レビュー
さらに軽さを極めたドコモの7インチLTEタブレット

機能もサイズもほとんどスマホ!?「AQUOS PAD SH-05G」レポート

LTE対応の7インチタブレット「AQUOS PAD SH-05G」(シャープ製、以下SH-05G)がNTTドコモより2015年7月17日に発売された。歴代のAQUOS PADシリーズは、IGZO液晶や大容量バッテリーを搭載し、バッテリーが長持ちする多機能・高性能タブレットとして好評を博していた。そんな人気シリーズの最新モデルのレポートをお届けしよう。

薄く、軽く、高性能、それでいてバッテリーも長持ちするという高い完成度を誇るAQUOS PADシリーズ。その最新モデルSH-05Gの実力に迫ろう

さらに軽く、薄くなった高機能LTEタブレット

SH-05Gは、7インチのIGZO液晶を備えたLTEタブレット。歴代のAQUOS PADシリーズは軽くて薄いボディに大容量のバッテリーを備えた多機能・高性能タブレットとして、ほとんど非の打ち所のない完成度を誇っていた。最近のAndroidタブレットは、性能よりも価格を重視した安価な海外メーカー製も人気だが、SH-05Gは、それらとは明らかに異なるコンセプトの製品だ。

本機のサイズは、約105(幅)×174(高さ)×8.0(厚さ)mm、重量約216g。昨年発売された「AQUOS PAD SH-06F」(以下SH-06F)と比べると、幅と高さが約1mm、厚さが約0.4mm薄くなり、重量は約17gも軽くなった。6インチディスプレイを備える「Nexus 6」(82.98×159.26×10.06mm、約184g)や、2年ほど前にグローバルモデルが登場した約6.4インチディスプレイを備えた「Xperia Z Ultra」(92×179×6.5mm、約212g)と比較すると、コンパクトに収まっていることがわかる。特に、本機のこの軽さは大きな魅力で、長時間持ち続けた場合の手首にかかる疲労が今まで以上に少なく抑えられる。

厚さはなんと約8.0mm。極限の薄さだが、滑りにくく携帯性はかなり良好

厚さはなんと約8.0mm。極限の薄さだが、滑りにくく携帯性はかなり良好

重量はカタログ値で約216gだが、今回の検証機は約213gだった(SIMカード差込済み)

重量はカタログ値で約216gだが、今回の検証機は約213gだった(SIMカード差込済み)

デザインは、前モデルのSH-06Fや、NTTドコモから登場するスマートフォン「AQUOS ZETA」や「AQUOS EVER」などと同様の6角形をモチーフにした “ヘキサグリップシェイプ”を継続して採用する。このデザインは強烈な個性や主張があるわけではないが、持ち運びすることの多いタブレットで問題になりやすいホールド性にすぐれている。また、かばんの中に放り込んでも側面のメタルフレームがきらきら光って見つけやすく、なかなか機能的だ。

フラットなデザインの背面は、シンプルだがカメラ周りのデザインなどにAQUOSシリーズらしさが感じられる

フラットなデザインの背面は、シンプルだがカメラ周りのデザインなどにAQUOSシリーズらしさが感じられる

右側面には電源やボリュームのボタンがまとめて配置される。側面を覆うメタルのフレームはきらきら光ってカバンの中でも見つけやすい

下側面に備わるmicroUSBポートは、Quick Charge 2.0にも対応しておりNTTドコモの「ACアダプタ05」などと組み合わせて、急速充電が可能

上面には、キャップで覆われたmicroSDXCメモリーカードスロットとnanoSIMサイズ対応のSIMカードスロットが備わる

ディスプレイは低消費電力のIGZO液晶に、赤、青、緑の光の三原色で自然な白を作り出すバックライト「PureLED」を搭載する。IGZO液晶とPureLEDの組み合わせは、前モデルのSH-06Fと同じで、色の再現性は高い。

いっぽう、画面解像度は1200×1920のWUXGA表示にとどまっており、少々平凡だ。今夏のスマートフォンは1440×2560のWQHD表示に対応するものがいくつか登場している。正直それらは画面サイズに対して解像度が高すぎるが、本機のような7インチクラスの大画面ならWQHDの魅力を生かしやすいはずだ。

