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小さな積み重ねで驚異の軽さを実現

ペン内蔵の13.3型2in1で世界最軽量の約868g!「LIFEBOOK UH95/D2」のこだわりに迫る

富士通クライアントコンピューティングは2019年7月10日、個人向けノートパソコンの新モデルとして、17.3型の大画面モデル「LIFEBOOK NHシリーズ」、モダンスタンバイ対応の2in1ノート「同 MHシリーズ」、ペン内蔵の2in1ノート「同 UH95/D2」を発表した。今回はその中でも13.3型ワイド液晶搭載のペン内蔵2in1ノートとしては世界最軽量となる約868gの軽さを実現した「LIFEBOOK UH95/D2」(以下、UH95/D2)にフォーカスを当てて、開発陣の話を交えながら、その軽さの秘密に迫っていきたい。

13.3型ディスプレイを搭載する2in1ノートのUH95/D2。市場想定価格は23万円弱。7月18日発売予定

13.3型ディスプレイを搭載する2in1ノートのUH95/D2。市場想定価格は23万円弱。7月18日発売予定

「UH-X」のDNAを引き継ぐペン内蔵2in1ノート

まずはUH95/D2の概要をチェックしておこう。本モデルは13.3型ディスプレイを搭載する、いわゆる「ヨガスタイル」の2in1ノート。ノート、テント、タブレットなどさまざまなスタイルで利用できる。一番の特徴は、「ペン内蔵の13.3型ワイド液晶搭載2in1ノート」としては世界最軽量である約868gという軽さだ(富士通クライアントコンピューティング調べ)。「LIFEBOOK UHシリーズ」は、13.3型ワイド液晶搭載ノートとしては世界最軽量の約698gの軽さを実現した「LIFEBOOK UH-X(テン)」(以下、UH-X)が有名だが、その軽さのDNAを引き継いでいると言える。

軽いだけでなく、ノートパソコンとしてしっかりと使えるように、豊富な外部インターフェイスやこだわりのキーボード、ノングレアタイプのIGZO液晶など細部にもこだわっている。4096階調のタッチペンはワコム製。メモには十分すぎるスペックだ。さらに、キーボードの上部にWindows Inkワークスペース起動ボタンを配置し、すぐにメモが書けるように工夫されている。キーボード側にカメラが搭載されており、会議室のホワイトボードを撮影して編集、共有などがこれ1台で完結する。

キーボード上部にカメラや、Windows Inkワークスペース起動ボタンを搭載する。タッチペンは15秒で90分使用できる高速充電に対応する

主な仕様は、CPUがCore i7-8565U、メモリーが8GB、ストレージは512GB SSD。本体サイズは約309(幅)×214.8(奥行)×16.9(高さ)mm、重量は約868g。ディスプレイはノングレアタイプの13.3型液晶(1920×1080)。OSはWindows 10 Home 64ビットで、Office Home and Business 2019も付属する。発売は7月18日の予定で、市場想定価格は23万円弱の見込みだ。

Web限定カラーのガーネットレッドモデル

Web限定カラーのガーネットレッドモデル

「UH-X」のノウハウをつぎ込み、もうひとつの世界最軽量を実現

今回は技術面を取りまとめた赤見知彦氏と構造(メカ)設計を担当した飯島崇氏に話を聞いた。以下、敬称略。

左がプロダクトマネジメント本部第一開発センター第一技術部の赤見知彦氏。基板、液晶、SSDなど電気を通して動かす部品全般を担当。右がプロダクトマネジメント本部第一開発センター第三技術部主任技術者の飯島崇氏。企画部門や赤見さんたちが仕様や部材を決定し、それをカタチに落とし込むのが飯島さんの仕事

価格.comマガジン:7月10日の発表会で齋藤邦彰社長が、「世界最軽量を実現したUH-Xで満足していない」と語り、ペン内蔵の2in1ノート「UH95/D2」を披露しました。そもそもなぜ2in1タイプにしたのでしょうか?

