交換レンズ図鑑

重量約2.4kgの“ハチロクサン”が出た! ニコンの超望遠レンズ「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」レビュー

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

実写作例&レビュー

以下に掲載する作例は、「Z 9」に「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」を組み合わせてJPEG形式で撮影したもの(JPEG撮って出し)になる。すべての作例で、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する、回折補正:する、高感度ノイズ低減:標準、の設定にしている。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行っていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/4000秒、ISO800、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG撮影写真(8256×5504、12.2MB)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/4000秒、ISO800、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(8256×5504、12.2MB)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/4000秒、ISO800、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG撮影写真(8256×5504、13.5MB)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/4000秒、ISO800、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(8256×5504、13.5MB)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/3200秒、ISO1000、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG撮影写真(8256×5504、12.9MB)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/3200秒、ISO1000、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(8256×5504、12.9MB)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/4000秒、ISO1000、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG撮影写真(8256×5504、12.1MB)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/4000秒、ISO1000、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(8256×5504、12.1MB)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/500秒、ISO500、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:標準、JPEG撮影写真(8256×5504、16.6MB)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/500秒、ISO500、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:標準、JPEG
撮影写真(8256×5504、16.6MB)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/500秒、ISO400、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG撮影写真(8256×5504、17.8MB)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/500秒、ISO400、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(8256×5504、17.8MB)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/250秒、ISO64、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG撮影写真(8256×5504、16.6MB)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F6.3、1/250秒、ISO64、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(8256×5504、16.6MB)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F8、1/1600秒、ISO500、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:オート、JPEG撮影写真(8256×5504、19.2MB)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F8、1/1600秒、ISO500、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:オート、JPEG
撮影写真(8256×5504、19.2MB)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F8、1/2000秒、ISO500、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:オート、JPEG撮影写真(8256×5504、17.7MB)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S、F8、1/2000秒、ISO500、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:オート、JPEG
撮影写真(8256×5504、17.7MB)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

MTF曲線を見てもわかるように、「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」は、非常に高い光学性能を持つ超望遠レンズだ。そのため試用前から高画質に撮れることは予想できていたが、実際に使ってみて、その予想を上回る解像力の高さに驚かされた。

今回は、本レンズの解像力の高さをお伝えしたく、各作例の等倍切り出し画像を掲載している。それらを見ると、絞り開放から解像力は圧倒的で、画面全域で非常にシャープなことがわかるはずだ。状況によっては、絞り開放だと周辺光量落ちがわずかに気になる場合があったものの、画質面でそれ以外に気になる点は見当たらなかった。画面全体での均一性が高く、すぐれた光学性能に裏付けられた、驚きの高画質を実現している。

さらに、テレコンバーターを装着した状態で高解像に撮れるのも本レンズの魅力。以下に、2倍のテレコンバーター「Z TELECONVERTER TC-2.0x」と組み合わせて撮影した作例をいくつか掲載しよう。さすがにレンズ単体と比べるとシャープさは落ちるものの、これまでの常識からしたらテレコンバーターを使ったとは思えないほどの高いコントラストと解像感が得られている。焦点距離1600mmでもここまで高画質に撮れるのは、野鳥や動物の撮影をする人にとって魅力を感じるはずだ。

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S+TC-2.0x、1600mm、F13、1/800秒、ISO900、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG撮影写真(8256×5504、23.5MB)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S+TC-2.0x、1600mm、F13、1/800秒、ISO900、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(8256×5504、23.5MB)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S+TC-2.0x、1600mm、F13、1/500秒、ISO900、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG撮影写真(8256×5504、18.9B)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S+TC-2.0x、1600mm、F13、1/500秒、ISO900、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(8256×5504、18.9B)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S+TC-2.0x、1600mm、F13、1/800秒、ISO1000、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG撮影写真(8256×5504、24.9B)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S+TC-2.0x、1600mm、F13、1/800秒、ISO1000、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(8256×5504、24.9B)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S+TC-2.0x、1600mm、F13、1/400秒、ISO400、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG撮影写真(5504×8256、21.3B)

Z 7 II、NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S+TC-2.0x、1600mm、F13、1/400秒、ISO400、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(5504×8256、21.3B)

