2024年8月22日に発売されたシャオミの小型タブレット「Redmi Pad SE 8.7」。Wi-Fiモデルは最安で16,980円(税込)という驚きのコスパだが、セルラーモデル「Redmi Pad SE 8.7 4G」が用意されておりバリエーションも豊富だ。セルラーモデルを使いその実力に迫った。
シャオミ「Redmi Pad SE 8.7 4G 4GB+64GBモデル」、市場想定価格19,980円(税込)、2024年8月22日発売
「Redmi Pad SE 8.7」シリーズは、8.7インチの液晶ディスプレイを備えた小型タブレット。一般的なWi-Fiモデルとともに、Androidタブレットとしては珍しく 4G対応のセルラーモデルが用意されている。
「Redmi Pad SE 8.7」のサイズは、約125.48(幅)×211.58(高さ)×8.8(厚さ)mm、重量はWi-Fiモデルが373gで、4G対応の「Redmi Pad SE 8.7 4G」(本記事では以下、セルラーモデルと表記する)はそれより2 gだけ重い375g。防水・防塵には対応していない。
ディスプレイは上述のようにサイズが8.7インチで、解像度が1340×800。10bitの色表現や90Hzのリフレッシュレートに対応しているが、HDRは非対応となる。サウンド性能を見ると、イヤホン端子に加えて、本体左右の側面それぞれにスピーカーを備えておりステレオ再生が行える。また、Dolby Atmosにも対応しており、ヘッドホンなどを使ったバーチャルサラウンド再生にも対応している。
片手で持てるサイズが魅力
USB Type-Cポートとイヤホン端子を備える
短辺の左右にスピーカーを搭載
ボリュームボタンと電源ボタンをまとめて配置。なお、指紋認証には対応していない
センサーを見てみると、加速度センサー、光センサー、近接センサー、磁気センサーを搭載。セルラーモデルはGPSを含む衛星測位システムやAGPSにも対応しているので精度の高い測位が行える。なお、ジャイロスコープセンサーはWi-Fiモデルとセルラーモデルのどちらも搭載されていないので、「Pokémon GO」の一部動作に影響が出る可能性がある。
実機は、サイズと重量ともに片手で持っても苦にならず、携帯性はよい。ディスプレイの最大輝度は600nit(屋外モード)なので、そこまでの高輝度ではないが、屋外における視認性も一定以上は確保されている。画面解像度はHDクラスにとどめられているが、電子書籍や動画を表示する分には目立った粗さは感じられなかった。なお、ツールで確認したところ、WidevineのセキュリティレベルはL1が確保されており、有料の動画配信サービスをHD以上の解像度で再生できる。
メインカメラは約800万画素、フロントカメラは約500万画素。こちらのスペックも抑えめだが、テキストの読み取りや顔認証を行うぶんには問題のない性能となっている。
メインカメラは約800万画素。フルHDで30FPSの動画撮影も行える
搭載されるSoCは、メディアテックのエントリー向け「MediaTek Heilo G85」。OSは、Android 14をベースにしたXiaomi Hyper OSだ。仮想メモリー機能を搭載しており1GB、2GB、4GBの3段階でメモリーの増設が行える。また、2TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを備える。
メモリーとストレージの組み合わせと市場想定価格(税込)は以下となる。
・4GBメモリー+64GBストレージ:16,980円
・4GBメモリー+128GBストレージ:24,980円
・4GBメモリー+64GBストレージ:19,980円
・4GBメモリー+128GBストレージ:27,980円
・6GBメモリー+128GBストレージ:29,980円
ベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(バージョン10.X)」を実施したところ、総合スコアは270531(内訳、CPU:88508、GPU:40183、MEM:65339、UX:76501)となった。エントリー向けSoCを搭載しているためグラフィック性能を示す「GPU」のスコアが低めで、3Dを使ったゲームアプリは描画設定を下げる必要があるだろう。いっぽう、動画の視聴やWebコンテンツの閲覧といった、本機が主に想定する機能については、体感速度も比較的スムーズで、アプリの起動で極端にもたつくこともない。
AnTuTuベンチマークの結果。総合スコアは270531。昨今のエントリー向けスマホ・タブレットとしては標準的なスコアだ
仮想メモリー機能「メモリ拡張」を備えている。なお、初期設定で1GBが割り当てられている
内蔵するバッテリーは容量6650mAhで、出力10Wの充電器が同梱されている。また、別売りのUSB PD充電器を使えば18Wの急速充電が可能だ。
10Wの充電器を同梱している
通信機能を見てみよう。
Wi-Fiモデルとセルラーモデルはともに、Wi-Fi5に対応する。セルラーモデルは4Gのデータ通信と音声通話、SMSに対応している。なお、2基のnanoSIMスロットを備えており、2個の電話番号を併用したり、片方を音声通話、もう片方をデータ通信に割り当てたりもできる。4Gの対応周波数帯はB1/2/3/4/5/7/8/13/18/19/20/26/28/38/40/41/66で、NTTドコモ系、KDDI系、ソフトバンク系、楽天モバイルのネットワークが運用しているプラチナバンドに対応している。
2基のnanoSIMスロットを装着しながら、メモリーカードも併用できるトリプルスロットだ
音声通話アプリがインストールされており、電話としても機能する
コスパにすぐれたAndroidタブレットが注目されており、製品も増加中だ。「Redmi Pad SE 8.7」シリーズは、8インチクラスの持ち味である片手で持てるフットワークに加えて、4G対応のセルラーモデル「Redmi Pad SE 8.7 4G」を用意するなどラインアップが豊富。しかも、シャオミの得意とするコスパも申し分ない。
特にセルラーモデルは、音声通話も可能といったこともあり特大クラスのスマートフォンという側面を備えた、独自性の高い製品と言えそうだ。
実機の様子は以下の動画でも配信している。