PFUは2016年6月1日、アルバム写真用のコンパクトなiPhoneスキャナー「Omoidori PD-AS01」(以下、Omoidori)を発表しました。アルバムに貼られたままの写真を、テカリなくきれいにiPhoneに読み込むことができるiPhone専用のスキャナーです。
写真の上にのせてつかうiPhone専用のスキャナー「Omoidori」
「Omoidori」は、iPhone 6s/6/SE/5s/5に対応しています(iPhone SE/5s/5には付属のアタッチメントで対応)。スキャンできる写真のサイズは、L判写真(89mm×127mm)〜2L判写真(127mm×178mm)まで。電源は、単4形乾電池2本の使用で、連続約1,000枚スキャンすることが可能です。本体は折りたたみ式で、折りたたみ時のサイズは112(幅)×32(奥行き)×152(高さ)mmとコンパクト。実家への帰省時など、荷物にならない大きさを意識して設計されています。なお、使用時の大きさは、112(幅)×158(奥行)×142(高さ)mmです。
発売は2016年6月下旬を予定しており、価格はオープン。PFUのWebオンラインショップ「PFUダイレクト」では、12,800円(税込)となっています。
コードレスでコンパクトなスキャナーなので、実家へ帰省する際にもかさばらずに持ち運べます
使い方は簡単。iPhoneをセットした「Omoidori」をアルバムに貼られた写真の上にセットして、「Omoidori」の専用アプリから撮影ボタンをタップするだけ。これで写真のどこも反射させることなく、きれいにスキャンすることができます。
これは、PFUが独自に開発した「Wスキャン」という方法で実現したもの。「Omoidori」本体がスキャンしたい写真を覆うことで、外部からの光がはいらない“暗室”のような空間を作ります。その中で、本体に搭載された左右のLEDフラッシュを順番に点灯させて、2回の撮影を行います。その後、撮影した2枚の画像の、それぞれの反射していない部分を合成して、反射によるテカリのない、1枚のきれいな写真を作成します。
「Omoidori」の内部には、左右それぞれ2つずつのLEDが搭載されています。内部は一部がミラーになっています
「Omoidori」本体にiPhoneをセットし、専用アプリを起動。本体をスキャンしたい写真の上にセットして、画面の下部にあるシャッターボタン(丸い鳥のマーク)をタップすると、写真が自動で2回撮影されます。1回目は片方のLEDが点灯した状態で撮影
1回目の撮影のあとすぐに、逆側のLEDが点灯して2回目の撮影が行われます。左右のLEDを順番に点灯させて撮影するタイミングは、「Omoidori」本体にセットされたiPhoneのLEDフラッシュの光り方によってコントロールしているそう
撮影した2枚の画像の、それぞれ光が反射していない部分を合成し、1枚の画像として保存します
紙焼き写真をiPhoneのカメラなどで撮影してデジタルデータ化しようとすると、左の画像のように光の反射が入ってしまうことがありますが、「Omoidori」を使ってスキャンすると、右の画像のように、どこも反射することなく、きれいな写真としてスキャンすることができます
最大2L判までの大きいサイズの写真なら、2回に分けて半分ずつスキャンすることで、1枚の画像に合成して保存することが可能。また、写真の顔の向きを自動で検出して、写真を回転させて保存させる「自動トリミング」機能や、プリントされた日付を自動認識して、当時の日付情報にExifデータを変更する「日付認識」機能や、「赤目補正」機能もアプリに搭載されています。
2L判までの大きめの写真をスキャンする場合。アプリから「2L判」モードを選択し、右側と左側の2回に分けて撮影します
左右半分ずつに撮影した画像は自動で1枚の画像に自動で合成されます
左が「Omoidori」アプリ画面、右がアルバムに貼ってある写真です。写真に印字された日付を自動認識し、スキャンした画像のExifデータを当時の日付情報に変更。日付は、手動による登録・変更もできます
「Omoidori」でスキャンするだけで、赤目に写っていた写真も補正してくれます
Omoidori専用のアプリでは、スキャンした画像でフォトブックのレイアウトを作ることもでき、アプリ内でフォトブックや写真プリントの注文も行えます(プリントは、富士フイルムの印刷工場で作成され、自宅に届きます)。また、アプリ内から画像を直接メールしたり、SNSへシェアしたり、クラウドサービスをつかって画像を共有することも可能です。
発表会では、デジタルフォトアルバムの「おもいでばこ」(バッファロー)や「ワンダーフォトボックス」(富士フイルム)を使って、スキャンした写真を整理しておく使い方も紹介されていました。
このほか、結婚式の新郎新婦のプロフィールムービーを作成する際に役立てたり、今昔写真を作ってみたり、終活へむけた自分史の作成なども紹介されていました。
フォトブックや写真プリントの注文もアプリ内で完了します。SNSでのシェアやメール送信もアプリから直接行えます
フォトブックはハードカバーとソフトカバーの2タイプが選べます。お気に入りの写真で写真集を作ったり、贈り物にしてもよろこばれそう
富士フイルム「ワンダーフォトボックス」。フィルムカメラで撮った昔の写真もデジカメで撮った今の写真も、全部いっしょに保存できます
アルバムに貼っていない、丸まってしまった紙焼き写真を平らにする「フォトプレッサー」(税込2,700円)もオプション品として紹介されてました。「Omoidori」本体の底部分にマグネットで取り付けます