国内で8000万人以上が利用する「LINE」では、メッセージ機能だけでなく、さまざまなサービスが提供されており、一部のサービスでは利用に応じてLINEポイントが貯まる。LINEポイント自体は以前より存在していたものだが、2020年5月から新たに「LINEポイントクラブ」がスタートした。
「LINEポイントクラブ」では、獲得ポイント数に応じて決まるランク次第で、さまざまな特典が得られる。注目すべき2つの特典として
・スマホ決済のLINE Payによる買い物で使えるクーポンがもらえる
・LINE Payの支払い時に、「Visa LINE Payクレジットカード」をひも付けて支払えば、最高3%のLINEポイントの還元が受けられる
ことがあげられる。効率よくランクアップさせて、これらの特典をうまく使えば、ケタ違いに高い還元率を得ることも可能なので、LINEユーザーの方は、LINEポイントを貯めることを検討してみてほしい。今回は、そんなLINEポイントクラブの活用術を解説する。
LINEポイントクラブはLINEのメンバーシッププログラムで、過去6か月間に獲得したLINEポイント数によって「マイランク」が決まり、ランクが高くなるほど特典内容が充実していく。マイランクは4段階あり、下からレギュラー、シルバー、ゴールド、プラチナとなる。ランクの算定基準は以下のとおりだ。
ただし、最上位のプラチナになるためには、後述する「Visa LINE Payクレジットカード」を保有し、LINE Payアカウントに登録することが必須条件。これを満たしていない場合は、5,000P以上獲得していても、ランクはゴールドになる。また、これも後ほど説明するが、LINE Pay利用時「Visa LINE Payクレジットカード」をひも付けて支払わなければ、LINEポイントは還元されない。こうした点からも、「LINEポイントクラブ」の特典を最大限活用するには、このカードは欠かせないものとなる。
マイランクは毎月1日の午前10時に更新される。筆者は過去6か月間の獲得ポイントが7,369Pだったため、プラチナだった。なお、右の写真のように、現段階の獲得ポイントに応じて、翌月の予想ランクも示される
マイランクは毎月1日の午前10時に更新される。たとえば4月から9月末までに500ポイント獲得していれば、10月1日午前10時から11月1日午前9時59分まではゴールドが適用される。マイランクの特典内容は下表のとおりとなる。
ここで注目すべきは、特典クーポンとチャージ&ペイ利用時のポイント還元率だ(そのほかの特典内容については下記を参照)。
〈LINEスタンプ プレミアム利用料金のポイント還元〉
300万種類以上のクリエイターズスタンプが使い放題になる「LINEスタンプ プレミアム」の利用料金に応じてポイント還元
〈LINE MUSIC プレミアムプラン利用料金のポイント還元〉
LINEの音楽ストリーミングサービスで、制限なしで聴き放題になる「プレミアムプラン」の利用料金に応じてポイント還元
〈LINE マンガ 購入金額のマンガコイン還元〉
LINEの電子コミックサービスで、購入金額に応じてマンガコイン(LINEマンガで使える専用コイン)として還元
特典クーポンは、スマホ決済「LINE Pay」のコード決済またはオンライン決済時に、対象の加盟店で利用可能。クーポン内容は加盟店ごとに異なるが、2020年10月現在では100種類以上が用意されており、この中からランクに応じた枚数を選択・利用できる。クーポンの内容は毎月更新されるが、2020年10月のクーポンは以下のとおりとなる。
【コンビニ】
[10%(最大500円)オフ]
ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマート、ポプラグループ、東海キヨスク
【ドラッグストア】
[10%(最大2,000円)オフ]
ウエルシアグループ、マツモトキヨシホールディングス、サンドラッググループ、ココカラファイン、ツルハグループ、富士薬品ドラッグストアグループ、クスリのアオキ、ダイコクドラッグ、Vドラッグ、ドラッグストア トモズ、ゲンキー、JR九州ドラッグイレブン、サツドラ、ドラッグストア セキ、コクミンドラッグ、薬王堂、杏林堂、キリン堂、どらっぐぱぱす
[5%オフ]
アインズ&トルペ
【スーパー/ディスカウントストア】
[5%オフ]
オーケー、ライフ、サミットストア、東急ストア、ミスターマックス、ベルク、ベイシア、コモディイイダ、エバグリーン廣甚、フレスタ、新鮮市場きむら、クイーンズ伊勢丹、フジカンパニーズ、マキヤグループ
【飲食店】
[100円オフ]
松屋、吉野家、すき家、リンガーハット、日高屋、じゃんぼ總本店、ケンタッキー、ほっかほっか亭、なか卯
[5%オフ]
くら寿司、スシロー、塚田農場、ミライザカ、鳥貴族、串カツ田中、かっぱ寿司、牛角、ココス、三代目鳥メロ、しゃぶしゃぶ温野菜、ジョリーパスタ、ステーキ宮、土間土間、はま寿司、フレッシュネスバーガー、和民
