レビュー
ライフログツール人気の火付け役「UPシリーズ」最新モデルついに登場!

心拍数を把握し「レム睡眠」も測定できるようになった「UP3」を1か月使ってみた!

歩数や睡眠、食事内容の記録ができるライフログツールとして先鞭を切ったJawboneの「UP」。その魅力は、単に“オシャレな活動量計”ではなく、利用者のクラウドデータや学術データを活用した生活習慣改善のためのアドバイス、言い換えると、「生活の質の向上」にある。

そして2015年7月30日、遂に脈拍の測定にも対応した「UP3」が日本でも発売を開始。ここでお気づきだろうが、単に脈拍値を知るだけなら、他のウエアラブルデバイスをはじめ、選択肢はたくさんある。UPに期待すべきは、脈拍を把握することで何が分かり、そして、健康や生活習慣の改善にどう役立つのかという点に尽きる。ここでは、ひと足早く「UP3(UP3 JL04-0303ABD-JP)」を入手し約1ヶ月使った筆者が、使い勝手から効果までをレビューする。

カラー・デザインは全2種で、写真の「ブラックダイヤモンド」(UP3 JL04-0303ABD-JP)のほか、「シルバークロス」(UP3 JL04-0101ACA-JP)がある

「UP3」はこれまでのUPとどこが違う?

初代「UP」やBluetooth対応の「UP24」と比較すると、サイズを含む形状、装着方法が大きく変わっている。「UP」や「UP24」はブレスレットの要領で手首に通すスタイルと放っていたが、「UP3」は腕時計に近い“普通”の装着方法が採用されている。体積は約24%小さくなり、特にバンド側は薄く、デスク上でキーボードを打つような際に違和感が少なくなった。こちらもよい意味で“普通”になったのだ。

この変更は、脈拍を検知するためのセンサーが追加されたことにより、腕時計程度の密着性が必要になったのが主な理由だろう。因みにほぼ同時期に発売された脈拍測定非対応の「UP2」もほぼ同様の形状をしている。これは、UP3と設計を共通化することで、コストダウンを図ったものと思われる。

【「UP24」と「UP3」本体の比較】左が「UP24」で、右が新型の「UP3」。オシャレなブレスレット風デザイン&装着方法から、腕時計風に変化した

そのほか、「UP24」に対し、「UP3」と「UP2」からは、物理ボタンとも呼ばれるメカ式のスイッチが無くなった。水やホコリの侵入、故障には強そうだ。操作には加速度センサーと静電方式と思われるタッチセンサーを利用しているようで、本体を2回タップするとLEDが点灯して状態が約3秒間表示され、その間に長く触れると目覚めモード(活動モード)と睡眠モードを切り替えられるといった具合だ。誤操作を起こすことはしばしばあるが、内蔵されたバイブの振動で気が付くので、直ぐに修正してやることができる。結果、使い勝手に大きな不満は無く、また、データにも影響はなかった。

【「UP3」を装着】手首周りが15cmの筆者に装着。本体幅が手首よりもやや広いようで、締め付け度合いにもよるが、両サイドに少し隙間ができる。日本人や女性向けにはもう少し小型の方がフィットしそうだ。一方、隙間があっても実用上の不具合がなく、バンドが密着し過ぎずに蒸れを感じ難いのは利点かもしれない

【バンド裏のセンサー部】脈拍の検出はバンド部の4つの電極により測定。微弱な電流を利用するバイオインピーダンス法で、「Apple Watch」をはじめ、多くのリストバンド型ウエアラブルデバイスが採用する光電式に比べ、消費電力が少なく、また、密着度が低くても測定できるというメリットがある。なお、バイオインピーダンス法は体脂肪率の推定でも活用されているので、将来は脈拍以外の情報も取得できるのかも

【UP3のセンサー部】本体の真裏にある金属部は皮膚温度センサー。将来ソフトウェアのアップデートにより、利用可能になるそうだ

【UP3のセンサー部】本体の真裏にある金属部は皮膚温度センサー。将来ソフトウェアのアップデートにより、利用可能になるそうだ

【充電端子と接続方法】付属の充電器具を介して行う。磁石の吸引と反発を利用して、正しい向きと位置がガイドされる仕組み。充電器具は手持ちのパソコンやAC-USBアダプターが利用可能。一度の充電で約7日間動作する。余裕を見ると、充電は5日に1回程度、入浴時に行う感覚だ

なお、UP3は防水対応で、シャワー程度なら装着したままでOK、バスタブに沈めるのはNGとのことだ。実物を見る印象では、メカ式スイッチが無く、水が侵入しそうな部分は見あたらないので、洗面器に浸かる程度は大丈夫そう……な気がする。

新機能「心拍数計測」の概要

現在使用している本体ファームウェアおよびアプリバージョンでの確認だが、睡眠時の脈拍は20分間隔で測定していて、起床時にグラフとして確認できる。最終的に安静時脈拍として表示される数値は、起床直前に測定した値である。

【睡眠時の安静時脈拍】心拍数がグラフにプロットされるので、睡眠中の脈拍変化が一目瞭然。最終的に数値として表示されるのは、起床直前に測定した値だった。睡眠モードから目覚めモードに切り替えるのが遅れてしまうと、起床して上昇した心拍数が記録されてしまうことがあった。起床後は速やかに活動モードに切り替えたい。

