スマホとおカネの気になるハナシ

2024年春の「スマホの学割」最新情報まとめ

多くの人が関係する、スマートフォンやモバイル通信とお金にまつわる話題を解説していく「スマホとおカネの気になるハナシ」。今回は、新年度に向けた「2024年のスマホ学割」を解説。端末の値下げルールが改正されたことを受けてどのように変わるのだろうか?

※本記事中の価格は税込で統一しています。

進学や進級を機会に子供に買い与えるスマートフォン。今年の学割はどのような傾向なのでしょうか

進学や進級を機会に子供に買い与えるスマートフォン。今年の学割はどのような傾向なのでしょうか

新ルール施行で端末の値引きは期待しにくい

新入学シーズンを控える冬から春にかけては、携帯電話ショップの店頭での販売が最も盛り上がるシーズンだ。

新入学を機に初めてスマートフォンを手にする学生は、少子高齢化が進む日本において非常に貴重な、純粋な新規契約者。各社ともその獲得に力を注ぐために、スマートフォンの値引きが最も過熱する時期でもある。ただし、2023年末に政府が新たな値引き規制を打ち出したことから、端末値引きにはあまり期待ができなくなっている。

そこで、少しでもスマホの利用料金を抑えたい学生や保護者が例年以上に注目すべきなのが、通信料金の「学割」だ。学割をうまく活用することで、スマホをお得に使うことができる。

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社は新入学生の獲得に向け、毎年冬から春にかけて学割施策を展開している。以前は、学生の進路が決まる1〜3月頃から始まる傾向にあったのだが、携帯電話市場の飽和とともに、他社に先駆けていち早く学生を獲得したい意図が強くなったことでその開始時期は前倒しされ、最近では各社とも12月頃から学割を始めているようだ。

そして学割の内容も年によって大きく変わることが多く、前年と同じ施策が翌年も継続されるとは限らない。2024年の学割の傾向を見てみると、通信量が多い学生にお得な料金で利用してもらえるよう、通信量10〜30GBの中容量プランを期間限定で値引きする内容が多いようだ。

以下で、各社・各ブランドが用意する2024年の学割を紹介しよう。

対象は15歳以下、18歳まで月間5GBか10GBの通信付き
NTTドコモ「U15はじめてスマホプラン」

まずはNTTドコモだが、同社は学割に類する施策として「U15はじめてスマホプラン」を提供している。これは文字通り15歳以下の人だけが契約できるプランで、通信量5GBで月額1,815円のプランと、通信量10GBで月額2,695円の2つのプランを用意。いずれも5分以内の通話が無料で、「dカード」で料金を支払うことで適用される「dカードお支払い割」(月額187円引き)が適用できるほか、最大12か月間は5GBプランで毎月500ポイント、10GBプランで毎月1000ポイントのdポイント(期間・用途限定)が進呈される。

NTTドコモの「U15はじめてスマホプラン」は15歳以下の人が契約できる専用のプランで、18歳になるまでお得な料金で5GB、または10GBの通信量が利用できる

NTTドコモの「U15はじめてスマホプラン」は15歳以下の人が契約できる専用のプランで、18歳になるまでお得な料金で5GB、または10GBの通信量が利用できる

このプランは実は通年で提供されているので、時期を選ばず契約できるのも大きなメリットだ。ただ適用できるのが15歳までなので、高校生では年齢によっては適用できない可能性がある。加えて、19歳になると5GB、10GBプランの通信量はそれぞれ1GB、2GBに減ってしまい、必然的にほかのプランへの移行が求められる点にも注意が必要だ。

なお、学割と直接関係はないが、NTTドコモは2024年1月26日から、学生をターゲットとした「Xperia 10 V Fun Edition SO-52D」を発売している。これはオリジナルカラーのミストグレーを採用した「Xperia 10 V」で、機能・性能は既存のXperia 10 Vと変わらない。ただし、「Google One」の「ベーシック 100GBプラン」が1年間無料で提供されるほか、抽選で500名に「Spotify」の「Premiumスタンダードプラン」が6か月間、無料で提供されるといった特典が付く。通常のXperia 10 Vよりお得感が高いので覚えておくといいだろう。

NTTドコモは2024年1月26日より「Xperia 10 V Fun Edition SO-52D」を発売。機能・性能は「Xperia 10 V」と変わらないほか、オリジナルのミストグレーを採用しており、「Google One」の「ベーシック 100GBプラン」を1年間無料で利用できる

NTTドコモは2024年1月26日より「Xperia 10 V Fun Edition SO-52D」を発売。機能・性能は「Xperia 10 V」と変わらないほか、オリジナルのミストグレーを採用しており、「Google One」の「ベーシック 100GBプラン」を1年間無料で利用できる

