ウォーキングは時間と場所を選ばない手軽な運動。特別な道具は不要だが、ケガの予防や快適性を考慮するなら、シューズだけは自分の足にフィットした専用のものを選びたい。たとえば、バスケットボールシューズやテニスシューズが元になっているスニーカーは、ウォーキングやランニング用に設計されていないため、専用のものと比べると足の負担は大きくなるし、歩行時の快適性が劣るからだ。
国内で絶大な人気を誇っているのが、ニューバランスのウォーキングシューズ。ウォーキングシューズのカテゴリーで、2013年から10年連続で日本国内販売足数・金額No.1(※)を達成しているという。なかでも「880」はニューバランスのウォーキングを代表するロングセラー品番。歩きやすさとコーディネートしやすいデザインに定評があるモデルだ。
ウォーキングシューズに求められる機能をハイレベルで備えているニューバランス「ウォーキング フレッシュフォーム 880 v6 GTX」。公式サイト価格は18,700円(税込)
今回テストしたのは「ウォーキング フレッシュフォーム 880 v6 GTX」。「880」の最新バージョン、かつ「ゴアテックス」採用モデルだ。
モデル名から想像できるとおり、ミッドソールには「フレッシュフォーム」が採用されている。「フレッシュフォーム」は、ニューバランスのランニングシューズでおなじみの素材。砂浜を走るようなクッション性が大きな特徴だ。本モデルに採用された「フレッシュフォーム」はウォーキング用にセッティングされたもので、ランニングシューズのものよりも少し硬い。ウォーキングはランニングほど着地衝撃が大きくないからだ。
ミッドソールに採用されている「フレッシュフォーム」はウォーキング用に硬度が調整されている
実際に歩いてみると、適度なクッション性がありながらも、安定性が高く、とても歩きやすい。やわらかすぎるシューズは、長時間歩いていると、ブレを抑えるために脚の筋肉を使って逆に疲れてしまうものだが、そういった心配はなさそうだ。以前から「880」のファンで、ミッドソール素材の変更でクッション重視に寄りすぎることを心配している方もいるかもしれないが、安定性はしっかりと確保されているので安心してほしい。
ヒールカウンターが搭載されており、かかとがしっかりとホールドされる
「ウォーキング フレッシュフォーム 880 v6 GTX」には、「WALKING STRIKE PATH(ウォーキング ストライク パス)」というニューバランス独自のアウトソール構造が採用されている。運動生理学に基づいて、ウォーキングによる体重移動の軌跡を解析して開発されたもので、着地から蹴り出しまでのスムーズな重心移動をアシストしてくれ、足裏の自然な動きを妨げることもない。また、歩いていて足の動かしにくさを感じることがなく、長時間歩いていても疲れにくいのが特徴だ
アウトソールには、グリップを高める特殊配合のラバーと独自のアウトソールパターンを組み合わせることで、最上級の防滑性を発揮する「Nグリップ」を採用。雨天時も安心して歩ける。削れやすいかかと部には、耐摩耗性にすぐれた「Nデュランス」が採用されている点もうれしいところ。
スムーズな重心移動をサポートするソール構造。防滑性にもすぐれている
モデル名のGTXが示すとおり、「ウォーキング フレッシュフォーム 880 v6 GTX」にはすぐれた防水性と透湿性を備えた「ゴアテックス」が搭載されている。近年は、突然のゲリラ豪雨に見舞われる日がたびたびあるが、「ゴアテックス」搭載モデルであれば、靴の中がずぶ濡れ……という状態は回避できる。ウォーキング時はもちろん、旅行や出張に持っていく一足としても重宝するのではないだろうか。
世の中には数多くの防水素材が存在するが、「ゴアテックス」への信頼性は高い。迷ったら「ゴアテックス」を選んでおけば間違いない、と思っている人もいるのではないだろうか。
「ゴアテックス」はどうしてここまで信頼されているのだろうか。そもそも製造元のゴアテックス社は素材のメーカーで、素材を提供しているだけと思っている人もいるかもしれないが、実はそうではない。
たとえば、アウトドアメーカーやスポーツメーカーが「ゴアテックス」を使ったウェアを作ろうとしたとき、防水性・防風性・透湿性が基準を満たしているかどうかの最終製品テストをゴアテックス社が行う。ウェアの縫製を行うメーカー側の工場においても認定制度があり、ゴアテックス社が認定した工場でしかウェアが作れないのだ。
シューズの場合、アッパーの素材とブーティ型の「ゴアテックス メンブレン」を組み合わせるのはメーカー側の仕事だが、アッパーの素材や設計によっては、透湿性が基準以下になってしまうことがある。そうすると、もちろんテストは不合格となってしまう。つまり、しっかりとした品質管理体制が、ユーザーの信頼につながっているということなのだ。
ちなみに「ゴアテックス」を搭載している分、最初に足を入れたときは、ほかのウォーキングシューズやランニングシューズと比較して、アッパーの硬さを感じるかもしれないが、何度が履いているうちに足になじんでくるはずだ。
すぐれた防水透湿性を備えた「ゴアテックス」を搭載。雨の日も安心!
クッション性と安定性のバランスがよく、重心移動をアシストしてくれる独自機能を搭載。ロングセラーモデルだけあって、ウォーキングに必要な機能をハイレベルで備えている。「ゴアテックス」が搭載されているので、雨の日も安心。単純に雨天用のシューズとして持っておくのも悪くない。
筆者が試したのはブラックだが、グレーも展開されている。どちらもワントーンでまとめられているので、ビジネスシーンでも使いやすいはず。通勤時に雨に降られ、足元がずぶ濡れになると、1日中不快感とともに仕事をしなければならなくなるが、「ウォーキング フレッシュフォーム 880 v6 GTX」があれば、そんな心配をしなくて済む。
ウォーキング、出張を含めたビジネスシーン、そして旅行と、さまざまなシーンで活躍してくれるはずだ。
シンプルなデザインで活用シーンが限定されないのも魅力