2025年の夏は平年より暑い、という気象庁の予報に対して「ここ数年、そればっかり言ってない?」という疑念が拭えない筆者です。今より暑くない“平年”っていつよ!?
そんな今夏も、男女問わず必須装備になりそうなのが日傘です。
夏前……とは思えないようなこの気温。今年の夏もかなりヤバそうな予感
日傘、ハンディファン、アイスコーヒー。どれも欠かしたくないけど、とはいえ手は足りていません
日差しを遮ることで体感温度は3〜7度ほど下がるという調査結果(※)もあるので、日陰を常時携帯できる日傘の効果はかなり高いと言えるでしょう。気温35度が28度まで下げられるなら、それは使うって。さらにハンディファンを回しつつ冷たいドリンクで水分補給をすれば、夏を快適に過ごせそう。……あれ、日傘、ハンディファン、ドリンクを同時に運用するとなると、手が3本必要だな?
※環境省「まちなかの暑さ対策ガイドライン 改訂版」より
実際、日傘を使っていると「手が足りない!」ということになりがち。ハンディファンで汗を乾かしたいし、水分補給だって欠かせないので、そうなると両手を使っても足りなくなるわけです。しかし、真上から太陽にカッと強烈に照らされている中、このどれかひとつでもあきらめるなんてのは現実的じゃないし、何より生命の危機だし。
そこで導入したいのが、日傘にハンディファン機能をプラスしたサンコー「ファンブレラ POLE」です。
サンコーの新型ファン内蔵型日傘「ファンブレラPOLE」。カラーは「クラシックブルー」と「オフホワイト」の2色がラインアップ
見た目にはやや“魔法少女のマジカルステッキ”味があるため、成人男性が使って大丈夫なのか? と一瞬だけ迷いが生じますが、一度使った後ではもうそんなのは気になりません。これ、かなり助かります。ちなみに日傘+ハンディファンとしては、2023年にサンコー「ファンブレラ」を本連載で紹介しましたが、今回の「ファンブレラ POLE」はその新バージョンといったところです。
2023年発売の「ファンブレラ」は、頂点のファンが回転して真下に風を送る仕組み
旧モデルの「ファンブレラ」は傘の内側頂点に電動ファンが付いており、空気を下に向けて送ってくれます。対して「ファンブレラ POLE」は、手元のファンから吸い上げた空気を傘のシャフト(中棒)から送り出す、というのが最大の違い。
さらに従来品から100g以上軽くなった点(「ファンブレラ」約460g→「ファンブレラPOLE」約340g)もポイントと言えそう。
新しい「ファンブレラPOLE」はシャフト(中棒)の送風口から風を送り出します
手元の吸気口から吸い込んで、シャフトから送風
風量調節機能はなく、ぶっちゃけ風量はやや弱め。まさにそよ風って感じ
ハンドル底部のボタンを長押しすると、手元吸気口でファンが回転開始。同時にシャフトの送風口(ハート型の小さな穴が計15個開いてます)から「そよ〜」とした風が出てくるという仕組みです。
炎天下で普通のハンディファンを使うと熱風しか出ませんが、こちらの風はまず日傘によって周囲の気温が下げられているので、体感的に涼しく感じられます。真夏でも木陰でそよ風に当たるとかなり涼しいじゃないですか。あのそよ風がいくらでも浴び放題だと考えれば、その価値の高さはわかっていただけるのでは? ちなみに充電時間4.5時間で最大3.5時間まで使用可能です。
電源ボタンはハンドル底部に。長押しするとファンが回ります
充電はUSB Type-Cケーブルで。「ファンブレラPOLE」は晴雨兼用なので、ポートには水濡れ対策の防水ゴムカバー付き
日傘で日光を防ぎつつ、涼しい風に当たりつつ、冷たいアイスコーヒーをゴクゴク。今夏はこれでイケる!
何より、片手に日傘+ハンディファンがまとまることで、単純にもう片方の手が空くのは大きなメリット。日差しを遮りながらファンの風を受けつつ、キンキンに冷えたアイスコーヒーをいただけば、炎天下でも何とかやっていけそうです。もちろん無理は禁物ですが。
筆者は、体調維持のために1日1万歩のウォーキングをしています。と言っても、1時間半ほどダラダラ歩くだけなんですが、さすがに気温30度を超えてくると、それだけでもかなり汗だく。
そこで「ファンブレラ POLE」をウォーキングのおともにしてみたんですが……いやー、これは涼しい!
気温30度超えのウォーキングも、「ファンブレラPOLE」があれば意外となんとかなりそう。思った以上に効果ありです
使い始めは「ん? 風、弱くない?」と感じるかもですが、シャフトを肩にのせるようにして保持すると、ちょうど首の側面と後方に向けて至近距離から風がダイレクトに当たるため、十分に涼しさを感じました。
特に首元は太い血管が通っているため、ここを冷やすと体温を下げる効果が得やすいんです。ちょっと持ち方を変えれば、顔に風を浴びたりすることも可能。
風がイイ感じに首元を冷やしてくれるおかげで、しばらくすると汗も引いてきました
また、周囲の空気が常にかき混ぜられているため、身体からの熱気もほどよく放散されているような感じ。日傘の下にモワッとした熱がこもらないだけでも、価値はあるんじゃないでしょうか。
何より日傘としてのスペックも、遮光率100%、UVカット率98%、UPF50+、と不足のないクラス。普通に差すだけでもしっかり陽光を防いで快適なのに、ファンの気持ちよい風がプラスされるのは、かなり大きなアドバンテージだと思います。
日傘をカバンに収納しようとするとこんな感じに。うーん、デカい
しかし、そのファンがあるため、本体は一般的な折りたたみ日傘よりもかさばります。全長で約38cm。普通の折りたたみ傘なら確実に入るウォーキング用のボディバックからも、上の写真のとおり、がっつりとはみ出している状態に。
開いたときの傘径も101cmと大きめなので仕方ないところなんですが、それでも運用するうえでハンデになるのは否めないでしょう。
ジリジリとやかれるような日差しをカットしてそよ風をプラス。この快適さはほかに代えがたい
大きさの問題はありますが、個人的には「うーん、でも涼しいからしょうがないか!」とすっぱり受け入れました。だって普通の日傘より確実に快適だし。「木陰のそよ風」と「本体サイズ」がトレードオフなら、そよ風を選びます。
今年の夏をちょっとでも楽に乗り切りたいなら、ファン内蔵日傘は確実に導入しておいたほうがいいと思います。