思うようにマイルが貯まらず、特典航空券に換えられないまま有効期限前に慌ててショッピングサイトで使ったり、提携ポイントに交換してしまったり――。こんな経験ありませんか? そんな人は、いまから紹介する3つのルールを実践しましょう。飛行機に一切乗らなくても、面倒な裏ワザを使わなくてもノープロブレム。クレジットカードを使って毎日の生活を少し見直すだけで、”貯まる体質”に変わります。
コツコツ貯めたマイルで交換した特典航空券で「3年連続ビジネスクラスでのハワイ旅行」「パリへのファーストクラス旅行」など、数々の夢を実現してきた上級陸マイラーが、いますぐに始められるマイルの賢い貯め方を指南します。ぜひ参考にしてください。
マイルをしっかり貯める3つのルール
・“50円でもクレジットカード払い”を徹底する!
・家族でマイルを合算する!
・自分に合ったクレジットカードを選ぶ!
出発地と目的地の往復便が無料になる特典航空券。貯まったマイルを交換することでもらえますが、以下のように、交換には一定のマイル数が必要です。ANAマイルとJALマイルの違いは、以下の記事を参考にしてください。
(関連記事:JALとANA、マイルはどっちで貯めるのがお得?)
さらに、マイルには有効期限もあります。JAL、ANAとも3年。上に挙げたマイル数が貯まらないまま有効期限が迫り、結局、使いやすいAmazonギフト券や楽天スーパーポイントなどに交換してしまった、という人もいるでしょう。
有効期限前にしっかりマイルを貯め、特典航空券と交換するためには、ちょっとしたコツがあります。以下の3つのルールに従って毎日の生活を少し見直すだけでOKなので、ぜひ挑戦してください。
あらゆる支払いをクレジットカードですることは、マイルを貯める基本。毎月の光熱費やケータイ代、レジャー費用などのまとまった金額はもちろん、スーパーやコンビニなど日常のこまかい買い物でも、カード払いを徹底しましょう。
JALカードは100円ごとに1マイル貯まりますが、10円単位は四捨五入され、実は50円の買い物でも1マイルもらえます(ショッピングマイル・プレミアム加入時)。そのため、ちょっとした飲み物やお菓子を買うときもクレジットカードで支払うと、お得になります。
もちろん、クレジットカードでチャージしてマイルを貯めたうえでPASMOやWAONなどの電子マネーで決済してもOKですが、店舗によってはカードで直接支払ったほうがいい場合もあります。
たとえば、ファミリーマートはJALカードで支払うことでマイルが2倍貯まる「JALカード特約店」、セブン-イレブンは ANAカード払いでマイルが1.5倍貯まる「ANAカードマイルプラス加盟店」です。電子マネーよりもマイルがたくさん貯められるため、直接クレジットカードで支払うのがおすすめです。
JALとANAのマイルは、家族で合算できます。たとえば父親が1万マイル、母親が5,000マイル、子どもが5,000マイル持っているなら、それぞれのポイントだけでは特典航空券に交換できませんが、合算することで合計2万5000マイルとなり、台湾などへの特典航空券1名分に交換できます(必要なマイル数は時期によって変動する)。
条件は、家族の中で1名がJALカードやANAカードの個人本会員で、ほかの家族は家族会員であること。18歳未満(18歳の高校生を含む)は、クレジット機能のないマイレージクラブ会員(JALやANAの公式ホームページから申し込み可/発行手数料・年会費無料)でOK。ここでの家族とは、生計を同一にし、同居している配偶者および一親等(両親・子ども)以内の親族。合算するには事前にホームページなどからの登録が必要です。
せっかくクレジットカードを持っていても、マイルが貯まりにくい“ダメカード”では意味がありません。肝心なのは、以下のようにたくさんあるANAカード、JALカードの中でも、自分のライフスタイルに合った1枚を厳選することです。
最後に、特にマイルが貯まりやすい、おすすめのクレジットカードを紹介します。ちなみに、PASMOユーザーで小田急線のお店を使うことが多い私は、JALカード OP クレジットを愛用しています。
イオングループなどで使える電子マネー「WAON(ワオン)」をよく使う人におすすめなのが「JALカード TOKYU POINT ClubQ」。WAON(または、JALのマイレージ機能が備わったJMB WAON)へのチャージでマイルが貯まるのは、このカードとJAL・JCBカード、JAL・Visaカード、JAL・Mastercardの4種類のみです。
TOKYU POINT→マイルで「マイルの重ね取り」!
