連日暑さが続き、今年もいよいよ本格的な暑さが到来。今年の夏は外出先でハンディファンが欠かせないという人は多いと思います。とはいえ、ハンディファンを使用していて気づくのは、手持ちすることによって片手が塞がってしまうこと。いまや屋外を移動するには日傘はマストだし、できれば冷たいドリンクで水分補給しながら歩きたい。ついでに立ち止まってスマホで涼めるカフェを探すなど、夏場は手が何本あっても足りない状況です。
そんなふうに感じている人に試してもらいたいのが、装着型のひんやりガジェット。ベルトファンやペルチェ冷却プレート式クーラーを身に着けることで、ハンディファンとは違って握っていた手を空けられます。
ぶっちゃけ、これはかなり大きなアドバンテージです。
もちろん、ハンズフリーだけに限らず、装着型ひんやりガジェットは肝心の冷却性能の点でもメリットがあるんです。今回は、この夏試してみる価値のある装着型ひんやりガジェット3選をお届けします。
夏場の屋外では手が何本あっても足りません!
ライフオンプロダクツ「PRISMATE 襟エアーファン」
ハンディファン系で最も「おっ、こう来たか!」と感心しているのが、ライフオンプロダクツの「PRISMATE 襟エアーファン」です。ちょっと変わったネーミングですが、実のところ、機能そのままを表しています。本機はファン本体を襟に装着して、衣服の中に外気を取り込むことを主眼にした製品なんです。
皆さんもハンディファンを使っているときに絶対にやったことがあると思います。シャツの襟元を広げて、中に向けてブォォォォッて風を送り込むやつ。
あれ、本当に涼しくて気持ちいいですよね。
というのも、服の中は汗がうまく蒸発せず、蒸れ蒸れなうえ、体温でムンムンに温められた空気は逃げ場がなく溜まりっぱなし。そんなところに襟元から外気を送り込んでやると、
・汗が蒸発しやすくなり、気化熱冷却が促進され、広範囲で体感温度が下がる
・湿度MAXの空気が外気と交換され、サッパリ感アップ
……というダブルの涼感が得られます。そりゃ、気持ちいいのも当たり前です。
その半面、襟に着けるファンは見た目が悪いのがデメリット。また、片手で襟元を広げて、残った片手でファンを操作することになるので、操作時に両手が塞がってしまうのも問題です。
ところが「PRISMATE 襟エアーファン」では、こうした課題がまるっと解決されています。使うときはファン本体を襟元からシャツの中に挿し入れ、クリップで襟に固定するだけ。あとは電源を入れると、本体先端の送風口から風が吹き出します。
これによって中で空気が大きく動き、蒸れた空気は外側へ排出。汗が乾くことで体感温度が下がってサッパリします。これこそが普通のハンディファンでは得られない、装着型ひんやりガジェットの真骨頂です。
本体重量はわずか55g。この軽さなら、シャツの襟元がだらーんと伸びる心配はあまりないはず
本体の構造をよく見ると、実はクリップオン状態だと吸気口も服の中にあるんですね。つまり、服の中の空気を吸って、服の中に吹き出すという流れになります
上記の構造を見て、もしかして「単に服の中で蒸れ蒸れホカホカの空気が循環するだけなのでは……?」と、使う前は思いましたが、意外とそんなことはありませんでした。空気の流れが発生することによって、襟元や裾から蒸れた空気が逃げていくので、予想以上にしっかり、サッパリ涼しくなれるんです。
また、吸気口自体は肌に密着して塞がらないような構造になっているのも、よくできていると感じます。
ネックストラップを装着すれば、クリップを使わず服の中に吊したり、ハンズフリーファンとして使ったりすることもできます
読者のなかには、汗びっしょりの服に本体を突っ込んで肌に触れさせるのは清潔さの点で「アリなの?」と思った人もいるかもしれませんが、その辺もしっかりとケアされているので心配無用です。本体外装のプラスチックには銀系抗菌剤が練り込まれており、抗菌性能に関しては「SIAAマーク」(抗菌製品技術協議会認証)を取得しています。
もちろん使った後はしっかりと汗を拭き取っておくべきですが、製品自体にこうした気遣いが盛り込まれているのはありがたいですよね。
サンワサプライ「FAN-USB2BK」
先述の「PRISMATE 襟エアーファン」がシャツの“襟首側から風を入れる”のに対して、腰に装着して“裾側から風を入れる”方式を採用したのが、サンワサプライ「FAN-USB2BK」です。
装着する場所は異なりますが、「衣服の中に送風して汗を気化させて体感温度を下げる」という方法は同じ。背中や腹の汗を気化させて一気に体感温度を下げられるし、風速によっては汗でぬれた衣服を乾かす効果もあって、快適です。
「FAN-USB2BK」は、2〜3年前からじわじわと注目度が上がってきている「ベルトファン」と呼ばれるタイプ。腰のベルト部分に本体のクリップを挟み込むのが基本的な装着方法です
ベルトにクリップオンして本体をシャツの中に入れたら、準備完了。スイッチをオンにすると、本体上側の送風口から強力な風が吹き出てシャツの中を循環し、汗を気化させつつ、蒸れて湿った空気を追い出してくれます。
風量は100段階で調節でき、最大風速は5.7m/s。ハンディファンに比べてやや強めといった風速ですが、シャツの中では風が拡散しないため、実際にはかなり強力な印象を受けます
