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住宅設備選び連載第5回 給湯器編〜 電気 or ガス?エコ or コスト?選ぶのが意外と難しい給湯器

普通のガスでも十分効率のよい「エコジョーズ」

続いてガス給湯器の「リンナイ」を取材しました。

ガス機器メーカーのリンナイの扱うガス給湯器は、大きく分けると「エコジョーズ」と、従来型にあたる非エコジョーズに分かれます。

 リンナイの「エコジョーズ」

リンナイの「エコジョーズ」

「エコジョーズ」とは何か?というと、ガス給湯器だけど、熱の利用効率がとてもよい給湯器、ただそれだけです。

従来の一般的なガス給湯器は熱効率約80%だったものが、「エコジョーズ」では95%までアップ。その仕組みは、従来、お湯を沸かす際に捨てていた200℃の排気部分を使って水を一度温めた後に本来のガスで加熱し、熱を無駄にせず使うためです。現在出荷されるガス給湯器の6割が「エコジョーズ」だそう。

熱効率はガスの利用量にも直結していて、約13%削減できるということで、ガス料金も13%オフ。リンナイの試算ではガス料金が116,570円から98,460円と、年間18,100円安くなる計算です(※)。

※LPガスの場合

見た目は昔ながらのガス給湯器と変わりません

見た目は昔ながらのガス給湯器と変わりません

給湯器も個別の機能を見始めるともっと細々と考えることがあります。大きな違いとして、お風呂の追い焚き機能の有無、温水式床暖房への対応、それから壁かけか、浴室隣接設置かどうか、サイズ……と設置場所に応じた種類。そして1分間にお湯を出せる量にあたる“号数”ですね。たとえば、4人家族なら水温+25℃のお湯を1分間に24L出せる24号、と自然と決まります。

デジタル機器好きが得意な僕として注目したいのは、浴室リモコンの進化です! 給湯器のリモコンというと浴室や台所に付いているアレですが、リンナイのリモコン最上機種の「302(A)シリーズ」は、なんと無線LAN対応なんです!

デカデカと「TOUCH!!」と書いてあるけどこちらは普通の給湯器のリモコンです

デカデカと「TOUCH!!」と書いてあるけどこちらは普通の給湯器のリモコンです

注目はWi-Fi対応の「302(A)シリーズ」のリモコン。スマートスピーカー連携にも対応します

注目はWi-Fi対応の「302(A)シリーズ」のリモコン。スマートスピーカー連携にも対応します

スマホアプリの「どこでもリンナイアプリ」を通して、外出先からお湯はり、床暖房操作もできるし、ガス料金も見られちゃいます。HEMS経由でなく、直接連携するのも手軽でよいです。

特に帰宅前にスマホでお風呂のお湯を入れられたら最高ですよね。ただし、普段から浴槽の排水栓を閉じた状態にする習慣が必要になりそうですが……。

最後に価格ですが、リンナイの「エコジョーズ」は24号で定価38万円程度。ただし、価格.comのリフォームカテゴリーを見ると、ここからの値引きも相当大きいようです。

電気とガスのいいとこ取りの「エコワン」

リンナイが2010年から展開しているハイブリッド給湯・暖房システムが「エコワン」です。ここで言う“ハイブリッド”とは、ガスと電気、両方を組み合わせて給湯することです。

続けてリンナイのハイブリッド給湯・暖房システム「エコワン」をご紹介します

続けてリンナイのハイブリッド給湯・暖房システム「エコワン」をご紹介します

そもそもガスで給湯できるのに何故ハイブリッドにする必要があるの?というと……お湯を沸かす効率がもっともすぐれているのが電気を使った“ヒートポンプ”方式だから。ガス給湯器の会社も認めるほど、ヒートポンプは高効率で画期的な技術なんです。そしてヒートポンプを使った給湯器が「エコキュート」です。

