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とにかく手間が減る! モップの自動昇降と温水洗浄が新しいロボット掃除機「DEEBOT T20 OMNI」

サービスロボットの総合メーカー、エコバックスジャパンは、床掃除ロボットの最新モデル「DEEBOT T20 OMNI(ディーボット・ティトゥエンティ・オムニ、以下、「T20」)」を2023年6月16日に発売する。予約の受付開始は6月1日からで、販売価格は179,800円(税込)。

ここでは、同社の最上級モデル「DEEBOT X1 OMNI」(以下、「X1」)やTシリーズの従来モデル「DEEBOT T10 OMNI」(以下、「T10」)との違いを明らかにしながら、「DEEBOT T20 OMNI」の特徴を紹介する。

エコバックスジャパンの最新ロボット掃除機「DEEBOT T20 OMNI」

エコバックスジャパンの最新ロボット掃除機「DEEBOT T20 OMNI」

「DEEBOT T20 OMNI」の6つの“ここがスゴい!”

「T20」は、「もう、何もしなくていい。」がコンセプトのTシリーズ最新モデル。吸引と水拭きの掃除2役を1台で担うほか、モップ洗浄や本体からのゴミの自動収集機能を搭載した全自動ステーションが付属しているため、床掃除からモップがけ、本体のお手入れまで“手放し”で任せられるほぼ全部入りのロボット掃除機だ。

さて、本モデルと同社の従来の全部入りモデルを比較したとき、特筆すべき新機能・要素は以下の6つだ。

(1)吸引力が6,000Paに向上
(2)「モップ自動リフトアップ」機能の搭載
(3)4つの清掃モードが設定可能
(4)温水によるモップ洗浄機能を搭載
(5)メインブラシをラバー素材に変更
(6)「エッジディープクリーニング」機能の搭載

1つずつ紹介していこう。

(1)最上級モデルよりも吸引力は上

そもそも、ユーザーがロボット掃除機しかり、掃除機を選ぶうえで最も気になるポイントは「ゴミをちゃんと掃除してくれるか」ということ。そのひとつの要素として、床のゴミを浮き上がらせる力、つまり吸引力をチェックすべきなのだが、「T20」はそれが数値上単純に高い。一般的なロボット掃除機の吸引力(Pa/真空度)は2,000〜3,000Paと言われているなか、従来モデル「X1」「T10」でさえ最大5,000Paの吸引力を誇っていたが、本モデルは強力なモーターを内蔵することで、最大6,000Paの吸引力を実現している。各社がこのスペックを公表しているわけではないので一概に業界最上級とは言えないが、ひとつの目安にはなるだろう。

(2)カーペットを敷いている部屋も1回で済む

「T20」の最大の特徴とも言えるのが、新機能「モップ自動リフトアップ」だ。本モデルは「X1」「T10」と同じく水拭き用に加圧回転式デュアルモップ「OZMO Turbo 2.0」を搭載しているが、たとえばリビングを掃除中にカーペット環境を認識すると、自動的にそのモップを持ち上げて吸引掃除のみに移行するため、カーペットが敷かれた部屋において、フローリングの吸引&水拭きとカーペット部分の吸引を1度で完了する。従来モデルではカーペット上を掃除する際、水拭きモップを取り外したりする必要があったため、本モデルでは掃除の手間も時間も単純に少ないというわけだ。

下の円形の2つのモップが、水拭き用の加圧回転式デュアルモップ「OZMO Turbo 2.0」

下の円形の2つのモップが、水拭き用の加圧回転式デュアルモップ「OZMO Turbo 2.0」

掃除中、車輪の左に開いている穴から床に向けて超音波を出し、その跳ね返り方によってフローリングなのかカーペットなのかという素材の判別を行う。ちなみに、畳は判別できないため、以下で紹介する清掃モードで対応が必要だ