UPアプリに表示される解説によると、安静時の心拍数からは心臓の健康度を推定することができ、通常は1分間に60〜100程度が正常範囲とのこと。アスリートなど心臓の筋肉が鍛えられ、一度の鼓動で送り出せる血液量が多いユーザーは、同40〜60程度と低くなる傾向にあるという。筆者はUPを使い続けて約2年。1日1万歩の散歩もしっかり習慣化され、心臓が鍛えられたのか、コンスタントに50〜60程度の数値が出る。因みに飲酒した日は脈拍が高かった。“飲み過ぎ”の注意喚起にもなりそうだ。

心拍数がわかると何が出来る?

さて、心拍数が分かったところで、どのようなコーチングがあるのだろうか?筆者のケースでは、心拍数が自身の平均よりも高くなると、水を1日に8杯(2リットル)飲むようにアドバイスされた。UPアプリによると、充分な水分の補給は、脳を活性化させるとのことで、生活、仕事、勉強にもプラスに働きそうで興味深い。また、アドバイスだけで終わらないのかUPの良さ。8杯の目標にチャレンジするかどうか尋ねられ、同意すると、目標と残り時間が表示される。後は、コップ1杯の水を飲む度に「+1」をタップする。開始前は水を8杯も飲めるとは想わなかったが、アプリで目標に近づく様子を目にする事で、ヤル気がキープできた。また、目標を達成すると、登録しているチームメイトから「いいね」やコメントが寄せられることも。また次の日も頑張ろうという意欲が湧いてくるのも良い。

UPは単なる測定に終わらず、科学的見地に基づいた的確なアドバイスや、目標を達成するためのモチベーションを持続する仕組みまで用意しているのだ。また、コーチングの内容は、いろいろ勉強になる。毎日少しずつ読めば、負担なく健康意識も高まってくる。こうなると、さらに歩き、さらに低カロリーな食生活、早寝早起きを心がけたくなるものだ。気づきを与え、良い生活習慣に向かわせてくれる“よき友”と言えるだろう。

【水のチャレンジと、達成時の画面】左画面は、チャレンジ中。ノルマと残り時間が表示され、水分補給意識させてくれる。チャレンジを完了すると右画面に。達成感が悦びになり、次の日も頑張りたくなる

脈拍で睡眠の質をよりきめ細やかに判定

UPシリーズでは就寝時の、「浅い眠り」、「深い眠り」、「目覚め」といった3態を把握できた。これは、加速度センサーで取得した動きから推定していた。一方、UP3では心拍数を把握することによって、「レム睡眠」を加えた4態を判定でき、それぞれの精度も向上しているようだ。UPアプリが紹介する研究結果によると、レム睡眠時は記憶の整理などが行われるので、睡眠の質を判断する上で重要な意味を持つという。一般的に、日本人の6人に1人は睡眠に不満を持つと言われている。また、質の良い睡眠が健康や活発な活動に繋がるのは、誰もが体感的に知るところで、睡眠のより的確な把握は、歓迎すべき進化と言える。実際に使ってみると、横になったまま目が覚めている状態は「レム睡眠」または「浅い眠り」と判定されてしまうようだ。眠っている間の出来事なので確証は持てないが、測定された心拍数が低い期間と「深い眠り」が集中している部分が合致しているように見える。「深い眠り」に関しては、かなり精度が高そうだ。

【睡眠時のグラフ】「浅い眠り」、「深い眠り」、「目覚め」、「レム睡眠」の4態が一目瞭然。足りない部分を知れば、対策を行う動機になるだろう。一般的に、たくさん運動して疲れると、深く眠れる

まとめ −「UP3」の将来−

脈拍を数値として把握するだけでは用途が限られそうだが、睡眠状態がよりきめ細やかに把握できるようになっているのは魅力。筆者は以前から、感覚的にあまり眠れていないと心配していたが、UP3でグラフ化すると、充分な睡眠が取れており安心した。そう思うと、日中に眠気を催さず仕事も捗るので不思議なものだ。眠りが浅いユーザーなら、医師に相談するきっけになるだろう。やはり「見える化」は大切だ。将来だが、Jawboneの情報によると、近々ソフトウェアのアップデートを行い、日中も必要な時に脈拍の測定ができるようになるらしい。また、現在手動で行っている、目覚めモードと睡眠モードの切替が不要になるという。これは、心拍数を検出してのものだろう。余談だが、一般にバイオインピーダンス測定は、データとの照合により、体脂肪の推定にも利用されている。将来研究が進めば、ストレス度合いや体調の変化など、いろいろなことが分かるようになるかもしれない。既に世界のユーザーから、1.7兆以上の歩数、1.8億以上の食事、1.7億以上の睡眠と、膨大なデータを蓄積しているUPならではの進化に期待したい。

鴻池賢三

鴻池賢三

オーディオ・ビジュアル評論家として活躍する傍ら、スマート家電グランプリ(KGP)審査員、家電製品総合アドバイザーの肩書きを持ち、家電の賢い選び方&使いこなし術を発信中。

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