本連載「だからザ・ノース・フェイスは選ばれる!」は、現在セールス絶好調のザ・ノース・フェイスが、ユーザーから選ばれる理由を検証する企画。第59回は「Base Camp Rolling Thunder-22(ベースキャンプローリングサンダー22インチ)」をピックアップした。
このプロダクトは、メイン素材に1,000デニールのTPEファブリックラミネート(リサイクルポリエステル)を採用することで汚れや水濡れに強いうえに、大量の荷物が持ち運びやすいホイール付きのウィーラーバッグ。直径9cmの大きなホイールは、舗装路だけでなく悪路にも対応してくれる。
ザ・ノース・フェイス「ベースキャンプローリングサンダー22インチ」(品番:NM82415)。公式サイト価格は46,750円(税込)
「ベースキャンプローリングサンダー22インチ」は、本体のマテリアルに、汚れや水濡れに強い1,000デニールのTPEファブリックラミネート加工が施されたリサイクルポリエステルを採用したキャリーバッグ。収納可能なウィーラーハンドルや持ち上げるのに便利なグラブハンドルを装備するほか、サイドにトレッドを刻んだ直径9cmの大きめなホイールを採用したことにより、コンクリートやアスファルトといった平坦な路面だけでなく、石畳や土の道といった悪路にも対応する。
本体には、汚れや水濡れに強い1,000デニールのTPEファブリックラミネート加工が施されたリサイクルポリエステルを採用。「THE NORTH FACE」のロゴが大きくプリントされている
収納可能なウィーラーハンドルは、両サイドの赤いボタンを押すことでロックが解除できる。握り部分にロック解除ボタンがあるタイプよりも、誤動作が起きにくいのがうれしい
サイドにトレッドを刻んだ大きめのホイールを採用したことにより、コンクリートやアスファルトといった平坦な路面だけでなく、石畳や土の道といった悪路にも対応
また、フラップ裏のファスナー付きメッシュポケットや、本体内部のオーガナイザー、トップのアクセサリーポケット、フロントの縦型ファスナーポケットなど、多くの荷物を小分けして収納できる。
フラップ裏のファスナー付きメッシュポケットは、洗濯物を入れるのにも最適
トップ部分のアクセサリーポケットには、スマホなどを入れるのに便利。収納物を傷つけないように、ライニングには柔軟な素材が使用されている
サイズは、22/28/36インチの3サイズを用意。各容量は40/95/160Lと旅程の長さやユーザーの旅のスタイルに合わせてセレクトでき、特に22インチは全日空や日本航空をはじめとした多くの航空会社で、機内持ち込みが可能なサイズだ。
今回セレクトした22インチは、全日空や日本航空をはじめとした、多くの航空会社の座席100席以上の機内に持ち込みが可能なサイズ
「ベースキャンプローリングサンダー22インチ」を実際に使ってみた!
現在までに300回ほど海外渡航の経験があるだけに、旅行用のラゲージには一家言ある。1991年に購入したサムソナイトのハードタイプのスーツケースを皮切りに、TUMIのバリスティックナイロン製のキャリーバッグやパタゴニアのブラックホールシリーズなど、いくつものトラベルバッグを使ってきて、それぞれのバッグの長所短所を体感してきた。
今回ピックアップしたザ・ノース・フェイスの「ベースキャンプローリングサンダー22インチ」は、合成樹脂や金属を使用したハードケースの対極にある、汚れや水濡れに強い加工が施されたリサイクルポリエステルを使用したソフトタイプ。外部からの耐衝撃性はハードケースに劣るが、素材自体にある程度の伸縮があるので、荷物を目一杯詰め込めるほか、荷物の出し入れを簡単に行えるアウターポケットを配すことが可能など、ハードケースにないメリットも数多い。
初めてこのキャリーバッグを使用したのは、3泊4日の北海道・札幌出張。「3泊の日程で40Lという容量では足りないかな?」と当初思っていたが、このラゲージを預け荷物にし、機内持ち込みで、本連載でも以前紹介した「BCヒューズボックス2」を持っていったこと、さらに同社の「スーパーライト ドライバッグ5L」や市販の圧縮ケースを使用することで、着替えや洗面道具、替えのシューズなどを無理なく収納できた。
同社の「スーパーライト ドライバッグ5L」などを活用することで、メインコンパートメントのスペースを最大限に活用できる
自宅から駅まで10分ほどの距離だが、大型のホイールの転がりもスムーズで、コンパクトなサイズは取り回しも楽。9cmという大きめのホールサイズは、歩道の段差を軽々と乗り越えてくれる。刻みのある接地面はTUMIやサムソナイトが使用しているフラットなホイールよりも若干転がり抵抗があるが、この形状によって凸凹の路面にもしっかりと対応してくれた。
羽田空港へと向かうJR中央線や山手線、京浜急行の各列車の車内は混雑していたが、56×40×26cmというサイズは、ほかの乗客のじゃまにならず、乗車や降車もスムーズに行えた。今回は機内持ち込みとしなかったが、このサイズなら飛行機の頭上にあるオーバーヘッドビンへ荷物を出し入れするのも容易だと思う。
以上のように、ザ・ノース・フェイスの「ベースキャンプローリングサンダー22インチ」は、そのサイズ感やスムーズな転がりのホイールを採用していることで機動性が非常にすぐれたキャリーバッグであることが理解できた。このバッグのみなら2泊3日程度、別に30L程度のバッグを併用すれば、4泊5日くらいまでの旅程に対応してくれそうだ。
欲を言えば、ジッパーで容量を拡大できるエクスパンダブル機能があればありがたかったが、そのシンプルなデザインを考慮すると、それは欲張りすぎかもしれない。「40L程度のサイズなら担ぐタイプでいいのではないか?」という意見があるかもしれないが、熱帯地域への渡航、日本でも夏季の旅行ではバックパックタイプは背中に大量の汗をかいて不快極まりない。それだけに、このサイズのホイール付きバッグの存在意義があると強く思う。