これからトレンドになる? サンワサプライのウエストファン「400-TOY048」をレビュー!
2025年8月は、全国的に気温が平年より高く、猛烈な暑さが続く見込み。9月も同じで、残暑が厳しそうということで、 わかりやすく今年も「暑さジゴク、来たなー」という印象です。実際、天気アプリの予報でも、猛暑日を示すエグめの赤色マークが並んでいます……。
命を大事にするなら、涼しい室内にこもってる以外の選択肢はありません。が、仕事でどうしても外出せざるを得ない場合があるでしょう。外に出るならハンディファンは欠かせない装備ですが、気温が体温に近い(35度超え)場合は、単に熱風を肌に当てるだけになるため、逆に熱中症リスクを高めてしまうのだとか。
そんな過酷な状況で試してみてほしいのが、衣服の下に風を通すウエストファンなんです。
猛暑下の移動は、今や命がけと言っても過言ではありません。
ただ歩くだけでも全身から汗がだくだくと湧き出し、衣服は絞れるほどに汗が染みて重い。ぶっちゃけ、外出中の熱ダメージを完全に防ぐのは難しいとして、せめて汗びしょのシャツが背中にベトォ……と貼り付く、あの気持ち悪さだけでもなんとかしたいんですよ。
サンワサプライのウエストファン「400-TOY048」は同社の通販サイト「サンワダイレクト」限定製品
サンワサプライの「400-TOY048」 は、まさにその汗びしょの不快さを解消するために作られた、腰のベルトに装着して使う「ウエストファン」(ベルトファン)。
ウエストファンという製品自体は、実は昨年2024年の夏前ぐらいから注目されはじめた新ジャンル。なので、まだ知らない人も多いようですが、これが予想以上に快適!
右は中国製ウエストファンの2024年モデル。腰に付けるとあからさまにジャマだったので、左の「400-TOY048」 くらいスリム化したのはありがたい!
実は私、自堕落王(ジダラキング)も、2024年夏から中国製のウエストファンを使っていて、かなり助けられました。
しかも、2025年の新製品「400-TOY048」は、見てわかるとおり、かなりスリム化しており、腰に装着するのも大幅にラクになりました。
電源ボタン長押しで、電源をオン/オフ。1回押すたびに風量がアップ(5段階)します
空気の取り込みは、表裏の各クリップの下にある吸気口から
送風は本体上部から。スリムな外見からは意外に感じるぐらい勢いのある風が出ます
使うときは、まず裏面のベルトクリップを腰ベルトの背中側に挿し込んで固定します。
次いで、シャツの内側に本体上部の送風口を入れたら、表面の上向きクリップにシャツの裾を挿し込んで、準備完了。
後は、底部の電源ボタン長押しで起動すると、送風口からシャツの内側へゴーッと風が吹き出すという仕組みです。
腰のベルトに本体のクリップを挿し込んで装着
上面の送風口をシャツの内側に入れたら、吸気口をシャツが塞がないよう、上向きクリップでシャツの裾を固定します
まず感じるのは、風が当たる面積の広さ。たっぷりとした風量が背中全体に当たるので、冷却効率はかなり高そう。シャツの中のムワッと蒸れた空気を襟首から外へ押し出してくれるので、不快な蒸れ感は大幅に軽減されたように感じます。
要するに、工事現場などで多用されている「空調服」(ファン付きジャケット)の簡易版だと思ってもらえばいいでしょう。
電源を入れると、背中から襟首にかけて風が抜けていって、めちゃくちゃ気持ちいい!
何より、背中全面の汗が一気に乾くことで、背中はサラサラに。これは本当に爽快!
