取材したのは新橋駅・汐留駅から近い「パナソニック リビング ショウルーム 東京」
パナソニックのキッチンはというと、「Lクラス」「リフォムス」「ラクシーナ」と一応シリーズ名が付いていますが、シリーズから選ぶ……というのは正しくありません。パナソニックのショウルームに足を運ぶと、担当アドバイザーさんが付いて、要望の聞き取り調査をしてプラン提案をしてくれる、つまりセミオーダーなんです!!
アドバイザーさんへのプランニング依頼は予約制です。僕達は広報の方から事前にひと通りの説明をしていただいたうえで、アドバイザーさんに僕たちが本気で欲しいキッチンを作ってもらいました。
まずは間取り図を出してコーディネートの打ち合わせからスタート
コーディネートは、まずキッチンの構想を伝えるところから始めます。
僕たちのプランはアイランドで、LDKにドンとスペースを取った形。リビングが見えるほうがよいか、LDKのインテリアのイメージはどんな雰囲気なのか等も伝えます。そして、寸法の入った間取り図には横の通路の通り抜けが……なんてアドバイスももらえます。
そして、ここからが本番。「じっくり見て回ると2時間くらいかかりますよ」と予告していただいたうえで、館内に多数あるキッチンの展示を見ながら、本当のプランを決めていきます。
ショウルーム中に多数あるキッチンの実物を前に説明を受けながら仕様を決めていきます
入り口すぐ脇にあるパナソニックの最新コンセプト「Irori Dining」
最初にキッチン全体の形から絞っていきます。2700mm幅の構想は僕らが最初から決めていたのですが、そこからのキッチンのワークトップ構想が、早くもお料理に踏み込む提案でキメ細かいんです。
「お魚はよく焼きますか?」「あまり……魚焼きグリルの掃除が面倒で……」という話から、パナソニックキッチンの最大の必殺技であるガス(IHも可能)3口横並びの「トリプルワイド」が登場!! 横並びの理由は、一般的な三角並びのコンロは、真ん中が活用されないからとか。
広々としたキッチンの作業スペース、無駄なく3口使えるコンロ。あーもう素晴らしい……パナソニックのキッチンは、料理する人の心をわしづかみにする要素満載です。
ガスが3つ並びの「トリプルワイドガス」。ハーマン社製ですがパナソニック専用
魚は同梱のグリルパンで焼けます。洗いやすくて魚焼きグリルより便利
コンロ前に欲しい、油はねガードの全面バージョン(ロングクックスクリーン)も新登場
作業台からフラットになるシンク。洗剤ラックは縦にも置ける合理的さ
水栓はスワン型でセンサー、浄水器まで付いた「スリムセンサー水栓 浄水器一体」を選択
キッチンは高さも、奥行きも選べます。嫁がもっとも高い90cmを希望すると、「高めにすると包丁を使う時に、まな板が高くなるけど大丈夫ですか?」と実にシーンに合った心配も。キッチンのリビング側には、カウンターと収納のどっちも欲しい……と伝えると、シンク前はカウンター、コンロ前は収納のハイブリッドなプランも提案していただきました。この組み合わせは、ショウルームに実物がないレア仕様です。
決めたキッチンの高さでまな板作業をシミュレート
女性はヒールで来ていると背が高くなるのでスリッパも用意
可動式棚でキッチンとカップボードの通路幅も体験可能(本来はアドバイザーさんに動かしてもらうものです)
最近パナソニックがTV CMを流している、10年に1回のお手入れでよい「ほっとくリーンフード」もあります。レンジフード掃除の簡単さ、そして10年に1回しかやらない、掃除のファン取り外しまで体験できます。
レンジフードの油の集まる「ラクウォッシュプレート」のお掃除は1年に1回ですが、なんとキッチンに付いている食器洗い乾燥機で洗えます!! すべての設備がつながって連携している感がハンパないです……。このレンジフードはキッチンと同時購入専用品なので単品では買えません。
10年に1回お手入れの「ほっとくリーンフード」。パナソニック専用品です
ファンの取り外しも簡単。でも10年に1回なら難しくてもいいのでは……と無粋なツッコミ
人気の「ほっとクリーンフード」ですが、僕としては1色しかない色(つや消しシルバー)が、インテリアとして少し気に入りません。そこで、光沢ステンレスはないの? とアドバイザーさんに無茶ぶりしたら……ありました。
パナソニックのレンジフードの最新モデルにして最高峰「静音スリムフロード」です!!
