レビュー

足腰に悩みを抱える人が履くべきMBT「ウラカン 3」! よい姿勢をサポートするコンディショニングシューズ

暖かくなると、身体を動かすモチベーションが高まるもの。早朝や深夜にウォーキングやジョギングをしても寒さが気になることが少なくなり、汗冷えの心配も少ない。また、薄着になるとお腹周りが気になってきて、少しダイエットをしようかと思っている人も多いのではないだろうか。

いっぽうで、いざウォーキングやジョギングをスタートするとき、ケガを予防する意味でもシューズはしっかりと選びたいところ。健康のために始めるウォーキングやジョギングを、不必要なケガで断念するのはとてももったいないからだ。とはいえ、せっかくシューズを新調するなら、ウォーキングやジョギング時だけでなく、できれば日常使いもしたい。今回紹介するMBT(エムビーティー)の「ウラカン 3 レースアップ(HURACAN 3 LACE UP)」はそんなわがままに応えてくれるシューズだ。

MBT「ウラカン 3 レースアップ(HURACAN 3 LACE UP)」は今シーズンの新作。公式サイト価格は28,600円(税込)

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90年代にスイスで生まれたコンディショニングシューズ

MBTが誕生したのは1996年。スイスのメカニカルエンジニア、カール・ミューラー氏によって開発された。膝や腰の痛みに悩まされていたミューラー氏は、やわらかい土の上を裸足で歩いた後にその痛みが軽減されることに気がつく。そこで、アスファルトの上でも土の地面を歩いているようなやわらかさと適度な不安定さを再現する、画期的なソールを開発したのだ。

ブランド名のMBTは、Masai Barefoot Technologyの頭文字をとったもの。大自然を裸足で歩くマサイ族と同じ運動をアスファルト上で再現することからその名が付けられた。

MBTと聞いて「懐かしい」と感じた方もいるのではないだろうか。日本に上陸したのは2000年代の前半。履いて歩いているだけで自然に姿勢が整う、身体のバランスが整う話題になった。また、2010年頃に女性を中心にトーニングシューズ(履いて歩くとカロリー消費が増す、筋力アップが期待できるとされたシューズ)が流行になった際にも、MBTのシューズが再評価された。

ボリュームのあるミッドソール、船底のようなカーブを描いたソール形状がMBTのシューズの特徴。硬いアスファルトの上を歩いた際にも、身体は砂浜を歩いているかのような動きになるという

ボリュームのあるミッドソール、船底のようなカーブを描いたソール形状がMBTのシューズの特徴。硬いアスファルトの上を歩いた際にも、身体は砂浜を歩いているかのような動きになるという

アメリカ足病医学協会が認める機能性

MBTのソールは特許構造を備えている。

・歩行中の足裏の圧力分布を適切に保ち、重心移動をサポートするシャンク
・着地の際にかかとのソフトな沈み込みをうながす「MBTセンサー」
・ローリング動作の支点となるピボットアクシスを備えた厚底ミッドソール
・耐久性にすぐれたラバーのアウトソール

これらが一体となって、姿勢維持に必要な筋肉の活性化やリカバリーをうながし、美しい姿勢への意識を高める。

また、アメリカ足病医学協会(American Podiatric Medical Association)が、日常的に履くことで足の健康維持や足の病気予防、足の治療中の人に役立つ製品であるとみなしたものに与えるAPMA認定を取得しているシューズでもある。

特許構造のソールによりスムーズな重心移動をうながしながら、姿勢維持に必要な筋肉を活性化する

特許構造のソールによりスムーズな重心移動をうながしながら、姿勢維持に必要な筋肉を活性化する

アウトソールには耐久性にすぐれたラバーを使用

アウトソールには耐久性にすぐれたラバーを使用

身体がおのずとよい姿勢を維持しようとする!

