2016年11月10日、アイ・オー・データ機器は都内でメディア向け発表会を開催。新ブランド「PLANT」を立ち上げ、第1弾製品として無線LAN関連製品「WNPR2600G」「WNPR1750G」「WNPR1167F」「WNPR1167G」「WNPU1167M」「WNPU583B」の計6機種を発表した。6製品のうち、「WNPR2600G」「WNPR1750G」「WNPR1167F」の3製品は11月下旬に出荷開始。残りの3製品については年内の発売を予定しているという。
今回発表されたPLANTブランドで使用するロゴマーク
発表会に登壇した同社事業戦略本部 企画開発部 副部長の平林朗氏は、「最新の技術トレンドなどをいち早くユーザーへ届け、それらを根付かせていきたいという思いからブランドを立ち上げた」と新ブランドの狙いを説明。製品展開についても、「従来のブランドでは多くのユーザーに使ってもらえるボリュームゾーンを狙い、ユーザーの利便性を追求した製品展開だったが、新ブランドでは最新の技術トレンドなどの先進性や、新しい使い方といった部分を重視した展開になっていく」と語った。
新ブランドは製品ジャンルにこだわらず、最新の技術トレンドなどの先進性や、新しい使い方といった部分を重視して製品展開をすすめていくという
既存のアイ・オー・データのブランドがユーザーの利便性を追求した製品展開なのに対し、PLANTブランドは先進性を意識した製品展開になっていくという
第1弾製品となる無線LAN関連製品については、国内でIEEE802.11acを搭載した製品が増えてきていることや、複数の子機でWi-Fi親機を共有する場合の速度低下を防ぐ「MU-MIMO」がハイエンド製品でのみの採用にとどまっている点などを挙げ、「MU-MIMOなどの最新のスループット向上技術を採用した製品ラインアップを用意した」と説明。特に普及価格帯で採用の多い2ストリーム(2×2)の製品ではMU-MIMOを採用する製品が皆無ということで、ここに対応製品を投入することで、幅広いユーザーに新しい技術を体感できるようにしたという。
無線LAN市場の動向。市場全体が横ばいなのに対し、IEEE802.11ac対応製品の出荷台数は増えてきているという
IEEE802.11ac対応製品でもっとも多いアンテナ数は2ストリーム(2×2)、スループット向上技術はビームフォーミングが多く、MU-MIMOの採用はそれほど進んでいないという
第1弾製品として発表されたのは、無線LANルーターのWNPR2600G、WNPR1750G、WNPR1167F、WNPR1167Gと、子機のWNPU1167M、WNPU583Bの計6製品だ。そのうちWNPR1750GとWNPU583Bを除く4機種は、複数の子機でWi-Fi親機を共有する場合の速度低下を防ぐMU-MIMOに対応する。
第1弾製品として発表された無線LAN関連製品一覧
今回発表された無線LANルーターの位置付け。PLANTブランド以外で展開している既存モデルは併売予定とのこと
フラッグシップモデルのWNPR2600Gは、5GHz帯と2.4GHz帯の両方で4ストリーム(4×4)に対応。5GHz帯では、最大1733Mbpsの高速通信を実現している。また、MU-MIMOに加え、ビームフォーミングにも対応。4つの有線LANすべてがギガビットイーサネット対応となっている。市場想定価格は13,800円(税別)だ。
4ストリーム(4×4)に対応したフラッグシップモデルのWNPR2600G
WNPR1750Gは、MU-MIMOこそ非対応だが、5GHz帯と2.4GHz帯の両方で3ストリーム(3×3)に対応した高速モデルという位置付け。5GHz帯では、最大1300Mbpsの高速通信を利用できる。4つの有線LANはすべてがギガビットイーサネット対応だ。市場想定価格は8,800円(税別)。
3ストリーム(3×3)に対応した高速モデルのWNPR1750G
WNPR1167FとWNPR1167Gは、5GHz帯と2.4GHz帯の両方で2ストリーム(2×2)に対応したモデル。5GHz帯では最大867Mbpsの高速通信を利用できるほか、MU-MIMOやビームフォーミングにも対応している。なお、WNPR1167Fは4つのLANポートがファストイーサネットまでの対応、コンパクトモデルのWNPR1167Gは、3つのイーサネットすべてがギガビットイーサネットまでの対応となっている。WNPR1167Fの市場想定価格は5,980円(税別)だ。
2ストリーム(2×2)に対応したWNPR1167F
2ストリーム(2×2)に対応した小型モデルのWNPR1167G
WNPU1167Mは、5GHz帯と2.4GHz帯の2ストリーム(2×2)に対応した業界初のマイクロサイズ無線LAN子機。ノートPCに挿したままにしておいても邪魔にならない非常にコンパクトな本体だが、MU-MIMOやビームフォーミングもサポートしている。
WNPU1167Mは、2ストリーム(2×2)に対応した業界初のマイクロサイズ無線LAN子機だ
WNPU583Bは、無線LAN子機としてだけでなく、Bluetooth対応アダプターにもなるというユニークな製品。無線LANはIEEE802.11acの1ストリーム(1×1)、Bluetoothは4.0に対応している。ビームフォーミングも利用可能だ。
無線LAN子機としてだけでなく、Bluetooth対応アダプターとしても使えるWNPU583B
なお、発表会では今回発表された第1弾製品以降の製品投入についてもすでに検討中であることが明らかにされ、第2弾製品としては、海外メーカーを中心に好調に推移しているというHDDレスのNASキットの投入を予定していることが発表された。無線LAN関連製品やNAS以外のジャンルについても、今後順次展開していくということなので、今後の続報にも注目だ。
発表会会場に展示されていたドライブレスNASキット。無線LAN関連製品に続き、こちらをPLANTブランドに投入するという