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Tポイントと統合する新「Vポイント」4月22日誕生! 「Tカードは使える?」など10のQ&A

TポイントとVポイントが統合し、2024年4月22日に新「Vポイント」が誕生――。

今年のポイント関連のビッグニュースのひとつ、新「Vポイント」のサービス開始まで、残り約1か月となってきました。それぞれの運営会社の発表資料によると、アクティブユーザーはTポイントが7000万人、Vポイントが1600万人で、単純計算で8000万人超のユーザーを擁するポイント経済圏が誕生することになります。

サービスの中身についても、Tポイントが得意とする「さまざまな業態の店舗で貯められる」機能と、Vポイントの魅力である「特定の店舗で高還元となり、貯めたポイントをVisa加盟店で使える」という機能をあわせ持つ、特徴的なポイントプログラムになりそうです。

そして、統合後の新名称は「Vポイント」に統一され、Tポイントの名称は消滅することに。「Tカード」は引き続き利用可能ですが、関連するアプリのリニューアルなども予定されています。そこで、新Vポイントに関してユーザーが知っておきたいことを、10個のQ&Aで説明していきます。

Tポイントの青と黄色のシンボルカラーが引き継がれる新Vポイントのロゴ

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Q1. そもそも、TポイントとVポイントはどんなポイント?

TポイントはTSUTAYAなどを運営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が2003年に始めたポイントサービスです。

Tポイントは共通ポイントの先駆け

企業や業種の枠を超えて、買い物の際にポイントを貯めたり、使えたりする「共通ポイント」の先駆けとして知られています。現在、ポイントの利活用ができる提携先はENEOSや吉野家、ガストなど全国に約15万店あります。

決済をするとTポイントが貯まるクレジットカードは複数あるものの、基本的にはTカード(あるいはモバイルTカード)を提携先で提示するのが一般的な貯め方とされています(基本的に200円or100円で1ポイント)。貯めたTポイントは同じく提携先で、「1ポイント=1円」として利用可能です。

Vポイントは三井住友グループ内の共通ポイント

Vポイントは、「三井住友グループ内の共通ポイント」の位置づけで2020年にスタート。三井住友銀行の各種取引などでも貯められますが、三井住友カード発行のクレジットカード決済で貯めるのがオーソドックスな方法となります。

貯めたポイントはカード利用金額に充当できたり、Visaのタッチ決済対応加盟店などで「1ポイント=1円」で利用できたりするほか、三井住友銀行での振込手数料の割引にも使うことができます。

Q2.統合の背景は?

20年以上の歴史があるTポイントの知名度は抜群。そして、2010年ごろまではほかを寄せ付けないほどの一大勢力を築いていましたが、近年は後発ながらも、強力なポイント還元キャンペーンをひんぱんに行う「楽天ポイント」や「dポイント」の勢いに押されてきています。2022年には、重要なパートナーであったヤフーが離脱するなど提携先の減少傾向も続き、ユーザーから見て「貯めやすいポイント」とは言えなくなってきました。

いっぽうのVポイントは、三井住友グループの資金力を背景に、ポイントアップの特典を充実させてきました。代表的なのが、三井住友カードのタッチ決済を使って、対象のコンビニや飲食チェーンで買い物をすると7%のポイント還元を受けられる特典です(スマホによる決済の場合、カードのタッチ決済は5%還元)。ただその半面、普及と認知度が課題となっており、リサーチ会社「MMD研究所」の2024年1月の調査では、「活用しているポイント」としてあげた回答者は約10%の9位にとどまっています(Tポイントは2位)。

Tポイントは力不足のポイント還元、Vポイントは低い知名度。互いの弱点を補完する狙い

高い知名度を誇るものの、ポイント還元の点で不利なTポイントと、魅力的なポイント還元のプログラムを持ちつつも、認知度に課題があるVポイント。今回の統合の背景には、互いの弱点を補完する狙いがあると見られています。

Q3.今使っている「Tカード」「モバイルTカード」はどうなる?

続いて、統合後の新サービスについて説明していきましょう。

プラスチック製の「Tカード」は、2024年4月22日以降も引き続き利用可能です。統合後も提携先でカードを提示すると、新Vポイントを貯めることができます。

スマホにTカードを搭載させた「モバイルTカード」については、統合後は「モバイルVカード」に名称変更となり、こちらも現在と同じように使うことができます。将来的には店頭でのカード提示は「モバイルVカード」に一本化される予定です。

「Tカード」「モバイルTカード」は統合後も、引き続き利用可能

「Tカード」「モバイルTカード」は統合後も、引き続き利用可能

Q4.貯めてきたTポイントはどうなる?

現在、保有しているTポイントは、統合後に自動的に(手続き不要で)Vポイントに名称変更となります。価値も変わらず(たとえば、統合前の1,000Tポイントは1,000Vポイントに)、「1ポイント=1円分」として利用できます。

なお、現Tポイントと現Vポイントを両方利用している場合、統合後には、三井住友カードが提供するアプリ「Vポイント」(統合後に「VポイントPayアプリ」に名称変更)などで両ポイントの連携作業をすると、合算が可能となります。

Q5.新Vポイントの貯め方は?

