
以前は「テラコッタ」の名称で親しまれ、2024年5月に名称を「ネオ・クラシック・タバコ」に変更。マスターブレンダーが厳選したタバコ葉を使用したいちばん濃いレギュラー製品で、ダーク系の濃厚な味という位置づけだが、「濃厚さ=ロースト感」ではない。
年輪を重ねた樹木のような深みと落ち着きを持った風味で、クセは思ったよりも少ない。
甘みは控えめで、苦味と辛味を主体とした“煙的”な蒸気が喉を通る感覚が紙巻きタバコに近い。タバコにキリッとした渋みを求める人のためのビターな深さだ。
「スタンダード・モード」ではバージニアタバコの甘みがまろやかに広がり、「ブースト・モード」では苦味と辛味を引き金に、重厚な紙巻きタバコ感を生み出す。ただ、吸い殻のニオイはちょっときつめ。
【筆者の独自評価】香り:●●●●○、コク:●●●●○、強さ:●●●●○
「マイルド・タバコ」はその名のとおり、バランスの取れた王道マイルド系。岐阜県で加工された国産蜂蜜の甘味と、コーヒーの焙煎豆のような香ばしさ、タバコ葉本来の香ばしさが合体し、ほどよい酸味とともに旨味を演出している。
マイルドとは言ってもライトな喫味ではなく、しっかりとしたキックを与えてくれるほか、吐き出す蒸気にもほどよい辛味が含まれている。「スタンダード・モード」ではふんわりとしたバージニア種タバコ葉の芳醇な旨味が主体で、吸い方も蒸気を口の中にしっかりと溜めたほうがウマい。
「ブースト・モード」ではエッジが際立ってくるので、紙巻きタバコ的な手軽なリラックスタイムに打ってつけ。バランスのよさが持ち味だ。
【筆者の独自評価】香り:●●●○○、コク:●●●○○、強さ:●●●○○
マスターブレンダー厳選タバコ葉を使用したレギュラー製品の、最も軽快なレギュラー味の新製品「ネオ・スムース・タバコ」。「スムース」というと基本的に酸味が際立つ傾向があるが、この製品は酸味をきかせすぎていないのが特徴だ。
「スタンダード・モード」では甘さと酸味がふわりと香り立つ上品な味わい。往年のライト系タバコをくゆらせているような、さっぱりとした後味がウマい。
「ブースト・モード」にすると、全体的に味が濃くなるが、それでもスペシャルティーコーヒーのような香ばしい焙煎感は崩していない。雑味のない軽快さが引き立つ。
【筆者の独自評価】香り:●●●●○、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●○
「クール」ブランドからの転換製品「ネオ・フレッシュ・メンソール」が2025年4月に「ネオ・チルド・メンソール」としてリニューアル。
北海道産ミントを使用した、キリッと落ち着いたメンソール味が特徴で、シンプルで飾り気のない清涼感とタバコ葉の旨味のバランスが見事だ。自然派メンソールならではのフレッシュ感もおいしい。きちんとタバコ味のするメンソールタイプが好みな人におすすめ。
「ブーストモード」で味わうと、苦みが加わって清涼感がノドに食い込むように強くなり、これはこれでおいしい。
【筆者の独自評価】香り:●●●●○、コク:●●●●●、メンソールの強さ:●●●●●
旧「クール・エックス・ネオ・マックス・メンソール」が、「クール」ブランド廃止により「ネオ・マックス・メンソール」に名称変更し、さらに2025年4月に「ネオ・アイスド・メンソール」に名称変更された。
北海道産ミントを使用したカプセルメンソールタイプで、パッケージを開けると、スティックからはナチュラルな甘い香りがする。
実際に吸うと、それほど甘みは強くない、ハーバルなメンソール味。カプセルを潰すと、さらにメンソールは強力になり、同時にケミカル臭も感じてしまうが、全体的には重みと旨味のある味わいになった。
「ブーストモード」では苦みが強くなり、シャープな味わいに。のどから鼻まで涼しくなる。タバコ葉の旨味とナチュラルな強刺激を両立しているところがポイントだ。
【筆者の独自評価】香り:●●●○○、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●●
「ネオ・フリーズ・メンソール」から「ネオ・アークティック・メンソール」に名称変更。ちなみに「アークティック」とは、元々「北極の」という意味だが、転じて「極寒の」という意味でも使われる形容詞だ。