掃除中、車輪の左に開いている穴から床に向けて超音波を出し、その跳ね返り方によってフローリングなのかカーペットなのかという素材の判別を行う。ちなみに、畳は判別できないため、以下で紹介する清掃モードで対応が必要だ

「モップ自動リフトアップ」を活用するには、カーペットは毛の長さが3mmのものを推奨するとか。ちなみに、本モデルは2cm以下の段差は乗り越えられる仕様だ

「モップ自動リフトアップ」を活用するには、カーペットは毛の長さが3mmのものを推奨するとか。ちなみに、本モデルは2cm以下の段差は乗り越えられる仕様だ

「モップ自動リフトアップ」の魅力はそれだけではない。掃除が完了し、ステーションへ戻る最中や、特定の部屋を掃除する際の途中ルートでもリフトアップし、掃除後の床や途中ルートを汚さないように考慮されている。さらに、ステーションにおいてモップを乾燥するときも、効率的に乾燥させるためにモップを自動でリフトアップする。

(3)清掃スタイルを自宅の環境に合わせてカスタマイズできる

上記の「モップ自動リフトアップ」機能を新しく搭載したことで、清掃モードも進化している。これは、部屋やエリアごとに4つのスタイルを設定できるというもの。4つの清掃モードは以下のとおりだ。

1. 1回で吸引掃除と水拭き掃除両方行う
2. 吸引掃除後、水拭き掃除を行う
3. 水拭き掃除のみ
4. 吸引掃除のみ

自宅の環境やシーンによって使い分けられる4つの清掃モード

自宅の環境やシーンによって使い分けられる4つの清掃モード

1の「吸引&水拭き」モードは、吸引と水拭きが同時に行われるため、時間を節約して家全体を効率的に掃除できるスタンダードモードで、毎日のリビング掃除におすすめ。2の「吸引後、水拭き」モードは、まず部屋全体を吸引のみで掃除し、ホコリやペットの毛などの乾いたゴミを吸引したあとにモップで水拭きするので、久々の掃除やペットのいる部屋の掃除に便利だ。3の「水拭きのみ」モードは、吸引モーターをオフにして水拭きのみを行うため、床のべたつきが気になったとき、あるいは子どもの昼寝中など、静かに掃除したいときに最適だ。4の「吸引清掃のみ」モードは、カーペットなどの水拭きしたくない床素材の部屋の掃除に向いている。

「X1」「T10」は現時点で、1の「吸引&水拭き」モードと4の「吸引清掃のみ」モードにのみ対応。しかし同社によると、今後、専用アプリのアップデートにより、「X1」「T10」も4つの清掃モードが使えるようになる予定とのことだ。

(4)高温洗浄された「よりキレイなモップ」で水拭き!

「T20」には、全自動クリーニングステーションが付属する。本体に溜まったゴミの収集からモップへの給水、汚れたモップの洗浄、熱風乾燥まで、すべての工程を自動で行ってくれる。注目の新機能は、モップ洗浄を従来モデルのような常温水ではなく、55度の温水で行うこと。55度は、動物性油脂などの一般家庭にありがちな汚れを落とす最適な温度だそうで、この高温洗浄&専用洗浄液により、モップに残った頑固な汚れや臭いを効果的に除去する。つまり、従来モデルよりもキレイなモップで毎回水拭きできるというわけだ。

写真左が全自動クリーニングステーションの構成イメージ図。写真右上がステーションの上部を開いたところ、汚水タンクはブラック、清水タンクはブルーとカラーによって識別しやすくしている

写真左が全自動クリーニングステーションの構成イメージ図。写真右上がステーションの上部を開いたところ、汚水タンクはブラック、清水タンクはブルーとカラーによって識別しやすくしている