IGZO液晶とPureLEDを組み合わせたAQUOS PADのディスプレイは色の再現性が高く、右の一般的なIPS液晶では飽和している濃い赤や青の表現が再現できていることがわかる

画面の一部を拡大する「拡大鏡」や、なぞった文字部分を自動で検索する「なぞって検索」といった機能も搭載する

画面解像度は、1200×1920のWUXGA表示にとどまっている

画面解像度は、1200×1920のWUXGA表示にとどまっている

処理性能を見てみると、最新のオクタコアCPU「Snapdragon 810 MSM8994」(2.0GHz×4+1.5GHz×4)に、2GBのRAMと32GBのROMを組み合わせ、OSとして「Android 5.0」を動作させている。このSnapdragon 810は、今シーズンの高性能スマートフォンやタブレットに幅広く採用されており、ハイスペック機の証となっている。いっぽう、搭載されるRAMは2GBと、このクラスとしてはやや少なめだ。

付加機能は前モデルと同じく充実している。ボディはIPX5/7等級の防水仕様をクリアしているし、ワンセグ、フルセグ、NOTTVの各テレビチューナー、NFCおよびFeliCaポートを搭載する。タブレットではあるがVoLTEを含む音声通話にも対応しており、スマートフォンとしても利用可能だ。また、Android OSを搭載する“ガラホ”「AQUOS ケータイ SH-06G」との連携機能「PASSNOW」を備えており、SH-06Gで見ているWebサイトや写真データをSH-05Gの画面で表示したり、SH-06Gの着信をSH-05Gの画面に表示させることもできる。

NFCポートも兼ねるFeliCaポートを備えており、おサイフケータイ機能が使える

NFCポートも兼ねるFeliCaポートを備えており、おサイフケータイ機能が使える

メインカメラは約800万画素と、控えめなスペックだ

メインカメラは約800万画素と、控えめなスペックだ

メインカメラは約210万画素。こちらもスペックは控えめ

メインカメラは約210万画素。こちらもスペックは控えめ

NTTドコモのキャリアアグリゲーション「PREMIUM 4G」に対応

本機の進化でも注目なのが、通信に関する機能だろう。NTTドコモでは、この1年ほどの間にネットワークに関するさまざまな新サービスを開始しており、回線環境が強化されている。本機は、NTTドコモのキャリアアグリゲーションサービスである「PREMIUM 4G」に対応している。これにより、LTEエリアでの下りの最高速度が従来の150Mbpsから225Mbpsに向上した。このPREMIUM 4Gは、ユーザーの多いターミナル駅や繁華街などから重点的にエリア展開される見込みで、特に都市部のユーザーにとっては恩恵が大きいはずだ。

なお、対応するLTEの周波数帯は、2.1GHz(バンド1)、1.7GHz帯(バンド3)、800MHz帯(バンド19)、1.5GHz帯(バンド21)の既存の4バンドに加え、700MHz帯(バンド17)をサポートしている。ただ、バンド17という周波数帯は、同じ700MHz帯でも、NTTドコモが最近スタートさせたバンド28とは少しずれているので、国内では利用できない点は注意が必要だ。

Wi-Fiも強化されている。Wi-Fiの対応規格は、IEEE802.11a/b/g/n/acとなっているが、ac規格のオプション規格である「MU-MIMO」に対応しているのが大きな特徴だ。
MU-MIMOとは、複数のアンテナを同時に使って通信を行うことでWi-Fiを高速化させるMIMOを拡張したもので、複数のMIMO対応子機が同時に親機に接続した場合でも、通信速度の低下を抑えることができるというものだ。このMU-MIMOに対応するWi-Fi親機としてバッファローの「WXR-2533DHP」や、ASUSの「RT-AC87U」、NECの「Aterm WG2600HP」、ネットギアの「Nighthawk R7500」などがあり、これらと組み合わせることで利用可能となる。