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

上に掲載した作例の等倍切り出し画像

「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」は、焦点距離800mmの超望遠レンズとしては全長が短く(約385mm)、かつ軽量(約2385g)な鏡筒に仕上がっている。鏡筒の大きさは一眼レフ用の「AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR」に近いが、比べると約705gも軽い。この軽さに加えて鏡筒の重量バランスにすぐれるがポイントで、レンズの重心がカメラボディ側に近いため、フロントヘビーになる感じがなく、ビデオ雲台を使うにしろ、手持ちで撮るにしろハンドリングがしやすい。カメラを振りながらの撮影もスムーズに行うことができた。

AFについては、駆動モーターがSTM(ステッピングモーター)なのを気にする人もいるかもしれないが、レスポンスは決して悪くない。「Z 9」との組み合わせでは、フォーカス動作が静かなうえ、十分なAF速度・精度、追従性を実現していることを確認できた。ピントが背景に抜けたり、被写体検出で迷いが出ることはあるものの、動体撮影でも、大きなストレスを感じることなく使えるはずだ。

最後に、PFフレアについても報告しておこう。今回、日中屋外で野鳥や飛行機を撮影した限りでは気になることはなく、一眼レフ用の「AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR」などと比べるとフレアは発生しにくくなっているように感じた。ただ、さすがに、夜間の飛行機の着陸灯など強い点光源だとフレアが出る。この点については、ほかのPFレンズ採用モデルと同様、割り切って使用したいところだ。以下に、飛行機の着陸灯で発生したPFフレアを、「NX Studio」の「PFフレアコントロール」機能で軽減した例を掲載しておこう。

左が「NX Studio」の「PFフレアコントロール」を使ってPFフレアを軽減した画像で、右が撮影時の画像。「PFフレアコントロール」で処理することで、光源の周りに発生したリング状のフレアを軽減することができる

左が「NX Studio」の「PFフレアコントロール」を使ってPFフレアを軽減した画像で、右が撮影時の画像。「PFフレアコントロール」で処理することで、光源の周りに発生したリング状のフレアを軽減することができる

まとめ 本格的な超望遠レンズの常識を変える携帯性。コストパフォーマンスの高さも魅力

「NIKKOR Zレンズ」の中で最も焦点距離の長いレンズとして登場した「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」は、Zシリーズユーザーからの期待値の高いレンズだ。今回試用してみて、光学性能、携帯性、操作性のすべてがハイレベルで、期待に応える高性能を実現していると感じた。

なかでも特に伝えておきたいのが携帯性だ。これまでの感覚からすると焦点距離400〜500mmくらいの超望遠レンズのサイズ感で、より軽量な鏡筒に仕上がっており、従来以上に快適な超望遠撮影が可能。これまでの超望遠レンズの常識を変える携帯性と言っても決して言いすぎではなく、特に、一眼レフ用の超望遠レンズを使用している人なら、このレンズのコンパクトさに魅力を感じるはずだ。

焦点距離が400mmを超える本格的な超望遠レンズは、特に野鳥や動物を撮影している人にとって「いつかは手に入れたい」と思う憧れの1本である。「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」もそうした憧れのレンズではあるが、価格は、価格.com最安価格(2022年4月26日時点)で788,040円と、実売100万円オーバーの製品が多い中では比較的安い。高額製品ではあるが、本格的な超望遠レンズとしてのコストパフォーマンスはとても高い。

「NIKKOR Zレンズ」が登場して4年近くになるが、その間に、すばらしいレンズがいくつも登場している。本レンズも、それらの銘レンズと並んで、「NIKKOR Zレンズ」を代表する1本として人気を集めることだろう。

真柄利行(編集部)
Writer
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
記事一覧へ
遠山俊介(編集部)
Editor
遠山俊介(編集部)
2008年カカクコムに入社、AV家電とガジェット系の記事を主に担当。ポータブルオーディオ沼にはまり、家にあるイヤホン・ヘッドホンコレクションは100オーバーに。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットにも手を出している。家電製品総合アドバイザー資格所有。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
本ページはAmazonアソシエイトプログラムによる収益を得ています
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×