22歳以下限定だが割引は1年限り、月額300円の「Prime Student」が1年無料
au「スマホスタート1年割」

続いてKDDIの「au」ブランドだが、2024年1月時点で提供されているのは先にも触れた「スマホスタート応援割」である。これは22歳以下の新規契約者が、月額4,103円で20GBの通信量が利用可能な「スマホスタートプラン 5G/4G」を契約することで、割引が適用され契約の翌月から1年間は月額1,078円で利用できるというものだ。

KDDIのWebサイトより。「au」ブランドでは2024年、22歳以下であれば「スマホスタートプラン 5G/4G」を1年間、月額1078円で利用できる「スマホスタート応援割」が提供されている

KDDIのWebサイトより。「au」ブランドでは2024年、22歳以下であれば「スマホスタートプラン 5G/4G」を1年間、月額1078円で利用できる「スマホスタート応援割」が提供されている

具体的には「au PAYカード」で料金を支払うことで適用される「au PAY カードお支払い割」(月額187円引き)のほか、契約翌月から適用される1年間限定の「スマホスタート1年割」(月額1,188円引き)「スマホスタート応援割」(月額1,650円引き)で、低価格を実現する。ただNTTドコモと比べると値引き期間が1年間と短いので、より早期での乗り換えが求められる点に注意が必要だ。

その代わり、アマゾン・ドット・コムの「Prime Student」(月額300円)が1年間無料で利用できる特典も付いてくる。Prime Studentでは「Prime Video」「Amazon Music Prime」が利用できるほか、「Amazon.co.jp」で買い物した際の配送オプションも指定できるなど、メリットが少なくない。通信だけでなく同社のサービスも重視するならお得だ。

スマホスタート応援割が適用された人には、もれなく「Prime Student」が1年分無料で利用できる特典が付いてくるのもメリットだ

スマホスタート応援割が適用された人には、もれなく「Prime Student」が1年分無料で利用できる特典が付いてくるのもメリットだ

複雑だが家族含む最大1万2000PayPayポイントを進呈
ソフトバンク「ソフトバンクデビュー割」

ソフトバンクの「ソフトバンク」ブランドで実施されているのは「ソフトバンクデビュー割」というもの。こちらも5〜22歳までの人が、通信量20GBで月額料金3,916円の「スマホデビュープラン+(ベーシック)」を契約すると、複数の値引きが適用され契約翌月から月額1,078円で利用できるものとなる。

ソフトバンクの「ソフトバンク」ブランドで実施されているのは「ソフトバンクデビュー割」というもの。こちらも5〜22歳までの人が、通信量20GBで月額料金3,916円の「スマホデビュープラン+(ベーシック)」を契約すると、複数の値引きが適用され契約翌月から月額1,078円で利用できるものとなる。

ソフトバンクの「ソフトバンク」ブランドで実施されているのは「ソフトバンクデビュー割」というもの。こちらも5〜22歳までの人が、通信量20GBで月額料金3,916円の「スマホデビュープラン+(ベーシック)」を契約すると、複数の値引きが適用され契約翌月から月額1,078円で利用できるものとなる。

ただこちらは割引の適用期間がサービスによって異なり、「1年おトク割+」(月額1,188円引き)は契約翌月から12か月、「デビュー特典(割引)」(月額1,650円引き)は契約翌月から6か月となる。それゆえ月額1,078円で利用できるのは契約の翌月から6か月間までで、8か月目以降は月額2,728円、14か月目以降は3,916円と、料金が細かく変化する点に注意が必要だ。

いっぽうで、ソフトバンクデビュー割は子どもだけでなく、その家族にもメリットが用意されている。子どもがスマホデビュープラン+(ベーシック)に加入し、デビュー特典(割引)の条件を満たすことにより、対象プラン加入の家族1回線に対して1000ポイントの「PayPayポイント」が、最大12か月プレゼントされるという。対象となるのは「ペイトク」や「メリハリ無制限+」など大容量のプランに限られるが、これらプランを契約しているなら最大1万2000ポイントを獲得できることから、ポイントに重点を置くなら選ぶ価値はあるだろう。

ソフトバンクデビュー割は親にも特典が用意されており、「ペイトク」など対象プランに加入している家族の1回線に対して12か月間、毎月1,000円相当のペイペイポイントが付与される

ソフトバンクデビュー割は親にも特典が用意されており、「ペイトク」など対象プランに加入している家族の1回線に対して12か月間、毎月1,000円相当のペイペイポイントが付与される

