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三菱UFJカード vs 三井住友カード(NL)おトクな「銀行系クレカ」はどっち?

“年会費無料ながら高還元なクレカ”として人気を二分している、「三井住友カード(NL)」と「三菱UFJカード」

ともに「銀行系クレカ」で、かつ、ポイントアップの仕組みや対象店の傾向が似ており、どちらを持つべきか迷う人も多いようです。そこでこの記事では、2枚のカードを比較し、「今から持つならどちらがおトクか?」を考えてみました。

両カードの比較表。情報はいずれも2025年8月時点

両カードの比較表。情報はいずれも2025年8月時点

ナンバーレスで人気の「三井住友カード(NL)」と後発の「三菱UFJカード」

まずは2枚の特徴をざっくりとつかんでおきましょう。

2021年2月に登場した「三井住友カード(NL)」は、基本のポイント還元率は0.5%と標準的レベルながら、セブン-イレブンやローソン、マクドナルド、すかいらーくグループなど、対象のコンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済を利用して支払うと、最大7%還元(セブン-イレブンでは最大10%還元)とおトクになります(カードによるタッチ決済の場合は1.5%還元、iD、カードの差し込み、磁気取引は対象外)。

このほか、三井住友カードの対象クレカを持っている2親等以内の家族を登録すると、「登録した人数分×1%分」が、前出の対象店でのポイント還元率に上乗せされる「家族ポイント」など、還元率を上げる仕組みも複数用意されています(後述)。

これらポイント面での魅力に加え、年会費永年無料というコスト面でのメリットや、券面にカード番号や有効期限などが一切印字されていない「完全ナンバーレス」の目新しさから一躍人気カードとなり、登場以来、価格.comの人気クレジットカードランキングでも常に上位をキープしています。

「三菱UFJカード」も2025年6月より最大7%還元に

2021年7月に、既存の「MUFJカード」が大幅にリニューアルして登場したのが「三菱UFJカード」です。こちらも基本還元率は0.5%(※)ですが、幾度かの制度変更によって、2025年8月時点ではセブン-イレブンやローソン、松屋などの対象店舗で利用すると最大7%のポイントが貯まるようになりました。

また、以前は年会費が1,375円かかり、年に1度以上の利用があれば翌年は無料となるシステムでしたが、2024年8月以降の入会者は年会費永年無料になりました(2024年7月以前の入会者は2025年2月より年会費永年無料)。カード番号や有効期限、サイン欄はすべて裏面にまとめられており(片面ナンバーレス)、盗み見などのリスクが少なく安心とされています。

※1ポイント=5円相当の商品と交換した場合の還元率。以下、本記事記載の「三菱UFJカード」の還元率については同条件。

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この2枚ではどれくらいポイントが貯まるのか?

特定の対象店での高還元が魅力の両カードですが、ポイントの貯まり方や対象店舗などの諸条件が異なります。以下に、両カードを比較する際にチェックしておきたい3つのポイントをまとめました。

<チェックポイント1>ポイントの貯まり方

まずチェックしたいのは、ポイントの貯まり方の違いについて。

「三井住友カード(NL)」は1か月間の利用額200円ごとに最大7%(通常ポイント0.5%+特典ポイント6.5%)貯まるのに対し、「三菱UFJカード」は1か月間の利用額1,000円ごとに、最大7%(基本ポイント0.5%+スペシャルポイント6.5%)のポイントが貯まります(ポイントの分類や名称は各カードの表記にならっています)。

また、「三菱UFJカード」で貯まるポイントの内、基本ポイント(0.5%分)は1か月の利用額の合計額で計算されるのですが、スペシャルポイント(5%分)は「利用したチェーンごとに計算される」点にも要注意です。こちらにも「1,000円ごとにポイントが貯まる」点が関係してきます。

たとえば、セブン-イレブンで2,800円、ローソンで3,200円を使った場合で考えてみます。2つのチェーンを合計すると6,000円になりますが、実際にもらえるスペシャルポイントは、6,000円×7%=420ポイントではなく、セブン-イレブンの分140ポイント、ローソンの分210ポイントで合計350ポイントとなります。これに基本ポイントの6,000円×0.5%=30ポイントを加えた380ポイントが、この条件で「三菱UFJカード」で獲得できるポイント数です。

三菱UFJカードの基本ポイントは月間の利用額の合計で計算される(1,000円ごと)
・基本ポイント 6,000円×0.5%=30ポイント


三菱UFJカードのスペシャルポイントは対象の各チェーンでの月間利用額の合計で計算される(1,000円ごと)
・スペシャルポイント(セブン-イレブン分) 2,000円×7%=140ポイント
・スペシャルポイント(ローソン分)  3,000円×7%=210ポイント

