レビュー

「ターボ」の正統後継者! ファン待望の「ナイキ ペガサス プラス」を試走レビュー

あらゆるランナーのためのシューズとして1983年に登場したナイキの「ペガサス」は、以来40年以上にわたって、多くのランナーのフィードバックとともに進化を続けているロングセラー。今夏には最新作である「ナイキ ペガサス 41」がリリースされたばかりだ。

そんな「ペガサス」の名の付いたニューモデル「ナイキ ペガサス プラス」が登場。「ペガサス」シリーズを愛用しているランナーや、マラソンのレースでナイキのシューズを着用しているランナーには特に必見のモデルに仕上がっている。

「ナイキ ペガサス ターボ」から着想を得たモデル

ブランド公式サイトによると、「ナイキ ペガサス プラス」は「ナイキ ペガサス ターボ」から着想を得たモデル、とある。

2018年の夏に初代モデルが登場した「ナイキ ペガサス ターボ」は、エリートランナーへのヒアリングを基に「ナイキ ペガサス」をアップグレードし、スピード性を高めたモデルとしてリリースされた。

ラスト(足型)は、当時「ナイキ ペガサス」の最新モデルだった「ナイキ ペガサス 35」のものをベースに採用。ミッドソールには、軽量でエネルギーリターンにすぐれる「ナイキ ズームX フォーム」と、クッション性・軽量性・反発性・安定性をバランスよく備える「ナイキ リアクト フォーム」を組み合わせていた。なお、翌2019年には「ナイキ ペガサス ターボ 2」がリリースされたが、以降はナンバリングモデルが登場していなかった(2022年に、環境負荷を抑えた「ナイキ ペガサス ターボ ネクスト ネイチャー」というモデルは登場している)。

プレートが搭載されていないものの、「ナイキ ズームX フォーム」のすぐれたエネルギーリターンにより高い推進力が感じられる「ナイキ ペガサス ターボ」は、筆者の知る限りでもファンが多く、新作の登場を待ち望んでいたランナーがかなりいたように思う。「ナイキ ペガサス プラス」は、そんな「ナイキ ペガサス ターボ」ファンに打ってつけのモデルなのだ。

“より軽く、より反発性にすぐれたペガサス”として登場した「ナイキ ペガサス プラス」。公式サイト価格は19,800円(税込)

“より軽く、より反発性にすぐれたペガサス”として登場した「ナイキ ペガサス プラス」。公式サイト価格は19,800円(税込)

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フルレングスで「ナイキ ズームX フォーム」を搭載

初代「ナイキ ペガサス ターボ」は、「ナイキ ズームX フォーム」と「ナイキ リアクト フォーム」を組み合わせていたが、「ナイキ ペガサス プラス」は、ナイキの持つフォーム素材の中で最も軽く、最も反発性にすぐれた「ナイキ ズームX フォーム」をフルレングスで採用。これまでリリースされてきたどの「ナイキ ペガサス ターボ」よりも、エネルギーリターンにすぐれたシューズに仕上がっているという。

アウトソールには、ナイキ ランニングの伝統的な「ワッフルソール」をベースにしたパターンのラバーアウトソールを採用(「ナイキ ペガサス ターボ ネクスト ネイチャー」も「ワッフルソール」をベースにしたパターンだった)。しかも、アウトソールの前足部中央には「PEGASUS TURBO」の文字が! 「ナイキ ペガサス プラス」が「ナイキ ペガサス ターボ」のDNAを引き継いだモデルである証しだろう。

