交換レンズ図鑑

富士フイルム「X-Pro3」×コシナ「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」で上質なMF撮影を楽しむ

「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」は、コシナ初の富士フイルムXマウント用レンズとして2021年9月に発売になった、「フォクトレンダー(Voigtländer)」ブランドのMF単焦点レンズ。電子接点を搭載しており、「Xシリーズ」のミラーレスカメラの中でも、特に「X-Pro3」(の光学ファインダー)にマッチするレンズとして注目を集めている。本記事では、「X-Pro3」ユーザーである筆者が、「X-Pro3」と組み合わせての画質や使い勝手をレビューする。

「X-Pro3」に「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」を装着したイメージ(付属のねじ込みフードを付けた状態)。金属製の鏡筒にフォーカスリングと絞りリングを搭載しており、ルックス的にも「X-Pro3」にマッチするMFレンズだ

「X-Pro3」に「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」を装着したイメージ(付属のねじ込みフードを付けた状態)。金属製の鏡筒にフォーカスリングと絞りリングを搭載しており、ルックス的にも「X-Pro3」にマッチするMFレンズだ

電子接点を搭載し、「X-Pro3」のパララックス補正や「フォーカスチェック」などに対応

「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」の特徴を紹介する前に、「X-Pro3」のファインダー(特に光学ファインダー)について簡単に触れておきたい。

「X-Pro3」は、ファインダーに、光学ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)の両方を組み合わせた富士フイルム独自の「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」を採用している。レバー操作でOVFとEVFを簡単に切り替えられるのがユニークで、非常に趣味性の高いファインダーとなっている。

「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」のOVFは、単なる光学ファインダーというわけではなく、使い勝手を向上する機能がいくつも備わっている。まず、視差(パララックス)によって発生するファインダーの撮影範囲と実際の撮影範囲のズレをリアルタイムで自動補正・表示してくれるのが便利。さらに、OVFの画面右下に、小窓化したEVF(エレクトロニックレンジファインダー:ERF)を同時に表示できるのも大きなポイントだ。ERFはフォーカスエリア位置の拡大表示(2.5倍/6倍)に対応しているので、OVFを覗きながらERFでピントを確認しながら撮ることが可能。フォーカスピーキングやデジタルマイクロプリズムなどを選択できるMFアシスト機能と組み合わせることによって、OVF(+ERF)で、より精度の高いピント合わせが行えるというわけだ。

また、ERFを表示しない場合でも、「フォーカスチェック」機能をオンにしておけば、MFでのフォーカスリング操作時に、OVFから一時的にEVFに切り替わってくれるのも便利である。こうした特徴を踏まえると、「X-Pro3」のOVFは、AFでも便利に使えるが、MFでこそ真価を発揮すると言えるだろう。

「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」を装着した状態での「X-Pro3」のOVFの画面。画面には、撮影範囲を示す白い枠(ブライトフレーム)のほか、各種撮影情報も表示できる。また、画面右下には、拡大表示+フォーカスピーキングの状態にしたERFを表示している

「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」を装着した状態での「X-Pro3」のOVFの画面。画面には、撮影範囲を示す白い枠(ブライトフレーム)のほか、各種撮影情報も表示できる。また、画面右下には、拡大表示+フォーカスピーキングの状態にしたERFを表示している

NOKTON 35mm F1.2 X-mountの主な特徴
・富士フイルムXマウント専用設計のMF単焦点レンズ
・焦点距離35mm(35mm判換算で53mm相当)、開放絞りF1.2(最小絞りF16)
・伝統的なダブルガウス型による6群8枚のレンズ構成
・最短撮影距離(最大撮影倍率 ※35mm判換算):0.3m(1:4.5)
・滑らかな操作感覚のフォーカシング
・メカニカル直結操作の絞りリング(1/3ステップ)
・電子接点を搭載し、Exif情報などボディとの情報通信が可能
・絞り羽根:12枚
・フィルター径:46mm
・サイズ:59.6(最大径)×39.8(全長)mm、重量:196g
・価格.com最安価格:69,120円(2021年12月10日時点)

