ブルーレイ・DVDレコーダーとは、テレビ番組を録画するためのもの。時代とともに記録メディアがDVDからブルーレイへと拡大し、現在では4KメディアであるUltra HDブルーレイの再生に対応した製品もあります。
ブルーレイレコーダーを発売するメーカーはいくつかありますが、価格.comでも比較的メジャーな存在と言えるのがソニー。ここでは、ソニー製ブルーレイレコーダーの選び方とソニーのおすすめブルーレイレコーダーを紹介します。
〈レビュー・監修〉AVライター 鳥居一豊
オーディオ専門誌の編集スタッフを経て独立。マンガ、アニメ、ゲームをこよなく愛し、視聴取材などでも数多くの名作を取り上げる。ホームシアターのために家を新築して早10年。現在は8.4.4ch構成のDolby Atmos対応サラウンドシステムと120インチスクリーン+プロジェクターによる視聴設備を整えている。ホームシアターは今後も進化する予定。
人気になりそうな注目の番組情報を1か月先行して確認できる機能「新作ドラマ・アニメガイド」。ソニー独自の機能だったものの、本サービスは2027年2月2日に終了することが告知されました
ソニーは長くブルーレイレコーダーを発売しているメーカーで、人気の高い機能として「おまかせ・まる録」があります。これはジャンルやキーワードを登録しておくと、好みに合わせた番組を録画してくれる自動録画機能のこと。キーワード登録による自動録画ですが、アーティストやタレントなどの人名を幅広くカバーしているほか、ジャンルやキーワードを複数組み合わせられるなど、精度の高い録画が期待できます。
また、「新作ドラマ・アニメガイド」は、人気になりそうな注目の番組情報を1か月先行して確認できる機能。EPGでの番組予約は1週間前でないと予約できませんが、これを使うと1か月先からチェックできてしまいます。予約のし忘れを防ぎたい人には便利です。このように、録画予約のしやすさが大きな特徴となっています。
また、番組再生では連続ドラマなどを1度の操作でまとめて見られる「連続再生」などの便利機能があり、番組予約や再生が快適に楽しめる機能が充実しています。
このほか、ソニーのテレビ「BRAVIA(ブラビア)」と連携する「4Kブラビアモード」を備えており、接続した「BRAVIA」のディスプレイタイプ(液晶/有機EL)に合わせて、最適な画質に調整できるというソニーならではの機能も特筆されます。
このように、基本を押さえた充実した機能性がソニーのブルーレイレコーダーの特徴でしたが、2025年9月2日、操作や録画予約専用アプリ「Video & TV SideView」サービス終了のアナウンスがされました。
これにともない、アプリのリモコン機能や外出先からの録画予約、スマホへの録画番組転送、「新作ドラマ・アニメガイド」などが利用不可になります。サービス終了は2027年3月30日(「新作ドラマ・アニメガイド」は2027年2月2日終了)。ソニーのブルーレイレコーダーを検討するならば、必ず知っておきたいポイントです。
もし少しでも不安に思うのであれば、パナソニックなど他社製品を選択するとよいでしょう。
実は、ほとんどの最新テレビには録画機能が付いています。データ保存用の外付けHDDをテレビにつないでおけば、それだけで録画自体はできるのです。たまに気になる番組を録画して後で見る、というだけならばブルーレイレコーダーを購入する必要はありません。それでもブルーレイレコーダーには以下の大きなメリットがあります。
・自動録画やオートチャプター、スマホ連携など、録画/再生に便利な機能が充実している
・録画した番組をディスクに残せる
・DVD/Ultra HDブルーレイ/ブルーレイディスク/CDのプレーヤーとしても使える
ブルーレイレコーダーならば、録画した番組をDVDやブルーレイにディスクとしても残せるため、テレビを買い替えても録画番組を視聴できます。逆に、テレビ+外付けHDDで番組録画する場合、テレビを買い替えるともう視聴できません。