ステーション中央部には、本体からのゴミを収容するゴミパックが入っている

ステーション中央部には、本体からのゴミを収容するゴミパックが入っている

汚水(写真)タンクと清水タンクともにフタがガバッと開く仕様なので、水の出し入れはしやすそう。なお、清水タンクにのみ、フタに注水穴が設けられている

汚水(写真)タンクと清水タンクともにフタがガバッと開く仕様なので、水の出し入れはしやすそう。なお、清水タンクにのみ、フタに注水穴が設けられている

同社調べの冷水/温水、洗浄液あり/なしでモップを洗ったときの違い。洗浄液ありでも、冷水と温水で汚れの落ち方に違いが出ていることがわかる

同社調べの冷水/温水、洗浄液あり/なしでモップを洗ったときの違い。洗浄液ありでも、冷水と温水で汚れの落ち方に違いが出ていることがわかる

(5)毛がからまりにくくなったラバー製メインブラシを採用!

細かい仕様も変更されている。吸引口に備わっているメインブラシは、「X1」「T10」では毛とラバーの混合素材を採用していたが、本モデルでは同社初のラバー製メインブラシを採用。ラバーは耐久性にすぐれているほか、従来モデルのものより髪の毛やペットの毛のからまりを解消しやすいため、ラグやカーペットなどの場所を滑らかに掃除できる。

エコバックス初のラバー製メインブラシ。耐久性にすぐれているそうだが、床へのやさしさがどうかは気になるところ

エコバックス初のラバー製メインブラシ。耐久性にすぐれているそうだが、床へのやさしさがどうかは気になるところ

(6)お尻をフリフリ、壁の際までしっかり水拭き!

最後に紹介するのが、新搭載の「エッジディープクリーニング」機能。丸型のロボット掃除機では、水拭き清掃において壁際がどうしても“死角”になりやすい。モップが本体左右の端から端までをカバーしているわけではないからだ。

いっぽう本モデルは、「エッジディープクリーニング」機能により、壁際を走る際に角までモップが届くように小刻みに“お尻を振りながら”進むので、水拭き掃除の壁際でのカバー率が向上しているという。ちなみに、本機能は専用アプリでオン/オフ切り替えが可能だ。

「エッジディープクリーニング」機能のイメージ図。壁際で本体が左右に小さく回転することで、壁際の汚れにモップを届かせる

「エッジディープクリーニング」機能のイメージ図。壁際で本体が左右に小さく回転することで、壁際の汚れにモップを届かせる

従来モデルとの共通機能とグレードが低い機能

さて、ここまで「T20」の特徴を紹介してきたが、ここからは従来モデルにも搭載されている機能を簡単に紹介しつつ、逆に「T20」には搭載されていない、あるいは搭載されていても少しグレードが低い機能を解説する。

マッピング技術やAI音声アシスタント機能は健在

まずは「X1」と「T10」にも搭載されている、「DEEBOT」シリーズ上位モデルならではの機能から。本体が間取りを把握するためのマッピング技術は「TrueMapping 2.0」を採用。クルマの自動運転にも用いられている「D-ToF 技術」を使用しており、マップと自分の位置をリアルタイムに把握するため、家具の位置をしっかり認識し、隅々まで効率的に走行する。

上の写真が本体上部に搭載された「TrueMapping 2.0」。下はマッピングのイメージ図

上の写真が本体上部に搭載された「TrueMapping 2.0」。下はマッピングのイメージ図

先述の加圧回転式デュアルモップ「OZMO Turbo 2.0」は、圧力をかけながら毎分180回の高速回転。床に落ちた飲み物やペットのよだれの跡など、床のべたつきや汚れをしっかり水拭きし、素足でも気持ちよく過ごせる床にしてくれる。

汚水タンク、清水タンク、ゴミパックで構成された全自動クリーニングステーションは、本体が集めてきたゴミを10秒で吸い上げ、最大60日分収集可能。汚れたモップはステーション内で、先述の温水洗浄が行われたあと、キレイな水ですすがれ、熱風と高速回転で乾燥させられる。もちろん、モップを湿らすための水は本体に自動で供給される。

