米アップルは2015年9月9日(現地時間)、米国・サンフランシスコで新製品発表会を開催し、タブレット端末「iPad」やスマートフォン「iPhone」、セットトップボックス「Apple TV」の新モデルを発表した。ここでは、iPadの新モデル「iPad Pro」および「iPad mini 4」のくわしい情報を整理したい。
手前から7.9型の「iPad mini 4」、9.7型の「iPad Air 2」、12.9型の「iPad Pro」
iPad Proは12.9型(2732×2048)のディスプレイを搭載した大画面のタブレット端末。法人市場やビジネスパーソンがターゲットで、画面サイズをモバイルノート並みに大きくした。大画面を生かして、複数のアプリを同時に立ち上げて作業できる「Split View」や小画面で別アプリを使える機能も盛り込んだ。本体サイズは220.6(幅)×305.7(奥行)×6.9(高さ)mm、重量はWi-Fiモデルが713g、Wi-Fi+Cellularモデルが723g。重量はさすがに重くなっているが、本体の厚さは9.7型の「iPad Air 2」(6.1mm)並みに抑えている。
アクセサリーも法人市場を意識した磁石で装着するキーボード「Smart Keyboard」(米国での販売価格は169ドル)や、筆圧を検知できるタッチペン「Apple Pencil」(同99ドル)を用意。Smart Keyboardは、スタンドやケースとしても利用可能。ファブリック素材から作られており、4mmの薄さでありながら正確で安定したタイピングができるという。また、水と汚れに強い仕上げを施しており、耐久性もすぐれているという。Apple Pencilは筆圧に加えて、2つの傾斜センサーが手の向きと角度を計算し、ペンの傾きによって線に濃淡を加えられる。充電にはLightningコネクタを利用。iPad Proに挿し込むことで充電できる。最大12時間の利用が可能。15秒の充電で30分利用できる急速充電のような機能も盛り込まれている。
Apple Pencil
筆圧と角度を検知し、線に濃淡をつけられる
プロセッサーには、64ビットアーキテクチャーを搭載した「A9Xチップ」を採用し、モバイルノート並みかそれ以上の処理能力を実現。「A8Xチップ」を搭載するiPad Air 2と比べると、1.8倍のCPUパフォーマンスを持つ。描画処理能力も最大2倍に高めた。ストレージコントローラーを改良し、データの読み書きのスピードを高速化。RAW画像もすぐに展開できるという。バッテリー駆動時間はiPad Air 2と同じで、最大10時間。
本体の四隅に4つのスピーカーを組み込み、音質も改良。縦向きか横向きかを自動的に認識して、どの向きで使ってもバランスの良いサウンドを実現しているという。ボリュームはiPad Air 2より約3倍にアップしている。カメラは800万画素の「iSightカメラ」(F値2.4)と120万画素の「FaceTime HDカメラ」(F値2.2)を搭載。
カラーバリエーションは、iPad Air 2と同じシルバー、ゴールド、スペースグレイの3色。米国での販売価格はWi-Fiモデルの32GBモデルが799ドル、128GBモデルが949ドル。Wi-Fi + Cellularモデル(128GB)が1079ドル。11月に発売する。
12型の液晶ディスプレイを備えたマイクロソフトの「Surface Pro 3」にサイズ感は近い
大画面だけに2ペインのアプリは使いやすそうだ。複数のアプリを利用する「Slide Over」も見やすいはずだ
713g(Wi-Fiモデル)は片手で持つには少々重いかもしれない
カラーバリエーションはシルバー、ゴールド、スペースグレイの3色
7.9型の「iPad mini」の新モデル「iPad mini 4」も発表された。こちらはすでに国内でも販売中で、オンラインストア「Apple Store」などで購入できる。Wi-Fiモデルの価格は、16GBモデルが42,800円、64GBが53,800円、128GBが64,800円(いずれも税抜)。Wi-Fi + Cellularモデルは、16GBモデルが56,800円、64GBが67,800円、128GBが78,800円(同)。
1世代前のモデルと同じ2048×1536表示に対応した7.9型のRetinaディスプレイを搭載。iPad Air 2と同じ、フルラミネーションディスプレイと反射防止コーティングを施し、薄型化と表示品質の向上を実現した。本体サイズは134.8(幅)×203.2(奥行)×6.1(高さ)mm、重量はWi-Fiモデルが298.8g、Wi-Fi + Cellularモデルが304g。従来モデルよりも1.4mm薄くなり、30gほど軽くなった。
プロセッサーには、「A8チップ」を搭載。第3世代モデルが搭載する「A7チップ」と比べて、CPUパフォーマンスが30%、描画処理が60%高速化している。このほか、iSightカメラが500万画素から800万画素にアップするなど、細かい点も改良されている。指紋認証センサー「Touch ID」などは引き続き搭載する。
iPad mini 4
SmartCover