そのほか、多くの番組を同時録画したり、スマホと連携したりと録画と視聴のための機能が充実していることもブルーレイレコーダーを使うメリットです。さらに、DVDやブルーレイ、CDの再生機として使えることも大きなポイントでしょう。
テレビでも録画はできますが、そのテレビを買い替えた場合、録画番組はもう見られません。ディスクに“残す”こと、ディスクを再生することを重視する人にブルーレイレコーダーはおすすめです。
地デジの放送番組は、録画せずともTVerなどで見られるものが増えています。しかし、普段からTVerなどを使っている人にとっても、ブルーレイレコーダーには大きなメリットがあります。
TVerを例にとると、そもそもすべての番組が配信されているわけではありませんし、視聴できるのは1週間など期限もあります。いっぽうのブルーレイレコーダーは一度保存すれば期限なく好きなときに視聴できるうえ、CMを早送り/スキップできるなどの便利機能も多数備えています。
番組録画を予約するのが面倒と思われるかもしれませんが、最新ブルーレイレコーダーでは予約すら必要ない場合もあります。ユーザーが好きそうな番組を自動で録画してくれる機能があるほか、指定しておいたチャンネルの番組すべてを録画する「全録」という機能を持った製品もあるのです。
TVerと比較しても、ブルーレイレコーダーは圧倒的に便利。CMは好きに早送り/スキップできますし、自動録画や全録機能を使えば、録画予約の手間もありません。
ブルーレイレコーダーは、大きく3つのパターンに分類できます。(1)スタンダードな機能を持った格安製品、(2)「全録」対応の高機能製品、そして(3)4K放送の録画とUltra HDブルーレイ再生に対応した「4K」レコーダーです。最も高級で高機能な製品として、(2)と(3)の機能をどちらも備えたものもあります。
(1)(2)(3)をひと通り揃えているのは、パナソニックのみ。以下ではパナソニック製品を例に、それぞれの製品特徴を解説します。
格安モデルであればブルーレイレコーダーは3万円台後半から購入可能です。こうした価格の製品でも実は基本機能は十分。価格.comで人気の製品は、パナソニックの「DMR-2W102」です。もう少し(3,000円程度)安い製品はありますが、発売日が新しく、機能が充実したこの製品が人気になることは当然と言えるでしょう。ここで数千円を渋ることはおすすめしません。数千円の違いが使い勝手に大きく影響する可能性があるからです。
2番組同時録画、DVDやブルーレイディスクへの番組保存はもちろん、指定した時間帯のドラマ・アニメを自動録画する「ドラマ・アニメ1クール自動録画」機能やスマホでの視聴機能など、基本機能が充実しています。
なお、「DMR-2W102」の後継モデルとして「DMR-2W103」が発売されています。機能はほぼ同じため、価格.comでの最安価格次第でどちらかを選ぶとよいでしょう。
4万円以下の格安と言える製品が人気なのは、機能が充実しているから。基本機能は高級モデルと共通していることも多々あります。
最低でも6万円前後と少し高価ですが、予算が許すのであれば「全録」対応製品がおすすめ。
「全録」とは、指定したチャンネルで放送される番組をすべて録画する機能のこと。たとえばNHK総合を指定すると、NHK総合で放送されるすべての番組を録画し、HDD容量に応じて数日〜数週間にわたって保存してくれます。
そもそも録画予約をする必要がなくなるため、手間がなく、利便性が劇的に向上します。「全録」では、番組表がそのまま視聴可能な番組リストになるようなもの。YouTubeなどでコンテンツ一覧から見たいものを選ぶときと似た感覚で、テレビ番組を横断できるのです。
録画予約をしなくても、話題になった番組を後から自由に視聴できる。この利便性が「全録」最大の魅力です。
BS・CSの4K放送を録画したい人、4K解像度の映像を楽しめるUltra HDブルーレイを再生したい人は「4Kレコーダー」がおすすめ。4K放送の受信(視聴)と録画、Ultra HDブルーレイの再生が可能です。
