シャープは、2018年11月14日、Androidスマートフォンの新モデル「AQUOS R2 compact」を発表した。その名の通りコンパクトさが売りのモデルだが、Snapdragon 845の搭載や、ディスプレイの上下にノッチを備えたダブルノッチ仕様のIGZO液晶など、技術的な見どころも多い。その詳細をレポートしよう。
■AQUOS R2 compactのスペック
画面サイズ(解像度):約5.2インチ(1080×2280、120HzハイスピードIGZO液晶)
サイズ(幅×高さ×厚さ):約64×131×9.3mm
重量:約135g
防水/防塵:○(IPX5/8)/○(IP6X)
CPU:Snapdragon 845(2.6GHz×4+1.7GHz×4)
RAM容量:4GB
ストレージ容量:64GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大512GBまで対応)
OS:Android 9.0
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
NFC:搭載
FeliCa:搭載
ワンセグ/フルセグチューナー:非搭載/非搭載
メインカメラ:約2260万画素
フロントカメラ:約800万画素
バッテリー容量:2500mAh
USBポート:USB Type-C(Quick Charge3.0、USB PD対応)
スマートフォンのボディサイズの大型化は年々進んでいるが、片手で操作しやすいコンパクトモデルには根強い人気がある。そんな中発表された「AQUOS R2 compact」は、昨年登場した「AQUOS R compact」の後継となる小型スマートフォンだ。
ボディサイズは、約64(幅)×131(高さ)×9.3(厚さ)mmで、重量は約135g。ディスプレイは1080×2280のフルHD+表示に対応する約5.2インチのハイスピードIGZO液晶で、120Hz の倍速駆動に対応している。持ちやすさを左右する横幅は、前モデル「AQUOS R compact」よりも2mm狭くなった。ディスプレイは上部と下部の2か所にノッチ(切り欠き)が設けられ、縦方向は1mm縮まった。なお、2018年6月に発売されたハイエンドモデル「AQUOS R2」と同様に、「Dolby Vision」に対応するほか、デジタルシネマの標準規格「DCI-P3」やバーチャルHDR機能にも対応している。また、立体音響技術「Dolby Atmos」にも対応する。
ガラスを使った背面はハイエンドモデル「AQUOS R2」と共通するデザインモチーフだ
ヘッドホン端子はボディ上面に搭載されている
液晶テレビAQUOSのチューニングを取り入れた映像エンジン「リッチカラーテクノロジーモバイル」を採用
本機(写真上)と前モデル「AQUOS R comact」(写真下)の厚さと横幅を比べてみた。横幅で2mm、厚さで0.3mmそれぞれ小さくなった
上部のノッチにはフロントカメラが収まる。ノッチ自体もひと回り小さくなった
下部のノッチには、指紋認証センサーが収まっている
指紋認証センサーはジェスチャー操作にも対応しており、Androidスマホの基本的な操作が行える
カラーバリエーションは3色。写真左から、スモーキーグリーン、ディープホワイト、ピュアブラック
搭載されるSoCは、「AQUOS R2」や「AQUOS zero」と同じハイエンド向けの「Snapdragon 845」で、RAMは4GB、ストレージは64GB、512GBまで対応のmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせている。なお、OSはAndroid 9で、発売から2年間2回のバージョンアップが保証されている。
Android 9をプリインストールする
Googleの「Pixel 3」で採用された、タスクボタンを廃した新しいユーザーインターフェイスを採用
背面に設けられたメインカメラは、約2260万画素のイメージセンサーに35mm換算で焦点距離22mmの広角レンズを組み合わせる。電子式手ぶれ補正に加えて、「AQUOS R compact」では搭載が見送られた光学式手ぶれ補正にも対応。フロントカメラは約800万画素で、こちらも焦点距離23mm相当の広角レンズを組み合わせている。いずれもAIを使ったシーン認識機能や美顔補正や背景ぼかし機能を備えている。
シングルカメラ仕様のメインカメラ。焦点距離22mm相当の広角レンズを組み合わせている
メインカメラに備わる光学式手ぶれ補正のデモ、左が光学手ぶれ補正なし、右がありのもの。画面に映る「ロボホン」のぶれが大幅に抑えられているのがわかる
「AQUOS zero」や「AQUOS sense2」の発売を直前に控えたシャープが矢継ぎ早に発表した「AQUOS R2 compact」は、SoCに「Snapdragon 845」を採用することで前モデル「AQUOS R compact」の欠点だった処理性能の不足を払拭しつつ、光学式手ぶれ補正機構を搭載するメインカメラや、Android 9の採用など、完成度を高めており、最近では少なくなったコンパクトスマホでは貴重な存在と言える。コンパクトスマホのファンも納得できる内容に仕上がっている。
なお、本機はソフトバンクでの取り扱いが発表されており、発売は1月中旬以降の予定。SIMフリー版の発売も前向きに検討しているとのことで、こちらの発売も期待したいところだ。