2024年秋以降、価格.comクレジットカード人気ランキング(一般カード部門)で、高い順位を保っているカードがある。
三菱UFJニコスが発行している「三菱UFJカード」が、それだ。
約8か月間にわたって2位の座をキープ(2025年8月21日時点)し、「オーケーでの還元率は驚異的」などと、価格.comにも高評価のユーザーレビューが寄せられている。
「三菱UFJカード」の特徴は下記のとおり。
(1)年会費は無料、基本のポイント還元率は0.5%
(2)対象店で決済すると7%還元にアップ
※ただし、スマホでのタッチ決済は7%還元の対象外になるのは要注意
(3)7%還元の対象店は、スーパーのオーケーやセブン‐イレブン、松屋、スシローなど30店
(4)三菱UFJグループの金融サービスの利用状況に応じて、対象店での還元率が最大20%までアップ
筆者も、ポイントアップの対象店にオーケーが加わったことをきっかけとして、2024年夏にこのカードに入会したユーザーのひとり。入会1年間で合計約42,000円相当(入会特典を含む)のポイントを獲得でき、そのコスパの高さを実感している。
そこで本記事では、筆者が「三菱UFJ カード」を1年間利用して感じた、本カードのメリットと弱点を紹介していきたい。
2025年8月21日時点で貯まっているポイントは8,511P(42,555円相当)。入会特典などを含めた数字だが、約12か月で貯められたことを考えると満足度は高い
「三菱UFJカード」で最大20%還元となる対象店舗。「オーケー」をはじめとしたスーパーやコンビニ、飲食チェーンが対象となっている
まずは、「三菱UFJカード」の基本的なスペック内容を紹介したい。
カードの年会費は無料。ただし、家族カードは1枚につき440円の年会費がかかる。ポイント還元としては、1,000円の利用で「グローバルポイント」が1P(1P=5円相当)貯まり、基本のポイント還元率は0.5%と平均的な水準だ。
ただし、下記の対象店では7%還元にアップする。対象となる支払い方法は、通常のカード決済とタッチ決済、そして、Apple Pay(QUICPay)による決済だ。
〈「三菱UFJカード」のポイントアップの対象店〉
※黒字が2025年6月から新たに加わった対象店
〈コンビニ〉
セブン‐イレブン、ローソン(ナチュラルローソン、ローソンストア100を含む)
〈飲食店〉
くら寿司、スシロー、ピザハットオンライン、松屋、松のや、マイカリー食堂、ロッテリア、ゼッテリア
〈スーパー〉
オーケー、オオゼキ、三和、フードワン、スーパー魚長、生鮮げんき市場、生鮮乃木市場、東武ストア、ドミー、肉のハナマサ、ジャパンミート、ヤマナカ、フランテ、フランテロゼ、アオキスーパー、サンリブ、キンショー、ハーベス、東急ストア
〈自販機〉
コカ・コーラ自販機
※アメックスブランドの場合、くら寿司、オーケー、オオゼキ、三和、フードワン、スーパー魚長、生鮮げんき市場、生鮮乃木市場、ドミー、肉のハナマサ、ジャパンミート、ロッテリア、アオキスーパー、東急ストアは対象外
対象店のラインアップで目に付くのは、各地のスーパーが多く入っているところだが、「日常的に」スーパーでおトクになるクレジットカードはあまりないのが実情だ。
たとえば、多くの会員を抱える「イオンカード」は、「イオンでの買い物が5%オフ」という特典を大きな特徴にしているが、これが適用されるのは毎月20日と30日のみ。ポイントアップや割引きなど、スーパーでいつでも使える特典が付帯しているカードはかなり少ない。
そうした意味で、「三菱UFJカード」のポイント優遇の対象店に19のスーパーのチェーンが入っていて、曜日や対象商品などの制限なく、高水準のポイント還元を受けられるのは大きな特徴と言えそうだ。
しかし、7%還元の対象となるのは月に50,000円が上限(基本的に毎月16日から翌月15日で集計)。これを超えた金額について適用されるのはこのカードの基本還元率である「0.5%」で、大幅にダウンする点は要注意だ。
ポイント優遇の対象店では、各種条件をクリアすると還元率がアップしていき、最大20%まで上げることが可能
30の対象店ではベースとなる7%に、各種条件をクリアすると最大13%が上乗せされ、最大20%還元となる。
ただし、上乗せのポイント還元を受ける大前提として、
(1)「三菱UFJカード」の支払い口座を三菱UFJ銀行に設定
(2)MUFGカードアプリからエントリー
という条件をクリアする必要がある点は留意しておきたいところ。
三菱UFJ銀行の口座を持っていない場合、対象店でのポイント還元率は「7%」で打ち止め。「三菱UFJカード」で多くのポイント獲得を狙う場合、三菱UFJ銀行の口座保有は欠かせない条件になりそうだ。
大前提となる上記の(1)と(2)の条件を達成したうえで、下記の各種条件をクリアすると還元率が加算されていく仕組みだ。
画像は三菱UFJニコス公式サイトより
画像は三菱UFJニコス公式サイトより
画像は三菱UFJニコス公式サイトより
三菱UFJ銀行の口座を保有している筆者が、自分のライフスタイルに合わせて「ムリなく」達成できそうな項目は以下のとおり。
