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日本独自仕様も! MAGNETARのユニバーサルプレーヤー「UDP900」「UDP800」

エミライがMAGNETAR(マグネター)ブランドのユニバーサルディスクプレーヤーの取り扱いを開始。第1弾製品として、「UDP900」と「UDP800」の2モデルを3月1日より発売する。市場想定価格は、「UDP900」が550,000円前後、「UDP800」が297,000円前後(ともに税込)だ。

MAGNETAR「UDP800」(写真左)と「UDP900」(写真右)

MAGNETAR「UDP800」(写真左)と「UDP900」(写真右)

Ultra HDブルーレイにSACDの再生までカバー。日本独自の仕様も

Magnetar Technology Shenzhenが2021年に中国・深センで立ち上げたMAGNETAR。Magnetar Technology Shenzhenが所属するグループでは、MAXMADEやMAXMADE AUTO名義でディスクプレーヤーや車載機器のOEM/ODMなどを手掛けてきたが、MAGNETARブランドはディスクプレーヤー事業を展開する自社ブランドとして設立されたという経緯を持つ。

MAGNETARはディスクプレーヤー事業を展開する自社ブランドとして設立された。設立は2021年とかなり若いが、グループにオーディオ製品のOEM/ODMなど経験が豊富な会社を持っており、本社敷地内に製造工場も有している

MAGNETARはディスクプレーヤー事業を展開する自社ブランドとして設立された。設立は2021年とかなり若いが、グループにオーディオ製品のOEM/ODMなど経験が豊富な会社を持っており、本社敷地内に製造工場も有している

今回、第1弾製品として「UDP900」と「UDP800」という2つのユニバーサルディスクプレーヤーを日本市場に投入する。いずれも、最新のUltra HDブルーレイに加え、ブルーレイや3Dブルーレイ、DVD-Video、DVD-Audio、SACDの再生までカバーできるソニー製ディスクドライブメカを採用。メインSoCにはMediaTek製クアッドコア・プロセッサー「MT8581」を搭載し、Dolby VisionやHDR10+といったHDR規格もしっかりとカバーするなど、現代のユニバーサルディスクプレーヤーにふさわしい最新世代のスペックを備えたモデルに仕上がっている。

Ultra HDブルーレイやSACDまで再生可能なソニー製ディスクドライブメカを採用

Ultra HDブルーレイやSACDまで再生可能なソニー製ディスクドライブメカを採用

なお、日本市場への導入に合わせてエミライからもさまざまな技術サポートを行っているという。たとえば、操作の快適性に直結するOSD(オンスクリーンディスプレイ)には、エミライが独自にカスタマイズした日本語フォントデータを導入。映像/音声の分離出力が可能な2系統のHDMI出力端子のうち、音声出力のHDMIに黒の1080p映像信号を乗せて出力する仕様も日本独自のものだそうだ。なお、日本市場向けの製品には日本専用のファームウェアが適用されるようになっているとのことだ。

「UDP900」のメニュー画面。同じMediaTek製SoCを採用するOPPO Digitalのプレーヤーで見覚えのあるデザインだ

「UDP900」のメニュー画面。同じMediaTek製SoCを採用するOPPO Digitalのプレーヤーで見覚えのあるデザインだ

再生中のメディア情報も確認可能だ

再生中のメディア情報も確認可能だ

上位モデルとなる「UDP900」は、DACチップにESS「ES9038PRO」(2ch出力用)と「ES9028PRO」(7.1ch出力用)をそれぞれ搭載。最大7.1chのアナログ出力に対応したほか、背面のUSB Type-B端子を使ったUSB-DAC機能(PCM768kHz/DSD512まで対応)も搭載する。メインボードについても、高精度・超低ノイズTCXO温度補償水晶発振器や村田製作所製積層セラミックコンデンサー、TDK製磁気デバイス、30個の日本ケミコン製電解コンデンサーを採用するなど、ハイエンドモデルらしい物量が投入されているのもポイントだ。

上位モデルの「UDP900」。チェス盤をイメージしたという特徴的なフロントパネルが目を惹く

上位モデルの「UDP900」。チェス盤をイメージしたという特徴的なフロントパネルが目を惹く

DACチップには2ch出力/7.1ch出力ともにESSのものが採用されている

DACチップには2ch出力/7.1ch出力ともにESSのものが採用されている

2chと7.1chのアナログ出力に対応しているのがポイント

2chと7.1chのアナログ出力に対応しているのがポイント

スピーカーの設定もOSDから行える

スピーカーの設定もOSDから行える

電源もかなり強力で、メインボード用の高品位スイッチング電源と、オーディオ回路用のリニアトランス電源を2基搭載した、デュアルパワーサプライ設計を採用。特にアナログオーディオ回路へ電源を供給する60Wリニア電源には、高純度無酸素銅線を使用し、トロイダルトランスを金属シールドに収め、エポキシ樹脂を充填するなど、徹底した振動・ノイズ・熱対策が施されている。

