気象庁の季節予報によれば、2025年の夏は例年に比べて全国的に気温高め、とのこと。
「そんな予報、聞きたくなかった」と絶望する気持ちはめちゃくちゃわかります。が、ただ絶望してるだけではらちが明きません。今、あなたに必要なのは、猛暑に対する備え……具体的に言うと、涼しいハンディファンや携帯扇風機を選ぶことです。
2025年に発売された最新ハンディファンや携帯扇風機を全部使って、それぞれの魅力を紹介!
ハンディファンや携帯扇風機は「気温が高すぎると意味がない」とか「思ったほど涼しくならない」という意見もありますが、暑さ対策グッズとしての手軽さで言えば、どこでも簡単に風に当たれるハンディファン&携帯扇風機は手放しがたい。
そこで本稿では、2025年に発売された最新ハンディファン&携帯扇風機の中から、“便利で涼しい、おすすめのやつ”を紹介します。
自分の使い方にあったファンがあれば、過酷な猛暑でも多少は過ごしやすくなるはず!
本稿を書いてる時点では梅雨入り直前ということで、気温は20度台前半ぐらいとやや低め。そこでこのレビューのために、室内でエアコンの暖房MAX+パネルヒーター+加湿器で室温を35度オーバーまで上げたうえで、全モデルを試用しております(途中、筆者のTシャツが汗ビショビショですが、そのあたりはお見逃しください)。
ハンディファンと携帯扇風機の検証は、暖房たきまくりの室内で実施。呼吸するだけで鼻の穴が暑いぐらいのガチ猛暑を再現しました
ドウシシャ「二枚羽根大風量クリアハンディファン」 。2,398円(税込)●サイズ:70(幅)×55(奥行)×140(高さ)mm●重量:約120g●羽根径:非公表●連続使用時間:ターボ/約2時間、風量最小7.5時間●風量切替/4段階●充電時間:3.5時間
クリアでコロンとしたボディは見た目だけでもかわいく涼しげですが、その外見からはちょっと予想できないほどパワフルな風が出るのには驚かされました。
羽根の面積大きめの二重反転ファンを搭載することで、強い風を分散させることなく真っ直ぐ送り出せるため、少し離れた場所からでも確実に風を感じられました。
中央に見える2枚のファン(白いパーツ)が、それぞれ逆回転して強い風を生み出す二重反転ファン
コンパクトなのに、見た目以上のボリュームがある風が来ます。これはなかなか優秀かも
コンパクトな割に、バッテリーは2,000mAhとそれなりの容量があるので、外出中にバッテリー切れする心配はあまりなく(最大7.5時間の連続運転が可能)、タフに使えるはず。
大きいファンを持ち歩くのはジャマだな……と考えるなら、風量・バッテリーがしっかりしているこれはおすすめできます。
エレス「アイファン ポルタ エス2」。2,178円(税込)●サイズ:90(幅)×37.5(奥行)×203(高さ)mm●重量:約150g●羽根径:非公表●連続使用時間:約2.5〜8時間●風量切替/4段階●充電時間:約3時間
使ってみた印象としては、とてもバランスがいいハンディファン、という感じ。
サイズはやや大きめですが、その分、風量はたっぷり。ファンブレードの設計がよくできているのか、風切りノイズが少なく、使っていてあまりうるさく感じなかったのもポイントが高いです。
基本的には手持ち使用ですが、ヘッドを後方に折りたためば、デスク据え置きや、付属ストラップで首掛けとして使うことも可。ヘッドの前後可動域はほぼ180度と広いので、据え置き中も思いどおりの角度へ風が送れます。
ヘッドの可動域が広いので、手持ちでも好きな角度から風を浴びやすいのもポイント
3段階+リズム風の風量はLEDで確認できるため、ボタンを押しすぎて「あっ、強風にするつもりが弱風に戻っちゃった」みたいな失敗が起きにくいのはありがたいところ。
個人的にいいなと思ったのは、前面のガードを外してファンブレードの掃除ができること。久しぶりに使おうと取り出してきたら内側までホコリが積もって……みたいなときも、サッと拭きとれるのは助かりますよね。ガードが取り外せる機種はそんなに多くないので、これだけでも選ぶ価値はありそう!
