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通信キャリアのメッセージサービス「+メッセージ」が企業アカウントに対応

NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社は、2019年4月23日に、SMSの後継となるRCS(リッチコミュニケーションサービス)「+(プラス)メッセージ」の新機能として、企業の公式アカウントに対応したことを発表した。携帯電話番号とリンクしたセキュリティ機能を生かし、秘匿性の高い情報を扱えるのが大きな特徴となっている。この新機能の概要を解説しよう。

「+メッセージ」は、SMSの後継となるRCSと呼ばれるメッセージサービスだ。送れるのはテキストのみで文字数にも制限があったSMSと比較して、全角2,730文字まで送れるほか、絵文字、写真や動画、スタンプなども送受信できるのが特徴。2018年4月に発表され、現在では約800万人が利用しているという。(+メッセージの詳細は「「LINE対抗ではない」。ドコモ、au、ソフバンがSMSの後継サービスを発表」、を参照)

今回発表されたのは、「+メッセージ」で企業の公式アカウントが開設可能となったこと。競合するサービスの「LINE」にも似たような機能「LINE@」があるが、「+メッセージ」の場合、利用ユーザーのアカウントは携帯電話番号に直接リンクしているため、本人確認が行えるのがポイント。いっぽうの企業の公式アカウントも、開設には3キャリアによる審査が必要なので、お互いが“なりすまし”を回避しやすい。こうした安全性を生かし、企業アカウントを通じて、ユーザーの本人確認が必要な契約内容の変更や確認などが、「+メッセージ」上で完結できるようになるという。

企業アカウントとユーザーとの間で、安全性の高いやりとりが行えるようになる

企業アカウントとユーザーとの間で、安全性の高いやりとりが行えるようになる

こうした安全性を生かしたサービスとして、金融分野への応用が今回発表された。クレジットカードのジェーシービー、損害保険の東京海上日動火災保険、生命保険の日本生命、証券会社の野村證券、銀行の三菱東京UFJ銀行といった金融系の大手企業が参加を表明しており、「+メッセージ」上での事務手続きなどを行うとしている。上記の企業にとどまらず、「+メッセージ」には多くの企業が参入しやすい「共通手続きプラットフォーム」として整備されていくとのこと。

ジェーシービー、東京海上日動火災保険、日本生命、野村證券、三菱東京UFJ銀行といった金融系の大企業が「+メッセージ」の企業アカウントへの検討を表明している

「+メッセージ」を通じて、複数会社にわたる住所変更などの手続きを一括で行えるようになる

「+メッセージ」を通じて、複数会社にわたる住所変更などの手続きを一括で行えるようになる

「+メッセージ」を通じて、災害時の安否確認や手続きを一括して行うという構想も紹介された

「+メッセージ」を通じて、災害時の安否確認や手続きを一括して行うという構想も紹介された

サービスの開始は、auが2019年5月以降、NTTドコモとソフトバンクが8月以降の予定と、通信キャリアによって多少異なる。なお、9月にサービス開始が予定されている楽天の携帯電話サービス「楽天モバイル」の参加は、現時点では明らかにされていない。また、MVNO各社の格安SIMカードを使っている場合も、引き続き「+メッセージ」は利用できないままとなっている。

企業アカウントの応用例として、レストラン予約も紹介されていた。個人を特定できるため、お店の側も安心して予約を受けることができるというメリットがある

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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