赤見:ノートパソコンとiPadなどのタブレットを仕事で2台持ちしているようなビジネスパーソンが結構な割合でいると聞いています。我々にはベースモデルとして、世界最軽量のUH-Xがあり、若干重くなったとしても、2in1にしてペンが使えるようにすれば、2台持ちを1台にできます。2台持ちした場合の面倒なデータの連係も省略できます。そこに引き合いがあるということで、2in1にしました。

UH95/D2の軽さをアピールする齋藤邦彰社長(2019年7月10日の新製品発表会より)

UH95/D2の軽さをアピールする齋藤邦彰社長(2019年7月10日の新製品発表会より)

価格.comマガジン:約868gの軽さを実現できた理由は?

赤見:まずは手に持ったときにお客様が軽いと感じる重量があると思います。1kgをある程度切るところでしょうか。UH95/D2は、約698gのUH-Xをベースとしていますが、タッチパネル(ガラス板1枚)の分で100gは増えることを想定していました。あとは最善を尽くすだけですが、ペンのガレージなど筐体部材に一番軽いものを使うとその分価格が高くなるので、バランスはとっています。

あとは、競合を調査し、大容量バッテリー(Webモデルで選択可能)を搭載したときに1kgを切るという目標がありました。競合はペン内蔵モデルだと1.1kgだったので、0.1kgをどう削るか苦労しました。

この軽さを実現する上で、ベースにUH-Xがあったのはやはり大きいですね。2in1に必要なセンサー類などの違いはありますが、設計は共通の部分が多いです。UH-Xはパーツの薄型化・軽量化など、軽さを追求するためにいろいろな部分を突き詰めています。

前述のタッチパネルのガラスは、今までのものより薄くて軽いものを使っています。もちろん、ガラスを薄くすると強度が下がったり、液晶とペンが干渉して正常に動作しなかったりすると問題なので、チームで検証しながら進めました。

飯島:UH-Xの構造を引き継いでいるのは、軽さを実現する上でのよい点でもあり、苦労する点でもありました。基板などキーボード側の内部構造は最初からほとんど決まっていたので、それ以外の部分にしか大きく手を加えられません。それでいて、タブレットスタイル時にアンテナ通信性能を確保するためのパーツを配置したり、ヒンジを360°回転できるものにしたり、工夫することが多かったです。細かなところでは、基板の余分なスペースをカットしたり、強度に影響のない範囲で天板の中央を薄くするなどしています。

写真下部の基板部分はUH-Xとほぼ同じで、この部分以外で軽さを追求しなければならなかったという

写真下部の基板部分はUH-Xとほぼ同じで、この部分以外で軽さを追求しなければならなかったという

天板とパームレストはマグネシウム、底面はUH-Xと同じマグネシウムリチウム合金を使っています。UH-Xは天板もパームレストもマグネシウムリチウムを使っていますが、タブレットスタイルのときのアンテナ通信性能を確保するために、パームレスト部分はマグネシウムと樹脂のハイブリッド成形としています。

パームレスト部分はマグネシウムと樹脂のハイブリッド成形。手前側の黒いパーツが樹脂

パームレスト部分はマグネシウムと樹脂のハイブリッド成形。手前側の黒いパーツが樹脂

価格.comマガジン:軽いと堅ろう性が心配という声があると思いますが、堅ろう性は大丈夫でしょうか?

飯島:堅ろう性テストはUH-Xと同じ試験に加えて、ペンの挿抜、ヒンジ評価、タブレット時のキーボード評価を追加しています。特にタブレットスタイルで利用した場合に不安になりそうなところは、品質保証部門と協力して試験を繰り返しました。

価格.comマガジン:軽さ以外のこだわりは?

赤見:スピーカーの位置は工夫しました。UH-Xでは底面の手前にスピーカーがありましたが、UH95/D2では底面の両サイドに配置することで、タブレットスタイルでもテントスタイルでも、もちろんノートパソコンスタイルでも同じような音が出るようにしました。

両サイドにスピーカーを配置して、どんなスタイルでも同じように音が聞こえるように工夫している

両サイドにスピーカーを配置して、どんなスタイルでも同じように音が聞こえるように工夫している

ワコム製のタッチペンは4096階調に対応しています。クリエイターが使う専用機に比べれば性能は劣りますが、2in1では高いクオリティを実現していると思います。タッチペンを使ってもらえるように、Windows Inkワークスペース起動ボタンも用意しました。思い立ったときにすぐにメモが取れるので便利だと思います。このボタンはカスタマイズもできるので、たとえば、OneNoteをよく使う方であればOneNoteに割り当てておくといったことができます。