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<チェックポイント2>対象店舗の違い

続いて、ポイントアップの対象店の違いです。「三井住友カード(NL)」で還元率が最大7%となる対象店舗には、下記のような店舗があります(一部抜粋)。

「三井住友カード(NL)」のポイントアップ対象店
セイコーマート
セブン-イレブン
ポプラ
ミニストップ
ローソン
マクドナルド
モスバーガー
サイゼリヤ
ガスト
バーミヤン
しゃぶ葉
ジョナサン
夢庵
その他すかいらーくグループ飲食店
ドトールコーヒーショップ
エクセルシオール カフェ
かっぱ寿司
など
※2025年8月時点

いっぽう、「三菱UFJカード」で還元率が最大7%となる対象店舗は下記のとおりです。

「三菱UFJカード」のポイントアップ対象店
セブン‐イレブン
ローソン
コカ・コーラ自販機
ピザハットオンライン
松屋
松のや
マイカリー食堂
松弁ネット、松屋モバイルオーダー、松弁デリバリー
くら寿司
スシロー
オーケー
オオゼキ
三和
フードワン
スーパー魚長
生鮮げんき市場
生鮮乃木市場
東武ストア
ドミー
肉のハナマサ
ジャパンミート
ヤマナカ
フランテ
フランテロゼ
東急ストア
アオキスーパー
ロッテリア
ゼッテリア
など
※2025年8月時点

対象店のラインアップ、現在は「互角」

対象店舗の選択肢の面では、以前は「三井住友カードNL」が優位でした。登場当初、対象店は大手コンビニ(当初はファミリーマートを含む大手3社)やマクドナルドなどに限られていましたが、その後段階的に範囲を拡大させて、特に、飲食店での選択肢が広がっていました。

いっぽう「三菱UFJカード」も、対象店舗を何度か拡大させており、2025年8月時点では合計30ブランドが対象です(ただし、アメックスブランドのカードの場合は16ブランド)。特に、スーパーが10数店対象店に含まれているのが特徴です。昨今の物価高のなかで、スーパーで高還元となるのは大きなメリットと言っていいでしょう。

たとえば、首都圏を中心に展開するディスカウントスーパーマーケットのオーケーも、最大7%還元の対象店舗のひとつ。仮に毎月4万円のオーケーでの買い物に「三菱UFJカード」を利用すると、月々2,000円分のポイントが還元される計算です。

<チェックポイント3>還元率が上がるサービスの有無

続いては、やや応用編になりますが、対象店でさらにポイント還元率を上げる方法についてです。

三井住友カード(NL)は対象店で「最大20%還元」

「三井住友カード(NL)」には、三井住友カードを持っている2親等以内の家族を登録しておくと、「家族の人数×1%分」、対象店でのポイント還元率がアップする「家族ポイント」というサービスがあります(最大で+5%。登録する側・される側双方の還元率がアップ)。親子や兄弟で一緒にポイントを貯められる人ならおトクに使えるでしょう。

「Olive」を持つとさらにトク

このほか、「Vポイントアッププログラム」の対象のサービスを利用すると、その利用状況によって対象のコンビニ・飲食店でのポイント還元率を上げることもできます。

たとえば、2023年3月よりサービスが始まった、三井住友銀行の口座・クレカ・デビット・保険・証券をひとつのアプリで完結できるモバイル総合金融サービスの「Olive(オリーブ)」を契約し、三井住友銀行アプリもしくはVpassアプリへ月に1回以上ログインすると「+1%」、Oliveアカウントの選べる特典で「Vポイントアッププログラム+1%」を選ぶと「+1%」といった具合に、複数の条件があり、最大で「+8%」が目指せます。これらを組み合わせると、仕組み上は最大20%の還元率まで目指すことができます(7%+5%+8%)。

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三菱UFJカードも「最大20%還元」

いっぽう「三菱UFJカード」も2025年6月より最大還元率を上げています。前出の「最大7%還元」に、条件達成特典の「13%」が上乗せされ、対象店舗のポイント還元率は「最大20%」です。

条件は下記のとおりです。

表は三菱UFJニコスのプレスリリースより

表は三菱UFJニコスのプレスリリースより

「最大7%」を超える還元率を狙うには、三菱UFJ銀行の口座が必要になってきますが、それさえクリアできれば、「アプリへのログイン」など比較的クリアが容易な条件も含まれています。無理のない範囲でポイントアップを目指すといいでしょう。

ポイントの使い道は?

