格安SIMの通信速度を徹底調査

格安SIM&メインキャリアの通信速度ランキング! 人気14回線をチェック【2025年11月】

大手携帯キャリアのメインブランドと比べて毎月のスマホ料金が安い、オンラインプランやMVNOの格安SIM。料金が安いのはうれしいが、通信速度も気になるところ。実際はどうなのかを探るべく実施している人気回線の通信速度調査。2025年11月7日・11日に実施した今回は、スピードダウンが目立った前回10月から一転して、スピードテストの上り・下り平均速度とアプリダウンロード平均速度すべてが大幅にスピードアップする結果となった。

関連記事
格安SIMのおすすめ7選! あなたに最適なプランは?【2025年10月】
推しの格安SIM料金プランを探そう!
格安SIMのおすすめ7選! あなたに最適なプランは?【2025年10月】
スマホ料金を安くしたいなら格安SIMにするべきです。そこで、最新の通信速度の検証結果とあなたのスマホの使い方に応じたおすすめプランを紹介します。
2025/10/27 15:30

1.【はじめに】通信速度の調査方法

スマートフォンの通信速度は時間帯や場所によって変化する。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所では、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域と低い地域にて、通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、各回線の通信速度を調査している。

2025年7月からは、人口密度の高い地域を東京都千代田区の東京駅周辺から、東京都渋谷区の渋谷駅周辺に変更。対照となる低い地域は、引き続き長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定した。調査対象の回線も追加・入れ替えを行い、2025年8月からは合計14回線とした。

今回の調査日は渋谷駅周辺が2025年11月7日(金)、佐久平駅周辺が11月11日(火)。測定にはモトローラの「moto g50 5G」を用いた。

調査方法は以下のように「Googleのインターネット速度テスト」と「Playストアからのアプリダウンロード」の2通りを実施した。

【調査方法1】
端末のブラウザー(Chrome)でGoogleが提供しているインターネット速度テストを使用し、各地点・各時間帯で3回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移を「moto g50 5G」の動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査対象の回線は以下のとおりだ。本調査はこれまでメインキャリアのサブブランドとオンラインプラン、およびMVNOの格安SIMを対象に実施してきたが、前述の通り今回から対象回線を刷新し、メインキャリアのドコモ・au・ソフトバンクから格安SIMまで、合計14回線を選択した。すべて5Gネットワークを利用できる状態で調査を行っている。

調査した14種類の回線

(1)ドコモ
(2)au
(3)ソフトバンク
(4)ahamo
(5)povo2.0
(6)LINEMO
(7)楽天モバイル
(8)ワイモバイル
(9)UQ mobile
(10)IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
(11)mineo(Aプラン・マイピタ)
(12)イオンモバイル(タイプ1(NTTドコモ回線))
(13)NUROモバイル(NTTドコモ回線・バリュープラス)
(14)HISモバイル(NTTドコモ回線・自由自在2.0プラン)

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果からだ。

12時台の測定結果の平均値(渋谷駅周辺:2025年11月7日、佐久平駅周辺:2025年11月11日実施。単位はMbps、以下同様)

12時台の測定結果の平均値(渋谷駅周辺:2025年11月7日、佐久平駅周辺:2025年11月11日実施。単位はMbps、以下同様)

12時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

12時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

スピードテストの全体の平均は下りが51.00Mbps(前回は40.58Mbps)、上りが17.29Mbps(同11.94Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルが98.95Mbpsで最も速く、LINEMOが92.48Mbps、ahamoが84.99Mbpsと続いた。上り通信速度はソフトバンクが26.05Mbpsで最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が40.19Mbps(同22.88Mbps)だ。回線別に見てみると、mineo(Aプラン)が80.51Mbpsで最も速く、auが70.23Mbps、LINEMOが70.16Mbpsと続いた。

●スピードテスト下り平均速度のトップ3(12時台)
1位 ワイモバイル:98.95Mbps
2位 LINEMO:92.48Mbps
3位 ahamo:84.99Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台)
1位 mineo(Aプラン):80.51Mbps
2位 au:70.23Mbps
3位 LINEMO:70.16Mbps

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

14時台の測定結果の平均(渋谷駅周辺:2025年11月7日、佐久平駅周辺:2025年11月11日実施)

14時台の測定結果の平均(渋谷駅周辺:2025年11月7日、佐久平駅周辺:2025年11月11日実施)

14時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

14時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

スピードテストの全体の平均は、下りが81.08Mbps(前回は55.43Mbps)、上りが15.21Mbps(同12.63Mbps)だ。回線別に見てみると、ワイモバイルが163.10Mbpsで最も速く、UQ mobileが142.48Mbps、povoが124.55Mbpsと続いた。上り通信速度もワイモバイルが27.17Mbpsで最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が55.89Mbps(同37.82Mbps)だ。回線別に見てみると、mineo(Aプラン)が103.53Mbpsで最も速く、povoが86.55Mbps、UQ mobileが74.81Mbpsと続いた。