「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」は、「X-Pro3」のOVFと組み合わせて使ってみたくなる、本格的なMFレンズだ。標準域(35mm判換算で焦点距離53mm相当)の画角、開放絞りF1.2の大口径「NOKTON」、全長39.8mmのコンパクトな鏡筒、フォクトレンダーレンズの上質なフォーカスリング/絞りリング操作。こうした特徴に加えて、カメラボディと通信できる電子接点を搭載しているのが大きい。撮影データにExif情報が付与されるだけでなく、「X-Pro3」のパララックス補正、「フォーカスチェック」、撮影距離連動表示といった機能にも対応しており、純正レンズと同じような使い方でMF撮影ができるのだ。

残念なのは、電気通信に対応するのは、「X-Proシリーズ」では「X-Pro3」のみとなっていること。ちなみに、一眼レフスタイルの「X-Tシリーズ」は「X-T4」「X-T3」「X-T2」が、ミニマルスタイルの「X-Eシリーズ」は「X-E4」が電気通信対応となっている。

※電気通信対応機種はコシナの製品ページをご確認ください。
http://www.cosina.co.jp/seihin/voigtlander/x-mount/x-35mm1_2/index.html

なお、本レンズの使用においては、カメラ側の「シネマレンズ使用時の絞り単位」をT値からF値に変更することで、絞りリングと同じ絞り値が表示されるようになる。また、「被写界深度スケール」の設定を「ピクセル基準」から「フィルム基準」(レンズに刻印されている深度目盛りと同値)に変更することも推奨されている。

全長39.8mmの短くてコンパクトな鏡筒を実現。「X-Pro3」のOVFで使用してもファインダーのケラれが少なく、快適な撮影が可能だ。なお、全群繰り出し方式のため撮影距離が短くなるにつれてレンズは伸びるが、最短撮影距離0.3m時でも繰り出し量は5mmほどに抑えられている

全長39.8mmの短くてコンパクトな鏡筒を実現。「X-Pro3」のOVFで使用してもファインダーのケラれが少なく、快適な撮影が可能だ。なお、全群繰り出し方式のため撮影距離が短くなるにつれてレンズは伸びるが、最短撮影距離0.3m時でも繰り出し量は5mmほどに抑えられている

付属のねじ込みフードは、ファインダーのケラれに配慮してか、短い形状になっている

付属のねじ込みフードは、ファインダーのケラれに配慮してか、短い形状になっている

実写作例&レビュー

※以下に掲載する作例は、「X-Pro3」に「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」を組み合わせて撮影しています。すべてJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)になります。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行っていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F2、1/500秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、10.5MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F2、1/500秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、10.5MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F1.2、1/1600秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、10.4MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F1.2、1/1600秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、10.4MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO250、F1.2、1/60秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、10.1MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO250、F1.2、1/60秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、10.1MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F4.5、1/105秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、11.5MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F4.5、1/105秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、11.5MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F4、1/1700秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、カラークローム ブルー:強、JPEG撮影写真(6240×4160、11.1MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F4、1/1700秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、カラークローム ブルー:強、JPEG
撮影写真(6240×4160、11.1MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F4、1/180秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、13.9MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F4、1/180秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、13.9MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F6.4、1/450秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、12.0MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F6.4、1/450秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、12.0MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F8、1/800秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、10.5MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F8、1/800秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、10.5MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F2.5、1/250秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、カラークローム・エフェクト:強、JPEG撮影写真(6240×4160、10.3MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F2.5、1/250秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、カラークローム・エフェクト:強、JPEG
撮影写真(6240×4160、10.3MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F2.8、1/400秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、9.8MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F2.8、1/400秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、9.8MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F1.4、1/1400秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、10.5MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F1.4、1/1400秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、10.5MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F8、1/340秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、12.2MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F8、1/340秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、12.2MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、IS800、F6.4、1/100秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、カラークローム・エフェクト:強、JPEG撮影写真(6240×4160、14.4MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、IS800、F6.4、1/100秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:PROVIA/スタンダード、ダイナミックレンジ:100%、カラークローム・エフェクト:強、JPEG
撮影写真(6240×4160、14.4MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F4、1/300秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:クラシックネガ、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、10.5MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F4、1/300秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:クラシックネガ、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、10.5MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F4、1/800秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:クラシッククローム、ダイナミックレンジ:100%、JPEG撮影写真(6240×4160、12.0MB)

