こんにちは、ガンプラマニアのポッチです! 「ポッチのガンプラ+」というブログで、日々ガンプラレビューを更新しています。
今回は、ガンプラの新作「MG 1/100 ゼータガンダムVer.Ka」と、2005年発売の旧作「MG 1/100 ゼータガンダムVer.2.0」を徹底比較します。プロポーションが大幅に変更されているほか、付属品と変形難易度に違いが見られたので、そのあたりをじっくりと解説します。
今回比較する「ゼータガンダム」はこの2体。左が2005年発売の「MG 1/100 ゼータガンダム Ver.2.0」(税込5,500円)で、右が2023年4月29日に発売された「MG 1/100 ゼータガンダム Ver.Ka」(税込7,150円)です
「MG 1/100 ゼータガンダム Ver.Ka」は、MGシリーズの「ゼータガンダム」として3製品目。最初のMGは、MGシリーズ初期の1996年に発売され、2005年に「Ver.2.0」が発売されました。そのあと18年の“刻(とき)”を超え、今回の「Ver.Ka」がリリースされたことになります。価格は7,150円(税込)です。
今作でおもしろいポイントは、商品名こそ「Ver.Ka」ですが、テレビアニメシリーズ「機動戦士Ζガンダム」のデザインを取り入れたスタイルで再現されている点。組み立て書に掲載されている「カトキハジメ氏インタビュー」に書いてありましたが、そもそも「『Ver.Ka』はカトキ風味の味付けをするシリーズではなく、アイテムごとにテーマを設定してチャレンジしていくのがコンセプトのレーベル」とのことだそう。
今作のデザインは、テレビアニメシリーズ初期の設定画を意識しており、特に胸部アーマー周りが原点回帰したデザインで再現されているのが特徴です。そのあたり、以下で「Ver.2.0」とアップで比較していきたいと思います。
全体を比較。「Ver.Ka」では成形色ブルーの色合いが渋め。体型はよりガッチリとした印象です
後ろ姿を比較。「フライング・アーマー」(後部に背負ったウイング部)の形状やサイズが変化しています
頭部を比較。2体とも「トサカ中央部のブルー」と「ツインアイのグリーン」にシールを使いますが、顔つきとアンテナの長さが異なります
額の左右にある「60mmバルカン砲」は、「Ver.Ka」ではエクストラフィニッシュ加工されたメタリックシルバーのパーツで再現。豪華な見た目に進化しました
胸部アーマーのデザインは大幅に変化。「Ver.Ka」ではメタリックパーツが使用されているだけではなく、胸の正面が“切り立った絶壁”のような角度で再現されています
実は、胸部デザインが本作でいちばん変化したポイントです。
「機動戦士Zガンダム」のテレビアニメシリーズ放送当時、アニメーターさんなどが「どうすれば『ゼータ』がもっとかっこよくなるか」と模索するなかで、「胸部は少し傾斜をゆるくしたほうがいいのではないか」と考えるようになっていき、昨今のスタイリッシュな「ゼータ」のイメージが定着したそうです。本作は原点回帰となるテレビアニメ版デザインでの立体化ということで、この胸部形状を始め、ガッチリとした体型バランスで再現されているのが「Ver.Ka」の最大の特徴と言えます。
肩部を比較。「Ver.2.0」ではイエローの一部分がシールでしたが、「Ver.Ka」では内部ダクトのグレーを含め、細かく色分けされています
ヒジ関節も「Ver.Ka」の特徴のひとつで、設定画に準拠した丸い関節で再現されています。MGとしては「Ver.Ka」で初めて再現された形状で、ゆるいカーブを描いた2本のパイプも特徴的です
前腕部には「グレネード・ランチャー」を取り付けており、前方へスライドさせれば先端のハッチが開きます。ここは2体とも同じギミックで、「グレネード・ランチャー」はともに両腕分付属します
「Ver.Ka」では肩の付け根パーツごと動くようになり、可動幅が増えました
「ビーム・ライフル」は色合いが変化。「Ver.2.0」ではシールだったイエロー部が、「Ver.Ka」ではパーツ分割によって色分けされています
「Ver.Ka」では武器の保持力が進化。「Ver.2.0」では「指可動タイプのハンドパーツ」しか同梱されていませんでしたが、「Ver.Ka」では「専用のライフル持ち手」が付属し、ライフルをガッチリと持てるようになりました。「Ver.2.0」のほうは「手の平とグリップの凹凸を合わせる」ようにして持たせる構造でしたが、接続強度が弱いために武器がポロリしやすいのが弱点です
シールドはデザインを変更
腰部を比較。「Ver.Ka」では、ここにもメタリックパーツが使われています
2体とも腰部サイドアーマーにサーベルラックが内蔵されています。「ビーム・サーベル」のグリップは着脱でき、手に持たせられます
腰部のリアアーマー(後ろ側)を比較。「Ver.2.0」ではバーニア部がレッド1色でしたが、「Ver.Ka」は細かく色分けされています
脚部を比較。デザインもさることながら、「Ver.Ka」では自立性が向上しています。というのも、「Ver.2.0」最大の弱点は「自立が安定しない」ことでした。「Ver.Ka」ではソール部の角度がつけやすくなり、接地性も向上しています
「Ver.Ka」ではふくらはぎのバーニアの色分けも向上
足裏の色分けも向上。「Ver.Ka」ではところどころメタリックシルバーのパーツが使用されています
「フライング・アーマー」を比較。色合いやサイズが変化しています
「Ver.Ka」は「肩まわりの可動域が広くなった」のと「武器の保持力が増した」ため、ストレスフリーなポージングが可能に!