「UDP900」の電源部。リニア電源とトランス電源を組み合わせて搭載するなど、かなりこだわったつくりだ

「UDP900」の電源部。リニア電源とトランス電源を組み合わせて搭載するなど、かなりこだわったつくりだ

内部構造に関しても、ディスクドライブ、2ch出力ボード&メインボード、7.1ch出力ボード、パワーモジュールというセクションごとに分けて完全セパレートしたほか、アルミパネルでシールド対策を施すなど、相互干渉を抑えた設計を採用。アルミボディとダブルシャーシ、ダブルカウンターウェイト構造など、徹底的に物量を投入したことで、総重量はなんと15.5kgにもなるそうだ。

「UDP900」の内部。セクションごとに4つに分け、それぞれが干渉しないように設計したそうだ

「UDP900」の内部。セクションごとに4つに分け、それぞれが干渉しないように設計したそうだ

ディスクドライブの制振対策もばっちり

ディスクドライブの制振対策もばっちり

ボディだけでなく、ボディを覆う天面カバーなどもかなり肉厚で重量がある

ボディだけでなく、ボディを覆う天面カバーなどもかなり肉厚で重量がある

メカニカルグランドにこだわったそう。インシュレーターも下位モデルの「UDP800」とは異なるものが使われている

メカニカルグランドにこだわったそう。インシュレーターも下位モデルの「UDP800」とは異なるものが使われている

出力インターフェイスは、本体背面にアナログ出力用のXLR(2ch)、RCA(2ch)、RCA(7.1ch)、デジタル出力用のRCA同軸、TOS光、HDMIを搭載。正面には6.3mmヘッドホン出力も用意されている。本体サイズは445(幅)×133(高さ)×321(奥行)mm。

「UDP900」には6.3mmヘッドホン出力も用意されている

「UDP900」には6.3mmヘッドホン出力も用意されている

下位モデルとなる「UDP800」は、Burr-Brown「PCM1795」を左右独立して搭載。こちらは最大で2chのアナログ出力が可能となっている。メインSoCやメインボードへの⽇本ケミコン製電解コンデンサーの採用などは「UDP900」と共通するが、物量に関しては「UDP900」よりも控えめで、電源もリニア電源のみの採用となっている。

下位モデルの「UDP800」。こちらもツートンカラーを採用

下位モデルの「UDP800」。こちらもツートンカラーを採用

「UDP800」の内部。物量は異なるが、セクションごとに分け、それぞれが干渉しないようにする設計はこちらにも導入されている

「UDP800」の内部。物量は異なるが、セクションごとに分け、それぞれが干渉しないようにする設計はこちらにも導入されている

出力インターフェイスは、本体背面にアナログ出力用のXLR(2ch)、RCA(2ch)、デジタル出力用のRCA同軸、TOS光、HDMIを搭載する。本体サイズは430(幅)×90(高さ)×300(奥行)mm。

SACDまで再生でき、アナログ出力もできる貴重なハイエンドユニバーサルディスクプレーヤー

ご存じの方も多いと思うが、エミライは過去にOPPO Digitalのユニバーサルディスクプレーヤーを展開していた。しかし、世界的にストリーミングサービスが急成長し、市況が大きく変化していることを理由に、2018年にOPPO Digitalが新製品の企画・開発を終了。エミライによるアフターサービスも保守部品の在庫が底をつき、残念ながら2023年9月に終了となってしまった。

価格.comでもOPPO Digitalのユニバーサルディスクプレーヤーは人気で、価格.comマガジンでも過去に記事で取り上げたことがある。特にOPPO Digitalの最終製品となった「UDP-205」(2017年発売)は今なお熱心な愛用者がおり、アフターサービス終了以降も価格.comのクチコミ掲示板には投稿が続いている。

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2018/05/14 20:00

この部分だけを見れば、ハイエンドユニバーサルディスクプレーヤーへの潜在的なニーズはまだ残っているようにも思えるが、いっぽうでOPPO Digitalが撤退したことで、ブルーレイやDVD、CD、SACDといった多種多彩なディスクメディアを再生できるユニバーサルディスクプレーヤーを手掛けるメーカーは指で数えられるほどになってしまったのも事実。特に最新のUltra HDブルーレイにSACDの再生までカバーできる製品に限ると、現状だとほぼ選択肢がないという状況だった。

「UDP-205」のようなハイエンドユニバーサルディスクプレーヤーは日本ではもう出ないんじゃないかと思っていた人も多かったと思う。そういった中でOPPO Digitalのユニバーサルディスクプレーヤーを展開していたエミライがMAGNETARブランドのハイエンドユニバーサルディスクプレーヤーの取り扱いを開始するというアナウンスを聞いて期待している人も多いはず。

特にSACDも再生でき、アナログ出力も可能なユニバーサルディスクプレーヤーというのはかなり貴重。価格はかなり高価だが、オーディオ、ビジュアルひっくるめた高品位なディスク再生環境を手に入れたいならぜひ注目したい製品だ。

遠山俊介(編集部)
Writer / Editor
遠山俊介(編集部)
2008年カカクコムに入社、AV家電とガジェット系の記事を主に担当。ポータブルオーディオ沼にはまり、家にあるイヤホン・ヘッドホンコレクションは100オーバーに。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットにも手を出している。家電製品総合アドバイザー資格所有。
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