X-Pro3、NOKTON 35mm F1.2 X-mount、35mm(35mm判換算53mm相当)、ISO160、F4、1/800秒、ホワイトバランス:オート、フィルムシミュレーション:クラシッククローム、ダイナミックレンジ:100%、JPEG
撮影写真(6240×4160、12.0MB)

「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」のレンズ構成はシンプルかつトラディショナルな6群8枚のダブルガウス型。全レンズが球面なのもポイントで、その写りは「現代版のクラシックレンズ」といった印象。絞り開放では球面収差によるにじみをともなうソフトな描写だが、1段程度絞ることで大きく改善し、ピント面はシャープになる(※1/3段絞ってF1.4にするだけでも球面収差はだいぶ抑えられる)。非球面レンズを使用していないこともあって、滑らかなボケ味が得られるのも魅力だ。

使ってみて好印象だったのが、ソフトな描写のレンズとしては、絞り開放から十分なコントラストが得られること。絞っていくことで解像力とあわせてコントラストも向上するのだが、絞り値によって極端な変化をするわけではなく、やわらかい写りのままシャープさが増していく感じがいい。加えて、開放でも周辺部の流れが比較的少なく、画面の均一性をキープしているのも使いやすいと感じた点だ。クラシックレンズの写りが好きな人にとっては「開放ではもっと暴れてほしい」と思うかもしれないが、最新の高画質なミラーレスと組み合わせてもミスマッチな感じがなく、カメラの画質のよさを引き出せる印象。なお、逆光にはそれほど強くなく、太陽など強い光源が少しでも画面に入ると大きなフレアが発生することがある。このあたりの特徴もレンズの味として楽しみたいところだ。

操作性については、フォクトレンダーレンズらしく、フォーカスリングは滑らかな動きで、絞りリングも適度なクリック感があってとても扱いやすい。特にフォーカスリングは絶妙なフィーリングを実現しており、意図を持った微妙なピント調整がやりやすい。上質なMF撮影が楽しめるレンズだ。少し気になったのは、撮影距離にもよるのだが、絞り値が大きくなると(F5.6程度〜)ピントの山がつかみにくくなること。もちろん、被写界深度が深くなるとピントの山がわかりにくくなるのだが、本レンズは、焦点距離35mmのレンズとしては絞った状態でもピントの芯が薄い印象で、特に10m〜30mくらいの距離での厳密なピント合わせがシビアに感じた。

まとめ 「X-Pro3」のOVF撮影の楽しみを広げる、至高の1本

「X-Pro3」は、液晶モニターを裏側に配置した斬新な「Hidden LCD」を採用しており、ファインダーを覗いて撮るスタイルを追求したミラーレスである。「X-Pro3」を購入した(購入を検討している)人の多くはその点に魅力を感じているはずだ。

今回紹介した「NOKTON 35mm F1.2 X-mount」は、「ファインダーでのストイックな撮影に没頭したい」と考える「X-Pro3」ユーザーにとって、まさに待望の1本。電子接点を持つ本格的なMFレンズで、「X-Pro3」にマッチするルックス、カメラと連動した機能性、フォクトレンダーレンズだからこその上質な操作性、「現代版のクラシックレンズ」と評せる描写は、このレンズでしか味わえないものがある。

筆者は本レンズを予約購入して2か月ほど使用しているが、満足度は非常に高く、購入してよかったと感じている。EVFでの撮影も便利だが、本領を発揮するのはやはりOVF。もちろんAFレンズでもOVF+MFで撮影はできるが、フォクトレンダーレンズのフォーカスリングの操作感は格別だ。「X-Pro3」のOVF撮影の楽しみを広げてくれる、至高のMF単焦点レンズと言えよう。「X-Pro3」ユーザーなら(購入を検討しているなら)、押さえておいて損のない1本である。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

フリーランスから価格.comマガジン編集部に舞い戻った、カメラが大好物のライター/編集者。夜、眠りに落ちる瞬間までカメラやレンズのことを考えながら生きています。

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