進学や就職など新生活が始まる春先は、スマホやケータイが1年でいちばん売れる時期だ。そんな商戦期に照準を合わせNTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイルという4つの通信キャリアが学割サービスを発表している。今年の学割の条件や付随する特典などの情報をまとめてお届けしよう。
※今回紹介する学割サービスはいずれも、断り書きがない限り2017年5月31日が受付期限となっている。価格はすべて税別。
今年の学割は、スマホをたくさん使う人、あまり使わない人のいずれにもメリットのある「段階制プラン」に注目だ
NTTドコモの2017年版「ドコモの学割」は、新規契約ユーザー向け、契約済みユーザー向けがそれぞれ別に用意されている。対象年齢はいずれも25歳以下かつ、LTE(Xi)の回線契約者に限られており、NTTドコモの製品ラインアップに残っているiモードケータイやキッズケータイのような3G端末は対象外になる。
新規契約した場合、「カケホーダイプラン(スマホ/タブ)」または「カケホーダイライトプラン(スマホ/タブ)」と、「らくらくパック」「ケータイパック」以外のパケットパックを組み合わせると、1年間、基本料金が月額1,000円割引きされる。なお、既存の「U25応援割」を併用可能なので、最初の1年は月額1,500円の割引きが適用される。
契約済みユーザーの場合、「カケホーダイプラン(スマホ/タブ)」または「カケホーダイライトプラン(スマホ/タブ)」に、家族と共有可能な「ウルトラシェアパック50/100」または、ひとり向けの「ウルトラデータL/LLパック」の各パケットパックを組み合わせることで、1年間毎月1,000ポイントのdポイントが進呈される。
また、これらの「ドコモの学割」には追加特典として、「dTV」(月額500円)、「dマガジン」(月額400円)、「dヒッツ powered by レコチョク」(月額500円)、「dアニメストア」(月額400円)、「おすすめパック」(月額500円)のいずれかを新たに契約した場合、2017年7月利用分まで毎月500ポイントのdポイントが進呈されるキャンペーンも実施される。さらに、dポイント加盟店の商品を無料でもらえるキャンペーンも2017年3月から実施される。なお、これらのドコモの学割で進呈されるdポイントは、発行の翌々月の月末で失効する期間限定ポイントとなっているほか、一般のdポイントのように毎月の通信費には充当できない。
このほか、学割とは直接関係はないが、1月30日に料金プランが一部改定され、月額1,700円の「カケホーダイライトプラン(スマホ/タブ)」に、月額3,500円で2GBのデータプラン「データSパック(小容量)」を組み合わせられるようになった。この組み合わせなら、月額5200円に上記の割引き1,500円(ドコモの学割:1,000円+U25応援割:500円)を適用した、3,700円でドコモのスマートフォンを持てるようになる(端末代が別途かかる場合がある)。
今年のauの学割「auの学園天国」は、18歳以下のユーザー向けの「学割天国U18」と、25歳以下のユーザーを対象にした、「学割天国U25」の2本立てとなっている。
「学割天国U18」は、18歳以下で新規契約をするユーザーを対象に、基本料金の「スーパーカケホ」と、学割専用の新しいデータプラン「U18データ定額20」を組み合わせたものだ。「U18データ定額20」は段階型のデータ定額プランで、3GBまでなら月額5,390円、3〜4GBなら6,200円、4〜5GBなら6,900円、5〜20GBなら7,500円で利用可能だ(いずれもスーパーカケホ:1,700円と、LTE NET:300円を含んだ料金)。使った分に応じた料金設定なので、スマホをあまり使わない人、かなり使う人の両方にメリットがある。
なお、「学割天国 U18」は、KDDI系の光ファイバーやCATVといった固定回線サービスとセットで割引きされる「auスマートバリュー」を組み合わせることも可能だ。さらに、2017年5月31日までの期間に家族が新規加入した場合は、さらに月額1,000円の割引きが適用される。これらの特典をフル適用すると、月額2,980円という格安SIMカードに迫る低料金でスマートフォンを所有できるようになる。
もうひとつの「学割天国 U25」は、年齢が25歳以下で、新規契約または機種変更で「データ定額20/30」に加入した場合に、26歳の誕生月まで毎月500円を割引くというもの。なお、こちらも「auスマートバリュー」と組み合わせることができる。