MBTのシューズを履くとき、支点となるピボットアクシス(シューズ中足部に位置する最も盛り上がっている部分)に乗って立つのが基本姿勢。両足を平行にし、足と足の間はこぶし1つ分空けるか腰幅に設定し、視線はまっすぐ前方へ向けることが推奨されている。

立っているとき、歩いているとき、常にこのピボットアクシスを意識する必要がある(慣れれば自然にできるようになる)のだが、そこを意識するだけで、自然と背すじが伸び、腰高のポジションになる。これはまさにMBTが狙った効果なのだろう。

MBTの公式動画の説明によれば、舗装された硬くフラットな地面をフラットな靴底で歩行するとき、バランスを取る必要がないため、姿勢維持に必要な筋肉群が衰え、不自然な前傾姿勢になってしまうという。また、かかとには強い衝撃が加わり、足関節や膝関節の負担は大きなものになる。船底のようなカーブを描いたソールが採用されたMBTのシューズの場合、やわらかな砂浜を歩いているときと同じように身体が働く。その結果、姿勢の改善、バランス能力の改善、膝痛や腰痛の緩和、筋肉活動の増加といったことが期待できるというわけだ。

歩く、走るが快適に行える「ウラカン 3」

初めてMBTのシューズを履くときは、短時間の着用からスタートし、徐々に着用時間と頻度を増やしていくことが推奨されている。筆者はMBTのシューズを履くのは初めてではなかったが、久しぶりだったこともあり、短時間のウォーキングからスタートし、徐々に時間を延ばした後にジョギングで使用した。

ウォーキング時も、ジョギング時もピボットアクシスを意識しながら、船底型のソールを転がすことを意識するとスムーズに前方へ重心移動できる。MBTが世に登場したとき、ミッドソールが分厚く、ソールが船底のようなカーブを描いたシューズはなかったため、初めて履いたときには衝撃を受けた。現在でも普段使いに特化したスニーカーでは珍しい形だが、ランニングシューズでは、分厚いミッドソールとロッカー構造を備えたタイプが一般化している(もちろん厚さや、カーブの角度、ミッドソールのやわらかさには個性があるが)。そういったシューズを履いたことがあるランナーの方であれば、違和感なくMBTのシューズを履けるはずだ。

かかとがしっかりとホールドされ、足とシューズの一体感が感じられる。クッション性にもすぐれていて快適にジョギングが楽しめる

かかとがしっかりとホールドされ、足とシューズの一体感が感じられる。クッション性にもすぐれていて快適にジョギングが楽しめる

アッパーには通気性にすぐれた素材が採用されている。サポート力も十分にある

アッパーには通気性にすぐれた素材が採用されている。サポート力も十分にある

ランナーが長距離走やリカバリー走で使うことを想定して開発された「ウラカン 3」はクッション性が高い点も特徴だ。ダイエットや健康維持を目的としたウォーキングやジョギングに適しているのはもちろん、ランナーの方がレース後のリカバリージョグで使用するのにもよさそうなシューズである。

【まとめ】コンディション維持をサポートしてくれるシューズ

猫背や反り腰といった不良姿勢は、腰痛や膝痛といったトラブルのもと。また、長く健康でいるためにも姿勢を維持するための筋力や、バランス能力は不可欠。よい姿勢への意識が高まり、履いて歩くことで体幹を鍛えることにも繋がるMBTのシューズは、足腰に不安や悩みを抱えている人に1度試してみてほしいシューズだ。

最初は立ちにくさや、歩きにくさを感じるかもしれないが、慣れれば、むしろMBTのシューズを履いた状態を気持ちよく感じてくる。姿勢を維持する筋力やバランス能力が低下している場合は、疲れやすさを感じるかもしれないが、それは身体の機能回復とともになくなっていくだろう。

筆者が試した「ウラカン 3」は、ジョギングにも活用できる汎用性の高いモデルだが、よりビジネスシーンで使いやすいデザインのモデルもラインアップされているので気になる方はチェックしてみてほしい。

ブラックカラーの「ウラカン 3 レースアップ」は日常使いもしやすく汎用性が高い

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神津文人
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神津文人
雑誌編集者(3媒体でトータル15年。モノ雑誌では副編集長を務める)を経て、フリーランスのライター&エディターに。ヘルス&フィットネス、スポーツ領域を中心に活動中。書籍の構成も手掛ける。趣味は柔術。ときどきランニング。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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