格安ブルーレイレコーダーでもDVD、ブルーレイ、CDは再生できますが、Ultra HDブルーレイは再生できません。地デジの放送は4Kではないため、多くの人にとって4K放送は無関係かもしれませんが、Ultra HDブルーレイはどうでしょうか。
映画好きならばUltra HDブルーレイを持っているかもしれませんし、“推し活”の一環などで、ブルーレイなどのボックスセットを購入する場合もあるでしょう。そこにUltra HDブルーレイが入っていれば、「4Kレコーダー」でより高画質を楽しめる可能性があります。
「4Kレコーダー」の価格は5万円前後から。一般的な格安ブルーレイレコーダーと比べると1万円以上の差があります。4K放送の録画とUltra HDブルーレイ再生にその価値を感じるかどうかが選択のポイントです。
映画や“推し”のライブ映像など、Ultra HDブルーレイを持っている人は多いのでは。4Kレコーダーならば、それを最善の形で再生できます。
ブルーレイレコーダーの種類について理解したところで、いよいよ選び方について詳しく見ていきましょう。まず気にしたいのはHDDの容量です。ここではパナソニック「4T03」シリーズを例にとっています。
ブルーレイレコーダーにはHDDが搭載されていて、その容量が大きいほど多くの番組を保存できます。HDD容量は1TBからが基本で、同機能のHDD容量違いモデルが複数用意されていることがほとんど。その中でおすすめは2TB以上です。
具体的に数字を見ると、1TBのモデルで地デジ放送を録画した場合(DR=高画質モード)、約127時間の録画が可能です。1日2時間の録画をすると、60日(約2か月)以上は録画番組を消さずに使い続けられる計算です。
こう見ると1TBでもよさそうですが、価格.comを参照すると1TBと2TBモデルの価格差は大きくありません。コスパを考えれば2TB以上がすぐれていると言えるのではないでしょうか。
ほとんどのモデルでは外付けHDDで容量アップが可能です。検討しているモデルがHDDを足せるかどうかも確認して、HDD容量を選ぶとよいでしょう。
同じ機能でも異なるHDD容量の製品が「シリーズ」として展開されています。価格とのバランスを考えれば、2TBモデル以上がおすすめです。
録画したい番組が同時間帯に重なる可能性がある人は、ブルーレイレコーダーに搭載されたチューナーの数を確認しましょう。チューナー数は、同時に録画できる番組数と言えます。たとえば、3つのチューナーを内蔵していれば、最大3番組を同時に録画できるというわけです。
ただし、チューナーは地デジ用、BS用など対応する放送が決まっています。それぞれの放送用チューナーをいくつ搭載しているかにも注意しましょう。
多くのチューナーが必要なのは、特に2人以上で使う場合ではないでしょうか。ブルーレイレコーダーを家族で使うならば、(地デジ用)チューナーを3つ以上搭載したモデルを選ぶとよいでしょう。
1番組を録画するためには、チューナーを1つ使います。つまり、3チューナーあれば同時刻に(基本的に)3番組録画ができるということです。
ここからは、実際にソニー製ブルーレイレコーダーのおすすめ製品を紹介します。それぞれの機種で、はっきりとできることが違うため、目的と予算に合わせて選ぶとよいでしょう。基本的には4K対応が必要かどうかを検討すればOKです。
・〈基準1〉録画予約や再生などの基本操作が簡単で、初心者でも迷わず使えること
指定した番組を録画できることはもちろん、キーワードを登録しておくと関連番組を自動録画機能は最新モデルの標準装備。さらに、便利な機能をより簡単に使えることが求められます。
・〈基準2〉地デジ放送はもちろん、映画などのコンテンツをより美しく楽しめること
ブルーレイレコーダーは録画番組やDVD・ブルーレイディスクのプレーヤーでもあります。メーカー各社は独自の技術を使い、高画質・高音質を目指しています。差が出にくい部分ではありますが、高級モデルではこの点にも優位性があります。
以下の表で紹介するブルーレイレコーダーは、各シリーズの代表機種です。個別の製品紹介項目に、そのシリーズにどのHDD容量モデル展開されているかを併記しています。シリーズによって展開が異なることに注意しましょう。