〈カードのサービス利用に関する条件〉
・MUFGカードアプリへのログイン(+0.5%)
・楽Payへの登録(+2%)
〈MUFGグループ各社のサービス利用に関する条件〉
・三菱UFJ銀行のネットバンキングに月1回以上ログイン(+1%)
〈特定サービス支払いに関する条件〉
・携帯電話料金の支払い(+1%)
すべて足し合わせると「+4.5%」となり、最大11.5%還元までは達成できそうだという感触を持っている。
「MUFGカードアプリ」がリニューアルされ、対象店舗での現在の還元率が確認できるように。筆者の9月15日までの対象店での還元率は11.5%
貯まるグローバルポイントの価値は「1P=最大5円」相当。ただし、後述するとおり、この最大5円で利用できる交換先は限られており、多くの交換先では「1P=4円」などとレートが下がる点は留意しておいたほうがよいだろう。
筆者はよく足を運ぶ「オーケー」がポイント優遇の対象に加わった直後の2024年8月に本カードに申し込み、約1年間にわたって日常的に使っている。
「オーケー」は首都圏を中心に約150店展開し、「エブリデー・ロー・プライス(毎日が低価格)」をコンセプトに掲げているディスカウントスーパーだ。2024年11月には関西初出店を果たし、今後も関西圏で店舗を増やしていくと報道されている。
筆者はその「オーケー」に、週に3回程度は足を運ぶヘビーユーザー。主に買うのは、お酒やペットボトル飲料、お米などだが、どの商品も基本的に安いという印象を持っている。
筆者の「オーケー」での買い物金額は毎月平均して3万〜4万円程度。
割安なお店で食料品や日用品を買うこと自体、節約につながるのに、「三菱UFJカード」を使うことで、さらに月に利用額の10%超に該当する3,000〜4,000円分ものポイントが還元されるのは大きな魅力だと感じている。
「MUFGカードアプリ」上で見られる「三菱UFJカード」の利用明細。筆者はほぼ「オーケー」専用カードとして、活用している
最も重視していた「ポイント還元」については、「かなり期待どおり」という印象だ。当初予定していたとおり、スーパーの「オーケー」を中心に、月に2、3回足を運ぶ「スシロー」「松屋」などのポイント優遇店専用のカードとして使っている。
これまでに12回分のポイント還元が行われ、さらには入会キャンペーンの2,000Pも付与されたため、2025年8月時点で保有しているのは8,511P(42,555円相当)。
「三菱UFJカード」はタッチ決済に対応しており、筆者も「オーケー」では端末に、カードをタッチするだけで買い物できるのでかなりスムーズだ。カード番号や有効期限などは表面にはなく、裏面に集約されている点もカードを出したときに、盗み見られる心配がなく安心して使えている。
クレジットカードを選ぶ際に、ポイントの還元率とともに注目したいのが「貯まるポイントの使い道」だ。ポイントは持っているだけでは意味がなく、自身にとって有効な形で使えて初めて価値を持つからだ。
そうした点で言うと、「三菱UFJカード」の利用で貯まる「グローバルポイント」の交換先で有力候補となるのは、
・「グローバルポイント Walletアプリ」
・「Amazonギフトカード」
になりそうだ。
この2つならば「1P=5円相当」と最も高いレートで交換でき、Visaタッチ決済店やAmazonでの買い物と幅広い利用シーンが想定されるからだ。
ただし、「1P=5円相当」のレートで交換できるのが、「グローバルポイント Walletアプリ」「Amazonギフトカード」以外では「ビックポイント」「ベルメゾン・ポイント」といった、ややマイナーなポイントに限定される点は要注意。
また、「Pontaポイント」や「dポイント」といったメジャーなポイントに交換することもできるが、この場合、「1P=4円相当」と交換レートが下がってしまう点(カード代金への充当も「1P=4円」)は留意しておきたいところだ。
「MUFGカードアプリ」上で、「グローバルポイント」をAmazonギフトカードに交換。カード有効期限の入力などは必要だが、1、2分程度で手続きは完了する
また、2025年4月から「三菱UFJカード」によるクレカ積立のサービスがスタート。本カードを使って、三菱UFJ eスマート証券で投資信託の積立を行うと、積立額の0.5%相当のポイント(積み立て1,000円ごとに1P)を獲得できるようになった。
公式HP:三菱UFJカードのクレカ積立
以上、「三菱UFJカード」の魅力的な面を紹介してきたが、注意点もある。
「三菱UFJカード」では、Visa、Mastercard、JCB、Amexという4つの国際ブランドから選ぶことができる。4ブランドから選べるカードは少なく、このカードの長所とも言えるが、このうちAmexを選ぶ場合は注意が必要だ。
Amexブランドの「三菱UFJカード」を選んだ場合、「ロッテリア」「くら寿司」「東急ストア」など半数近い店舗がポイント優遇の対象外となり、通常どおりの0.5%還元となる。「オーケー」も対象外となっており、筆者はこれが理由で、Amexを選択肢に入れなかった。
