新製品レポート
外付けHDD録画にも対応。5万円を切る価格で今秋発売予定

ハイセンス傘下でも東芝REGZAは健在。12月の新放送開始に向けたBS/CS 4Kチューナーの開発を発表

REGZAブランドで薄型テレビを展開する東芝映像ソリューションズは3月22日、「BS/CS 4Kチューナー」の開発などを中心とした商品戦略説明会を開催した。3月1日より中国ハイセンスグループ傘下となって以来、初めての商品説明会となる。

2018年REGZAブランドの発表第1弾として「新4K BS/CS放送チューナー」を披露する東芝映像ソリューションズの本村氏

製品説明に先立ち挨拶に立ったのは東芝映像ソリューションズのVS第一事業部事業部長の尾蔵靖英氏。「1月から事業部長に着任し、3月に会社のオーナーが代わり、そして2018年12月には新4K BS/CS放送もスタートし、放送インフラも生まれ変わる。この生まれ変わる世界を浸透させて、攻めの製品戦略を手がけていく」と、改めてREGZAブランドの薄型テレビを展開していく意気込みを語った。

2018年のREGZAブランドの柱として「高画質」「日本の視聴者のためのスマート」「4K放送対応」を掲げる東芝映像ソリューションズのVS第一事業部事業部長の尾蔵靖英氏

気になるのはハイセンス傘下となった後のREGZA開発陣の体制だが、現時点ではREGZAの開発体制に変化はなく、同じくハイセンス傘下のハイセンスジャパンとも別オペレーション。母体が大きくなり将来への投資がしやすくなりポジティブに働いているようだ。

2018年の事業戦略にあたっては「REGZA HISTORY」と題した2018年展開のイメージビデオも紹介。高画質、高音質の追求のほか、新映像エンジンの開発、新デザインの導入、2画面表示といった未発表の新機能開発も紹介しているので必見だ。

今回の東芝映像ソリューションズの説明会は「新4K8K衛星放送へのREGZAの取り組み」と題したものだが、発表の中心は今年2018年12月から開始する“4K衛星放送”を視聴できるBS/CS 4Kチューナーの開発発表。“新4K8K衛星放送”のフルサポートではなく、対応するのは2018年12月からスタートするBS・110度CS の4K放送のみで、8K放送は視聴できない。

東芝映像ソリューションズによるBS・110度CSの4K放送への取り組み

東芝映像ソリューションズによるBS・110度CSの4K放送への取り組み

BS・110度CSでスタートする新放送のうち、対応するのは2018年12月からスタートするBS・110度CS の4K放送のみ

8K画質のスーパーハイビジョンではない新放送とは何か? とピンと来ないかもしれないが、無料で視聴できる4K画質のBSの新放送だけでも「NHK」「BS朝日」「BS-TBS」「BSジャパン」「BSフジ」「BS日テレ」(2018年12月1日開始予定)が開局。また”新4K8K衛星放送”と聞くと左旋対応の新アンテナの問題なども取りざたされているが、それはNHKによるSHV 8K放送や有料放送等に用いられるチャンネルであり、キー局の6局は現在の右旋タイプのアンテナでもそのまま受信可能。「無料のキー局6が増えるのであれば、これはもう基幹放送です。チューナーさえ買えば、6chの新BS放送を見られる。正しい情報をきっちりと知って頂きたい」(東芝映像ソリューション 本村氏)と訴える。東芝映像ソリューションズのスタンスは「BS/CS 4K放送には前のめりで取り組む」、8K放送については「今はそれほど積極的には考えていない」(尾蔵氏)と明確に線引きがなされているようだ。

BS・110度CS の4K放送は、BT.2020、10bit階調、HLG方式のHDR、60p表示で高画質な4Kコンテンツを楽しめるのが特徴

「BS/CS 4Kチューナー」を接続するだけで、最大18チャンネルの4K放送を楽しめる

「BS/CS 4Kチューナー」を接続するだけで、最大18チャンネルの4K放送を楽しめる

開発発表が行われた「BS/CS 4Kチューナー」は、名前の通り12月開始のBS・110度CSを利用した新4放送を受信できるチューナー。価格は未定だが、5万円を切る価格になる見込みだという。外付けHDDを使った録画機能も備えており、2TBのHDDでは約88時間の4K番組を録画できるという。

質疑応答では「BS/CS 4Kチューナー」や放送仕様についてさまざまな質問が行われたが、チューナー仕様としてはシングルーチューナーで録画に対応、録画番組の暗号化は独自でSeeQVaultによる保存は非対応、DTCP-IPによるムーブ等は非対応ということが明らかにされた。非対応となっている部分は、各規格が現時点で新4K放送を扱えないためだという。

なお、新4K8K衛星放送は録画不可になるという議論が以前ネットで話題になったが、放送の仕様上はダビング10/コピーワンス/コピーネバーが設定でき、実際には放送局の運用によるが基本はダビング10(一部有料チャンネルはコピーワンス)と、「現在のBS/CS放送と同じ運用になると認識している」(本村氏)という見解が語られた。

今秋発売予定の「BS/CS 4Kチューナー」のモックアップも披露された

今秋発売予定の「BS/CS 4Kチューナー」のモックアップも披露された

外付けHDDへの録画にも対応するという

外付けHDDへの録画にも対応するという

「BS/CS 4Kチューナー」はHDMIで接続できる機器として他社も含めた接続性が公開された。特に新放送対応にフル対応するポイントとなるのはHDMI端子による“HLG方式のHDR信号”に対応していること。HDMIによるHDR入力に対応していてもHDR10方式しか対応していないケース、また他にも色域がBT.2020にも対応していないケース、10bit信号に対応していないケース等があることで、REGZAについては旧機種までの対応状況が発表されている。

なお、「BS/CS 4Kチューナー」の仕様としてはまったく4Kに対応しないモデルを含めて対応できる限りの信号で出力するようになっており、例えば、HDパネル、SDRのみ、BT.709信号、8bitといった条件でも12月開始の放送自体は視聴できる安心仕様というわけだ。

昨年発売のREGZAではHLG方式のHDR入力をサポートしており、「BS/CS 4Kチューナー」がフル対応できる

昨年発売のREGZAではHLG方式のHDR入力をサポートしており、「BS/CS 4Kチューナー」がフル対応できる

REGZA旧機種での各信号の対応状況も公開された

REGZA旧機種での各信号の対応状況も公開された

USB HDD増設による録画対応等の情報も公開。今後発表される内容も多数あるようだ

USB HDD増設による録画対応等の情報も公開。今後発表される内容も多数あるようだ

「BS/CS 4Kチューナー」の説明イメージも公開された

「BS/CS 4Kチューナー」の説明イメージも公開された

現在のREGZAユーザーのなかにはハイセンスグループ傘下となった東芝映像ソリューションズの今後を心配していた人も多いかとしれないが、2018年もREGZA節は健在。早い時期に登場しそうなBS/CS 4Kチューナー内蔵の4K REGZAとあわせて、今年もREGZAブランドに注目だ。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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