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5.9K/29.97pでAtomos「NINJA V」に外部記録できる!

パナソニックが小型軽量のフルサイズ機「LUMIX DC-S5」発表。進化したAF搭載で約24万円

2020年の夏はフルサイズのミラーレスカメラがアツい!

キヤノンの「EOS R5/6」、ソニーの「α7S III」、ニコン「Z 5」に続き、パナソニックがフルサイズミラーレスカメラの新モデル「LUMIX DC-S5」を2020年9月3日に発表しました。

今回発表された「LUMIX DC-S5」は有効画素数2420万のフルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラで、先に発売されている「LUMIX DC-S1」シリーズに次ぐミッドレンジモデルです。発売は2020年9月25日が予定されており、オープン価格でボディのみが24万円前後、レンズキットが28万円前後となっています。

カメラの未来は「動画にあり」がより明確になった2020年

ミラーレスカメラにおける画素数や連写などの静止画(写真)性能は競争がひと段落し、よほどのハイエンド・プロフェッショナルでなければ「これ以上のスペックは必要ないのでは?」というレベルに到達した現在、各社の競争の主軸は動画撮影の性能に移行してきています。

また、雑誌編集を職業としていた筆者からすれば寂しい限りですが、市場の状況を見てもハイエンドカメラを必要とする、報道、スポーツ、ファッション写真などを掲載する雑誌や新聞などはこの10年で大幅に売り上げを落とし、年々その影響力を失いつつあることは否定できません。

いっぽうで、オンラインを中心とした動画市場の伸びはとどまるところを知らず、これまで「制作会社だけのもの」だった映像の世界にプロ、アマを問わず無数のクリエイターが参入している状況です。同時にミラーレスカメラ市場も、「動画」「Vlog(ビデオブログ)」重視へと雪崩を打ってシフトしており、このトレンドは今後も不可逆的なものになるでしょう。

今回発表された「LUMIX DC-S5」も、そのような背景を踏まえ、正確なオートフォーカスやフリーアングルモニター(バリアングルディスプレイ)、豊かな色情報の記録など、動画撮影者が求める機能をふんだんに取り入れた作りになっています。

正面

正面

背面

背面

「LUMIX DC-S5」の横幅は約132.6mm、バッテリーとSDメモリー カード込みの重量は約714gで「LUMIX DC-S1」より小型軽量化されています。それどころかマイクロフォーサーズ機の「LUMIX DC-GH5」(横幅約138.5mm/約725g)よりも幅が狭く、軽量という、かなり可搬性にすぐれるサイズと重量となっています。

ディープラーニング技術を生かしオートフォーカスが大幅進化

深層学習技術を活用し、顔や瞳にフォーカス(ピント)を合わせる技術は、これまでの「LUMIX DC-S1」シリーズなどにも搭載されていましたが、これに加えて「LUMIX DC-S5」では新たに頭部認識が加わりました。これに処理の高速化を合わせることで、顔を傾けた状態、横や後ろを向いている場合、被写体が小さい状況などでも正確かつ高速にフォーカスを合わせ続けられるようになっています。

メインの被写体が正面を向いていない状態でも背景にフォーカスが抜けてしまう状況を防ぐ

メインの被写体が正面を向いていない状態でも背景にフォーカスが抜けてしまう状況を防ぐ

背景にいる人物にフォーカスが迷わず、メインの被写体にピントが合わせられる

背景にいる人物にフォーカスが迷わず、メインの被写体にピントが合わせられる

映像制作の方法が再定義された時代に必須の自撮りディスプレイ

自撮り(セルフィー)はスマホネイティブのティーンエイジャー文化として始まりました。一時期は「過剰な自己愛の表出」として嘲笑の対象とされることもあった自撮りですが、現在はストーリーテリングの方法として完全に定着しています。

欧米で強い支持を受けるVloggerのケイシー・ナイスタットやピーター・マキネンなどは「大人が見る、こだわりの編集技術を駆使した映像」を制作するクリエイターとして知られていますが、同時に自撮りを多用するスタイルでもあります。

また、カメラの前に座ってコスメやガジェットなどを紹介するレビュー系YouTuberにとっても撮影時に自分の状況が確認できるモニターはなくてはならないものになっています。

「LUMIX DC-S5」が搭載するのは3.0型184万画素のタッチ対応ディスプレイ

「LUMIX DC-S5」が搭載するのは3.0型184万画素のタッチ対応ディスプレイ

外部記録では“ほぼ6K”のRAW収録が可能

「LUMIX DC-S5」はHDM接続で外付けディスプレイ兼レコーダーのAtomos「NINJA V」に接続することで、5.9K 29.97p/10bit 4:2:2での動画ファイルの外部記録が可能 です。これによりポストプロダクションにおけるカラーグレーディングなどの作り込みの自由度が高まります。

