今年の夏もエアコンが欠かせない日々が続きそうですが、「工事までに時間がかかる」「工事費用が高い」「設置できない部屋がある」などの悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。そんな悩みを解決するツールとして、ここではポータブルクーラーをご紹介します。
気象庁は2026年4月、最高気温が40度以上になる日の名称を「酷暑日(こくしょび)」に決定。近年の夏は記録的な暑さに対する対策が欠かせません
近年は猛暑が常態化しており、エアコンなしに夏を乗り切るのは困難な状況になっています。とはいえ、自宅のすべての部屋にエアコンを設置できるとは限りません。室外機の設置スペースを確保できない場合や壁面工事が難しい場合、また、エアコンの取り付けは可能でも施工工事の繁忙期で、すぐに工事ができないケースなどもあるでしょう。
そんな背景から、じわりじわりと注目度を高めているツールがポータブルクーラーです。
ポータブルクーラーの利点はズバリ、工事不要で購入後すぐに使えること。配管穴がなく、エアコン設置が難しい個室やキッチン、ガレージなどでも、ポンと置いて冷風運転をオンにするだけで涼を取れます。
空気の冷却方式は、冷媒を循環させて部屋の空気の熱を吸収して室外に放出し、冷たい空気を部屋に戻すエアコンと同様の圧縮式(コンプレッサー式)と、水や氷の気化熱を利用して体感温度を下げる気化式(冷風扇)の2種類に大別されます。一般に、室内全体をしっかり冷やしたい場合は圧縮式、設置の自由度や手軽さを重視する場合は排気ダクト不要の気化式が向いています。
冷房性能については圧縮式に分があり、圧縮式を採用した製品はさまざまなメーカーから発売されています。冷風能力は2.0〜2.8kW程度が主流で、条件によりますが、目安としては6畳程度の部屋を冷やす能力を持っていると言えそうです。
通常のエアコンの場合、空気中の水蒸気が冷たい冷媒管や熱交換器に触れることで結露する、いわゆるドレン水が発生しますが、最新の圧縮式ポータブルクーラーは、ドレン水を熱交換器で蒸発させるノンドレン構造を採用している製品がほとんど。ドレン水の処理について、あれこれ考える必要は基本的にはありません。
最新のポータブルクーラーは、ドレン水を外部に排出しないノンドレン構造が一般的。排気ダクトとは別に、ドレン水処理用のホースなどを設置する必要は基本的にはありません
湿度が高い場所では、本体内部に水が溜まりやすくなることも。そんなときは、排水口から水を排出しましょう
利便性が向上してきている圧縮式ポータブルクーラーですが、留意しなければならない点もあります。それは、空気から取り除いた熱を本体の排気口から外部に逃がす必要があるという点です。排気ダクトを窓や室外に設置することで、最大の冷却性能が発揮されるように作られています。
たとえば、アイリスオーヤマの新モデル「IPK-2306SV-W」やシャープの新モデル「AV-U24S」には、専用の「窓パネル」が付属し、排気ダクトと組み合わせることで、本体の排気口から出る熱を室外へ排出できます。「窓パネル」は、窓のサイズに合わせて伸縮する仕組みで、特殊な工具や工事が不要で設置できるように設計されています。購入したその日から、すぐに部屋を涼しくできるのはありがたいですよね。
圧縮式ポータブルクーラーを使用する場合は、冷却時に発生する熱を本体の排気口から室外に逃がすようにします。付属の「窓パネル」を使用することで、排気ダクトを経由して簡単に排熱できる製品が主流です
左はアイリスオーヤマ「IPK-2306SV-W」に、右はシャープ「AV-U24S」に同梱されている窓パネルのパーツ類。いずれも工具不要で取り付けられました
最新のポータブルクーラーは、冷風モードに加え、除湿や送風モードなどを備えた製品も多く、季節や用途に応じて使い分けることが可能です。このほか、部屋の状況に合わせて風の強さを弱/中/強などに切り替えられる製品、就寝時でも気軽に使用できる静音性の高い製品も登場するなど、年々着実に進化してきています。酷暑を乗り切る有効な選択肢のひとつとして、ぜひポータブルクーラーにも注目してみてください。
最新のポータブルクーラーは用途に合わせて多彩な運転モードを使い分けられるなど、機能性も向上しています
アイリスオーヤマ「IPK-2306SV-W」
冷風能力2.3(1.2〜2.6)kWを備えた、アイリスオーヤマのポータブルクーラー。排気ダクトと「窓パネル」を使用することで、室外へ簡単に排熱できるほか、冷風、除湿、送風に対応し、1台3役で活躍します。インバーターを内蔵するため、45dB未満に抑える低騒音運転へ切り替えられるのもうれしいポイント。かゆいところに手が届くポータブルクーラーです。
シャープ「AV-U24S」
熱交換器の面積を大型化することで、高い冷却効率を実現。冷風能力2.1kW(50Hz)/2.4kW(60Hz)のパワフルな冷風を最大8mの距離まで届ける能力を持ちます。運転モードは、冷風/除湿/送風の3モード。風量の自動調節機能や転倒時停止機能を搭載した高機能かつ安全設計なモデルです。
ナカトミ「MAC-20N」
手軽に設置できるコンパクトボディで移動させやすいのが特徴。リビングなどの高さのある窓に対応できる「テラス窓用パネル」(別売)が用意されているため、設置の自由度も高いです。サーマルプロテクター(復帰式過熱保護装置)を内蔵し、モーターを過負荷や異常電流から保護します。冷風能力は2.0kW(50Hz)/2.3kW(60Hz)。
ハイセンス「HPAC-22S」
インテリアに溶け込むミニマルなデザインのコンパクトボディで設置場所を選びません。夜間でも操作しやすいバックライト付きのリモコンは温度感知システムを搭載し、より体感に近い温度に合わせたコントロールを行います。除湿モードやタイマー設定、すぐに涼みたいときに重宝するパワフルモードなど、多機能ぶりも光る1台です。冷風能力は2.0kW(50Hz)/2.2kW(60Hz)。