新Vポイントは、「現Tポイント」+「現Vポイント」で用意された2通りの方法で貯められます。

提携店でのポイントカード提示や、三井住友カードの決済で獲得できる

前者については、約15万店あるTポイント提携先はそのまま新Vポイントが貯まる提携先となるので、これらの店舗でモバイルVカード(あるいは現Tカード)を提示すれば新Vポイントを貯められます。
参考HP:Tポイント提携先

さらに、既存の店舗に加えて、統合する4月22日以降は「すき家」「なか卯」「はま寿司」「ジュンク堂書店」などのチェーン店も提携先に加わることが発表されており、これまで以上にポイントカード提示で貯まる店舗は増えそうです。

後者については、三井住友カード発行のクレジットカードで決済をすると、現在と同様に新Vポイント(基本は200円で1ポイント)が貯まっていきます。つまり前述のVポイント提携先では、ポイントカード提示分と、三井住友カードによる決済分のVポイントが二重で貯められることになります。

Q6.新Vポイントの使い道は?

使い道についても、「現Tポイント」+「現Vポイント」で用意された2通りの使い道があります。新Vポイント提携先でモバイルVカード(あるいは現Tカード)を提示すると、「1ポイント=1円」として買い物代金に充当できる点は現Tポイントと同じです。

Tポイント提携店での支払いの際に充当、あるいはVisa加盟店での決済に利用可能

現Vポイントは、Visaのタッチ決済やiD対応加盟店、Visa加盟のオンラインショップで「1ポイント=1円」として使えますが、新Vポイントも同様です。ただし、これには三井住友カードのスマホアプリ「Vポイント」が必要。アプリ「Vポイント」をダウンロード後、Apple PayまたはGoogle ウォレットに設定することで、タッチ決済が可能となります(詳細は下記の三井住友カード公式HPをご確認ください)。
参考HP:三井住友カード公式HP「スマートフォンアプリ『Vポイント』の使い方」

なお、スマホアプリ「Vポイント」は、4月22日の統合後は「VポイントPayアプリ」に名称変更され、ポイントを貯めるときなどに使う「モバイルVカード」を表示できる機能も実装される予定です。

スマホアプリ「Vポイント」では、貯めたVポイントを残高にチャージすることで、Visaのタッチ決済での支払いに利用可能になります

スマホアプリ「Vポイント」では、貯めたVポイントを残高にチャージすることで、Visaのタッチ決済での支払いに利用可能になります

Q7.ユーザーにとっての統合のメリットは?

ユーザーにとっては、ポイント利活用の幅が広がった点が大きなメリットになりそうです。

現TポイントユーザーはVisa加盟店でも使えるように、現Vポイントユーザーは街中のTポイント提携先で利用可能になるのが利点

現Tポイントでは、ポイントを貯めたり、使えたりするのは当然ながらTポイント提携先のみ。しかし、今回の統合によって保有するのがVポイントに変わることで、従来の利用方法に加えて、国内外に多数あるVisaのタッチ決済対応加盟店などで貯めたポイントを使えるようになるのは利点になりそうです。

いっぽう、現Vポイントは、基本的には三井住友カード発行のクレカ決済でポイントを貯めて、Visa加盟店での買い物やグループ内のサービス利用時に充当するのが一般的な活用方法とされています。

これにTポイントの機能が組み込まれることで、街中のさまざまな業種の提携店でポイントを貯めたり、使えたりできるようになります。「三井住友グループ内の共通ポイント」から、真の意味での「共通ポイント」になり、現Vポイントから利便性はアップします。

Q8.統合にともなうサービス変更で注意することは?

ただ、メリットだけでなく注意点もあります。

新Vポイントの有効期限は、最終変動日から「1年間」に

最初に注意したいのは新Vポイントの有効期限。現Vポイントの有効期限は原則「ポイント獲得月から2年間」(一般カードで貯めた場合。ゴールドカードは3年間、プラチナは4年間)。ところが、新Vポイントは現Tポイントの有効期限に足並みを揃える形で、最終変動日(貯める・交換する・利用する)から「1年間」となります。

定期的にポイントの利活用をしていればポイント数が変動し、有効期限が順次更新されていくのでさほど心配ありませんが、めったに使わないという場合、有効期限に注意したほうがよさそうです。

統合前の2024年3月31日で「Tポイント→PayPayポイント」の交換は終了

もうひとつ注意したいのが、現Tポイントと現Vポイントそれぞれで、現在は可能な各種の主要ポイントへの交換を、統合前の段階で取りやめることを公表している点です。

たとえば、Tポイントは現在「1:1」のレートでPayPayポイントに交換可能ですが、こちらは2024年3月31日で終了。VポイントもPontaポイントと楽天ポイントへの交換(いずれも500P→400Pのレート)について3月末で終了します。

PayPayのユーザー数は多く、とりわけ旧ヤフーがTポイントを取り扱っていたことから「Tポイント→PayPayポイント」への交換を行っているユーザーは一定数いると思われますが、こちらを希望する場合、3月31日18時までに手続きを済ませておく必要があります。

なお、ANAマイルについては、統合後に現VポイントとTポイントの両者をID連携することで、4月22日以降も新Vポイントを「500ポイント→250マイル」のレートで引き続き交換可能となります。
参考HP:三井住友カード「サービスの改定内容」

Q9.新Vポイントでの新たなサービス・機能は?