ユーザーの声で清掃開始や設定変更できるAI音声アシスタント機能「YIKO(イコ)」も健在だ。自然言語認識機能を備えており、音声のローカリゼーションや人の形状認識もサポート。「OK YIKO、リビングのソファの下を掃除して」と言えば、ピンポイントで掃除させることも可能だ。

障害物回避システムはセンサーのみで対応

「T20」において従来モデルよりグレードが低い機能が、障害物回避システムだ。

まず「X1」は、障害物回避システム「AIVI 3D」を搭載する。120万画素/148.3度の超広角レンズを採用したHDRカメラ「Starlight RGBカメラ」が暗い環境でもはっきりと障害物を検知するほか、「3D物体回避(TrueDetect)2.0」センサーと、クルマの自動運転に使用される高性能プロセッサー「地平線Sunrise3チップ」により処理速度5億回/秒を実現。障害物を識別する所要時間は従来モデルより最短1/20に短縮され、18種の物体を識別できる。

「T10」は、障害物回避システム「AIVI 3.0」搭載。120万画素/148度の広角レンズを採用したHDRカメラとAIチップの組み合わせにより、障害物を認識する処理速度が従来モデルと比べて約16倍と速く、家具や壁への衝突を軽減しながらスマートに動き回る。また、チリやホコリといった小さなゴミを認識すると、サイドブラシの回転速度を落として舞い上がるのを防止する。

両モデルともに「見守りカメラ」の機能も搭載しており、専用アプリを通してペットモニターとして利用できるのも特徴だ。

いっぽう、「T20」の障害物回避システムは、走行中の障害物をリアルタイムで3Dスキャンして把握し、立ち往生を軽減する「3D物体回避(TrueDetect)3.0」センサーのみ。カメラを搭載していないので「見守りカメラ」機能も利用できない。冒頭で「T20」を“ほぼ全部入りロボット掃除機”と表現したのは、このあたりが理由だ。

「T20」の前部。「X1」や「T10」はここにカメラが搭載されているが、「T20」は「TrueDetect 3.0」センサーのみ

「T20」の前部。「X1」や「T10」はここにカメラが搭載されているが、「T20」は「TrueDetect 3.0」センサーのみ

【まとめ】できるだけ掃除の手間を減らしたい人は「T20」を購入の選択肢に!

以上、「DEEBOT」の新旧モデルを比較してきたが、最新モデル「DEEBOT T20 OMNI」は、障害物検知・回避システムの機能性は従来モデルに及ばないが、吸引力は最も高く、「モップ自動リフトアップ」機能やモップの温水洗浄機能により、より掃除の手間を減らしてくれるモデルだということがわかった。

モップ周辺の新機能のほか、6,000Paの吸引力とラバー製メインブラシによる“ゴミ収集力”も「T20」の魅力のひとつ

モップ周辺の新機能のほか、6,000Paの吸引力とラバー製メインブラシによる“ゴミ収集力”も「T20」の魅力のひとつ

これら「DEEBOT」の上級3モデルから選ぶときのポイントは、価格と欲しい機能の取捨選択になるだろう。「DEEBOT T20 OMNI」の販売価格は179,800円(税込)からスタートするが、価格.com最安価格(2023年5月11日時点)において、「DEEBOT X1 OMNI」は139,795円、「DEEBOT T10 OMNI」は134,800円と、現時点では「DEEBOT X1 OMNI」にお買い得感がある。

とはいえ、リビングにカーペットが敷いてあり、ペットを飼っておらず、できるだけ掃除の手間を減らしたい人は、「DEEBOT T20 OMNI」を購入の選択肢に入れるべきだろう。

牧野裕幸(編集部)

牧野裕幸(編集部)

月刊アイテム情報誌の編集者を経て価格.comマガジンへ。家電のほか、ホビーやフード、文房具、スポーツアパレル、ゲーム(アナログも含む)へのアンテナは常に張り巡らしています。映画が好きで、どのジャンルもまんべんなく鑑賞するタイプです。

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