ポイントは貯めやすさだけでなく、使いやすさも肝心です。そこで、両カードで貯まるポイントの使い道や交換レートなどをチェックします。

「三井住友カード(NL)」の「Vポイント」は現金感覚で使える

「三井住友カード(NL)」の利用では、SMBCグループの共通ポイント「Vポイント」が貯まります。筆者がおすすめの使い道は、ポイントを「VポイントPAYアプリ」の残高にチャージして、1P→1円として全国のVisa加盟店やiD加盟店で使うことです。コンビニやスーパー、ファストフード店などの身近な店で、現金と同様に使えるのがメリットです。

買い物の予定がない場合は、カード請求額に1P→1円として充当するのもいいでしょう。あらかじめアプリ上で設定しておくと、対象月の請求額から自動的に差し引かれるので手間がかからず、無駄なく使うことができます。また、1P→1円としてSBI証券での「ポイント投資」に使えるのも魅力です。

「三菱UFJカード」はAmazonギフトカードへの交換や決済アプリでの利用がトク

「三菱UFJカード」で貯まるポイントの名称は「グローバルポイント」です。こちらは、最大で1P→5円のレートで、200種類以上の景品やポイント、決済アプリの残高に交換できます。主な使い道と交換レートは下記のとおりです。

●「グローバルポイントWalletアプリ」の残高(1P=5円。アプリでの決済時に0.5%分が残高にキャッシュバック)
●Amazonギフトカード(100P→500円分)
●ビックポイント、ベルメゾンポイント(500P→2,500P)  
●Pontaポイント、dポイント(200P→800P)
●楽天ポイント、nanacoポイント、WAONポイント(200P→600P)
●Apple Gift Card、吉野家デジタルギフト、図書カードネットギフトなど(125P→500円分)
など
※2025年8月時点

交換レートが最大となるのは、「グローバルポイントWalletアプリ」の残高やAmazonギフトカードです。前述した「7%還元」は、この交換した場合の還元率で計算されています。

なお、「グローバルポイントWalletアプリ」は、残高での決済時に、決済額の0.5%分が毎月自動でチャージ残高にキャッシュバックされます。これを考慮すると、最もおトクな交換先と言えます。

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ポイント以外の使い勝手は?

最後に、そのほかの要素も比較してみます。

年会費

前出のとおり、「三井住友カード(NL)」と「三菱UFJカード」は両カードとも年会費永年無料です。「三菱UFJカード」はもともと1,375円の年会費がかかり、年に1度の利用で無料でしたが(初年度は無料)、2024年8月1日以降の申し込みから年会費永年無料に改定されました。

アプリの使い勝手

「三井住友カード(NL)」を使いこなすために欠かせないのが、「Vpassアプリ」です。カード番号や利用状況などが確認できます。また、貯めた「Vポイント」の管理や使用については、「Vポイントアプリ」や「VポイントPayアプリ」などを活用します。

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「三菱UFJカード」のアプリは「MUFGカードアプリ」です。月ごとの明細や利用状況がわかるほか、貯めたポイントをAmazonギフトカードなどの電子ギフト券へ即時交換できます。認証方法は生体認証、パスコード、WEBサービスのIDとパスワードから選択できます。

ゴールドカードはある?

「三井住友カード(NL)」の上位カードは、「三井住友カード ゴールド(NL)」(年会費5,500円)です。年間100万円以上利用すると、翌年以降の年会費は永年無料になります。特典は国内空港ラウンジの無料利用、年間300万円までのショッピング保証、最高2,000万円の海外・国内旅行傷害保険など。

「三菱UFJカード」の上位カードは、「三菱UFJカード ゴールドプレステージ」(年会費11,000円/初年度無料)です。こちらも、年間100万円以上の利用で年会費相当となる11,000円相当のボーナスポイントが付与されるのに加え、国内空港ラウンジの無料利用、対象レストランで所定コースメニューを2名以上で利用すると1名無料などの特典が付いています。「レストランで1名分が無料」は、通常はプラチナカード以上のカードに付いている特典なので、ゴールドカードで利用できるのはなかなかおトクです。

【まとめ】おトクな銀行系クレカはどっち?

以上、さまざまな角度から最近話題の「おトクな銀行系クレカ」2枚を比べてみました。

どちらのカードも、対象店でのポイントアップという強い特徴があります。したがって、まずは、ポイントアップ対象店のラインアップが、比較検討の材料になるでしょう。利用する機会の多い対象店を含むカードを選ぶのが基本的な考え方になりそうです。

そのうで、利用状況によってどの程度ポイント還元率を上げられるかも重要です。家族ポイントやVポイントアッププログラムがある「三井住友カード(NL)」。かたや、複数の利用条件でポイントアップが狙える「三菱UFJカード」。どちらの仕組みが自分に合っているか、一度シミュレートしてみてもいいかもしれません。

野 洋介(編集部)
Writer / Editor
野 洋介(編集部)
書籍や月刊マネー誌の編集者を経て価格.comマネー編集部。“世界3大投資家のひとり”を含む投資家、専門家、経営者、副業実践者などへの取材経験豊富。名字の読みは「の」。ルーツは北陸(らしいです)。
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