腰付近から入った風が背中から肩甲骨、そして襟首へと抜けていく感覚は爽快そのもの。汗でびしょびしょの肌がサーッと乾いていくのを感じられました
気温が体温に近い状態(35度以上)になると、通常のハンディファンは熱風を吹き付けるだけでむしろ不快に感じることもあります。その点、ベルトファンは広い面積の汗を気化熱冷却できるため、気温が高くても涼感が得られやすいです。また、5.7m/sの風速によってTシャツや肌着を乾燥させる効果も得られるので、さらに快適さがアップします。
ベルトファンは、弱点として吸気口がシャツの裾などで塞がれてしまう点があげられますが、「FAN-USB2BK」の吸気口は直接シャツなどが被りにくい構造。従来の製品よりも進化したポイントで、ここ数年ベルトファンを愛好している筆者もよくできているなと感心したポイントです
腰にベルトオンする以外にも、たとえばクリップでリュックの肩ストラップに挟んだり、日傘のシャフトに挟んだりと装着の自由度はなかなかに高めです。クリップは360度回転&クリックで角度を固定できるので、自分の姿勢に合わせて風向を調整できます。
さらには、付属のストラップを使用すれば、首提げファンとしても使えます。ハンズフリーで使いやすいように設計されているため、外出先で手を空けておきたい人にはベストマッチと言えそうです。
こんな感じでリュックの肩ストラップに取り付ければ、ハンズフリーで風を浴びることも
もう1点、3000mAhの内蔵バッテリーに安全性の高い半固体電池が採用されているのもうれしいところ。腰などに装着するものだけに、耐衝撃性が高く、かつ発火・発熱リスクの少ないバッテリーのほうがありがたいのは当然です。
ソニー「REON POCKET 6」
最後に紹介するのは、ソニーのウェアラブルサーモデバイス「REON POCKET 6」。本機は、今回紹介している3モデルのなかで唯一の“非送風型”ひんやりガジェットです。ファンからの風を浴びるのではなく、大型のペルチェ素子冷却プレートを首元に当てて涼を取る方式となっています。
ちなみに、ペルチェ素子というのは、電流を流すことで片面が冷却(吸熱)し、その裏面が発熱する半導体素子のこと。冷却面は使用環境によっては周囲の温度に対して-10度から-20度ほど冷えるとされ、送風のみのファンとは違い、肌に直接触れさせることで確実にひんやり感が得られるのが特徴です。
装着するには、2本のネックバンドを広げて首に掛け、本体を襟首からシャツの中に挿し込み、冷却面が首の後ろのくぼみに密着するように位置を調整します
ユニークなのがこの冷却面の形状。ゆるやかに弓なりのカーブを描いています。このカーブが装着時にいい感じに背中にフィットして冷却面が肌にぴったりと密着。冷却効率を高めるという構造です
電源を入れたら、専用アプリを起動して本体とBluetoothで接続。冷却温度を周囲の環境に合わせてコントロールしてくれる「スマートモード」を起動させることで、首から背中(肩甲骨の上端あたり)を効率的に冷やしてくれます
センシングキットとなる「RNPK-6T」には、「REON POCKET TAG2」が付属。このタグは精度の高い湿度/温度センサーを内蔵しており、身に着けておくだけで、より効率的な温度管理を行ってくれます
実際に装着してみてまず気付いたのは、とにかく付けている間がずっと涼しいこと。というのも、こうしたペルチェ素子の冷感ガジェットは“冷え慣れ”(冷感に皮膚が慣れてしまって、冷たさを感じにくくなる現象)が起きやすく、使っているうちにむしろ装着しているほうが不快に感じるケースも多くあります。
これに対して「REON POCKET 6」は、2つのペルチェ素子を交互に作動させることで、冷える場所と強さを切り替えて“冷え慣れ”を防ぐ仕組み。これが思った以上に効果的! で、試しに30度超えの屋外で1時間以上装着していたんですが、最後までしっかりとひんやり感が得られました。これまでにいくつもペルチェ素子を使ったネッククーラーなどを試用してきましたが、それらとは明らかに別物といった印象です。
正直、試用前は「うーん、さすがにお値段が高すぎでしょ……」(価格.com最安価格25,300円、2026年7月15日時点、「RNPK-6」の場合)と思っていたんですが、試用後はガチで購入を検討するぐらいに気に入りました。お値段なりの価値が確実にあると思います。
装着型ひんやりガジェットのメリットは、大きく2つあります。
・ハンズフリーで使えて手軽
・ハンディファンよりも体感温度を下げやすい
なかでも、ハンディファンよりも体感温度を下げやすいというメリットは大きいと感じます。なぜなら、今後、猛暑日・酷暑日が続くような気候になると、普通のハンディファンでは対処できないシーンは確実に増えるはずだからです。
今回紹介した「PRISMATE 襟エアーファン」「FAN-USB2BK」など、装着型のファンはシャツの中の汗を気化させるので広範囲で冷感が得られやすいですし、「REON POCKET 6」のように肌を直接冷やしてくれるモデルはひんやり効率が高いと感じます。身体に装着するのでシーンによって使い勝手に難がある場合もありますが、涼しさの点ではハンディファンを上回ると言っていいでしょう。
ハンディファンよりもさらに涼しくなれる装着型ひんやりガジェットは、今後さらに注目度がアップするはず。ぜひ試してみてください。