製品 価格.com最安価格 | 画像 | ショップリンク | HDD容量 | 4K対応 | 全録対応 | 地デジチューナー数 |
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| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 1TB | ー | ー | 2 |
| ![]() | Amazon楽天市場Yahoo! | 2TB | 〇 | ー | 2 |
現行ソニー製ブルーレイレコーダーの最安製品が「BDZ-ZW1900」。HDD容量1TB、ダブルチューナー(2番組同時録画対応)のシンプルなモデルですが、2024年発売の比較的新しい製品とあって価格は高めです。
本製品をおすすめとしてあげた理由は、最安モデルながら番組表(EPG)で表示できる期間よりも先の新作ドラマやアニメを1か月先取りして予約できる「新作ドラマ・アニメガイド」を使えるため。テレビ番組改編時期は新番組が多く、すべてのコンテンツをフォローするのは難しいもの。「BDZ-ZW1900」ならば、一般的な番組表に情報が反映される前から先行してドラマ・アニメを予約できるので、新番組の録り逃しを避けられるのです。しかしながら、冒頭のとおり本サービスは2027年2月に終了することが告知されています。この点には注意しましょう。
ジャンルやキーワードを登録しておくと、好みに合わせた番組を録画してくれる自動録画機能「おまかせ・まる録」にも対応。シンプルなレコーダーを検討していて、新ドラマやアニメを中心にチェックしたい! という人に向いたモデルと言えます。
ただし、2025年9月26日時点での価格.com最安価格は6万円を超えています。パナソニックの4Kレコーダー「DMR-4TS204」や「全録」対応レコーダー「DMR-2X203」も選択肢になる価格ですから、この点も含めて検討するとよいでしょう。
・自動録画、毎週録画、1か月先の録画予約機能などが便利。
・以前からソニーのレコーダーを使っていたところ、操作性が変わらないため迷うことなく使用できた。
※2025年9月26日時点の、価格.com「BDZ-ZW1900」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
4K放送番組を録りたい、Ultra HDブルーレイソフトを再生したいと考えているならば、4K対応モデル「BDZ-FBW2200」がおすすめ。地デジなどの2K放送対応チューナー2基に加え、4K放送に対応したチューナーを2基搭載しており、容量2TBのHDDに2番組同時録画ができます。
「BDZ-ZW1900」と同じく、「新作ドラマ・アニメガイド」や自動録画機能「おまかせ・まる録」を備えており、録画予約を快適に行えます。やはり、「新作ドラマ・アニメガイド」のサービスは2027年2月に終了することに注意しましょう。
番組をたくさん録る人には、兄弟モデルであるトリプルチューナー機「BDZ-FBT2200」(HDD容量は2TB)もおすすめ。基本機能はほぼ同じでこちらは3番組同時録画が可能ですから、取り逃しをさらに減らせるはずです。
さらに番組をたくさん録り貯める人には、最上位モデル「BDZ-FBT4200」という選択肢もあります。こちらはトリプルチューナー搭載であるうえHDD容量が4TB。しかも2TBモデルとの価格差はそれほど大きくありません。
・放送が1週間以上先の番組を予約できて便利
・ソニー製のテレビを持っているなら、ホームネットワークなどすべての機能が生かせるソニー製ブルーレイレコーダーがおすすめ
※2025年9月26日時点の、価格.com「BDZ-FBW2200」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
本記事ではソニー製品を紹介しましたが、もちろんほかのメーカーからも多くのブルーレイレコーダーが発売されています。メーカーを横断したおすすめ製品については、ぜひ以下の関連記事を参照ください。