北海道産ミントを使用したカプセルメンソールタイプで、辛みよりも冷感を中心とした、重めのメンソール感が楽しめる。カプセルを潰すと、味の厚みも出て、タバコ葉のうまみとマッチする。
「ブーストモード」で味わうと、ノドの奥が痛くなるほどの強烈な刺激の圧がやって来る。いっぽうで、カプセルを潰した後のほうがその刺激がマイルドに感じられた。
【筆者の独自評価】香り:●●●●●、コク:●●●○○、メンソールの強さ:●●●●○
フルーティーさを前面に打ち出した味わいが特徴の"ブリリアント3兄弟"のひとつ。
人気のベリー系カプセルメンソールで、パッケージを開けた瞬間、ブルーベリーのアロマが飛び出してくる。そこに福岡産のいちごのフレーバーも加えられているのだとか。蒸気を吸い込むと、フレッシュなフルーティーさが感じられてウマい。
「ブーストモード」で味わうと、フルーティーさが飛び気味になるが、カプセルを潰せば、ジューシーなベリー感を味わえた。この組み合わせは、意外とアリ。
【筆者の独自評価】香り:●●●●○、コク:●●○○○、メンソールの強さ:●●●●○
トロピカルフルーツをベースに、山梨県産の桃フレーバーを加えたカプセルメンソールタイプ。"ブリリアント3兄弟"のひとつ。辛みのある清涼感に、ほどよいフルーティーなアロマをバランスよく組み合わせており、異国感は控えめで吸いやすい。カプセルを潰すと、桃感が一気に強まる。
「ブーストモード」で味わうと、フルーティーさが飛んでしまう。さらにカプセルを潰すと、ミントの苦みが強まり、大人のおいしさに。
【筆者の独自評価】香り:●●●●●、コク:●●○○○、強さ:●●●●○
「ネオ・ブリリアント・トロピカル」と似ているカラーリングで2025年5月に発売された新製品「ネオ・ブリリアント・レッドフルーツ」。カプセルを潰さず「スタンダードモード」で吸ってみると、辛すぎない爽快でひんやりとしたメンソールがノドを駆け抜ける。後味はほんのり甘い程度だ。
割と早めにタバコ感が前面に出てくるので、そのタイミングでカプセルを潰すと、チェリーとピーチのカクテルのようなフルーティー&ジューシーさが味わえる。アルコール入りのカクテルのような不思議な味わいだ。最初からカプセルを潰しておくことを推奨したい。ただ、少々エキゾチックなこのテイストは人を選ぶかも。
「ブーストモード」で吸っても、冷感メンソールに辛さが加わり、甘みも感じないので早めにカプセルを潰すのがおすすめ。ケミカルさもなく、辛口冷感メンソール+チェリー+ピーチのほどよく揮発した吸いやすさとなる。ジューシーさは幾分飛んでしまうが、吐き出す蒸気に甘みがあって、これはこれで洋モク的なおいしさにあふれている。
【筆者の独自評価】香り:●●●○○、コク:●●●●○、強さ:●●●●○
「ケント」シリーズの中で最高喫味なのが、「ケント・トゥルー・リッチ・タバコ」だ。2024年7月にマスターブレンダーによる厳選タバコ葉を採用してリニューアル。元々ウマかったが、雑味をやわらげることでイガイガ感がさらに減っていた。それが待望の「スティックシール テクノロジー」を採用。タバコ葉がこぼれないように改善されたのはいいものの、価格は1箱450円から480円に値上げされた(それでもまだ安いが……)。パッケージも落ち着いたデザインに変更され、名称も「ケント・ネオスティック」から「ケント」とシンプルなものに。
「スタンダードモード」では、ゆったりとくゆる蒸気が“タバコの煙”を演出。良質なバージニア葉とオリエンタル葉が生み出す上品な喫味がスーッと広がる。雑味が減少した分、滑らかな吸い心地だ。後半はロースト感が少し強めに出るが、酸味はしっかりと抑えられており、クセの少なさを維持。先端を閉じた分、ドローは重めになったが、ゆっくりと吸い込み、ゆっくりと吐き出すことで、よりおいしく楽しめるようになった。また、使用するラミナ(タバコ葉の葉肉の部分)ならではの旨味が上品だ。
「ブーストモード」では、ニコチンの辛みがノド奥を直撃し、紙巻きタバコに近いフィールに。吐き出す蒸気も同じく辛めになり、蒸気なのに“煙たい感じ”がする。「スタンダードモード」に比べ、喫味にエッジが出るのはいいが、旨味の部分が若干飛びがちなうえ、喫煙時間が3分で終わってしまうのは少し物足りない。
【筆者の独自評価】香り:●●○○○、コク:●●●○○、強さ:●●●○○