学割に関係するキャンペーンも3種類が用意される。ひとつは「U25家族もおトク機種変更キャンペーン」で、25歳以下の本人と、その家族が機種変更を行った場合に、「iPhone 7」、「iPhone 7 Plus」および、2016年夏モデル以降のAndroidスマートフォンの本体価格が最大で10,800円割引きされるというもの。2つめの「auスマートパスプレミアム特典」は、「U18データ定額20」か「データ定額20/30」いずれかに加入中の25歳以下のユーザーが、2017年5月末の受付期間中までに「auスマートパスプレミアム」に新規加入した場合、2017年12月末までauスマートパスプレミアムの月額情報料 (税別499円 ) 相当が割引きされる。最後の「うたパス」特典は、「U18データ定額20」か「データ定額20/30」いずれかに、受付期間中に新規加入した25歳以下のユーザーを対象に、2017年12月末まで「うたパス」の月額情報料 (税別300円) 相当分が割引きされるというものだ。
ソフトバンクの学割は、2016年12月に発表された「学割モンスター U25」と、1月に追加発表された「学割モンスター U18」の2種類だ。
「学割モンスター U25」は、6〜25歳までのユーザーを対象に、1つ「スマ放題」、「スマ放題ライト」のいずれかの加入、2つ「データ定額 20GB」または「データ定額 30GB」に加入、3つ2年契約または2年契約(フリープラン)に加入(ハートフレンド割引に加入している場合を除く)、4つソフトバンク指定のスマートフォン、ケータイを利用しているという、合計4項目を条件に、毎月の通信料金を1年間1,000円割引きするというものだ。
もうひとつの「学割モンスター U18」は、auの「学割天国 U18」とよく似た料金プランで、18歳以下の新規契約を対象に、「スマ放題」または「スマ放題ライト」と組み合わせることのできる段階制のデータ定額プラン「データ定額 20GB(U18)」(毎月のデータ使用量が3GBまでは5,390円、3〜4GBは6,200円、4〜5GBは6,900円、5〜20GBは7,390円)を用意する。なお、「学割モンスター U18」は、上記の月額料金から1,000円の割引きが受けられる家族追加特典や、月額1,410円の割引きが受けられる「おうち割 光セット」との併用も可能だ。これらを組み合わせた場合、データ使用量3GBまでの料金プランの最低料金は月額2,980円となる。
このほか、毎週金曜日に発行される外食チェーン店などで使えるクーポンサービス「SUPER FRIDAY」についても、25歳以下のユーザーについては通常の2倍となる2枚が発行されるという特典も用意される。
ワイモバイルは、元々の料金設定が安いため、これまで学割が用意されていなかった。だが、今年は、「ヤング割」と「Pocket WiFi学割」という2種類の学割を開始し、話題を呼んでいる。
「ヤング割」は、18歳以下の新規契約、契約変更、またはMNPユーザーを対象にしたもので、「スマホプランS/M/L」の基本使用料が2年目(契約月を1か月目とし14か月目)から1年間、毎月1,000円割引きされる。なお、既存の「ワンキュッパ割」との併用もできるため、この場合、合計2年間、毎月の料金が1,000円割引きされることになる。
もうひとつの「Pocket WiFi学割」は、25歳以下の新規契約ユーザーを対象にしたもの。モバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi 502HW」「504HW」「603HW」向けの「Pocket WiFiプラン2」のオプションサービス「アドバンスオプション」(ひと月に7GBのデータ通信量を超えても速度が落ちない。税別月額684円。アドバンスオプション割引適用時)が、契約当月から3年間(37か月間)無料で利用できる。これにより、上記の期間については、毎月3,696円で月間データ通信量の上限なしに高速データ通信を利用できる。
以上、主要4キャリアの学割情報をまとめてみた。春のスマホ商戦は、毎年激しい競争が繰り広げられており、学生を対象にした学割サービスの重要性も増している。今年もauの「学割天国 U18」の後を追うように発表されたソフトバンクの「学割モンスター U18」や、3月に詳細が発表されるNTTドコモのdポイント加盟店の特典など、内容の細かな見直しや追加がされている。学割サービスを使う場合、最新の情報をWebや店頭で改めて確認しておいたほうがよいだろう。