2023年6月に行われた両ポイント統合の記者会見の場では、新Vポイントで予定されている新たなサービス・機能についての説明が行われました。

提携先でのクレカ利用で、上乗せでポイント付与の特典実現に期待

この中で、筆者がとりわけ注目したのはポイント還元に関連した新たな特典。「Q5」で、Vポイント提携先ではポイントカード提示分と決済分のポイントが二重で貯まることは説明しましたが、所定の条件を満たせば、さらに上乗せで0.5%〜1%分のポイントが付与される特典の実施を検討中との説明がありました。上乗せで付与される条件や実施時期は未定(統合する4月22日からの実施ではありません)ですが、実現すればユーザーにとっては魅力的な特典になりそうです。

新Vポイントでは、複数の新たなサービス・機能の実装が予定されています(画像は2023年6月に実施された会見資料より)

新Vポイントでは、複数の新たなサービス・機能の実装が予定されています(画像は2023年6月に実施された会見資料より)

このほか、こちらも実施時期は未定ながらも下記の機能の実装を予定しているとのことです。

「あとたま」
ポイントカードの提示を忘れて、Vポイントが付けられなかった場合でも、アプリのカード明細から申請することでポイントが獲得できる機能

タッチするだけ「ワンオペレーション」
現状では、ポイントカードの提示と決済用のカード・バーコードの手続きは別々に行う必要がありますが、端末にタッチするだけでポイント獲得と決済ができる機能

「送金機能」
保有しているVポイントを、別のVポイントユーザーに送れる機能

Q10.Tポイントを使った毎月20日の「ウエル活」はどうなる?

最後に説明するのが、Tポイントを使った「ウエル活」について。

「ウエル活」とはドラッグストアチェーン「ウエルシア」を舞台にしたポイ活のこと。ウエルシアは毎月20日、Tポイント、もしくはWAON POINTを対象に、ポイント数の1.5倍分の買い物ができる特典を実施しています。

1,000ポイントで1,500円分、10,000ポイントで15,000円分の買い物が可能となることから、Tポイントユーザーには非常に魅力的な特典として知られています(利用は200ポイント以上から、利用ポイントの上限は1日3万ポイント)。

Tポイントで1.5倍の買い物ができる毎月20日の特典は2024年8月で終了

しかし、イオングループの一員であるウエルシアは、2024年3月1日に「ポイント施策変更のお知らせ」と題し、今後はWAON POINT中心のポイントサービスに移行することを公表しました。

毎月20日に1.5倍分の買い物が可能なポイントはWAON POINTのみとし、Tポイント(統合後は新Vポイント)については2024年8月20日を最後に、この特典の対象外になるという説明をしています(ウエルシアでTポイント=新Vポイント=を貯めたり、買い物に使ったりすることは引き続き可能)。

現状では、TポイントとWAON POINTは「1:1」のレートで相互交換が可能。ウエルシアのお知らせのページには、「Tポイント(Vポイント)⇒WAON POINTに交換してお得にお買い物ください」との記載があるため、ウエルシアでの1.5倍の特典を2024年9月以降も利用する場合、こうした手続きをするのがよいでしょう。
参考HP:ウエルシア「ポイント施策変更のお知らせ」

Tポイントを使った毎月20日の「ウエル活」が可能なのは、2024年8月が最後となります(画像はウエルシア公式サイト)

Tポイントを使った毎月20日の「ウエル活」が可能なのは、2024年8月が最後となります(画像はウエルシア公式サイト)

まとめ

以上、2024年4月22日に誕生する「新Vポイント」に関する10のトピックスをQ&A形式で紹介してきました。

名称がなくなる現Tポイントユーザーにとって、「Tカード」も引き続き利用可能なうえ、ポイントの価値が変わらず、これまで同様「1ポイント=1円」で使えるのは安心点。また統合によって、「貯める」「使う」という2つのシーンで、これまでより選択肢が増える点はユーザーにとってもメリットと言えそうです。

そして、「Q9」で今後実施予定の新サービス・機能を説明しましたが、すでに強固な経済圏を築きつつある「楽天ポイント」や「PayPayポイント」に対抗する形で、新「Vポイント」がいかにユーザーを引きつける施策・キャンペーンを打ち出していくのかに注目しています。

満園徹(編集部)
Writer / Editor
満園徹(編集部)
新聞社で企業や地方財政などを中心に幅広く取材。2018年から価格.comマネー編集部に在籍し、「価格.com マガジン」でクレジットカードや投資、節約などのマネー記事の編集、執筆を担当。FP2級を保有
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