映画のような表現を動画に取り込んだシネマティック系と呼ばれるクリエイターの多くは撮影後にカラーグレーディングを行い、メッセージやストーリーを伝えたり個性を発揮したりする手段として活用しているため、RAWでの撮影は大いに歓迎されるところです。

映画のような独特アスペクト比やユニークなレンズフレアが出ることから、熱狂的なファンがいるアナモルフィック(アナモフィック)レンズでの撮影に対応。撮影中に縦横比を整えた状態でディスプレイに表示できるほか、レンズ倍率に合わせて適切な手振れ補正設定などが行える

内部収録でも4K 60p/10 bit 4:2:0に対応し、フルHDでは120fpsのスローモーション撮影も可能です。また、上記の4K、フルHDのいずれの撮影でもすべてオートフォーカスは作動します。なお、フルHDで180fps撮影をする場合はマニュアルフォーカスとなります。

強力な手ブレ補正で動きのある撮影に対応

センサーシフト式のボディ内補正とレンズが協調する強力な手ブレ補正に定評のあるLUMIXシリーズの伝統を受け継ぎ、「LUMIX DC-S5」も「Dual I.S.2」 を搭載しています。

ジンバル(電動スタビライザー)だけでは消せない上下の揺れにも対応できるため、移動しながら撮影した映像を早回しにする「ハイパーラプス」と相性がよさそうです。

ボディとレンズの両方に搭載された手振れ防止機構の協調により最大6.5段分の補正が可能

ボディとレンズの両方に搭載された手振れ防止機構の協調により最大6.5段分の補正が可能

静止画撮影機能も順当進化

写真(静止画)の撮影機能ではハイレゾモードによる9600万画素の撮影や、高い諧調表現を持つHLGでの撮影に対応しています。

パナソニック「LUMIX DC-S5」の主なスペック
・本体サイズ:横132.6×縦 97.1×幅81.9mm
・本体重量:公称約714g(バッテリー、記録メディア含む。レンズ別)
・センサーサイズ:35mmフルサイズ
・有効画素数:2420万画素
・画像解像度:5328×4000(4:3)、6000×4000(3:2)、など
・動画解像度:内部記録時最大4K(3840×2160/29.97p)
・メディアスロット:デュアルSD
・対応メディア:SD/SDHC/SDXCメモリーカード
・バッテリー駆動:約440枚撮影可能(ディスプレイ使用時、CIPA規格)

SD カードスロットを2つ備え、リレー、バックアップ、振り分けでの記録に対応

SD カードスロットを2つ備え、リレー、バックアップ、振り分けでの記録に対応

3.5mmのマイクインプット、ヘッドホンアウトプット、microHDMI出力、充電用のUSB-Cポートを搭載

3.5mmのマイクインプット、ヘッドホンアウトプット、microHDMI出力、充電用のUSB-Cポートを搭載

軍艦部でひときわ目を引くのは大きな赤いRECボタン

軍艦部でひときわ目を引くのは大きな赤いRECボタン

動画の撮影中は画面全体に赤枠を表示し明確に録画中でわかる仕様。「録画ボタンを押したつもりで、押せていなかった」といううっかりミスが防げる

動画カメラとしての性能は期待大

「LUMIX DC-S5」は、カジュアルな撮影は内部記録で、カラーグレーディングなどを行いたい場合は外部レコーダーと組み合わせて、と使い分けることで中級〜上級のユーザーのニーズに応えてくれそうなカメラです。

「LUMIX DC-GH5」時代から「LUMIX DC-S1」シリーズまで「イマイチ」と言われることがあったオートフォーカスの大幅改善や、画像処理を受け持つヴィーナスエンジンによる発熱の抑制をうたっている点にも期待が持てます。

動画機能で唯一惜しいのは4K/120fpsでの撮影に対応していない点ですが、このあたりは24万円前後という価格と中級機という立ち位置を考えると仕方ないのかな……と思います。

“5”ナンバーを冠した“S”は動画クリエイターに長く愛されてきた「LUMIX DC-GH5」のようなカメラになれるのか? 「LUMIX DC-S5」の発売が楽しみです。

パナソニック公式キャッシュバックキャンペーンあり

パナソニックは「LUMIX DC-S5」の購入者を対象に公式のキャッシュバックキャンペーンを行うと発表しています。対象の購入期間は2020年9月25日(金)〜12月6日(日)で、応募期限は2020年12月31日(木)の当日消印有効とのことです。詳細は下記のページでご覧ください。

LUMIX S5 キャッシュバックキャンペーン

Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50カ国以上を旅したバックパッカー。週刊アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

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