〈Amexブランドで7%還元の対象外となる店舗〉
くら寿司、ロッテリア、オーケー、アオキスーパー、東急ストア、オオゼキ、三和、フードワン、スーパー魚長、生鮮げんき市場、生鮮乃木市場、ドミー、肉のハナマサ、ジャパンミート
7%還元については、
・クレジットカードを差し込む形でのICチップ決済
・カードを端末にタッチする形でのタッチ決済
・Apple Pay(QUICPay)での支払い
が対象となり、スマホを使ったタッチ決済は対象外となるのは留意しておきたいポイントだ。
基本の還元率(0.5%)に上乗せされる「+6.5%」分のスペシャルポイントの還元については対象店舗ごとの月間利用金額(毎月16日〜翌月15日)に対して行われ、各店舗の利用金額を合算して計算されるわけではない点も要注意だ。
たとえば、
対象店A:月間9,999円利用→スペシャルポイント117P(585円相当)付与
※999円は切り捨て
対象店B:月間999円利用→スペシャルポイントの付与なし
となり、月間の利用金額が1,000円に満たない「対象店B」の利用に対するスペシャルポイントの付与は行われない。
「三菱UFJカード」では1,000円利用ごとに1P(5円相当)が付与されるが、同じ0.5%還元でも200円で1P(1円相当)のカードと比べて、端数の切り捨てが大きくなる点は留意しておいたほうがよさそう。
「三菱UFJカード」の基本のポイント還元率は「0.5%」と、平均的な水準。そのため、あらゆるシーンでおトクになるカードとは言いがたい。
筆者の場合、「楽天カード」(年会費無料)がそれに該当するが、別に基本の還元率が1%以上あるカードをメインに使い、サブカードとして「三菱UFJカード」を「7%還元」対象店で積極的に使っていくのが、効果的な活用法になりそうだ。
似た特徴を持つ「三菱UFJカード」(手前)と「三井住友カード(NL)」
基本のポイント還元率は「0.5%」で、特定店舗で高還元になるという点が非常に似ている「三菱UFJカード」と「三井住友カード(NL)」。筆者の場合、基本の還元率が高くないため、現在「楽天カード」をメインカードにして、それぞれのポイント優遇店ではこの2枚のカードを使い分けるようにしている。
三菱UFJカードの項目で赤字になっているのは、2025年6月2日から追加されたブランド
たとえば、回転ずしでいうと、スシローなら「三菱UFJカード」、はま寿司なら「三井住友カード(NL)」、牛丼チェーンでは、松屋なら「三菱UFJカード」、吉野家とすき家なら「三井住友カード(NL)」といった形だ。
ちょっと悩ましいのは、両カード共通で7%還元となるセブン‐イレブンとローソン。両カードともに上乗せ特典があるので、還元率を上積みできそうなカードを使っていくことになりそうだ。
また、「三菱UFJカード」で7%還元になるのは、対象店での利用額が月間5万円まで。それ以降は、0.5%還元にダウンする点も考慮する必要がありそうだ。
上記の表を見てもわかるとおり、「三菱UFJカード」と「三井住友カード(NL)」で高還元となるお店は、コンビニ、カフェ、ファミレス、スーパーなど多岐にわたり、日常生活の幅広いシーンで活用できる。
そのため、この2枚のカードを上手に使い分ければ、かなりのポイント獲得を期待できると感じている。
以上、「三菱UFJカード」の特徴と、約1年間にわたり使ってきた筆者の感想を紹介してきた。繰り返しになるが、「オーケー」をはじめとした各地のスーパーで、7%ものポイント還元を受けられるメリットは大きいと感じている。
もちろんムダなモノを買っては意味がないが、物価の高騰が続く中、
「オーケーの利用でポイント還元」
↓
「貯めたポイントをAmazonギフト券に交換」
(あるいはWalletアプリにチャージ)
↓
「Amazonで日用品を購入」
(あるいはVisaタッチ決済の加盟店で利用)
といったサイクルは、家計の節約につながるのでは、という期待は大きい。
「オーケー」に限らず、「三菱UFJカード」の7%還元の対象になっているスーパーを利用している方は、このカードを一度チェックしてみる価値はあるだろう。
なお、三菱UFJ銀行と三菱UFJニコスは最大5万円相当のキャンペーンを実施中。入会を検討している方は要チェックだ。
参考:「公式キャンペーンページ」へ
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※口座開設期間:2025年2月3日〜8月29日
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※エントリー期間:2025年6月2日〜8月31日
「三菱UFJカード」以外にも、年会費が無料、あるいは手ごろな年会費のクレジットカードは数多くある。
下記記事では、そうしたカードのうち、基本のポイント還元率が1%と高水準であったり、特定シーンで高還元になったりする、人気の16枚のカードを紹介しているので、気になる方はチェックしてみてほしい。