楽創天成「COOLiFY iva」。6,999円(税込)。●サイズ:45(幅)×50(奥行)×150(高さ)mm●重量:約182g●羽根径:非公表●連続使用時間:2〜4時間(冷却モード)、3〜12時間(ファンモード)●風量切替/100段階●充電時間:非公表
強風、冷却プレート、大容量バッテリーが揃った高機能タイプのハンディファン。
サイズがやや小ぶりなためか、風量は「ファンラッシュ」より少なめですが、その分、携帯性は優秀。さらに、底部の金属リングを引き起こすと、自立スタンドを兼ねたカラビナとして機能するので、ベルトループやリュックの肩ストラップに吊して持ち運べるのも楽チンです。
スタンド兼用のカラビナで据え置きにも。底部がゴムなので、見た目より安定します
本モデルで特徴的なのが、操作方法。大体のハンディファンは、電源ボタン2度押し、または長押しで起動し、追加で押すと風量レベルが変更できますが、本モデルは背面のスライドスイッチで起動し、前面の「+/−」ボタンで風量レベルを変更します(風量レベルは液晶で表示)。
最初はちょっと戸惑いましたが、慣れるとこちらのほうが圧倒的に操作性がよく、風量変更もスムーズ。このあたりはスペックだけでは見えにくいメリットですが、使えば納得してもらえるはず!
独立した電源スイッチはちょっと珍しいですが、個人的にはかなり使いやすかったです
ドリームファクトリー「エアロジェットS」。7,920円(税込)。●サイズ:53(幅)×39(奥行)×113(高さ)mm●重量:約130g●羽根径:非公表●連続使用時間:最長12時間●風量切替/無段階調整●充電時間:約2.5時間
軽量・コンパクトなうえに、スタイリッシュさが魅力のジェットハンディファン。
直進性の高い風は遠くまでしっかりと届き、欲しいところをピンポイントでクールダウンさせるのに向いています。
風量のコントロールは、吹き出し口外周のレバーを回す無段階調整。現在の風量レベルもサッと視認できて、使いやすかったです。
風量の調整はこのレバーを回して行います
何より見た目のラグジュアリーさは、“大人のハンディファン”といった感じ。最大風速6.8m/sはジェットファンとしてはやや低めに感じますが、かっこいいファンが欲しいのであれば、まず選択肢としてありだと思います。
Fun Standard「ファンラッシュ」。3,980円(税込)。●サイズ:55(幅)×58(奥行)×214(高さ)mm●重量:約185g●羽根径:非公表●連続使用時間:3.5〜25時間(送風のみ)、2〜4時間(送風+冷却プレート)●風量切替/4段階●充電時間:非公表
最大風速11.5m/sというほぼドライヤー並みの超強風のほか、外気温-13度のひんやり感がたまらないペルチェ素子の冷却プレート、さらに4,000mAhの大容量バッテリーで最大25時間稼働と、ハンディファンの性能として求めたいものがギッチリと詰まった一台。
実際に使ってみても、能力的に不満を感じるところはなく、冷却プレート付きファンを検討しているなら、まずチェックするべき製品と言えそう。
ベルトに引っかけて吊るせる底部フック。スタンドとしても機能します
底部には、自立スタンドにもなるフックが収納されていたり、風量レベルと冷却プレートのオン/オフが液晶表示されていたりと、細かなところまで気が利いた仕様も優秀だと思います。
ただ、試用中に個人的にちょっと不満を感じたのが、冷却プレートを肌に押し当てていると可動ヘッドがどんどん後ろに倒れていってしまうこと。ヘッドの可動は自立させたときの角度調節などで必要とはいえ、すこしもったいないなと感じました。
冷却プレートでひんやり感を堪能していると、徐々にヘッドが倒れていって持ちづらくなってしまいました。ここはちょっと残念なポイント……
AuraliBrite「ハンディファン F13」。3,580円(税込)。●サイズ:45(幅)×130(奥行)×174(高さ)mm●重量:約238g●羽根径:非公表●連続使用時間:4〜6時間●風量切替/6段階●充電時間:非公表
今回紹介した中では最も強力な、最大風速24m/sを誇るジェットファン。
12万rpmというモーターの回転から生み出される風は、とにかく爆風。実際、ファンをまっすぐ顔に向けると呼吸がしづらいレベルの風力です。このパワーなら、炎天下での汗も一発で吹き飛ばせそう。実際、汗で濡れたシャツも素早くさっぱりと乾かせました。
その分、動作音もかなりのもの。最大パワー使用時はまさにジェットエンジンのような「キーン」という甲高い音が響くため、周囲を驚かせてしまうかもしれません。
この小型サイズからは信じられないぐらいの爆風が!