それなら給湯器は「エコキュート」でいいじゃないか!と言いたい所ですが、弱点も前半のパナソニック取材で書きました。「エコキュート」は瞬間的な湯沸かしができないので、貯湯タンクのお湯を使い切ると水が出ます。

そこで「エコキュート」をメインにして、「エコジョーズ」をバックアップにしようと作られた製品がリンナイの「エコワン」です。

「エコワン」は「エコキュート」によく似たヒートポンプと貯湯タンクの2基の構成。ただし、貯湯タンクは160/100/50と小さめで、効率よく加熱できる45度でお湯を貯めておきます。シャワーは1回80L程度、一般的な浴槽のお湯は最大200L程度なので、導入するなら160Lでしょう。

「エコワン」。こちらは160Lモデル

「エコワン」。こちらは160Lモデル

こちらは省スペースに作られた50Lモデル。隣に写る「エコジョーズ」に比べると大きいですが、「エコキュート」のタンクほどは大きくないです

ただ、「エコワン」のタンクは1日使うと考えると根本的にはお湯の量が足りないので、足りなくなった分は貯湯タンクに内蔵されている「エコジョーズ」の出番。もっとも効率のよい所だけ電気を用いて、急にお湯が必要になった時はガスで不自由なく使えるというのは合理的ですね。

ガスと電気(基本的には効率のよい電気を優先)を併用することは、ランニングコストにも効いてきて、リンナイの試算ではガス電気で年間7万円お得になります(※)。

※LPガスの場合

ただ、「エコワン」でも、あえて同じ問題を指摘しておきます。ガスだけの「エコジョーズ」と比べると、「エコワン」は巨大ですよ。

身長180cm弱の僕と同じくらいのサイズがある貯湯タンク

身長180cm弱の僕と同じくらいのサイズがある貯湯タンク

貯湯タンクは最大160Lしかないですが、中に「エコジョーズ」が入っているので小さくもなく、戸建て新築用160Lのものが高さは175cm、幅62.6cm、奥行き47.4cmもあります。となると、やっぱり見た目には影響が出てしまいます。

最後に価格ですが、「エコワン」は160Lで定価95万円程度です。こちらも価格.comのリフォームカテゴリーを見ると、それなりに値引きがなされています。

給湯器だけでは選びににくい、電気とガスの事情

今回、給湯器を取材しながら、特に電力について色々なことを考えました。

給湯器を考える前に、自宅の光熱費の方針をどう決めることが重要で、本来の順序としては、まずオール電化を目指すかどうかですね。そして、オール電化を考える上では、太陽光発電の導入を検討する人も多いでしょう。

太陽光発電については連載では扱っていないのですが、太陽光発電の固定価格買取制度(FIT制度)が2019年で終了となり先行き不透明(試算上はまだ“ある程度はお得”です)。オール電化については、2011年の東日本震災を受けて非常にお得だった東京電力のオール電化向けのプランは廃止されてしまったので、深夜電力を利用する“スマートライフプラン”頼みとなりました。

逆風の吹いているオール電化ですが、そこで考えられる戦略は、太陽光を入れた上で売電に頼らず自宅でエコキュートを入れて、さらには床暖房も入れてどんどん電力を使えばお得、というシナリオです。

……ですが、僕は“総額で得だから買っちゃおう!!”と、投資するシナリオには乗れませんでした。初期費用をかけることは光熱費を前払いするのと同じだし、情報収集をすると最新機器の故障の話もチラホラ出てくるんですよね。

では、結局給湯器をどうするかというと……リンナイの「エコジョーズ」を選びました。結局はガス給湯です。僕と嫁の一致した意見として、お湯を使い切る心配や、家の見た目が悪くなるといった“導入する事によるマイナスがない”ことが決め手でした。

リンナイの「エコジョーズ」は、初期費用が安くて、エコ効果もほどほどという、最近流行りの“コスパ重視”。デジタル機器のライターらしからぬ選択かもしれないですが、最後は一般人の感覚に落ち着きました。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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