【家電量販店】
[5%オフ]
ビックカメラグループ(オンライン含む)、ヤマダ電機グループ、Joshin、エディオングループ、ケーズデンキ、コジマ、ソフマップ
【趣味/ファッション/家具のお店】
[10%(最大2,000円)オフ]
GEO、TSUTAYA、ブックオフ、Mac−House
[5%オフ]
アルペングループ、アコーディア・ゴルフ、トイザらス、古本市場、赤ちゃん本舗、釣具のポイント、トレファクグループ、Right-onグループ、カメラのキタムラ、時計倉庫TOKIA、ジョイフル本田、くまざわ書店、丸善ジュンク堂書店グループ、東急ハンズ、ロフト、AOKI
【百貨店/ショッピングモール】
[5%オフ]
近鉄百貨店、PARCO、福岡地所グループ、JR HAKATA CITY、西武・そごう、小田急百貨店
【アミューズメント】
[5%オフ]
ビッグエコー、ジャンカラ
【タクシー・引っ越し】
[100円オフ]
JapanTaxiタブレット
[10%オフ]
アリさんマークの引越社
【デリバリー】
[5%オフ]
Uber Eats、LINEデリマ、ピザハット、出前館
【オンライン】
[10%オフ]
LINE FRIENDS公式オンラインストア、BookLive!
[5%オフ]
ラクマ、honto、ファンタシースターオンライン2、DLsite、サンプル百貨店、Qoo10、コミックシーモア、ZOZOTOWN、TOHOシネマズ、ひかりTVショッピング、Pmang、まんが王国、Trip.com、エアトリ、モバゲー
クーポンの対象店にはコンビニやドラッグストアなど、身近な店も多く用意されている
家電量販店で上限なしの5%オフとなっているのは、うれしいポイント
2020年5月のサービス開始当初のクーポン内容は100円オフ、または5%オフの2パターンしかなかったが、現在はクーポン対象加盟店の数も大幅に増え、それにともないクーポン内容も多様化している。10月はファミリーマートやローソンなどのコンビニで10%(最大500円)オフ、マツモトキヨシなどのドラッグストアでも10%(最大2,000円)オフとなり、身近な店舗も数多く対象になっている。
10月に限って言えば、プラチナランクの人が10枚すべてを10%(最大2,000円)オフの店で満額まで使えば、1か月で2万円分の割引を受けることも可能。また、ビックカメラやヤマダ電機などの家電量販店は上限金額なしの5%オフとなっているので、これらの店舗で高額商品を購入すれば、還元率は下がるが2万円を超える割引を受けることもできる。
また、100円オフのクーポンは101円以上の支払いの際に利用できるため、使い方次第では99%以上の還元率を得ることもできる。実際に会計が101円になるケースは少ないだろうが、たとえば、すき家で350円の牛丼(並盛り)を買う際に100円オフになれば、還元率は約29%になる。
左の写真は、すき家で100円オフのクーポンを利用したとき。右の写真はビックカメラ.comで33,911円の商品を購入し、クーポン利用で5%分の1,691円が割引になったときのもの
ひとつ難点をあげるなら、クーポンは1加盟店につき月1枚しか利用できないこと。居住地や勤務地などによっては、近隣にクーポンを利用できる店が少ない可能性もある。オンラインで利用できる店もあるが、現状の選択肢は豊富ではないので、クーポンを余らせないように計画的に使うことが大事になってくる。
なお、9月9日から11月25日までに、国が実施しているマイナポイント事業の対象決済にLINE Payを登録すると、実店舗の加盟店で使える10%(最大2,500円)オフのクーポンが2枚追加でもらえるキャンペーンも行われている。
関連記事:マイナポイント「上乗せキャンペーン」で本当にお得なのはどれ? その見極め方
もうひとつの注目点がチャージ&ペイ利用時のポイント還元率だ。チャージ&ペイとは、LINE Payの決済方式のひとつで、事前に銀行などからチャージした残高から支払うのではなく、ひも付けた「Visa LINE Payクレジットカード」の利用分として支払う方法のこと。LINE Payにひも付けられるクレジットカードは現時点で、「Visa LINE Payクレジットカード」のみであるため、このカードの保有が必須となるが、チャージ&ペイを使えば、事前にチャージする必要はなくなり、後払いでLINE Payが利用できるようになる。
LINE Payで残高から支払った場合、4月まではポイント付与の対象となっていたが、LINEポイントクラブ導入にともない対象外となった。いっぽうで、チャージ&ペイで支払った場合はLINEポイントクラブのランクに応じて1〜3%のポイントが還元されることに。そのためプラチナランクの人が、10%オフのクーポンを使って1,000円の商品を購入した場合、100円が割引され、割引後の金額に対して3%(=27円)のポイントが貯まるので、還元率は12.7%になる。