涼む以外にも、ハイパワーを利用してキャンプでの火起こしに使ったり、清掃用ブロワーとしてホコリを吹き飛ばしたりと用途はマルチ。付属の細口ノズルをセットすれば、浮き輪やエアマットの空気入れとしても使えます。
バッテリーは9,000mAhの大容量で、強力ながら長時間稼働できるのもうれしいポイントでしょう。
動作音のスゴさも含めて、インパクト最強のファンと言えそうです。
サンワサプライ「400-TOY048BK」。3,980円(税込)。●サイズ:120(幅)×82(奥行)×42(高さ)mm●重量:約230g●羽根径:非公表●連続使用時間:約1時間40分〜約9時間●風量切替/5段階●充電時間:約3.5時間
腰ベルトに装着し、シャツの中に風を通すことに特化したウエストファンタイプ。
吸気ファンで取り込んだ外気をシャツの内部に勢いよく循環させることで、ムワッと蒸れた空気を追い出して乾燥させるため、汗でじっとり濡れたシャツが肌に貼り付くあの不快な感触を大幅に軽減します。特に、背中側に付けると、サラッとサッパリした感じがしっかり感じられて、1度付けたらもう手放せなくなるかも!
いわゆる“空調服”(ファン付き作業服)の簡易版のようなものですが、どんな服にでも使えるのがポイント。
シャツの中に風を吹き込むことで、汗が乾いてサッパリ快適。こういうタイプはこれから流行りそうな予感……
2024年ぐらいから注目度が高まりつつあるウエストファンですが、2025年の新モデル「400-TOY048BK」はかなり薄型化されており、軽くなったのはもちろん、装着していても目立ちにくくなりました。
注意点としては、エアコンの効いた室内で使うのは避けたほうがよさそう。冷気が肌に直接当たって全身が冷えすぎになる可能性があります。
ベルト装着以外にも、ストラップを付けての首掛けや、クリップでリュックの肩ストラップ装着、スタンドを立てての据え置きと、シーンに合わせて使い分けられます。
リズム「Silky Wind Mobile 3.2」 。3,278円(税込)。●サイズ:85(幅)×40(奥行)×214(高さ)mm●重量:約150g●羽根径:約70mm×2枚●連続使用時間:リズム風/約15時間、弱/約10時間、中/約5時間、強/約2時間、ターボ/約0.5時間●風量切替/5段階●充電時間:約6時間(電源OFFの状態)
すでに価格.comのほか、さまざまなランキングサイトでも注目されている、人気ハンディファンシリーズの2025年モデル。
何が人気かというと、そこはやはり風量。2枚のファンで風を分散させずに効率的に送り出せる「二重反転ファン」を搭載していることで、思った以上にたっぷりした風に当たれます。実際、パワーMAXだと「えっ、こんなに風くる?」と感心したくらい。
「二重反転ファン」ならではの勢い強めな風がしっかりと届きます。風量で不満を感じることはなさそう
手持ち(ハンディ)に加え、後端のカラビナを使って首から吊すハンズフリーと、首を倒してデスクに据え置きの3Wayで使えるのも便利なところ。
カラビナは、カバンのストラップや腰のベルトホールなどに引っかけて携帯するにも便利で、なんならすべてのハンディファンに付いていてほしい装備だと思ったぐらいです。
また、新発売の専用クリップを装着することで、なんと日傘のシャフトにクリップオンできるようにもなりました。
今シーズン登場した新オプション「日傘クリップ」(写真左)。「Silky Wind Mobile 3」シリーズに共通して取り付け可能です
暑さを避けるためには日傘も必須装備ですが、ハンディファンと日傘の同時持ちだと両手がふさがってしまいます。その点だけでも、日傘とファンが合体してくれるのは端的に「すっごい便利」と断言できます。
「日傘クリップ」で本体を日傘に取り付ければ、ハンズフリーで日陰の涼しい風が浴び放題。これからの季節にはマストなオプションと言えそう!
