楽天モバイルは2024年6月27日から、いわゆる「プラチナバンド」にあたる700MHz帯での商用サービスを開始しました。プラチナバンドとは700〜900MHzの周波数帯(バンド)をさす言葉です。4Gや5Gで使われている主要な周波数帯と比べて周波数が低く、建物の壁を透過したり障害物を回り込んだりしやすいことから、プラチナバンドはつながりやすさを左右する周波数帯として重視されています。
プラチナバンドはNTTドコモ・KDDI・ソフトバンクのMNO大手3社には以前から割り当てられていましたが、楽天モバイルにはつい最近まで割り当てられていませんでした。総務大臣から割り当ての認定を受けたのは2023年10月のことで、試験電波の発射を経ていよいよ商用サービスが始まったことになります。
そこで今回は、これから楽天モバイルを契約しようと考えている人に向けて、楽天モバイルのメリットやキャンペーンを改めてチェックしてみたいと思います。
まずは料金プランをチェックしてみましょう。
楽天モバイルの料金プランは「Rakuten最強プラン」の1種類のみ。月額料金は実際に利用した通信量に応じて変化する段階制で、3GBまでは1,078円、3GBを超えて20GBまでは2,178円、20GB以降は3,278円です。国内宛の通話料金は楽天モバイル専用アプリ「Rakuten Link」を利用すれば無料で発信できます。
楽天モバイル「Rakuten最強プラン」の概要
また、家族割引「最強家族プログラム」も提供されていて、グループを作成・参加することで各回線の月額料金から毎月110円が割り引かれます。1つのグループに参加できるのは最大20回線です。通話料金の割り引きはありませんが、前述の「Rakuten Link」を利用すれば互いに無料で発信可能です。
さらに、契約者が22歳以下の場合、若者向けの割引プログラムにエントリーすることで楽天ポイントによる還元を受けられます。12歳以下の場合は通信量が3GBまでの月は440ポイント、3GB以降の月は110ポイントが還元される「最強こどもプログラム」を、13歳から22歳までの場合は毎月110ポイントが還元される「最強青春プログラム」を利用できます。
楽天モバイルでは家族割引や若者向け割引も用意されています
「Rakuten最強プラン」のメリットのひとつは、通信量が20GBを超えても速度制限はかからないところです(※ただし、混雑時などには公平なサービス提供のために速度が制御される可能性があります)。
たとえば、NTTドコモのオンラインプラン「ahamo」で月に20GB以上通信するには80GB/月のデータ利用量を追加できる「大盛りオプション」を契約しなければなりませんが、そうすると月額料金は4,950円に増えてしまいます。いっぽう、楽天モバイルなら月額3,278円で無制限に通信することが可能です。
筆者の身近なところでも、無制限に通信できるメリットに魅力を感じて楽天モバイルを契約している友人がいます。以前は他社で25GB/月の料金プランを契約していましたが、データ利用量を毎月使い切ってしまうため、月末が近づくと速度が制限されていたといいます。楽天モバイルに乗り換えてからはデータ利用量を気にせず通信できる安心感があると語っています。
楽天モバイルを契約している筆者友人の利用状況の一例(2024年7月15日時点)
ただし、海外のパートナー回線エリアではデータ利用量に2GB/月の制限が設けられていて、超過後の通信速度は128kbpsに制限されます。国内のように通信速度そのままで無制限に利用することはできないので注意が必要です。
なお、以前の楽天モバイルは国内のパートナー回線エリア(※auの基地局を利用)でもデータ利用量に5GB/月の制限が設けられていましたが、2023年6月1日の「Rakuten最強プラン」提供開始に合わせてこの制限は撤廃されており、現在は国内のパートナー回線エリアでも楽天回線エリアと同様に無制限となっています。
「Rakuten最強プラン」のもうひとつの大きなメリットは、楽天ポイントとの連携です。まず、「Rakuten最強プラン」の契約者が楽天市場で買い物をすると、それだけで付与されるポイントが+4倍になります(※2,000ポイント/月の獲得上限あり)。
ポイントは買い物で利用することができますし、楽天モバイルの料金の支払いに充てることも可能です。楽天市場をよく利用するのであれば見逃せない特典だと言えるでしょう。
「Rakuten最強プラン」のポイント付与特典
新規契約や他社からの乗り換え時にポイントを進呈するキャンペーンも見逃せません。なかでも注目は楽天グループの三木谷浩史代表の名前で提供されている、いわゆる「三木谷キャンペーン」です。
●三木谷キャンペーンのポイント
・他社からの乗り換えで最大14,000ポイント進呈
・初めての契約だけでなく、2回線目以降の契約や再契約も対象
・申し込み1件につき10,000円を支援団体に寄付
このキャンペーンではMNP(携帯電話番号ポータビリティ)を利用して他社から楽天モバイルに乗り換える場合は14,000ポイント、MNPを利用せずに楽天モバイルを新規契約する場合は7,000ポイントが、期間限定ポイントとして3か月間にわたって進呈されます。また、申し込み1件につき10,000円が災害・人道支援を目的とする支援団体に寄付されます。
ポイントが進呈されるタイミングは「紹介メッセージ経由でログインした月の4か月〜6か月後の末日頃」です。たとえば2024年7月中に紹介メッセージからログインし、他社からの乗り換えで「Rakuten最強プラン」を契約・利用開始した場合、2024年11月末日頃に4,000ポイント、同年12月末日頃に5,000ポイント、2025年1月末日頃に5,000ポイントが進呈されます。