お腹から胸にかけて汗をかいているなら、ベルトの装着位置を前にすればOK。ベルトのどこに装着しても、シャツの中の蒸れが一発で吹き飛びます。
とはいえ、屋外のガチ猛暑で本当にちゃんと効くのか? は検証しておくべきでしょう。
検証時の外気温は約36度。呼吸するたびに熱気が鼻を通って、脳までゆだりそう。外に出て撮影の準備を整えるのに20分ほどかかりましたが、それだけでもう汗が止まりません。
猛暑というか、爆暑というか。ハンディファンからはドライヤーみたいな熱風しか来ません
ひとまずハンディファンで顔に風を当ててみたんですが、こうまで気温が高いと“焼け石に風”。少なくとも、汗を引かせるほどの効果は期待できない状況です。
お見苦しくて恐縮ですが(下の写真)、背中のTシャツも汗でどえらいことになってしまいました。
なので、早速「400-TOY048」を腰に装着して起動しましょう。風量もいきなり5段階のMAXで。
背中に風が通ることで広範囲で気化冷却が起きるため、かなり快適に
まず言っておくと、残念ながらこの段階で「わー、涼しい!」とはなりません。
あくまでも、外気を取り込んでシャツの中に送り込むものなので、送風口からの風も外気と同じ温度です。
しかしそれでも、シャツの中のムワムワ蒸れ蒸れエアよりははるかにマシ。強い風によって蒸れを一気に外へ押し出してくれるので、ものの数分もしないうちに背中がサラッと乾いてしまいました。
汗が気化することで体温も次第に下がってくるため、暑さによる不快感の半分ぐらいは解消された気がします。
ウエスト(ベルト)ファン「400-TOY048」の装着前と、装着後に運転させて10分ほど経過した状態との比較。全体的に汗でじっとり変色していたTシャツが、サラッと乾いてきてます。特に腰周りは変化がハッキリと見て取れます
いつもの汗だく状態でアイスクリームや冷たいドリンクを摂取しても、すぐ汗になって出てしまいますが、ウエストファンで汗が乾かされていると、ちゃんと体内が冷やされている感じに。普段以上に冷たいもののありがたみが身に染みます。
さらに、コンビニなど、エアコンの効いた場所に入ると、シャツの中の風も一気に急冷されます。なんなら、慌ててファンをオフにしないと、背中を中心に全身が冷えすぎて大変なことになるほどでした。
ただし、リュックはファンの風をせき止めてしまうため、併用はほぼ無理
いろいろと効果は高いウエストファンですが、リュックとの相性が悪いというのは言っておきたいところ。背中に風を送りたくても、リュックの重みで背中とシャツが密着してしまうと、風が通らなくなってしまいます。
一応、クリップをリュックの肩ストラップに装着することで、手ぶらファンとして活用することは可能ですが、これだと普通のハンディファンと同様の効果にしかなりません。
リュックの肩ストラップに本機を付けると、手ぶらで風が受けられます。とはいっても、ベルト装着時ほどの効果は得られないので、やっぱりリュックとは相性悪いなーという印象
クリップ部からスタンドを引き出すと、据え置きファンにも変形。室内に戻ってきてまず汗を引かせたい、というときには便利かも
あと、ファンのノイズが割と大きいので、場合によっては周囲から注目されてしまうことはありそう。普通に屋外を歩いているだけならほぼ問題はありませんが、屋内だとちょっと目立つかも。特に電車に乗るときなどは、電源オフを心掛けたほうがいいかも。
このガチ猛暑の中、ハンディファンのピンポイントの風で汗を引かせるのは、なかなか難しいところ。その点、シャツの中に風を通すウエストファンはかなり効果ありだと感じられました。
汗を乾かせば気化冷却で体温は下がるし、人に会うときも汗だく状態が避けられるのはありがたい。特に汗をかきがちな人にとって、使うメリットは大きそうです。
今はまだ手持ちハンディファンのほうが人気ですが、今後おそらくウエストファンの注目は高まると予想されるので、今のうちからチェックしておくといいかも。
●サンワサプライ「400-TOY048」SPEC表
・サイズ:12(幅)×8.2(奥行)×4.2(高さ)cm
・重量:約230g
・電源:リチウムイオン電池
・コネクタ:USB Type-C
・充電時間満充電:約3.5時間
・風量調節:5段階
・使用時間:風速1段階目/約9時間〜風速5段階目/約1時間40分