ドウシシャ「コンパクトファン ミニクリ」 。2,181円(税込)●サイズ:70(幅)×74〜98(奥行)×63〜100(高さ)mm●重量:約100g●羽根径:非公表●連続使用時間:強/3時間、弱/7時間●風量切替/2段階●充電時間:4.5時間
コンパクトなボディに大きめクリップを搭載した、ハンズフリーに特化したハンディファン。
日傘のシャフトや、リュックの肩ストラップ、ノートPCの画面の端など、いろいろな部分にクリップオンすれば、手で保持することなく軽快に風を浴びられます。
クリップは360度回転、ヘッドは180度で展開するので、どこに取り付けても確実に自分に向けて風が来るように角度調整可能です。
大型クリップでリュックに取り付けると、至近距離からいい風が当たります。やはりハンズフリーは快適!
重量も約100gと、どこに取り付けてもさほど気にならない軽さもうれしいところ。風量はやや弱めですが、ハンズフリーの気軽さ・取り付けのしやすさを考えると、選択肢としては十分にアリでしょう。
サンコー「4WAYハンズフリークリップファン」。2,480円(税込)●サイズ:71(幅)×56(奥行)×116(高さ)mm●重量:約130g●羽根径:非公表●連続使用時間:約150分(強モード時)●風量切替/3段階●充電時間:約160分
昨今のハンディファンにおけるトレンドのひとつがハンズフリー。ファンで片手が埋まってしまうと、日傘やスマホなど、手持ちギアの選択肢が減るわけですから、これは当然の流れと言えるでしょう。
本モデルは、手持ちに加え、ストラップを付けての首掛け、クリップでリュックのベルトや日傘に取り付け、スタンドで卓上に設置、とハンズフリーでの使い方が幅広いのがポイントです。
ストラップで首掛けしたときにジャマになりにくい薄型ボディがポイント
背面のクリップでリュックにマウントも可能。ブラブラしないので、首掛けよりこっちのほうがラクかも
風量切り替えできるハンディファンは、現在の風量がわかりづらい(今のパワーが何段階目かを視認できない)ものが多いんですが、本モデルは風量を「青(弱)」「緑(中)」「赤(強)」とカラー表示してくれるのが親切です。
ただ、ボディを薄型化するために搭載したシロッコファンは、風量が比較的にやや弱めでした。
ロア・インターナショナル「abbiFAN CLIP」。2,780円(税込)。●サイズ:62(幅)×52(奥行)×155(高さ)mm●重量:約70g(クリップあり/約114g)●羽根径:非公表●連続使用時間:2.2〜9.5時間●風量切替/3段階●充電時間:約1.5時間
ここで紹介するなかでは最軽量 約70gのハンディファンと約44gのクリップという組み合わせ。手持ちのほか、日傘や肩ストラップへのクリップオン、ストラップを取り付けての首掛け、据え置きの4WAYで使える多機能ファンです。
ファン本体はヘッドが180度展開することで、ハンズフリー状態でも狙った場所に風が送れます。
クリップで好きな場所に取り付け、程よく向きを調整します
クリップと合わせても約114gしかないので、日傘に取り付けてもさほど負担には感じませんでした。軽いのはそれだけで十分なメリット!
ハンディファンとしては珍しく羽根枚数が7枚と多いことで、風当たりはかなりやわらか。パワフルさは感じられませんが、その分、長時間浴び続けても疲れにくい風だと感じました。
動作時間も最大9.5時間と長め。ハンズフリーで使うとどうしても長時間回しっぱなしになりがちですが、その点でもこのバッテリー保ちのよさは優秀でしょう。
サンコー「セナクールPlus」。7,980円(税込)●サイズ:60(幅)×28(奥行)×133(高さ)mm●重量:約140g●羽根径:非公表●連続使用時間:ノーマル/約1時間20分、エコ/約2時間●風量切替/2段階●充電時間:約3時間
ハンディファン……というにはちょっと方向性が違うんですが、とはいえファンを使って効率的に体温を下げられるツールです。
使用する際は、まずアームを自分のうなじから巻くように装着して、本体を襟首側からシャツにイン。電源を入れると冷却プレート(銀色の波板面)がグングン冷たくなって、肩甲骨の間にある大きな血管を急冷します。さらに、通気ファンがシャツの中の蒸れた空気を吸い上げて外へ放出することで、スムーズに体温を下げて涼しく感じられるようになっています。
首筋を冷却するネッククーラーはピンポイントで冷えすぎて気持ち悪い、と感じる人には、この背中冷却方式のほうがいいかもしれません。