ちなみにKDDIとソフトバンクは、サブブランドでも学割施策を実施しているので紹介しておこう。

30GBが月額1,958円。18歳以下の子どもとその家族が対象、
UQ mobile「UQ親子応援割」

KDDIの「UQ mobile」ブランドでは「UQ親子応援割」が提供されており、18歳以下の人が通信量「コミコミプラン」(通信量20GBで月額3,278円)を契約すると、割引の適用によって契約翌月から12か月間は月額1,958円で利用できるうえ、通信量も10GB増量される。加えてその人と同じ「家族セット割」「自宅セット割」グループに加入していれば、コミコミプランを契約する家族にも同様の割引が適用される(通信量の増量は適用されない)。

「UQ mobile」の「UQ親子応援割」は、18歳以下の契約者に対して料金の値引きと通信量の増量がなされるだけでなく、その家族にも料金の値引きが適用され家族でお得になる仕組みだ

「UQ mobile」の「UQ親子応援割」は、18歳以下の契約者に対して料金の値引きと通信量の増量がなされるだけでなく、その家族にも料金の値引きが適用され家族でお得になる仕組みだ

5〜18歳の子どもとその家族も対象。20GBか30GBプランを割引
ワイモバイル「ワイモバ親子割」

また、ワイモバイルは「ワイモバ親子割」を提供している。これは、5歳以上18歳以下の人が「シンプル2 M」(通信量20GBで月額4,015円)、または「シンプル2 L」(通信量30GBで月額5,115円)を契約すると、契約翌月から12か月間は月額1,100円の値引きを受けることができるもの。さらに、「PayPayカード割」「おうち割 光セット(A)」など既存の割引も適用すると、それぞれ月額1,078円、2,178円で利用できる。

ワイモバイルの「ワイモバ親子割」は、5歳以上18歳以下の契約者が「シンプル2」のMプラン以上を契約すると月額1100円の値引きを受けられるが、家族で対象プランに新規契約、またはプラン変更すれば同じ値引きが適用される

ワイモバイルの「ワイモバ親子割」は、5歳以上18歳以下の契約者が「シンプル2」のMプラン以上を契約すると月額1100円の値引きを受けられるが、家族で対象プランに新規契約、またはプラン変更すれば同じ値引きが適用される

加えて受付期間内に新規契約もしくはプラン変更で対象プランを契約し、かつワイモバ親子割を適用した人と同一グループの「家族割引サービス」に加入することで、ほかの家族も同じ割引を受けることが可能だ。サブブランドは元々料金が安いのに加え、いずれの学割施策も家族全体でメリットが得られることから、家族で料金を節約したいならば検討の余地があるのではないだろうか。

計13000楽天ポイント進呈で実質学割として機能する
楽天モバイル「紹介キャンペーン」「楽天学割」

いっぽうで楽天モバイルはどうかというと、同社の料金プラン「Rakuten最強プラン」が十分安いので、学割施策は実施しないとしている。ただ「紹介キャンペーン」の適用により、年齢に関係なく紹介する側に7000ポイント、紹介される側に6000ポイントの楽天ポイントが付与されるので、家族で楽天モバイルに移行すればその分お得になるともいえる。

また楽天モバイルに加入するには楽天会員になる必要があることから、15〜25歳であれば楽天グループの「楽天学割」に登録することも可能だ。これを利用すれば「楽天市場」「Rakuten Fashion」など楽天グループのさまざまなサービスがお得に利用できることも、覚えておくといいかもしれない。

楽天モバイルに学割はないが、25歳までの楽天会員であれば「楽天学割」に登録でき、「楽天市場」をはじめ楽天グループのさまざまなサービスをよりお得に利用できるようになる

楽天モバイルに学割はないが、25歳までの楽天会員であれば「楽天学割」に登録でき、「楽天市場」をはじめ楽天グループのさまざまなサービスをよりお得に利用できるようになる

コスパに加えて対象年齢や家族対象の有無も選ぶポイント

このように、各社の学割施策の内容は、月間通信容量が10〜30GB程度で傾向は近しいものの企業やブランドによってかなり違いがあることが分かる。また、対象年齢の違いもある。加えて、一部の学割施策はほかの家族にも影響を与えるだけに、それぞれの特徴を見極めたうえで、どのサービスを選ぶか検討する必要があることを覚えておきたい。

佐野正弘
Writer
佐野正弘
福島県出身。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。
記事一覧へ
田中 巧(編集部)
Editor
田中 巧(編集部)
通信を中心にしたIT系を主に担当。Androidを中心にしたスマートデバイスおよび、モバイルバッテリーを含む周辺機器には特に注力している。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×