筆者がゴルフを始めたのは社会人になってから。「止まってるボールが打てないわけないだろう」という思いで始めたものの、初ラウンドのスコアは168。その後、「こんなはずはない」との覚悟で練習にはげんだ結果、何とか恥ずかしくないスコアで回れるまでに至りました。その間、打ちっぱなしでボールを打ち続け、数え切れないほどの練習器具を購入し、山のようなレッスン書と雑誌を読みまくりました。ひざを悪くしたこともあり、一時期はゴルフから遠ざかっていたのですが、縁あって再開することに。しかし、昔取った杵柄はどこへやらで、飛距離もスコアもメタメタ…。となるとやはり「練習しかない!」との結論に至り、こんなものを購入してみました。
ということで購入したのはこちら
筆者が購入したのは「アーニーエルス トレーニングシステム(ERNIE ELS TRAINING SYSTEM BY JIM FLOOD)」。この手の練習器具は結構高価なものが多いのですが、販売価格が想像以上にお安い(ショップによって異なりますが、だいたい1,000円ちょっと)のです。しかも4度のメジャー制覇を誇る名選手“アーニー・エルス”の名前を冠しており、“スイング練習器具1点”に“パター練習器具2点”が同梱(どうこん)された3点セットという充実ぶり。エルスの写真が若いのが気になりますが(2002年の全英オープン優勝のときの写真です)、かなりのお買い得ではないかとの判断が働き、ついつい購入してしまいました。
ちなみに、アーニー・エルスは南アフリカ出身のプロゴルファーで、世界ランク1位になったこともあるトッププレイヤーです。190cmを超える大柄な体躯(たいく)と穏やかな性格、ゆったりとしたスイングから付いたニックネームは「ビッグイージー」。抜群の飛距離と正確性を誇るショットが特長で、筆者が大好きなゴルファーの1人です。今でも現役で活躍しています。
それでは実際に使ってみましょう。箱の中には「TEMPO-TIMER(テンポ・タイマー)」、「ROCKROLLER(ロックローラー)」、「STIMPDIMPLE(スティンプディンプル)」という3種類の練習器具がセットされています。
中はこんな感じ。DVD以外は、このままではどのように使うのかよくわかりませんね
練習器具だけを並べてみましょう。上が「TEMPO-TIMER」、左下が「ROCKROLLER」、右下が「STIMPDIMPLE」です
ゴルフにおいて飛距離と正確性を向上させる方法は、スイングプレーン(クラブの軌道が描く面)を安定させて、タイミングよくスイングすること。TEMPO-TIMERは、そんなゴルファーの願いである、「より距離を出し、より正確なショット」を身に付けるための練習器具です。クラブにセットしてスイングするだけで理想的なスイングを目指します。
TEMPO-TIMERをドライバーのシャフトの先端部分に取り付けます
付属のストラップをしっかりと締めて固定します。このとき、一番長いストラップをクラブヘッドの近くに、溝の部分がフェースと同じ方向(飛球線方向)に向くようにします
後は実際にスイングするだけ。スイングの様子をムービーでご覧ください
素振りをするだけでも効果がありそう
ヘッド部分を極端に重くすることでスイングプレーンを安定させるタイプの練習器具で、同様のコンセプトの商品は各社から販売されています。他社の商品も使ったこともありますが、確かにヘッドを効かせてゆっくりとしたスイングを繰り返すことで、安定したスイングになってきます。本製品は、ドライバーに限らず、練習したいクラブに取り付けられるのがいいですね。
なお、取扱説明書にはTEMPO-TIMERを取り付けたままで実際にボールを打つとありますが、シャフトの先端部分を固定した状態でボールを打つのは、シャフトが大きくしなることを考えるとどうも気が進みませんでした。なので、筆者はもっぱら素振りに集中しております。ボールを打たなくても、クラブをコントロールする感覚が養えるように思えます。
パッティングの基本は、パター、両腕、両肩が、頭や胴体から独立した1つのユニットとして動くこと。ROCKROLLERを装着することで、パターグリップ、両腕、両肩を結んだ三角形のユニットをしっかりとキープ。その状態でストロークの練習を繰り返せば、頭と胴体を静止した状態での理想的なパッティングフォームを身に付けられます。
パターグリップ上部にある通気孔にROCKROLLERの挿し込み棒(とがった金属部分)を挿し込みます
「ERNIE ELS ROCKROLLER」の文字が左から読めるような位置に固定したら、パイプ部分のバイセップY(赤い部品)を挿入し回転させて腕の位置に合わせます
後は、ストロークの練習を繰り返すだけ。こちらもムービーをご覧ください
自室でも使えるのがいいところ
パッティングに決まった形はないともいわれますが、やはり基本は大事。安定したストロークなくして正確なパッティングは身に付きません。実際のパッティングではついつい力んで、三角形のユニットが崩れてしまいがち。手首でパチンと打って距離感を調整するパッティング方法もありますが、筆者の場合はストロークの大きさで調整するほうが結果的には距離感も安定してきます。ドライバーと違ってパターはクラブの長さが短いため自室でも練習できるので、完璧なパッティングストロークを身に付けるべく日々練習に励んでおります。
パッティングのテンポとスピードを身に付けるための練習器具です。パターにセットしてストロークするだけでOK。
シャフトの細い部分からSTIMPDIMPLEを差し込みます
グリップのほうへスライドし固定
パターヘッドと水平に固定したらボールをくぼみに乗せてパッティングします
グリーン上ではないのですが、使用方法はこんな感じです
テンポが一定のストロークを目指す
これは今まで試したことのない練習器具です。実際のパッティングでは、インパクトの瞬間に急に力を入れてしまったり、逆に力を弱めてしまったりということがよくあります。筆者の場合、特にショートパットでこれらの傾向が顕著で、50cm程度の短いパットすら外すことがあります。STIMP DIMPLEを取り付けた状態では、一定のテンポできちんとストロークしないとくぼみに置いたボールが落っこちてしまいます。規則正しい一定リズムのパッティングストロークを身に付けるには、おもしろい練習器具だと思います。
ゴルフは年齢に関係なくいつまでも楽しめるのがいいですね。もちろん、体力では若いプレイヤーにかないませんが、その分は経験とテクニックで補えます。今回ご紹介した練習器具は、いずれもゴルフの基礎中の基礎の部分を訓練するのに好適なものばかり。継続こそ力なり、退屈な反復練習の積み重ねこそがスコアアップの近道ですぞ!
主に東京の湾岸エリアに生息しているが、中国、タイ、インドネシアなどでの発見情報もあり、その実態は定かではない。仲間うちでは「おっちゃん」と呼ばれることも。