ミッドソールにはフルレングスで「ズームX フォーム」を採用。大きなエネルギーリターンが得られる

ミッドソールにはフルレングスで「ズームX フォーム」を採用。大きなエネルギーリターンが得られる

アウトソールは「ワッフルソール」をベースにしたパターンで、しっかりと地面をとらえてくれる。「PEGASUS TURBO」の文字もポイント

アウトソールは「ワッフルソール」をベースにしたパターンで、しっかりと地面をとらえてくれる。「PEGASUS TURBO」の文字もポイント

アッパーにはソフトに足を包み込む「フライニット」を採用

アッパーは伸縮性のある「フライニット」で構成されている。足を包み込むようにフィットし、通気性、サポート性も備えている。

シュータンからつま先、さらにアウトソールまで伸びるレーシングストライプの意匠は、「ナイキ ペガサス ターボ」から受け継がれたもの。デザイン面からも「ナイキ ペガサス プラス」が「ナイキ ペガサス ターボ」の流れを汲んだモデルであることがわかる。

ヒール部分には夜間のランニング時の視認性を高めるリフレクターと、「ペガサス」の名前にちなんだ翼のマークが施されているのもポイントだ。

「フライニット」のアッパーは足にソフトにフィット

「フライニット」のアッパーは足にソフトにフィット

「ナイキ ペガサス ターボ」を彷彿とさせるレーシングストライプの意匠

「ナイキ ペガサス ターボ」を彷彿とさせるレーシングストライプの意匠

ヒール部内側にペガサスの翼のマークが!

ヒール部内側にペガサスの翼のマークが!

スピーディーに心地よく走れるシューズ

足を入れると、「フライニット」のソフトなフィット感が感じられる。ヒールカウンターによってかかとがしっかりとホールドされるので、足とシューズの一体感がある。

走り出すと、すぐにフルレングスの「ナイキ ズームX フォーム」の威力を実感できる。やわらかく、反発性があり、足がスムーズに回転していく。プレート非搭載モデルながら、かなりのスピードまで対応するのではないだろうか。エリート選手がスピードトレーニングに使用することが想定されていると思われる。

プレートなしでソフトなフォーム素材を採用した場合、気になるのが着地時のブレ。しかし、走っていてブレや不安定さを感じることはなかった。接地面積が広めに取られていて、かつアウトソールのグリップ力が高い点が安定性の確保につながっているのだろう。

無理なくスピードを出せるのが魅力

無理なくスピードを出せるのが魅力

【まとめ】「ナイキ ペガサス ターボ」を待ち望んでいたランナーに最適な一足!

2022年に「ナイキ ペガサス ターボ ネクスト ネイチャー」の発売はあったものの、2019年の「ナイキ ペガサス ターボ 2」のリリース以降、「ターボ」シリーズの復活や後継モデルの登場を待ち望んでいたランナーは少なくないだろう。「ナイキ ペガサス プラス」は、そんなランナーにとって待望の一足と言える。

もちろん、「ナイキ ペガサス ターボ」を体験していないランナーにも、「ナイキ ペガサス プラス」を活用してもらいたい。「ナイキ アルファフライ」や「ナイキ ヴェイパーフライ」をレースシューズとして使用しているランナーにとっては、スピードトレーニングなどで活躍してくれるはずだ。

筆者は日常的にスピードトレーニングをするようなランナーではないが、10kmやハーフのレースで「ナイキ ペガサス プラス」を試してみたいと思っている。

「ナイキ ペガサス 41」(写真上)をジョグシューズとして、「ナイキ ペガサス プラス」(写真下)をスピードトレーニングやレースで履くのがベーシックな履き分けだろう

「ナイキ ペガサス 41」(写真上)をジョグシューズとして、「ナイキ ペガサス プラス」(写真下)をスピードトレーニングやレースで履くのがベーシックな履き分けだろう

神津文人
Writer
神津文人
雑誌編集者(3媒体でトータル15年。モノ雑誌では副編集長を務める)を経て、フリーランスのライター&エディターに。ヘルス&フィットネス、スポーツ領域を中心に活動中。書籍の構成も手掛ける。趣味は柔術。ときどきランニング。
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岡田 太(編集部)
Editor
岡田 太(編集部)
雑誌とWebでファッション/ライフスタイル系メディアの編集長を務め、「価格.comマガジン」へ。被服費&趣味関連の散財でクレジットカードを使い倒してきた経験を生かし、現在はクレカを中心としたマネー記事を担当。
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