M.2 SSD用クーラー9製品を徹底検証!

高速なM.2 SSDをガッツリ冷却できるヒートシンクはこれだ!

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M.2 SSDは速度が速い半面、コントローラーの発熱が大きい。そして温度が上がり過ぎると速度を落として製品を守る「サーマルスロットリング」という保護機能が働くことがある。このため、M.2 SSDを使ううえでは冷却が重要なポイントとなる。本特集ではそんなM.2 SSDをしっかり冷やせる、M.2 SSD用クーラーの冷却性能を徹底チェックする。

※M.2 SSD用クーラーの取り付け時に生じた、故障、破損、怪我などに対しての責任は負いかねますのでご了承ください。また、SSDの保証対象外の行為となる場合もあります。ご注意ください。

冷却重視なら「変換カードタイプ」、扱いやすさなら「小型ヒートシンクタイプ」

現在、M.2 SSD用クーラーは大きく分けて2種類ある。M.2 SSD上に直接小型ヒートシンクを乗せて使うタイプと、大型ヒートシンクを搭載するためにいったん、PCI Express x4接続の変換カード上にM.2 SSDを装着して使うタイプだ。高速なM.2 SSDのインターフェイスはほぼPCI Express 3.0 x4接続となるため、変換カードタイプの製品は主にビデオカード向けの拡張スロットに接続して使用するようになっている。

左がいったん変換カード上にM.2 SDDをマウントしてから大型ヒートシンクを搭載するタイプで、右が基板の上に小型ヒートシンクを搭載するタイプ。変換カードを経由しても速度はほぼ変わらない

上記いずれの方法にもメリットとデメリットがある。よく冷えるのは大型ヒートシンクを搭載する変換カードタイプだが、この方式の欠点はPCI Express 3.0スロットに余りがないと使えないこと。いっぽうの小型ヒートシンクタイプは、M.2 SSDスロットを搭載する最近のマザーボードであればほぼすべてに装着できるが、放熱面積は変換カードタイプに比べて小さめなので、冷却性能はさほど高くないというデメリットがある。

どちらにも長所と短所があるため、自分の環境に適した製品を選ぼう。使っていないPCI Express 3.0スロットがあるなら冷却重視の変換カードを使うのがいいだろうし、もし拡張スロットに余裕がなければ小型ヒートシンクタイプになる。今回の検証ではそれらを考慮し、小型ヒートシンクタイプと変換カードタイプの両方をチェックする。ピックアップしたのは以下の9製品だ。

●小型ヒートシンクタイプ
・アイネックス「HM-21」
・Aquacomputer「kryoM.2 micro」
・親和産業「SS-M2S-HS02」「SS-M2S-HS01」
・AWESOME「AWD-MCS01B」

●変換カードタイプ
―大型ヒートシンクタイプ
・Aquacomputer「kryoM.2 evo」「kryoM.2」
―空冷ファンタイプ
AOTECH「AOK-M2DPCIEX4WF」
―水冷タイプ
・「kryoM.2 with water block」

なお、製品を選ぶにあたって秋葉原のPCパーツショップ「オリオスペック」でも売れ筋を調査。同店は秋葉原でもM.2 SSD用クーラーの品ぞろえトップクラスのPCパーツショップだ。今回は同店で人気というAquacomputer製やAWESOME製もチョイスした。ちなみに、Aquacomputer製は入手経路が限られているが、同店のほかAmazon.co.jpなどのWeb通販で購入できる。

インテル第7世代CPU(Kaby Lake)環境で検証

続いて検証環境を紹介しよう。ヒートシンクを取り付けるM.2 SSDは、プレクスターの「PX-8SeGN」(512GBモデル)。インターフェイスはPCI Express 3.0 x4に対応。シーケンシャル転送速度は、リード2400MB/秒、ライト1000MB/秒で、Marvell製コントローラーと東芝製TLC NANDを基板片面に実装している。後述するATTO Disk Benchmarkのスコアでも公称値通りの性能を発揮している。これをデータドライブ(D:)として接続してテストを行った。

プレクスターのM.2 SSD「PX-8SeGN」(512GBモデル)

その他の検証機の構成は以下の通り。玄人志向のバラックケース「SEIGI-3GOU」を使用し、PCパーツがむき出しの状態で実施。検証機付近の温度は26℃前後をキープするようにしている。パーツを冷やすファンは一切使用せず、空調機の風が直接あたらない環境下で行っている。

CPU:インテル「Core i7-7700K」
マザーボード:ASRock「Fatal1ty Z170 Gaming K6」
メモリー:SanMax「SMD4-U16G48M-24R-D」(DDR4-2144 8GB×2枚)
システムドライブ:Samsung「SSD 750 EVO」(500GBモデル)
データドライブ:Plextor「PX-8SeGN」
電源ユニット:Seasonic「Xseries XP2 SS-660XP2」
OS:マイクロソフト「Windows 10 Pro 64bit」

検証機

検証機

温度測定には、ハードウェアの各種情報をモニタリングできる「HWiNFO64」を使用。ログ取得間隔は2秒とし、起動20分以降の安定した最低温度もしくは、負荷テスト実行後に安定した最低温度の、高い方を「アイドル時」とした。

また、最高温度は 2通りの方法で計測。測定結果のゆらぎが少なく、転送サイズ別のシーケンシャル速度を連続して計測できる「ATTO Disk Benchmark 3.05」と、スコアのゆらぎは多いが高負荷な状態(=高温になる)を作れる「CrystalDiskMark(Universal Windows Platform版)」を使用した。各ソフトの設定は以下のとおり。

ATTO Disk Benchmark 3.05の設定画面。転送サイズは512Bから64MB。Total lengthは256MBで計測している。なお、48MBと64MBのみやや転送速度が落ち込む傾向となったが、512KB以降は公称値通りの性能を発揮していた

CrystalDiskMarkの設定画面。テストサイズ:8GiB、テストデータ:ランダム、テスト回数:9

CrystalDiskMarkの設定画面。テストサイズ:8GiB、テストデータ:ランダム、テスト回数:9

これらの条件で計測したM.2 SSDの素の温度は、アイドル時:53℃、CrystalDiskMark UWP版:76℃、ATTO Disk Benchmark 3.05:72℃となった。実はこの状態でも大きな速度低下は起こらなかった(もっと負荷をかければ発生する)ため今回は、ベンチマークソフトのスコアは掲載せず温度変化にのみスポットをあてている。

室温が高くファンなしで測定しているため、測定温度も高めになっている

室温が高くファンなしで測定しているため、測定温度も高めになっている

それでは、この温度を基準にして次のペーから各製品の冷却性能をチェックしてきたい。
※記事内での価格は記事執筆時点のものです。

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2017.11.23 更新
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