ワコム製のタッチペン。別売の対応ペンも利用できる

ワコム製のタッチペン。別売の対応ペンも利用できる

飯島:Webカメラのほかに、キーボード上部にもカメラを搭載しています。会議のホワイトボードを撮影して共有するときなどに使えるものです。このカメラ位置を中央にするために、内部のレイアウトを工夫しました。どうしてもカメラは中央にないと使い勝手が悪くなるので、手間ではありましたが中央に設置しました。

価格.comマガジン:最初から世界最軽量を目指したのでしょうか?

赤見:富士通時代から、何かものを作る場合は、何らかの世界一を目指す文化があり、その取り組みは富士通クライアントコンピューティングになっても変わっていません。誰もやったことない領域へのチャレンジは社員全員意識しています。

価格.comマガジン:レノボ傘下となり、現場レベルで変わったところはありますか?

河野(※):部品調達の面では選択肢が増えましたが、お客様の声を聞きながら作るという、ものづくりへのアプローチ自体は変わっていません。製造を担当する島根工場もそのままですし、国内工場だからこそコミュニケーションを密に取れます。国内製造のこだわりもそのままです。

※ここだけは、プロダクトマネジメント本部第一開発センター第一技術部マネージャーの河野晃伸氏にコメントしてもらいました。

価格.comマガジン:ありがとうございました。

15型のサイズで17.3型ディスプレイを搭載する「LIFEBOOK NHシリーズ」

最後に同日に発表されたほかの2モデルについて簡単に触れておきたい。

LIFEBOOK NHシリーズは、17.3型の大画面ディスプレイを搭載するスタンダードノート。狭額縁化やヒンジの落とし込みで高さを抑えることで、現在主流の15型と同等のサイズ感を実現したのが特徴だ。大画面を生かしたテレビ機能搭載モデルもWeb専用モデルとしてラインアップする。また、HDMI入力も備えており、家庭用ゲーム機やカメラなどを接続して、ディスプレイとして使うこともできる。

パームレストのアルミカバーは、プレス、CNC、研磨など多くの工程を経ることで、高い質感を実現している。大型ファンと高性能ヒートパイプにより、熱処理にもこだわった。

NH90/D2

LIFEBOOK NH90/D2

15.6型のノートパソコンと比較しても、高さが抑えられている

15.6型のノートパソコンと比較しても、高さが抑えられている

発売は7月18日の予定。主な仕様と市場想定価格は以下の通り。

NH90/D2:Core i7-9750H、8GB、256GB SSD+1TB HDD、Blue-ray Discドライブ、23万円強
NH56/D2:Core i3-8145U、4GB、512GB SSD、DVDスーパーマルチドライブ、18万円弱
(CPU、メモリー、ストレージ、光学ドライブ、市場想定価格)

モダンスタンバイに対応した2in1ノート「LIFEBOOK MHシリーズ」

LIFEBOOK MHシリーズは13.3型のディスプレイを搭載する2in1ノート。スマートフォンのようにすぐに起動できるモダンスタンバイに対応するのが特徴だ。スリープ中でもメールやSkypeのメッセージの受信が可能で、Cortanaに話しかければ、ネット検索などもできる。重量はタッチ対応モデルの上位機種「MH75/D2」が約1.24kg、タッチ非対応の「MH35/D2」が約1.09kg。

LIFEBOOK MH75/D2

LIFEBOOK MH75/D2

同じ画面サイズのUH95/D2はビジネスパーソンがターゲットなのに対して、LIFEBOOK MHシリーズは家庭用モバイルノートとして売り込む。ファンレス仕様で動作音が静かなのもポイント。発売は7月18日の予定。

主な仕様と市場想定価格は以下の通り。

MH75/D2:Core i5-8200Y、8GB、256GB SSD、17万円強
MH35/D2:Celeron 3965Y、4GB、256GB SSD、13万円弱
(CPU、メモリー、ストレージ、市場想定価格)

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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