アームを首に巻いて装着したところ。太い血管を強力冷却しつつ、シャツの中の熱気も逃がしてくれます
冷却プレート(ペルチェ素子)は構造上、表面が冷えるとその分だけ裏面から熱を出すんですが、その排熱はシャツ内部の蒸れと一緒に放出されるので、自分は冷えだけを感じられるという仕組み。
旧モデルはこの排気口からの熱風を後頭部に受けることもあったんですが、この新モデル「Plus」は排気口の向きが改良されており、より確実に涼しさを感じられるようになりました。
ロア・インターナショナル「ネックバンドファン ROLLING」。4,500円(税込)。●サイズ:42(幅)×59(奥行)×390(高さ)mm●重量:約180g●羽根径:非公表●連続使用時間:弱/約6.5時間、中/約3.5時間、強/約2時間●風量切替/3段階●充電時間:約3時間
首に掛けるタイプのファンは、一般的なクリップオンのハンズフリーファンと違って、取り付け場所を考えずに済むぶんだけ軽快ですが、サイズが大きくなりがちで、携行に不便というデメリットがありました。
しかし本モデルは、ファン本体にシリコン素材のネックバンドをくるくると巻き取れる構造で、使わないときはポケットに入るぐらいコンパクト化。さらに、専用のセミハードケースも付属します。
重量も約180gとネックバンドファンとしてはかなり軽く、首に負担が少ないのもありがたい。
自在に曲がるネックバンドを首に掛けて使用。風は本体側面のスリットから噴き出す構造です
使わないときは、バンドを本体にクルクルと巻き付けてコンパクトに収納
ヘッドホンのような左右のファン本体は、自在に角度が調節できるので、顔や首もとなど、狙った場所へずっと風を当て続けられます。風量は弱めですが、至近距離から当たるので、むしろちょうどいい感じでした。
ファン本体が顔に近い位置にあるモデルだと動作音が気になるものですが、本モデルは実際に使ってみてもほとんど気にならないレベル(メーカー公称値:49dB〜60dB)でした。ただ、激しく揺れたときなどは内部でタービンがケースに当たるカリカリというノイズが発生していました。
無印良品「角度が変えられる充電式ハンディファン」。1,990円(税込)●サイズ:115(幅)×44(奥行)×260(高さ)mm●重量:約400g●羽根径:非公表●連続使用時間:超微風/約9.5時間、微風/約6.5時間、弱/約5時間、中/約4.5時間、強/約2.5時間●風量切替/5段階●充電時間:4時間
今回取り上げる中では、最大サイズのハンディファン。
携帯しやすさという点では確かに少し劣りますが、モーターの回転数が同じなら、ファンの翼の面積が風量の多さに直結します。つまり、一気にドバーッとたっぷりの風を浴びたいのであれば、大きめハンディファンを選ぶのが正解なんです。
勢いよくたっぷりの風を感じたいなら、こういった大径ファンがおすすめ
体感として、やや風が広く散らばる印象はありましたが、風量は文句なし。外から帰ってきて、室内で涼しい風を顔全体にしっかりと感じたい、などの用途にはばっちりハマるでしょう。
また、こういった大径ファンはどうしても動作音がうるさくなりがちですが、この製品は意外なほどに動作音が小さい。「超微風」なら室内で使ってもバレないぐらいに静かでした。
地味にうれしいのが、ファンを取り外したグリップがそのまま2,450mAhのモバイルバッテリーとして使えること。容量的にはさほど大きくはありませんが、充電の切れたスマホに一息つかせるぐらいはできるので、いざというときの備えとして持っておくのもありでしょう。
グリップ部がモバイルバッテリーに変身。容量は少なめですが、いざというときに助かるかも?
エレス「アイファン マグ」。2,728円(税込)●サイズ:75(幅)×20(奥行)×210(高さ)mm●重量:約90g●羽根径:非公表●連続使用時間:約1〜4時間●風量切替/3段階●充電時間:約1.5時間
妙なカタチだな? と思ったら、なんと下側の円盤が「iPhone」の裏側にピタッと磁力で吸着する、「MagSafe」対応のハンディファンです。
スマホを見ながらハンディファンの風に当たりたいという場合も、これなら片手でこと足ります。スマホの画面を見れば自動的に風が顔に当たるわけで、いちいちファンの角度や位置を調整する手間もありません。実際に使ってみると、これは思った以上に便利でした。
「MagSafe」対応「iPhone」なら、ピタッと貼り付いてこのとおり。スマホを見ながら涼みたい、なんてときはこれがめちゃ便利です!