また、Wi-Fiと同時に接続して通信速度を高速化する「デュアルスピードモード」や、接続の安定しないWi-Fiエリアで、自動でモバイル回線に接続を切り替える「スムーズチェンジモード」を備えており、Wi-Fiの細かな使い勝手が改善されている。

デュアルスピードモードにすると、アンテナピクトの表示が変わる。Wi-FiとLTEなどのモバイル回線を同時に接続してダウンロード速度のアップが見込める

デュアルスピードモードやスムーズチェンジモードを使う場合、Wi-Fiのアクセスポイントと、利用するアプリを事前に指定しておく必要がある。少々手間だが、モバイル回線の使いすぎを未然に防ぐことができる

発熱が指摘されるCPU「Snapdragon 810」を搭載する影響は?

バッテリーが長持ちするのも歴代のAQUOS PADシリーズの大きな特徴だ。しかし、このSH-05Gにはひとつ気がかりなことがある。本機が採用するオクタコアCPUのSnapdragon 810は、今シーズンの多くの高性能スマートフォンに採用されているが、そのほとんどが発熱やバッテリーの持続性に問題を抱えている。実際、Snapdragon 810を搭載するスマートフォンは、価格.comのユーザーレビューの評価項目“バッテリー”の点数や項目別ランキングを見ても全般的に低めである。

本機は、電力消費を抑えたIGZO液晶や3900mAhの大容量バッテリー、シャープ独自の節電アプリ「エコ技」など、数々の省エネ技術を搭載しているが、NTTドコモ独自の指標である「実使用時間」が89.3時間にとどまっている。この数値は、前モデルのSH-06Fの117.0時間と比べると30時間ほど少ない。価格.comのユーザーレビューに寄せられる意見をピックアップしても、前機種と比較してバッテリーの持続性が少々劣ると感じているユーザーが目立つ。今回検証した実機の印象も、そうしたレビューの感想やスペック値と共通している。前モデルまでの、使ってもあまりバッテリーが減らない&待ち受け状態のバッテリー消費はかなり少ないというものとは少々異なり、使えば使っただけ減るし、待ち受け状態でもそれなりのペースでバッテリーは消費されてゆく。特に、ずば抜けたバッテリー性能を誇っていた前モデルから買い替えると、この点で不満を感じやすいかもしれない。

多機能と小型化するサイズで、数年先のスマホを先取りした製品

AQUOS PADシリーズは、小型、軽量、多機能、バッテリーも長持ちというコンセプトが一貫しており、「画面サイズが7インチくらいのタブレットの中で何かよい物を選びたい」という場合なら、その選択肢の筆頭にあがるようなシリーズだ。最新モデルであるSH-05Gも、PREMIUM 4 GやVoLTEまで対応する音声通話機能、おサイフケータイ用のFeliCaポート、ワンセグチューナーまで備えており、7インチクラスのタブレットと、スマートフォンという2個の製品ジャンルが融合しつつある姿を、先取りした魅力的な一台である。

シリーズの特徴だったバッテリーの持続性については、前モデルと比較すると少々物足りない面があったが、これは最新の高性能スマートフォンやタブレットに広く見られる問題であり、本機だけを批判するのは少々酷かもしれない。むしろ、それらの最新モデルの中では、本機のバッテリー性能はよい部類に属する。

もう1点気になった点としては、カメラの性能が挙げられる。今までのタブレットは、ボディが大きいこともあり、製品ジャンル全体としてカメラ機能はあまり重視されていなかった。しかし、本機は、サイズはもちろん機能面でも限りなくスマートフォンに近い存在だ。そのいっぽうで、本機の兄弟モデルに当たるスマートフォン「AQUOS ZETA SH-03G」では、秒間2100枚のスーパースロー撮影や、老舗の光学メーカーであるリコーによる画質改善認証プログラム「GR certified」をクリアしたレンズや画像処理エンジンを搭載するなどして、その魅力を高めている。それと本機を比べると少々見劣りを感じてしまう。これ以上小型&軽量化が進むと、最新スマホ並みのカメラ性能が欲しくなるのが正直なところだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
パソコン本体のその他のカテゴリー
価格.comマガジン「動画」まとめページ
ページトップへ戻る