「Visa LINE Payクレジットカード」は年会費1,375円で、初年度は無料。年に1度でも利用すれば次年度も無料になるため、実質年会費無料で保有できる。通常のカード払いをした際は、1%のLINEポイントが貯まり、2021年4月まではキャンペーンでポイント3倍の3%還元になる(電子マネーへのチャージなど、一部の利用はポイント対象外)。
チャージ&ペイの利用分に関しては、カード払い時のポイント還元ルールは適用されず、LINEポイントクラブのランクに応じた還元率が適用される。つまり、プラチナランクになっていれば、2021年5月以降もLINE Payが使える店では3%還元を維持できる。ただし、LINEポイントクラブの特典は毎月内容が変わるため、あくまで現在の特典が続いていることが前提だ。
LINE Payではコード支払いの際、残高払いかチャージ&ペイいずれかを選べる。ただし、ポイント還元の対象となるのはチャージ&ペイで、残高払いは対象外
すでに説明したとおり、マイランクをプラチナに上げる、維持するためには、6か月間に5,000PのLINEポイントを獲得する必要がある。「Visa LINE Payクレジットカード」の利用だけで獲得する場合は、3%還元期間であれば17万円弱の利用で達成できる。1か月あたり28,000円弱なので、メインのカードとして使っていればそれほど難しくはないだろう。
少しでも早くランクアップを達成したいのであれば、LINEポイントが貯まるLINEの各種サービスを活用しよう。LINEトラベルやLINEデリマなど、購入金額に応じてポイントが貯まるサービスは複数あり、その中でも最も手軽にポイントを貯められるのがLINEショッピングだ。
LINEショッピングは楽天市場やYahoo!ショッピングなど対象のECショップで、買い物の前にこのサイトを経由することで、購入金額に応じたLINEポイントが貯まるサービス。貯まるポイント数は利用するショップによって異なり、0.5%の場合もあれば、20%に達する場合もある。随時キャンペーンも行われており、たとえば金曜日に開催されるポチポチフライデーは、エントリーして当日中に合計3,300円以上(一部対象外ショップあり)の買い物をすると100Pが上乗せされる(実施しない週、条件は変更の場合あり)。ただし利用からポイント加算までには2か月程度かかる。
また、LINEポイントクラブのページで、広告の閲覧をすることなどでもポイントが貯まり、広告を経由して各種サービスの申し込みをすると、一度に数千ポイントが貯まることもある。ただし、これも利用からポイント加算までに、ある程度の時間がかかる。
もうひとつ一気にポイントを獲得する方法が、他社のポイントをLINEポイントに交換すること。「Gポイント」や「PeX」といったポイント交換サイトのポイントは、5〜10%程度の手数料は発生するが、2〜3日程度でLINEポイントに交換可能。手っ取り早くランクを上げたい人におすすめだ。ポイント交換サイトを使ったことがない人は、ぜひ一度調べてみてほしい。
なお、LINEポイントはLINEの各種サービスで支払いに利用できるほか、LINE Payでの支払い時に充当させることもでき、LINE証券ではポイントを投資に使うことも可能。LINEのキャラクターグッズに交換、コンビニなどで対象商品に交換といった選択肢もある。有効期限も最終獲得日から180日のため、半年に1度でもポイントを獲得していれば実質無期限となる。使い道に困る可能性は少ないだろう。
LINEポイントを貯めると、LINEポイントクラブのランクがアップし、LINE Pay利用時に使えるクーポンがもらえたり、チャージ&ペイ利用時のポイント還元率がアップしたりと、さまざまな特典を得られる。2020年10月のクーポンに関して言えば、5%オフ、10%オフといった内容の特典が多く用意されている。スーパーやドラッグストアでまとめ買いをしたり、家電量販店で高額な商品を購入したりする際に利用すれば、割引額はより大きいものになるだろう。
ただし、これらの特典を最大限に活用するためには、「Visa LINE Payクレジットカード」が欠かせないアイテムとなる。「Visa LINE Payクレジットカード」は、2021年4月まで3%還元のキャンペーンを行っており、クレジットカードとしての利用価値も高い。高還元で利用できるうちに作っておくことをおすすめする。
※本記事は、執筆者個⼈または執筆者が所属する団体などの⾒解です。また、各サービスには⼀部対象外となる店舗や商品があります。ご利⽤の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、2008年に当時勤めていた会社の都合でクレジットカード本を制作。以降、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなり、各種媒体で編集・執筆を手がける。