本モデルには、リング型スタンドも付いているので、机の上にスマホを立てて動画を見ながら風に当たることもできるなど、快適そのもの。このスタンドは、手で持ったときの落下防止のスマホリング代わりとしても使えます。
Androidスマホや「MagSafe」非対応の「iPhone」は、付属の金属リングを両面テープで貼り付けて使うことも可能です。
背面リングを展開すれば、スマホスタンド&据え置きファンに!
コンパクトゆえに風力は弱めですが、そもそもスマホを見る距離=顔から至近距離なので、そのあたりは割と気にならないかも。
ライフオンプロダクツ「ミストハンディファン LCAF016」。2,178円(税込)。●サイズ:95(幅)×40(奥行)×185(高さ)mm●重量:約140g●羽根径:55mm●連続使用時間:2時間(強)〜7時間(弱)●風量切替/3段階●充電時間:3.5時間
超音波によってタンク内に溜めた水を微細な粒子(ミスト)にして放出する機能を持った、ちょっと珍しいハンディファン。ミストを含んだ風を浴びることで、気化熱によって肌の表面温度が下がり、冷感が持続するという仕組みです。
実際、気温が体温に近いレベルの猛暑下では、ファンの風を受けても「もわっ」とした熱気を感じるだけですが、気化スピードの速いミスト×風の組み合わせだと、ミストが肌に触れた瞬間にひんやりとして、それがしばらく続く感じ。
グリップの水タンクから吸い上げた水をミストにして放出。要するに、超音波式加湿器がくっついているわけです
室温36度の中でも、ミストによる気化熱で肌がひんやり。これは気持ちいい!
付属の首掛け用ストラップは、強い負荷がかかるとパーツが分離するように設計されています。何かあった際に、首に巻き付くなどのトラブルが未然に防げるわけで、これは地味ですが、ありがたい安全仕様と言えそう。
難点としては、操作ボタンがファンの背面にあるのでちょっと操作しづらいことと、電源ボタンでのモード切り替えが一周すると電源オフになってしまうこと。うっかりモードを間違えるとまた再起動からやり直しになる(ミストも自動的に切れてしまう)のが、ちょっと面倒でした。
ライフオンプロダクツ「LEDミラー付スリムファン LCAF020」。2,838円(税込)。●サイズ:78(幅)×27(奥行)×144(高さ)mm●重量:約120g●羽根径:60mm●連続使用時間:ファンのみ/2時間(強)〜7時間(弱)、ライト点灯時/2時間(強)〜5時間(弱)●風量切替/3段階●充電時間:3.5時間
猛暑の中、外を歩いて汗でグチャグチャになった直後に人に会うのは、気分的にもマナー的にもなかなかキビしいわけです。
「LEDミラー付スリムファン」はその名のとおり、ファン機能に加え、本体のフタをパカッと開けるとLEDライト付きのミラーが現れます。これで身だしなみチェックしつつ、ファンで涼しい風を浴びることで汗を抑えられたら、ありがたいんじゃないでしょうか。
風量は3段階+リズム風、LEDライトは2段階調光です。
ミラーはLEDライト付きで、ちょっと暗い場所でもよく見えます
背面のスタンドを使えば自立させることもできるので、風呂上がりのスキンケアなんかにも便利そう。
また、自立中はミラーの前にスマホを立てかけてスマホスタンドとしても使えるので、動画を観つつ涼むなんて使い方もできます。
最新ハンディファンをまとめて紹介してきましたが、どれもさまざまな特徴があって、逆に選ぶのに迷ってしまうかも……。
基本的には、風量が大きいほうが涼感を味わいやすいですが、移動中にずっと風を浴びていたいなら、クリップオンなどのハンズフリー機能の充実している製品のほうが快適性は高くなります。
また、「ウエストファン」や「セナクールPlus」のように、衣服の中の熱気を逃してさっぱりするようなタイプは、夏場の汗びしょシャツで悩んでいる人にとっては“クールな解決策”となるでしょう。
まずは自分がどんなシチュエーションで風を浴びたいか? を考えて選択するのがおすすめです。