2015年9月9日(現地時間)に米アップルが米国で開催した新製品発表会では、テレビに接続して映画などを楽しめるセットトップボックス「Apple TV」の新モデルも発表された。3年半ぶりのモデルチェンジで、新しいリモコンを使ってタッチと音声で操作できる。iOSベースの「tvOS」を採用することで、「App Store」からゲームなどのアプリを入手して、テレビで楽しめるようになったのも大きな強化点だ。米国での価格は32GBモデルが149ドル、64GBモデルが199ドル。10月下旬より発売する。日本での価格や発売日は未定で、同社のホームページでは「まもなく登場」と表記されている。
3年半ぶりにモデルチェンジしたApple TV
新しいApple TVのリモコン「Siri Remote」には十字キーがない。コンテンツの選択などにはガラス製の「タッチサーフェス」を利用する。タッチサーフェス上の指の動きは、そのままテレビの画面上にミラーリングされるので、自然な感覚で操作できるという。コンテンツの検索には、「Siri」を利用する仕組みだ。映画は「iTunes」や「Hulu」など、複数のサービスを横断して探してくれる。「70年代に公開されたSF映画を観たい」「今年のものだけ」「面白い作品だけ」など、検索条件も音声で指定できる。コンテンツの検索だけでなく、「外の気温は何度?」「この映画の監督は誰?」など、さまざまな質問に応えてくれる。
映像コンテンツでは、アップルのiTunesのほか、Hulu、「Qello All-Access」、「バンダイチャンネル」、「Jリーグオンデマンド」、「TED」など、多くのサービスを利用できる。定額制の音楽配信サービス「Apple Music」にも対応。クラウドサービス「iCloud」に保存した写真や動画をテレビに表示して楽しめる。
タッチと音声で操作できるSiri Remote。画面のユーザーインターフェイス(UI)もシンプルに変更されている。UIのカスタマイズも可能だ
App Storeからは、ゲームやホテル予約アプリなどさまざまなアプリを入手できる。ゲームに関しては、他社製のコントローラに対応。Siri Remoteもゲームコントローラとして利用できる。加速度センサーとジャイロスコープを内蔵しており、身振りでの操作も可能。任天堂の「Wii」に近いスタイルでゲームを楽しめるようだ。Siri Remoteを手首につないでおける「Remote Loop」も別売りで用意した。
App Storeからダウンロードしたゲームをテレビで楽しめる
Apple TV用のApp Store
プロセッサーは、「iPhone 6/6s Plus」などと同じ「A8チップ」を搭載。グラフィックスAPI(アプリケーションプログラミングインターフェイス)「Metal(メタル)」にも対応しており、高品質のゲームやアプリを楽しめる。Wi-FiはMIMO対応のIEEE802.11acをサポートするほか、有線LANポートも備える。
本体サイズは98(幅)×98(奥行)×33(高さ)mm、重量は425g。外部インターフェイスはHDMI 1.4、100BASE-Tの有線LANポート、USB-C(サービスおよびサポート用)を備える。Siri RemoteとはBluetoothで接続する仕組みだ。Siri Remoteのサイズは38(幅)×124(高さ)×6.3(高さ)mm、重量は47g。Siri用にデュアルマイクを備える。充電用のLightningコネクタを搭載し、1回の充電で数か月利用できるという。