2017年12月1日受注開始の「静音スリムフロード」
最高峰の理由は、ファンを天井裏に設置して吸い上げるというレンジフードの常識を覆す設計です。おかげでファンが静かで会話も妨げないとか。こちらは10年に1回、業者にメンテナンスしてもらう設計です。
まさに理想的な色……よりも静音とか、こんなレンジフードもあるのかという驚きが上回りました。
パナソニックのキッチンのこだわりポイントは、レンジ下の収納と設備まで続きます。
キッチンの下に収納スペースがあるのは当然ですが、コンロ下のユニット、シンク下のユニットと、段と幅によりユニット単位でフルカスタマイズ可能なんです。
自由度高過ぎて考えるのも大変ですが、食器洗い乾燥機を入れるのか、アドバイザーさんに何を収納したいか伝えると、寸法込で書き込んで提案してもらえます。
収納はユニット単位で選択可能。幅は150mm間隔で品揃えあり
ロック機構付きの包丁差し(4本収納)
一升瓶を収納できる背の高い幅30cmユニット
食器洗い乾燥機もパナソニック製。最新モデルは深型タイプになっています
僕らはインテリアには徹底的にこだわります。パナソニックのキッチンの扉はなんと100柄、カウンター天板は25柄、取っ手は27柄。なんと、ショウルームのカウンター天板&扉コーナーは、実際に板を組み合わせて実物でコーディネートして見られるんです!!
嫁と僕が即座に組み合わせ案を出して、その場でプランニング対決。
カウンター天板とドア扉はキッチンのシリーズによって選べるオプションが決まってきます。ハンドル(取っ手)も選べます
嫁案「カウンター天板:玄昌ブラック(有機ガラス系人造大理石) 扉:スモークオーク柄」
僕案「カウンター天板:ステンレス(バイブレーション仕上げ) 扉:ウォールナット柄」
実物を並べて、「ステンレス + ウォールナット」の案が勝利!! この時点で僕たちのキッチンプランは最上級の「Lクラス」に決まりました。
ただ、時には組み合わせ不可能なものもあるようで……なんとカウンター天板にステンレスを使うと厚みの問題で「トリプルワイドガス」が取り付けられないとのこと。ショック……。ひとまず、見積もりは2パターン作成していただくことにしました。
天板の素材が人工大理石(有機ガラス)かステンレスかは、シンク周りなど広範囲に影響が出ます
「リフォムス」には標準で付いている「ムシスルーキャビネット」仕様は「Lクラス」もオプション指定可能
アドイザーさんも3か月ぶりに説明すると言うほど、普通は気づかない足元のステンレス風仕上げもオプション指定できます
さて、キッチンが決まったら後半戦のカップボードです!! ……が、長くなるので超ダイジェストでお届けします!!
考え方はキッチン下の収納と同じユニットなのですが、図面を見せながら幅を検討して、段、高さ、選べるユニットの中身までアドバイザーさんに提案してもらえます。本当、パナソニックはキッチンの現場で起こるすべてを知り尽くしているんですよ……。
ユニット単位で自由に組み合わせられるカップボード
上段の棚はスライドして引き下げられるソフトダウン・ウォールユニット
炊飯器、ポットなどを置く家電収納。置きたい家電から必要な幅も計算してくれます
食品収納には「ナノイー」も搭載可能
ゴミ箱を入れてそのまま引き出せるダストボックスワゴン
プランニングを終えると実際の見積もりに入るのですが、当日その場では見積もり金額は出ず、約1週間後に郵送等でお届けという形になります。
キッチンの見積もり金額はショウルームなので定価ですが、カウンター天板と扉のデザイン優先(ステンレス)でトリプルワイドを諦めると約284万円、トリプルワイド優先(有機系人工大理石)で約267万円。いずれもカップボードは含んでいません。実際の導入時には値引きもあるはずですが、理想を追求するとやっぱり高価です。レンジフードに最上級品の「静音スリムフロード」(46万円)を選んでいるのも原因ですね。
けど、価格より問題なのは、ステンレス天板にすると「トリプルワイドガス」が選べないことなんですよ……。
予想外の制約はさて置き、パナソニックのキッチン、そしてショウルームのアドバイザーさんは本当に素晴らしかったです。キッチンに立つ人のことを知り尽くした発想、合理性を追求した製品作り、そしてアドバイザーさんのキメ細かな対応と提案力、もう圧倒的でした。パナソニックもショウルームで製品を売っているわけではないので、連絡先を残してもセールス等の心配はありません。活用しない手はないですね。
さてさて、僕らのマイホームに付けるキッチン選びの取材は、後半戦に続いていきます。