往年のマイルドタバコやライトタバコを思わせる、軽い王道レギュラータイプ。
「スタンダードモード」では、まろやかでほんのり甘く、酸味と苦味のバランスが取れた、タバコ葉の自然な味わいが感じられる。香りにクセはないが、ラミナの旨味が舌でしっかりと感じられるのがいい。ニコチン特有の辛みも控えめ。後半に多少酸味が目立ってくるが、イヤな感じはまったくしない。
「ブーストモード」では、シャープな辛さがグンと際立った。まろやかさが減少してしまう分、少し物足りないまま終了。やはりこちらも、しっかりと味わうには、3分という喫煙時間は短い。
【筆者の独自評価】香り:●●○○○、コク:●●●●○、メンソールの強さ:●●●●○
激辛ではなく、濃厚な清涼感を目指した「ケント・トゥルー・リッチ・メンソール」は、「スティックシール テクノロジー」で印象が大きく変わった。
「スタンダードモード」では、ノド奥までまっすぐ伸びていく甘さ控えめの冷感が際立つが、タバコ葉の苦味もしっかりと感じとれる。紙巻き版「クール」のように、タバコ葉の雑味とメンソールの辛さが5:5のバランスでマイルドにまとめ上げられていてウマい。
「ブーストモード」では、上品な冷感メンソールにエッジの効いた辛みが加わってノド奥をさらに刺激する。ただその分、タバコらしさは薄まってしまっていた。
【筆者の独自評価】香り:●●○○○、コク:●●●○○、メンソールの強さ:●●●○○
「ケント・トゥルー・メンソール」はスタンダードなメンソールタイプ。
「スタンダードモード」では、メンソールのほどよいスースー感とタバコ葉の苦味が共存するジェントルな紙巻き風メンソールタバコ味だ。舌先では多少辛く感じるが、冷涼感のほうが強め。後半になると、タバコ味が目立ってくるが、舌に残る清涼感がウマい。
「ブーストモード」では、ひと吸い目でミントを強めに感じるが、辛すぎるわけではなく、タバコ葉の苦味もキープ。気合いを入れたいときにぴったりの刺激だ。
【筆者の独自評価】香り:●●●●●、コク:●●●○○、メンソールの強さ:●●●○○
「ケント」唯一のフレーバーメンソールでカプセル入り。「スティックシール テクノロジー」の採用で、味わいがより洗練された。
「スタンダードモード」では、おとなしいメンソールタイプ。カプセルを潰した途端にドバッとベリーの風味が広がるのに驚く。甘酸っぱいというよりは紫色のブドウの甘さ。清涼感とタバコ感、そしてベリー風味のバランスが絶妙な、やさしいおいしさだ。
「ブーストモード」では、ほどよい辛さのメンソール味。カプセルを潰すと、際立ったベリーのアロマが大きく広がり、ジェントルだけど絶妙のバランスでウマさ爆発。モードはどちらにしろ、カプセルは最初に潰しておいたほうがおいしく楽しめると思った。
デバイスの安さにも定評がある「グロー・ハイパー」シリーズだが、専用タバコスティックも庶民の味方だ。
「ラッキー・ストライク」なら20本入り430円(税込)、中価格帯の「ケント」も値上げしたとはいえ480円(税込)。フラグシップの「ネオ」は1箱500円(税込)だが、それでも業界の中では安いほうに入る。
そんな「グロー・ハイパー」シリーズ専用スティックの全銘柄が、先端を密封したタイプを採用。連続使用時のニオイもあまり気にならなくなったし、掃除もラクになったのはユーザーにとって朗報だ。
味わいにおいては、「ラッキー・ストライク」は、とにかくクセと喫味の強さを求める人向け。「ケント」はスマートにコスパよくたしなみたい人にぴったり。どちらも、古きよき時代から続く銘柄を愛する紙巻きタバコユーザーにとって、最有力の乗り換え先だ。「ネオ」においては、レギュラータイプ「ネオ・マイルド・タバコ」が紙巻きレギュラーの味に近いので、こちらも乗り換え先としておすすめだ。
また、喫煙途中にフィルター内のカプセルを潰してフレーバーを濃厚にできる「カプセルメンソール」は、「グロー」がパイオニア。これが楽しめるから「グロー」を選ぶという人も多く、バリエーションも11種類と選択肢も多い。さらに、同じ「カプセルメンソール」だが、ベースはシンプルなメンソールのみで、カプセルを潰した後に初めてフレーバーを感じる構造を持つ「スイッチ」シリーズは、1本で2種類の味を楽しみたいならよい選択だ。
●取材協力:BATジャパン