「ビーム・サーベル」で攻撃する「ゼータガンダム」!
ここまで形状などを比較してきましたが、さすが最新作の「Ver.Ka」なだけあって、「組みやすさ」「可動域の広さ」「自立の安定感」「武器の保持力の高さ」と、すべてにおいて「Ver.2.0」を圧倒しています。ただ、付属品の数には大きな違いがあります。ここが「Ver.2.0」と「Ver.Ka」のどちらを買うかにおける最大の悩みポイントだと思うので、じっくりと解説します!
結論から言うと、「Ver.Ka」よりも付属品数が多いのが、「Ver.2.0」最大のセールスポイントです。
こちらが「Ver.Ka」に付属するハンドパーツ。専用の「握り手」に加え、指を交換することで切り替えられる「平手」「サーベル持ち手」「ライフル持ち手」が両手分付属します。このパーツのおかげで、どの武器もポロリすることなく楽にポーズがつけられるようになりました
いっぽう、「Ver.2.0」には「カタパルト型ディスプレイ」「ハイパー・メガ・ランチャー」「整備クルーフィギュア」が付属
「ハイパー・メガ・ランチャー」を持たせた状態。武器の保持力は弱いものの、迫力ある武器が付属します
カタパルトディスプレイのフットレストは、前後に可動します。整備クルーフィギュアが同梱するのも、地味にうれしいポイント
「Ver.2.0」のカタパルト型ディスプレイは、写真のように「MG 1/100 ガンダムMk-II Ver.2.0」に同梱するカタパルト型ディスプレイと連結できます
「MG 1/100 ガンダムMk-II」と並べて展示すると、テンション爆上がり!
こちらは「Ver.2.0」のカタパルト型ディスプレイに、「Ver.Ka」を乗せて「ハイパー・メガ・ランチャー」を持たせた状態
「Ver.Ka」は「Ver.2.0」の「ハイパー・メガ・ランチャー」のグリップをうまく持てないのと、フットレストとソール部のサイズが微妙に合わないため、厳密には互換性はありません
ここまで比較してきた結果としては、「『ゼータガンダム』本体は『Ver.Ka』の勝利」「付属品の数は『Ver.2.0』の勝利」といったところでしょうか。
次に比べてみたいのは、「ウェイブ・ライダー」形態。一部ライフルなどを付け替える必要はあるものの「両方とも完全変形する」のが特徴です。
「ウェイブ・ライダー」形態を比較。変形難易度は圧倒的に「Ver.2.0」のほうが難しいものの、「Ver.Ka」でも組み立て書とにらめっこになる点は変わりません。「Ver.2.0」は30分ほど、「Ver.Ka」は15分ほどで変形作業が完了しました
各部ディテールは、遠目で見ても「Ver.Ka」のほうが上
アップで比較。「Ver.Ka」では胸部パーツが平たくなったことで、よりシャープな印象に
「Ver.Ka」ではバーニアの色分けが向上しており、足裏のメタリックパーツのおかげでさらにに見栄えがよくなりました
「Ver.2.0」には「ハイパー・メガ・ランチャー」が付属するため、「ウェイブ・ライダー」形態時にそれを下部に装着できます。共通の接続規格ではないため、「Ver.Ka」には取り付けられません
「Ver.Ka」には各部ランディングギアの引き出しギミックが搭載されています。「ウェイブ・ライダー」形態でも接地状態で展示可能
付属品数に違いはあるものの、本体は「Ver.Ka」の圧勝!
いかがでしたでしょうか。
2体の特徴を簡潔にまとめてみます。
「Ver.2.0」
・「ハイパー・メガ・ランチャー」や「カタパルト型ディスプレイ」といった付属品が充実
「Ver.Ka」
・テレビアニメシリーズ版デザインで再現
・色分けとディテールが向上
・「ウェイブ・ライダー」形態へ変形させやすくなった
総評としては、付属品の数は「Ver.2.0」のほうが勝っているものの、「Ver.Ka」の数ある長所にはかなわないといった印象でした。
特に、「Ver.Ka」の場合、「頭部」「胴体」「肩部」「腰部」「脚部」からチラチラ見えるメタリックシルバーのパーツがとてもキレイなうえ、ライフルやバーニアなどの色分けも優秀。さらに「Ver.2.0」では弱点だった「自立性の悪さ」「武器の保持力が弱い」問題が解消されているので、ポーズ付けをしていて非常にストレスフリーでした。
「ゼータ」ファンは十中八九満足する完成度だと思うので、「Ver.Ka」、おすすめです!
ガンプラレビューサイト「ポッチのガンプラ+」の管理人でガンダムマニア。都内で出版・コンサル系の会社を経営しております。【ポッチのガンプラ+】https://gunplapocchi.com/