●スピードテスト下り平均速度のトップ3(14時台)
1位 ワイモバイル:163.10Mbps
2位 UQ mobile:142.48Mbps
3位 povo:124.55Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台)
1位 mineo(Aプラン):103.53Mbps
2位 povo:86.55Mbps
3位 UQ mobile:74.81Mbps

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

18時台の測定結果の平均(渋谷駅周辺:2025年11月7日、佐久平駅周辺:2025年11月11日実施)

18時台の測定結果の平均(渋谷駅周辺:2025年11月7日、佐久平駅周辺:2025年11月11日実施)

18時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

18時台の地点別の測定結果(左:渋谷駅周辺、右:佐久平駅周辺)

スピードテストの全体の平均は下りが65.99Mbps(前回は43.42Mbps)、上りが13.71Mbps(同11.03Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はLINEMOが150.37Mbpsで最も速く、ワイモバイルが138.17Mbps、auが102.27Mbpsと続いた。上り通信速度もLINEMOが29.80Mbpsで最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が46.49Mbps(同36.31Mbps)だ。回線別に見てみると、ここでもLINEMOが93.63Mbpsで最も速く、ソフトバンクが83.06Mbps、ワイモバイルが82.19Mbpsと続いた。

●スピードテスト下り平均速度のトップ3(18時台)
1位 LINEMO:150.37Mbps
2位 ワイモバイル:138.17Mbps
3位 au:102.27Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台)
1位 LINEMO:93.63Mbps
2位 ソフトバンク:83.06Mbps
3位 ワイモバイル:82.19Mbps

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度を基にランキングを求めてみよう。参考として前回(2025年10月)と前々回(2025年9月)の調査結果も併記する。まずはスピードテストの下り通信速度からだ。

スピードテストの下り通信速度ランキング

スピードテストの下り通信速度ランキング

今回の1位はワイモバイルで133.41Mbps(前回は98.65Mbps)、2位はLINEMOで117.72Mbps(前回は98.97Mbps)、3位はUQ mobileで100.78Mbps(前回は44.20Mbps)だ。14回線全体の平均速度は66.02Mbps(前回は46.48Mbps)だった。

次は、スピードテストの上り通信速度の結果だ。

スピードテストの上り通信速度ランキング

スピードテストの上り通信速度ランキング

今回の1位はLINEMOで22.77Mbps(前回は10.47Mbps)、2位はソフトバンクで21.16Mbps(前回は10.67Mbps)、3位はmineo(Aプラン)で18.57Mbps(前回は11.01Mbps)だ。14回線全体の平均速度は15.40Mbps(前回は11.87Mbps)だった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

今回の1位はLINEMOで78.21Mbps(前回は64.31Mbps)、2位はmineo(Aプラン)で73.88Mbps(前回は16.92Mbps)、3位はワイモバイルで69.62Mbps(前回は56.89Mbps)だ。14回線全体の平均速度は47.52Mbps(前回は32.34Mbps)だった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回2025年11月の調査では、前回10月と比べてスピードテスト下り平均速度とアプリダウンロード平均速度がプラス40%台、スピードテスト上り平均速度が30%と、大幅にスピードアップした。

ただし、今回の各平均速度は前々回9月とほぼ同じ水準であるため、「2025年10月の一時的なスピードダウンから回復した」と言い換えることもできるかもしれない。特に、前回スピードダウンが目立ったau回線は、今回は一転して大幅にスピードアップしている。

また、前回は渋谷駅周辺と佐久平駅周辺の地域差も目立っていたが、今回の結果をチェックすると、前回ほどの極端な差は現れていない。

全体的な傾向としては、混雑しがちな12時台と18時台で佐久平駅周辺のほうが遅く、ソフトバンク回線のみ佐久平駅周辺のほうが速めになる印象的だった。

全体の平均速度推移(2024年11月〜2025年11月、2025年4月は欠測。2025年7月から調査地点と対象回線を変更している点に注意)

全体の平均速度推移(2024年11月〜2025年11月、2025年4月は欠測。2025年7月から調査地点と対象回線を変更している点に注意)

次回の調査は2025年12月上旬〜中旬の実施を予定している。各社の通信速度がどのように変化していくか、引き続き注目したい。

松村武宏
Writer
松村武宏
信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。
記事一覧へ
関原元気(編集部)
Editor
関原元気(編集部)
出版社にてメンズファッション誌やWebメディアの編集に長年従事し、現在は「価格.comマガジン」にて、PC、スマートフォン、スマートウォッチ分野を担当。ユーザー目線で、デジタルガジェットの面白さを届けます。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×