ほかの3つとの違いは、東急百貨店・東急ストア・東急ハンズなどのTOKYU POINT加盟店で使うと、マイルに加えてTOKYU POINTも貯まること。TOKYU POINTは2,000P=1,000マイルに交換できるので、「マイルの重ね取り」を達成でき、貯めるチャンスが膨らみます。
弱点は、PASMOオートチャージでもらえるマイルが少ないこと。PASMOチャージではマイルではなく200円ごとに1TOKYU POINTが貯まります。チャージによるマイル還元率は0.25%(100円=0.25マイル)しかなく、PASMOをよく使う人には、次で紹介するJALカード OPクレジットがおすすめです。
JALカード TOKYU POINT ClubQ
発行元/JALカード
国際ブランド/Visa、Mastercard
年会費/2,160円(初年度無料)、ショッピングマイル・プレミアム年会費3,240円
ポイント/マイル(ショッピングマイル・プレミアム加入で1%、未加入で0.5%)
「JALカード OPクレジット」は、PASMOへのチャージで100円につき1マイル(ショッピングマイル・プレミアム加入時)が貯まるなどPASMOチャージでのマイルの貯まりやすさの面で「JALカード TOKYU POINT ClubQ」よりも優れています。
一般的なオートチャージに加え、2017年3月からスタートしたクイックチャージでもマイルが貯まります。クイックチャージとは、駅の券売機で必要な金額をクレジット決済でチャージできる新サービス。現在はまだ東急線各駅のみで利用できますが、今後は小田急線への拡大も期待されています。
また、小田急百貨店やOdakyu OXなどの小田急ポイントサービス加盟店で利用すると、マイルに加えて小田急ポイントが貯まり、こちらも2,000ポイント=1,000マイルに交換できます。
JALカード OP クレジット
発行元/JALカード
国際ブランド/JCB
年会費/2,160円(初年度無料)、ショッピングマイル・プレミアム年会費3,240円
ポイント/マイル(ショッピングマイル・プレミアム加入で1%、未加入で0.5%)
マイラーの間で絶大の人気を誇る「ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)」。マイル還元率はほかのANAカードと横並びですが、PASMOが一体化しており、PASMOへのオートチャージやクイックチャージ、定期券購入でもポイント(OkiDokiポイント、1,000円=1P)が貯まります。貯まったポイントは、1P=10マイルに交換できます(10マイルコースの場合)。
また、東京メトロの乗車で1乗車につきメトロポイントが平日は5P、土・休日は15Pもらえ、このメトロポイントもマイルに交換可(100P→90マイル)。新宿メトロ食堂街のタカノフルーツパーラーでミニジュースがもらえたり、ホテル椿山荘東京のレストラン飲食代が10%オフになったりと、クレジットカードの提示で受けられるサービスも魅力です。
ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)
発行元/JCB
国際ブランド/JCB
年会費/2,160円(初年度無料)、10マイルコースのみマイル移行手数料年間5,250円
ポイント/OkiDokiポイント(10マイルコースで1%、5マイルコースで0.5%還元)
Suicaユーザーにおすすめなのが「ANA VISA Suicaカード」。Suicaチャージで通常のクレジットカード利用と同率のポイント(ワールドプレゼントポイント、1,000円=1P)がもらえ、1P→10マイルに交換可(10マイルコースの場合)、モバイルSuicaも年会費無料で利用できます。ちなみにJALマイラーは、同様にSuicaチャージでマイルが貯まる「JALカードSuica」を選ぶといいでしょう。
知る人ぞ知る隠れたメリットは、条件を満たせば年会費が割引されること。郵送されてくるカード利用明細をWeb明細に切り替えると540円引き、リボ払いの「マイ・ペイすリボ」に登録して年1回利用すると1,249円引きとなり、大きく節約できます。
ただし、「マイ・ペイすリボ」でリボ払いをすると、多額の手数料がかかるので注意。手数料を避けるには、月々の支払額を限度額いっぱいに上げて実質「一括払い」にするテクニックがおすすめです。
ANA VISA Suicaカード
発行元/三井住友カード
国際ブランド/VISA
年会費/2,160円(初年度無料)、10マイルコースのみマイル移行手数料年間6,480円
ポイント/OkiDokiポイント(10マイルコースで1%、5マイルコースで0.5%還元)
マイルをしっかり貯める3つのルールをおさらいしましょう。
・“50円でもクレジットカード払い”を徹底する!
・家族でマイルを合算する!
・自分に合ったクレジットカードを選ぶ!
高還元をうたうクレジットカードは数あれど、旅行好きならJALカードやANAカードなどのマイルが貯まるカードが絶対お得です。こまかすぎて面倒といわずに50円からでもクレジットカードで決済したり、マイルを貯めやすいクレジットカードに切り替えたりなど、簡単なルールをきちんと守るだけで、いつの間にか特典航空券が手に届くぐらいのマイルは貯まります。この機会にぜひ、手持ちのカードや使い方を見直して、特典航空券をめざしましょう。
※本記事は、執筆者個人または執筆者が所属する団体等の見解です。
編集者兼マイラー。JAL、ANAはもちろん、海外航空会社のマイレージにも詳しく、仕事の合間を縫って旅を楽しむ。ポイント、マイルの交換などカードの裏技にも精通。