レビュー

ガーミンの無制限バッテリーモデル「Instinct 2X Dual Power」を使ってみた

ガーミンのスマートウォッチ「Instinct(インスティンクト)」シリーズの最新モデル「Instinct 2X Dual Power(ツーエックス デュアルパワー)」。同シリーズは、アウトドアでも使いやすいタフネスボディにスマートウォッチの機能を組み合わせたアウトドア系スマートウォッチです。最新モデルは、ディスプレイサイズの大型化、GPSの精度向上、バッテリー駆動時間のアップなど、従来機から大きく進化しています。

ソーラー充電に対応する「Instinct 2X Dual Power」をチェック

ソーラー充電に対応する「Instinct 2X Dual Power」をチェック

正統進化を遂げた人気シリーズの最新モデル

「Instinct」シリーズは、ガーミンのスマートウォッチの中でもMIL規格に準拠したタフネス設計が過酷なアウトドアでも使いやすいモデルとして人気です。ランニングやトレッキングなどのアウトドアアクティビティの愛好家、さらには、ガーミンによると過酷なトレーニングを記録するためのツールとして購入する自衛隊員の方もユーザーに多いとのこと。アマチュアからプロユースでも使える耐久性、機能性の高さを備えているというわけです。

今回レビューする「Instinct 2X Dual Power」は、シリーズで第2世代となる最新モデル。従来機で好評だった耐久性はそのままに、ディスプレイの大型化による視認性アップ、バッテリー駆動時間の向上、さらにはGPS機能も進化しています。

本モデルの注目ポイントをまとめると以下のとおりです。

1.大型ディスプレイ
2.バッテリー駆動時間
3.GNSSマルチバンド対応GPS

次章からをポイント別にレビューしてきましょう。

大型化したディスプレイは視認性が良好

「Instinct 2X Dual Power」は、従来機の「Instinct 2」シリーズと比べてサイズが約20%大型化した1.1インチのディスプレイを備えます。表示される数値のサイズも大きくなったため、従来機よりも視認性が大きくアップしています。

「Instinct 2X Dual Power」と「Instinct 2」に同じウォッチフェイスを表示させてみたところ、前者は文字サイズが大きいだけではなく、レイアウトも調整されているため、視認性がかなり高くなっています。また、画面の情報量が増えているので、運動中にチラ見するだけでも多くのデータが確認可能です。

左が「Instinct 2X Dual Power」、右が「Instinct 2」。文字の表示サイズが大きくなったほか、レイアウトにも余裕があり、最新モデルのほうが見やすいですね

左が「Instinct 2X Dual Power」、右が「Instinct 2」。文字の表示サイズが大きくなったほか、レイアウトにも余裕があり、最新モデルのほうが見やすいですね

従来機から継承されているポイントですが、さまざまな情報が表示される右上の小窓がなんとも使いやすいのです。筆者はいつも心拍数を表示しているのですが、月の満ち欠けや天気、カレンダーなど自分の使いやすいようにカスタマイズが可能です。

小窓は心拍数や天気のほか、盤面に今どんな情報を表示しているかもアイコンで教えてくれます。地味ですが、便利な機能です

小窓は心拍数や天気のほか、盤面に今どんな情報を表示しているかもアイコンで教えてくれます。地味ですが、便利な機能です

ディスプレイが大型化したことにより、本体のサイズもアップしています。重量も従来機から約15gアップした67g。ここは大型ディスプレイやタフネスボディとのトレードオフになる点です。

サイズアップしましたが、大きすぎるということはありません

サイズアップしましたが、大きすぎるということはありません

最大約40 日間+無制限の超ロングバッテリー

「Instinct」シリーズの中でも、「Dual Power」を冠するモデルは、ソーラー充電によりバッテリー駆動時間が特に長いことでも知られています。しかし、最新モデルは、元々長いバッテリー駆動時間をさらにアップさせました。

・Instinct 2X Dual Power(レビューモデル)
スマートウォッチモード: 約40 日間+無制限
GPSモード: 60 時間+85時間

・Instinct 2 Dual Power
スマートウォッチモード: 約28日間+無制限
GPSモード: 約30時間+18時間

スマートウォッチモードで約40日間、GPSモードで約60時間のバッテリー駆動時間を実現するほか、ここにソーラー充電が加わることで、スマートウォッチモードであればスペック上は充電いらずの無制限で使えちゃいます。

ソーラー充電の充電量は、リアルタイムで確認可能です

ソーラー充電の充電量は、リアルタイムで確認可能です

本体とディスプレイのサイズが大きくなったことで、バッテリー容量が増えたこと、さらには、ディスプレイに備えられたソーラー充電パネルの面積が増えたことなどが、バッテリー駆動時間のアップにつながっています。

晴れた日に「Instinct 2X Dual Power」を約2時間、太陽光下に置いてみたところ、バッテリー残量が94%から97%まで回復しました。充電の心配はほとんど無用という感じです。

約2時間のソーラー充電で約3%充電できました

約2時間のソーラー充電で約3%充電できました

GNSSマルチバンドで位置情報がより正確に、素早く

GPS機能では、GNNSマルチバンドに対応している点が注目です。GNSSマルチバンドとは、GPS、グロナスなどの衛星「GNSS」に対応しつつ、L1、L5の2周波数帯を受信するシステムのこと。メリットとしては、山間部の深い渓谷やビルの谷間などでも正確に、素早く位置情報を補足できることがあげられます。

実際に「Instinct 2X Dual Power」と「Instinct 2X」を同時に使って、GPSの補足速度や精度を確かめてみました。

片腕に2モデルを並べて着用してテストしました

片腕に2モデルを並べて着用してテストしました

ワークアウトの「自転車」を起動すると、「Instinct 2X Dual Power」は約5秒、「Instinct 2」は約30秒で捕捉が完了。30秒でもかなり早いほうで、5秒は爆速です。

ビルの間や住宅の間を抜けるいつもの通勤ルートを走ってみたところ、走行距離に100mほどの差が出ました。10kmで100m、20qでは200mの差になります。ランニングやフルマラソンなどを趣味にしている人ならわかるとは思いますが、これはかなり大きな差と言えます。

左が最新モデルの「Instinct 2X Dual Power」、右が「Instinct 2」です。赤丸の走行距離に違いが出ました

左が最新モデルの「Instinct 2X Dual Power」、右が「Instinct 2」です。赤丸の走行距離に違いが出ました

まとめ

従来機からの進化点を中心にレビューしましたが、ランニングやウォーキング、登山など30種類以上のスポーツに対応する「アクティビティ」モードを搭載するほか、心拍数や心拍やVo2Max計測機能も搭載しており、トレーニング関連の機能も従来機と変わらず充実しています。

また、睡眠トラッキングやストレスレベルの計測、自分の身体を電池に見立ててエネルギー残量を可視化する「ボディバッテリー」などライフログ関連の機能もカバーしています。もちろん、モバイルSuica、スマートフォンの通知など基本機能もハイエンドのスマートウォッチとして十分です。

公式サイトの販売価格は68,200円(税込)。カラバリはグラファイト、フレームレッド、ホワイトストーン、モスの4色が用意されています。今回レビューしたホワイトストーンはアウトドア寄りの目立つデザインですが、グラファイトやモスといった落ち着いたカラーであれば、オフィスカジュアルでも問題なくフィットするでしょう。

今 雄飛

今 雄飛

ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。

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