レイコップのヒットを受け、さまざまなメーカーが布団クリーナー市場に参入する中、満を持してパナソニックから登場した「MC-DF500G」は業界初の“紙パック式”。サイクロン式で起こりやすいごみ捨て時のハウスダストの舞い上がりが抑えられるのがウリの1つとなっている。さらに、布団がキレイになったかをわかるようにするセンサーとランプを搭載することで、“頑張ろう! と気構えなくても、隅々まで&しっかり掃除できる”を実現。その使い勝手を調査してみた。
サイズは29.2(幅)×17.2(高さ)×36.4(奥行)cm
紙パック式とは言っても、布団を掃除する基本的な構造は同じ。布団と接する部分に、ゴミを繊維からたたき出すパーツと吸込口がある。加えて、パナソニックの掃除機ではお馴染みの「ハウスダスト発見センサー」も装備。これはゴミがあると赤く点灯し、キレイになると青色に変わるというものだ。約20μmのハウスダストまで検知できるので、ダニの死がいやフンといったアレルゲンの取り残しを防ぐ。ハウスダスト発見センサー非搭載の布団クリーナーと比べると、ゴミの除去量は約1.5倍アップするという。
前方中央にある「ビートブラシ」(緑色の囲み部分)が毎分6,000回振動することで、布団の中のホコリを叩き出す。ビートブラシと連なっている青いブラシはモーター式となっており、走行をサポート。ただし、安全性を配慮し、電源をONにしただけでは回転しないようになっている。本体を動かすと(水色のローラーが回転すると)、青いブラシが回転する仕様だ
後方にあるローラーも走行性をよくするためのものではあるが、うしろに向けて細くなっている形状がポイント。本体を引く際の抵抗が減るのだそう
吸い込まれたゴミは、紙パックに蓄積される。集じん容積は0.35L
ハウスダスト発見センサーは吸込口と紙パックの間に搭載されており、通過する空気の中にゴミがあるかを検知する。天面のライトが青く点灯すれば、キレイになった証拠だ
さっそく、MC-DF500Gでシングルサイズの綿布団を掃除してみる。掃除はスイッチをONにするだけなので、迷うことはない。ちなみに、MC-DF500Gはコードを差して使う仕様。コードの長さは5mあるため、コンセントの位置をそれほど気にすることはないだろう。
搭載されているスイッチは1つのみ。持ち手部分にあるスイッチをONにしたら、稼働する
まずは、敷布団から掃除機がけしてみる。比較的フラットなので、布団にひっかかりもなくスムーズに走行。運転音は73dBとなっており、一般的な掃除機より少し大きい感じだ
掃除してすぐに気になったのは、赤く光るランプ。ハウスダストが布団に残っていることをガンガン告げてくる。筆者は比較的マメに布団を掃除機で吸うなどして清潔にしているので、移動させるごとに赤く点灯する状況にショックを受けた
「ランプが青色になったら移動」を意識しながら、布団全体にMC-DF500Gをすべらせていく。ランプに注意しながら掃除したので、いつもよりも長めに掃除機がけしてしまった
布団クリーナーは重いことが多く、掃除機がけしていると手首が痛くなることがあるが、MC-DF500Gは重量が2kgなので手首に違和感を感じることがなかった。片方の手で枕を持ち上げて掃除したりもしやすい
モーター式のブラシがあるためか、引っかかりが激しくなりがちな掛け布団でも本体にまとわりつくこともなく比較的快適に動かせた
排気口は側面にあるため、手や顔に風がかかることもなく不快感ゼロ
あまりにも快適に動かせるので、布団だけでなくソファーなどにも使用。座布団やクッションに使ってもOK
本体の軽さやモーター式のブラシの効果もあり、操作性は上々。押し引きに関わらず、スルスル動く印象だ。だが、少し気になっていることがある。それは、吸込口のサイズ。一般的な布団掃除機に比べて小さいように感じる。本体幅は29.2cmあるが、吸込口は3cmほど(筆者測定)。「本体が通過した部分は掃除した」という認識になりやすいので、できるだけ本体幅に近い吸引を望みたい。そこで、どの程度吸じんしているのかをテストしてみた。
賞味期限切れの小麦粉を一直線に散布。ハウスダスト発見センサーのランプが青色に変わるまで、同じ場所を往復させる
ランプが青になったのは5往復後。実環境では今回の検証のようにゴミが大量にある状態にはならないため、もっと早くキレイになるのは間違いないが、たたき上げながら吸い込んでいるおかげか、吸込口直下にない周囲の小麦粉も吸い込まれていた。本体幅めいっぱいに吸うとまではいかないが、吸込口のサイズよりも広域を一度に掃除できそう
紙パックの交換は月1回程度と取扱説明書に記されているが、吸引力が弱くなってきたように感じたり、吸引時に「シュー」という音がし始めたら交換したほうがいい。今回は数日間しか使用していないが、交換の手間やゴミの取れ具合を確かめるために紙パックを取り出してみる。
天面のフタを開けて、紙パックを取り出してゴミ箱に捨てれば廃棄完了
紙パックを取り出すと、排気口の手前にフィルターを発見。万が一、紙パックから漏れたゴミがあってもフィルターで捕獲してくれる。フィルターも紙パックの交換時に水洗いするのが望ましい
3日間使用したゴミの取れ具合を確かめてみた(小麦粉での検証は含まず)。連日掃除したにも関わらず、綿ゴミや砂ゴミがたっぷり。ハウスダスト発見センサーで、つい入念に掃除機がけしてしまう成果かも!?
ゴミが溜まった紙パックを捨てたら、新品をセット。ダンボール部分を差し込んで、パックを折り入れるだけなので難しくはない。10枚1セットになった「AMC-U2」の希望小売価格は860円
サイクロン式の布団クリーナーは、ダストカップに溜まったゴミをこまめに捨てなければならない。その際、問題となるのがホコリやハウスダストの舞い上がり。これは布団用の掃除機だけでなく、掃除機全般に共通することだ。ゆえに、ゴミ捨て時の舞い上がりを懸念する人は紙パック式を選択することが多い。これまで布団クリーナーにはサイクロン式しかなかったが、MC-DF500Gの登場により紙パック式という選択肢が増えた。ランニングコストは必要だが、非常に価値のある存在だといえる。
また、温風やUVといった特別な機能はないものの、その効果に疑問を持つ人たちにとっては掃除機の基本性能だけで勝負しているMC-DF500Gに魅力を感じるのではないだろうか。3日間試したゴミの取れ具合も上々で、吸じんにも不服はなかった。それに加え、「操作が苦にならないから掃除をサボらなくなる」「ハウスダスト発見センサーがあるから入念に掃除してしまう」という、自然に掃除できる仕掛けがあるのもうれしい。