「KAZUNA eTalk5」。メーカー希望小売価格は、24,880円(税別)。カラーはブラックのみ
「ポケトーク」(ソースネクスト)や「イリー」(ログバー)などの自動翻訳機が注目を集め、“自動翻訳機元年”と呼ばれることもある本年。その“元年”を、この製品で締めくくってやるとばかりに、2018年12月7日(金)、TAKUMI JAPANより、「ポケトーク」や「イリー」の強力なライバルになりそうな自動翻訳機「KAZUNA eTalk5(カズナイートークファイブ)」(以下、eTalk5)が発売される。
「eTalk5」は、「音声相互翻訳」はもちろん、カメラで文字を撮影するだけの「文字認識翻訳」や、離れた場所にいる人ともコミュニケーションが取れる「チャット翻訳」のほか、「Wi-Fiテザリング機能」「マルチバンド対応」という5つの特徴があるという。ここでは、その5つの特徴についてレポートする。
まずは、「eTalk5」の基本情報を見ていこう。本体は、「iPhone5」を少しスリムにしたくらいのサイズで、英語はもちろん、中国語、韓国語、フランス語など72言語への相互音声翻訳に対応する。
対応言語一覧。同じ言語でも、同じ言語でも国によってニュアンスが違う場合が多いため、「eTalk5」では、「言語と国の組み合わせ」=1言語、とカウントしている
「eTalk5」は、自動翻訳機としては大きめの3.5インチディスプレイを搭載したタッチパネル式のため、操作がしやすく、翻訳結果も見やすい。Bluetoothも搭載しているので、Bluetoothスピーカーやイヤホンを接続して使用することも可能だ。
アイコンが整然と並んだ、「これでもか」というほどわかりやすいインターフェイス。文字もアイコンも大きく見やすく、「らくらくスマホ」を思い起こさせる
後ろはこんな感じ。カメラが付いているので、本当にスマホのよう。筐体はマットな質感で、すべりにくく指紋が目立たないのがいい
microSIMスロットを装備。事前に、使用する場所に対応したSIMカードを用意しておき、セットして使用する
音声入力時は、それぞれの言語アイコンの下に位置するボタンを押しながら話す。中央にあるボタンは「戻る」ボタン。ワンタッチで前の画面に戻れるため、誤った操作をしてしまった時にも慌てなくて済む。
ノイズキャンセリングマイクを搭載。雑音のある場所でもスムーズな翻訳が行いやすい
試しに、「自由の女神に行きたいのですが、どうやって行ったらいいですか」を英語に訳してみたところ、「I want to go to the statue of Liberty. How do I go ?」と英訳された。2センテンス以上の翻訳もスムーズ。入力した音声(日本語)もすぐにディスプレイに表示されるので安心だ。
ここからは、「eTalk5」が誇る5つの特徴について見ていこう。
「eTalk5」は、オンラインだけではなく、オフラインでの翻訳にも対応している。ただし、オフライン翻訳は、オンライン翻訳に比べ翻訳精度が落ち、言語数と組み合わせが限定されるので注意。基本はオンラインで使用したいが、電波の届きにくい場所で使用する時や、慣れない土地でSIMがつながりにくいといったトラブルに見舞われた時などには、非常に心強い機能だ。
オフライン翻訳への切り替えは、オンライン翻訳の画面を左にスワイプするだけ
オンラインとオフラインでそれぞれ、「自由の女神に行きたいのですが、どうやって行ったらいいですか」を英語に翻訳してみた。その結果、確かに、精度はオンライン翻訳のほうがいいようだった。音声入力した日本語の認証性能も、オンライン翻訳使用時のほうが高い印象だ。
オフライン翻訳の英訳には、不要な「but」が入ってしまっている
なお、「eTalk5」にはお気に入り機能が搭載されているので、よく使う言い回しなどは、登録しておけばすぐに呼び出すことができる。
入力した音声が文字で表示されている右側にある☆マークをタップするだけで、お気に入り登録完了
現在流通している自動翻訳機は、人が話す音声のみ対応するものがほとんどだが、「eTalk5」は、書かれている文字を翻訳できる機能を搭載している。搭載するカメラで文字を撮影するだけで訳してくれるので、海外のレストランでメニューを選ぶ時や、街の看板、標識などが読めない時に大活躍だ。なお、「撮って翻訳」の対応言語は日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語の8言語となる。
TOP画面から「撮って翻訳」を選択すると、カメラが起動する。そのまま対象の文字を撮影するだけでOKだ
しかも、撮影データはトリミング可能! 翻訳してほしい部分だけを選択することができるので、「結局、私が知りたい情報はどれ?」となる心配はない
母国語のメッセージが、外国語に翻訳されて相手に届く「チャット翻訳」も搭載。離れていても複数の人と同時にコミュニケーションが取れるため、それぞれが母国語を使いながら、多国籍なチャット会議を開くことも可能になる。
チャット翻訳を使用する場合は、使用者それぞれが「eTalk5」を持っている必要がある
自動翻訳機を使用すると、携帯する荷物が1つ増えてしまうのがやっかいだ。また、海外旅行の時にしか使わないのも、ちょっともったいない。しかし、「eTalk5」なら、最大6台まで接続できるテザリング機能付きなので、ふだんはWi-Fiルーターとして使用し、海外に行った時には、Wi-Fiルーターと自動翻訳機の2役を担ってくれる。バッテリー容量は2,000mAhで、Wi-Fiテザリングを最大6時間連続利用できるという。
紛失防止に役立つネックストラップホールも装備している
「eTalk5」は海外で使用することが圧倒的に多いため、世界中でスムーズに使用できるよう、さまざまなLTEの周波数に対応。現地で使えるSIMカードを挿せば、オンライン翻訳でテンポよく会話を進められる。
世界のどこに持って行っても、スムーズにLTEに接続できるようチューニングされている
筆者は「ポケトーク」も「イリー」も使用したことがあるが、今回「eTalk5」のプレゼンを聞いて、「これはかなり手強いライバルなんじゃないか?」と感じた。このタイプの製品は、継続的に長期間使用してみないとその実力などがわからないところがあるものの、今のところ「eTalk5」には悪いところが見つけられない。「とりあえず、既存製品にない機能いっぱい付けてみました!」という感じではなく、「翻訳機として使用しない時はWi-Fiルーターとして使える」「いざという時のためのオフライン翻訳機能」など、ユーザーがこれまでの自動翻訳機に感じているであろう(もしかして感じていることにさえ気づいていないかもしれない)不満を解消してくれているところにぐっときた。
美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。