楽天モバイル「三木谷キャンペーン」申込画面
ほとんどの場合、お得なキャンペーンは初めての契約を対象としていますが、この「三木谷キャンペーン」は2回線目以降や再契約が含まれるのも見逃せません。家族分の回線を契約する場合や、以前に楽天モバイルを利用していた人が戻ってくる場合など、幅広いユーザーが対象となります。
さまざまな分野で商品やサービスの値上がりが相次ぐ昨今、14,000ポイントの進呈はうれしい特典と言えます。三木谷キャンペーンは専用ページからのログインが必須なので、気になる人は以下URLからキャンペーンの詳細をぜひ確認してみてください。
楽天モバイルのキャンペーンはこれだけではありません。今まで楽天市場を利用したことのない人が初めて楽天モバイルを契約する場合にポイントとクーポンを最大20,000円分進呈するものなど、数多くのキャンペーンが開催されています。条件が合うキャンペーンがあるかもしれないので、契約する前にキャンペーン全体のチェックをおすすめします。
楽天モバイルで開催されている新規申し込み向けキャンペーンの一例
さて、魅力的な料金プランやキャンペーンを提供している楽天モバイルですが、他社から乗り換えることを真剣に検討するうえで通信品質が気になるという人も少なくないのではないでしょうか。
第三者機関の調査では、通信品質は高評価を得ています
価格.comマガジンでは楽天モバイルをはじめ、毎月のコストがお手ごろなオンラインプランや格安SIMの人気10回線の通信速度を東京駅周辺と長野県佐久市の佐久平駅周辺で毎月調査しています。2024年7月9日に東京駅周辺、11日に佐久平駅周辺で実施した今回の結果はどうだったのでしょうか?(※詳しい調査方法については以下の関連記事をご参照ください)
2024年7月の通信速度ランキング(全地点・全時間帯の平均)
10回線全体を見てみると、KDDIのpovoとUQ mobile、ソフトバンクのLINEMOとワイモバイルが好調で、Googleのスピードテスト下り平均速度およびPlayストアからのアプリダウンロード平均速度のランキング上位はこの4回線が占めています。
いっぽう、楽天モバイルはスピードテスト下り平均速度は16.59Mbpsで8位、アプリダウンロード平均速度は11.54Mbpsで9位という結果でした。10回線全体ではスピードテスト下り平均速度が69.08Mbps、アプリダウンロード平均速度が25.61Mbpsです。
上位4回線と比較すれば遅く見えてしまう楽天モバイルですが、どの回線でも比較的スムーズに通信できる14時台と、ネットワークが混雑しがちな12時台および18時台の間に極端な差は見られず、一部の回線のように時間帯によって速度が一桁も変動するようなことはありませんでした。
2024年7月調査分の14時台の地点別測定結果(左:東京駅周辺、右:佐久平駅周辺)
注目は地点別の結果です。同じ時間帯の結果を比較すると、楽天モバイルの通信速度は都市部の東京駅周辺よりも地方の佐久平駅周辺のほうが明らかに速いです。14時台を例に見てみると、スピードテスト下り通信速度は約10倍、アプリダウンロード速度は約7倍の差が生じています。
通信速度に影響を与える要因は様々ですが、都市部では相対的に利用者が多いことに加えて建物が密集しており、4Gや5Gの主要周波数帯だけではつながりやすさにどうしても差が生じてしまうため、東京駅周辺のほうが遅くなった可能性があります。今後は楽天モバイルでも建物内や障害物に強いプラチナバンドのエリアが広がっていくはずですから、都市部の通信品質も向上していくことが期待できます。
最後に、楽天モバイルで使える端末をチェックしてみましょう。MNOの一角というだけあって、楽天モバイルでは「iPhone」をはじめ、Androidの「AQUOS」「Xperia」「Galaxy」「OPPO」といった各シリーズのスマートフォンを取り扱っています。新規契約時はもちろん、他社から乗り換えるときにもなじみのあるシリーズの端末を選んで購入しやすいでしょう。
楽天モバイルで取り扱っているAndroidスマートフォンの一例
また、他社で利用していたスマートフォンを楽天モバイルで引き続き利用することもできます。ただし、機種によっては楽天モバイルが使用している周波数帯の一部に対応していなかったり、仕様上対応していても他社のネットワークでの動作が保証されていなかったりします。動作が保証されているスマートフォンで楽天モバイルを利用したい場合は、下取りサービスの活用も考慮しつつスマートフォンの買い替えを検討するのがいいでしょう。
月の通信量が20GBを上回っても速度制限されずに利用可能なだけでなく、楽天市場での買い物時に楽天ポイントが+4倍付与されるなど、ポイントサービスとの連携もうれしい「Rakuten最強プラン」。乗り換えてみたいけれど、1人でオンライン手続きをすることに不安を感じる人もいるかもしれません。
そんなときに活用したいのが、全国各地に開設されている楽天モバイルのショップです。新規契約/乗り換えの手続きはもちろん、オプションの追加や住所変更といった契約内容の変更手続きや端末の購入などが可能。来店予約をしておけば、前述の「三木谷キャンペーン」を申し込めます。
楽天モバイルのショップ検索画面
スマートフォンで動画をよく見るからデータ利用量がいつも足りない、いま契約しているものよりももっとお得な料金プランに乗り換えたい、普段のネットショッピングをもっとお得に利用したい……。そんな悩みを抱えている人は、プラチナバンド始動で今後も通信品質向上が見込める楽天モバイルを検討してみてはいかがでしょうか?